Day: 08/28/2022

【愛知】HOCKER ホッカー(蒲郡)

今回は愛知県三河地方の蒲郡に立ち寄りました。名古屋からはかなり南に下ります。豊橋からは新快速で一駅です。青春切符などで東海道を旅行していると、必ず通る駅ではあるのですが、降りたことは一度もありませんでした。地元の方に伺うと、「ラグーナテンボス」というリゾート施設や文豪に愛された温泉などがあり、東海の「熱海」ともいわれる行楽地のようです。豊橋の勢川でうどんを食べた後だったので夜も更けてしまい、着いた時には周辺の様子はよくわかりませんでしたが、地図で見ると駅から歩いて数分くらいで海に行けるようでした。繁華街は海側とは逆方向にあります。のちに聞いた話では昔はかなり賑わいがあったようですが、今では灯りがポツン、ポツンという感じです。フィリピンバーらしきピンクの看板が煌々と燃える店のすぐ近くに今回のバー、ホッカーさんを見つけました。歩いて本当に数分でした。ロータリーを挟んでほぼ駅前のような感じです。ただ、あたりに歩いている店はほとんどなく寂しい雰囲気。降り立ってすぐたったので、とりあえず表通りを1周してみましたが、バーらしきものはここともう1軒くらいなようでした。かなり閑散としています。駅前の地下にある小さな呑み屋街も通ってみました。お店は開いていましたが、静かな感じでした。地元の方が飲むにしても、名古屋や豊橋の街中で飲んでから、最後に帰宅前に寄るような感じなのでしょうか。そうすると、もっと深夜帯の方が賑わいがあるのか。とりあえずグルグルしてみましたが、埒が明かないのでお店の方にまた戻ってきて扉を開けました。 最初の一杯はC.C.ハイボールから 店内はシックな感じです。オーセンティック系のバーという雰囲気。ゆとりのある席の配置。広々としたカウンター席と、その後ろにゆったりと座れるテーブル席が二つくらいありました。レコードなんかも飾ってあって店に流れる曲調も心地が良いです。入ったときはマスターが一人でカウンターに立たれていました。まずはカナディアンクラブをハイボールで。「カナディアンクラブがお好きなのですか?」と開口一番に聞かれたのですが、とりあえず一杯目はバーボン的なハイボールを飲むのがルーティンなだけでございます。カナディアンクラブは正確にはバーボンではありませんが、成り立ちを遡ればバーボン志向は明白です。アメリカの禁酒運動で仕方なくカナダ側に蒸留所を作らざるを得ず、その後はこれまたアメリカ側の事情で「バーボン」を名乗ることができなかったために「カナディアン・ウイスキー」という別枠を設けられ、そしてアメリカで禁酒法が施行されてからその品質の高さが広く認められ「カナディアン・クラブ」(C.C.)としてのブランドが定着することになります。(https://www.suntory.co.jp/whisky/canadianclub/history/)カナディアン・ウイスキーはバーボンと似ている部分もあります。モルトも多少は使うこともありますが、主に穀物(特にライ麦)由来の材料を使用します。蒸留も連続式です。ただし、バーボンと違い樽は再生樽も使います。また独自の特徴としてコーン由来のベースウイスキーと、その他穀物のフレーバリングウイスキーを作り、それをブレンドしてカナディアンらしい爽快感あるスパイシーさを持たせています。なので定番ブランド品はストレートで飲むよりは、ロックやハイボールなど割って飲んだりする方が美味しく楽しめるかと思います。 ブラントン・シングルバレルのストレートを 続けてブラントン(Blanton’s)を。ブラントンはバッファローズ・トレース蒸留所のプレミアムウイスキーのブランドです。1980年代に登場した比較的若いブランドで、これは銘柄の名前にあるアルバート・ブラントン大佐に由来します。特徴はマスターディスティラーによって認められた良質の樽から一つ一つボトリングされていること。これは、ブラントン大佐が大切な客人をもてなすときに、倉庫から樽を一つ開けてボトリングしたものを用意していたことに着想を得たようです。こうした経緯を知れば、これは割らずにストレートで飲むしか選択肢はありませんよね。ラベリングや馬のキャップなどまですべてがハンドメイドなクラフトバーボンの味を堪能します。バーボンとしては、かなり辛口な感じです。プレミアムだけあって、熟成もバーボンとしては長期間行っているようで、加えてバファローズ・トレースの倉庫は冬場にスチームを炊いて温度を保ったりなど早熟の仕掛けもあり樽感がしっかり出るイメージ。バーボンはオークの中を焦がした新樽のみを使用するので、これがバーボン樽の深みというやつなのでしょうか、クセになりそうです。 キルホーマンのリキュール。スモークな香りが! 最後に頂いたのはスコッチ・キルホーマン。ただし、ウイスキーではなく、リキュールです。ベースにキルホーマンのニュースピリッツを使用して、フレーバリングにブラックベリーを浸漬したようですが、ノージングをしてみるとベリーワインのような液体からスモークが立ってきます。どんな味だろうと思ってテイスティング。ただ、味わいまではさすがにスモークさはあまり感じられず、ベリー感が口に広がります。キルホーマンをベリージュースで割ったような感じとでもいいましょうか。元々はキルホーマン蒸留所が立ち上がった時の最初の数年間、原酒が熟成してモルトウイスキーとしての完成品ができるまでの間、何か販売できるものがないかということで商品化されたようです。普段あまりリキュール類は飲まないのですが、甘すぎることもなく面白い味わいだと思いました。さて、カナディアンに始まり、バーボン、スコッチのリキュールを楽しんでお店を後にしました。マスターは気さくでフレンドリーな方で、地元も蒲郡とのこと。繁華街の賑わいが無くなってしまったのは残念ですが、どこの地もこうしたオーセンティック系のバーは息づくものなのかと思いました。今度は近隣の温泉街など含めてもう少し深く探検をしてみたいですね。ではでは。 BACK TO HOME (スコッチウイスキーの楽しみ方)>>

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