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国際空港の免税店でスコッチウイスキーの値段を観察する。
今回はマニアチックなネタとなり申し訳ありません。今回ヨーロッパを少し回ってきたなかで、実は一度もスコッチバーに入る機会がありませんでした。このため、スコッチウイスキーをじっくり観察したのは空港の免税店のみとなってしまったのです。これがどうしたことかというと、特段に街中のバーでどこが良いとか調べていかなかったというのもあるのですが、雰囲気の良さげなバーカウンターのある場所であっても、お客さんは基本的には(夜でも)外のテラス席で楽しくくつろいでいることが多く、日本のようにバーカウンターの暗がりでボトルを眺めながら必死にウイスキーの味を探るように飲んでいる輩は一人としておりませんでした。ヨーロッパの街の旧市街はまるで歴史の教科書をめくるかのようで、日本のように街中の雑踏をシャットアウトする必要性が微塵もないからかもしれません。そんなわけでウイスキーのボトルはついぞ一つもみないまま旅の終わりを迎えようとしていたのです。 しかし、最後に訪れた空港の免税店でスコッチウイスキーが結構置かれてあったので、どのような銘柄が置かれているのかざっと眺めてみました。品揃え的にはウイスキーに限って言うと結構なラインアップでした。オフィシャルがメインでしたが、かなり充実していると思います。ただ、パッと見てきになったのは「値段」です。為替の影響もあるのですが、それを差し引いてもやや高めな印象。ユーロ円で100円くらいだとして相応かなというくらい。近所のスーパーで比較可能なものを下の表にちょとまとめてみました。国内スーパーの価格は税込み価格です。 過去を遡れば2012年くらいは1ユーロが100円を切るような超円高の時代もありましたが、今からではとても思い返すことすら難しいです。しかし不思議なのは、これだけ為替が円安に振れているにも関わらず、日本の流通価格はまるで円高にあるようなふるまいをしていること。これはいったいどういうことでしょうか?変な話、日本で購入してヨーロッパに持ち帰った方がお買い得ということ?でも日本で流通しているウイスキーははるばるヨーロッパから輸入されてきているにもかかわらず!なのです。ちょっと私には意味が分かりません。(汗)海外で現地の酒税が日本より高かったりして、比較的安い日本にはるばるとウイスキーを飲みに来るような外国人の環境客がいるなどの話を聞いたことがありますが、日本はスコッチ好きにはかなりお買い得な国になっているのでないでしょうか。 こちらの棚には地元の蒸留所のお酒が陳列されていました。「ライゼットバウアー」と読むのでしょうか。シングルモルトウイスキーもありましたが、他にも色々とリカーやワインを作っているオーストリアのリンツ郊外にあるクラフトメーカーのようで、箱の写真にある通り親子(父とその息子)で運営しているようです。棚の上段にはるのは果実酒でしょうか。ヨーロッパの特色として、まずはじめにフィールドあってのお酒造りなのかと感じます。大規模に大量生産する大手企業ももちろんあるのですが、基本的にどこの都市もちょっと郊外に出れば森か畑。自然に囲まれています。そんなわけで庭の軒先にリンゴの木だったりとか普通にあって、放ったらかしにして腐敗したものの中には勝手に発酵しはじめたかのような香りが風にのって漂ってきたり。そんな風土なのでどこでも自然の力に任せたお酒造りが容易にできてしまうのかなと。日本の酒造りというと造りての職人芸とか、長年の秘伝の技とか、そうした芸が注目されるところがありますけど、お酒って「努力」しなくても一応は出来てしまうんだなということをこちらに来て感じました。こうした「ゆるい」感覚は結構どこにでもあって、日本での生活、特にそれが都会の中でとなると、いつも何かに束縛されたかのようなピリピリした緊張感に溢れているわけですが、そんなに肩肘張らなくても良いんだよ!ということを教えてくれたようなそんな旅路でした。