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グラスゴー蒸留所

スコットランドの都市、グラスゴーに登場したクラフト蒸留所。
市内の様子(Expedia image)
創業メンバーの。一番左がLiam Hughes氏。

2012年にGlasgow Distillery社設立。創業者はLiam Hughes氏ら3名。グラスゴー市内にモルト蒸留所ができるのは約100年ぶりのこと。Liam Hughes氏は酒類業界で元々勤務。アメリカでのクラフト蒸留所の目覚ましい発展や、イギリス国内での同様の関心の高まりに刺激を受け、2012年から仲間と共に蒸留所立ち上げに向けたリサーチを開始。スコッチウイスキーの歴史に詳しいグラスゴー大のマイケル・モス教授らの助言も受けながら、同年末に会社を立ち上げへ。2014年にまずはジン(Makar Gin)の生産を始め、翌2015年3月からはウイスキーの蒸留も開始。3年を経た2018年からシングルモルトシリーズのリリースを始める。

2020年SWA(ScottishWhiskyAward)の蒸留所部門で他のライバルを抑えて優勝

現在の主力ラインアップは「GLASGOW 1770」シリーズ。1770というのは、過去にグラスゴーに存在した同名の蒸留所の創業年に由来。真ん中のボトルが「オリジナル」でノンピート。ファーストフィルのバーボン樽で熟成後、バージンオークで仕上げ。左側の緑のラベルは「ピート」。ハイランド産のヒースの香りが豊かなピートを使用し、熟成はバージンオークで最後にPXシェリー。右の「3回蒸留」は一番最近のリリースで、ローランドの特徴である三回蒸留モノ。熟成はバージンオーク。このシリーズは既にスコッチウイスキー界の国際的な賞も受賞しており、更に認知度も上がっていくものと思われる。

とても滑らかな味わい。パッケージやラベルなどのデザインも洒落た都会風。

Glasgow1770シリーズの背景として、以前(18世紀頃)のウイスキー業界では様々なヴァリエーションのシングルモルトが作られていたことに着目。ノンピート、ピート、3回蒸留という3つの違った個性の商品を用意したのだという。他に「Malt Riot」という同シリーズと他のスコッチモルトのブレンド品も。(因みにMalt Riotの名は、1725年にモルトへの重税に反発したグラスゴーでの暴動を指すのだとか)その名前と関係があるかは分からないが、グラスゴー蒸留所が目指すものは、大規模な蒸留所が大量生産する流れに「変革」を起こしたいという意味では共通するかもしれない。最近の食品業界などの流れにもあるように、グローバルだけを追い求める姿勢に人々は飽きを感じており、もっと地域に根差した、作り手の顔が見える商品を欲しているはずだとの思いがある。現に、例えばアメリカにおけるクラフト蒸留所(ウイスキー以外も含む)は2010年頃には60か所に過ぎなかったのが、今では600か所と約10倍にも上っている。こうした動きはオーストラリアなどにも見られる。こうした動きを受けて、特に若い世代、そして都会人向けの、オシャレなブランド品として、そしてかつてグラスゴーという都市の中にも存在した蒸留文化をもう一度取り戻そうという使命のもとに今後も新たな展開が大いに期待される。