Day: 07/02/2020

【群馬】ショットバーキャップ(太田)

群馬県の太田を仕事の関係で訪問した。 太田といえば、自動車メーカSUBARUのお膝元。 静岡の浜松とかと同様に、日系のブラジル人が多く住むことでも知られる町です。 仕事の用事が終わって車を太田駅に返却したところで夕方の5時くらい。 さすがにバーが開店するにはちょっと早い時間帯。 しかし、ここまで来るのは滅多に無い。特急電車の待ち時間もある。 色々と言い訳を自分なりに作って駅前をフラフラしていると、駅近くの雑居ビル2階に見つけました。お目当てのウイスキー・バー。 扉の近くに行くと、マスターがバタバタと店を開ける準備をしていたところでした。 店内にもまだ日が差し込む夕暮れ時にカウンターに着席。さて、このお店ですが、 入店した瞬間からちょっとただならぬモノを感じていました。 なんというか直感です。やはりスゴイものって、理屈無しで伝わるものあります。 カウンターに座ってちょっとビックリ。薄暗くて良く見えませんでしたが、ボトルを逆さに宙吊りした状態で、ウイスキーの銘柄がずらりとカウンターの上と後ろに並んでいます。 ボトルを逆さにしているのには仕掛けがあります。 通常は、ボトルを毎回開けて、ワンショットをマスターが計量して、ウイスキー用のチューリップ型のグラスにつぎ込ます。 このボトル逆さタイプ(「ワンショットメジャー」とか言うようです)は、キャップの所にバルブが付けられていて、バルブをひねると、その下の計量カップにワンショット分が自動的につぎ込まれます。 要するに手間がかからないという訳。中にはボトルを逆さに吊るすように、ラベルも逆さに貼ったボトルまであるそうです。 海外では多いと聞きますが、個人的にはあまり国内で見かけたことは無いです。 さて、ズラリと並んだボトル。棚の奥はオフィシャルのスコッチ、カウンターの上に吊り下げられているのはバーボンと、きれいに並べ分けられています。 そして、カウンターの背面の壁には、いわゆるボトラーズのボトルがズラリ。 ちょっと興奮を抑えながら、とりあえずバーボンをロックで。 「バーボンがお好きなのですか?」と聞かれたのですが、これはあくまで準備運動。 本命(スコッチ・ストレート)の前に、最初に少し違う系統のお酒を敢えて頼むのが自分流。 生ビールやスコッチのソーダ割りを頼むことが多いのですが、今日は頭の上にズラッと並んでいるバーボンを選んでみました。 さて、何から頼もうかと頭の中で思案しつつ、マスターにお話しを伺いました。 なんでも、御年80歳で現役。30年以上もお店を続けられているとのこと。 サラリーマン時代にいつかは脱サラすると決めて、40代で少しずつウイスキーのことを勉強し始め、50代で独立されたとのこと。 近くには繁盛している時で、30軒以上も同じようなウイスキー・バーがあったそうですが、現時点で残っているのはココぐらいだとか。 周辺の前橋とか、足利とかからもお客さんが来るそうです。 店のスタイルはいたってシンプル。ウイスキーのみの提供。食べ物は一切無し。 そういえば、ナッツ系のお通しすらも無かったです。 長く続ける秘訣は何でしょうか?との問いかけに、 「軸をブレないこと」との答え。 そういえば、以前に横須賀のスナックで飲んでいた時に、隣のおじさんから同じようなことを言われたことがあります。 「飲んでも軸はブレんな!」、と。 他の廃業されたバーはお客さんからのリクエストで、食べ物とか色々と工夫をされたところもあったようです。 しかし、結局はお店の特徴があやふやになり、どこも上手くいかなかったとの話。 そんな話を伺いながら、何を頼むかを決めました。 ズバリ、「マスターのおすすめ」。 人任せに頼むのは久しぶりですが、ここまでの話の流れで、マスターの飲まれる銘柄が気になってしまいました。 そこで出てきたのが、「グレンドロナック」。 マスターはシェリー樽熟成が好みなようで、同じくシェリー樽熟成で有名なウイスキーのロールスロイスと呼ばれる「マッカラン」と似たような系統。 実は、この間ちょっと寄ったバーで「マッカラン12年」を飲んだばかりだったので、予習はバッチリでした。 香りは確かに、マッカランと同じ様な感じですが、味はかなり引き締まった感じ。 ネットのレビューを見るとフルーティで甘いとかありましたが、個人的にはテイスティングはナッティーでドライな感じがしました。 「どうですか?」とマスターに聞かれたのですが、うまく答えられませんでした。 自分はまだノージングやテイスティングの感覚には自信が無くて、30年以上もベテランのマスターに感想を述べるのは緊張しかありませんでした。 しどろもどろしている自分に、 「これと比べるともっと面白いですよ」 と、出てきたのが同じくグレンドロナックの18年。 熟成年数が長いだけでなく、熟成樽も違います。 12年モノはオロロソ・シェリーとペドロヒメネスのバッティングですが、18年はオロロソのみ。 オロロソとか、ペドロヒメネスというのはシェリー(酒精強化ワイン)の種類です。 産地はスペイン。簡単には、オロロソは辛口で、ペドロヒメネス(PXとも)は甘口。 18年は単一の樽熟成なので、シンプルかと思いきや、やはり熟成年数が高いので深みのある香りと味わい。色もかなり深いルビー色です。 こちらもやっぱり一味飲んだ後に、「どうですか?」と質問が。 […]

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