Day: 07/31/2021

【岡山】Malt Bar Nishimoto(岡山)

スコッチウイスキー好きの皆様には朗報です。岡山にお越しの際は、先ずはこちらのお店Malt Bar NIshimoto(モルトバー・ニシモト)さんにお越しください。ど真ん中ストライクのお店となります。 今回訪問したのは岡山駅の繁華街の少し閑静な所にあるMalt Bar Nishimotoさん。訪問する前にはいつものようにgoogle mapで下調べをしてみたのですが、岡山ということは意外にも(といっては失礼なのですが!)たくさんのウイスキーバーがあるようで、正直かなり迷いました。久々の出張で夜も遅くにつく為落ち着いたところでゆっくり楽しめればという風に思っていたので、写真などのレビューを見ながらオーセンチックでクラシカルな雰囲気のこちらのお店に決めました。ビルの4階で、着いたのは夜も10時くらいだったかと思います。同じ階の並びとかにもバーとか入店されているようでしたが、時節柄か月曜日だったからか、想像したより静かな感じでした。 毎度同じことを語っているのですが、地方にくるとウイスキーがより楽しめます。やはり気持ちに余裕が持てるからだと思います。普段の色々な世話事などから解放されて、何と申しましょうか、宙ぶらりんになった感覚になれるので、コーヒー一杯飲むにもいつもより美味しく感じたりとか。些細な事柄ですが、どれだけ良くできたウイスキーでも、その味わいを感じるのはヒトなわけですから、これはピッチャーとキャッチャーと言いますか、投げ手がいくら良い球を投げても受け手がソワソワしてしっかりと捕球できなければ意味が無いわけで、気持ちの有り様というのはとても大切だと思っています。 とりあえずソーダ割から。お通しの器とか含めてオシャレな感じがステキです。 さて、早々に長々と脱線しましたが、モルトバー・ニシモトさんに戻ります。店は入ってカウンター席が逆L字にあり、恐らく2組か3組入ればかなり一杯かなという感じのコンパクトな店内。カテゴリー的にはシガーも置いてあってオーセンチックバーになるのかと思いますが、マスターの気さくな人柄からかそこまで肩ひじ張らないゆったりとした雰囲気。自分が訪問したときは丁度先客の方が出て行かれた後だったようで、ほぼ貸し切りのような感じでゆっくりと寛ぐことができました。棚を見て驚いたのですが、ボトラーズがズラリ。地方のバーだとやはりウイスキー好きだけに的を絞ると一般の方が楽しめないということで、他のリキュールやウイスキーでもオフィシャルモノを中心に並べるところが多いのかとは思います。(好きな方が来店されれば、それに応じて棚の済とか奥の方から引っ張ってくる感じ)ところが、ニシモトさんの場合は、完全に直球ど真ん中ということで、こういった演出をするお店は久々です。マスターから一杯目を聞かれたときも、正直唖然として声が出ず、とりあえず「ソーダ割りをお願いします。」としか反応できませんでした。準備されている間に、棚をよくよく観察。特にカウンターの真ん中に置かれているボトルが気になりました。 “The Blue Sky Label” by ウイスキー・ラバーズさん 「The Blue Sky Label」という風に書かれているのですが、全く聞いたことがありません。それが5本も並んでいるので、これは何だろうという事でお伺いすると、地元のウイスキー専門酒屋さんである「ウイスキー・ラバーズ」さんがプロデュースしたボトラーズ・ブランドのようです。モットーは「晴れの国、岡山からウイスキーを発信」。中身はそれぞれ違っていて、記憶の限りですが右からエルギン、マノックモア、ダルモア、右の二つは何だったか。よく見ると左から二つ目のボトルには瀬戸大橋が写っています。この中でマノックモアを頂いたのですが、最高でした。マノックモアというのは恐らくあまりオフィシャルでのリリースは少ないかと思うので、自分も特にこれといった印象が無かったのですが、洋ナシ感のようなフルーティさに溢れる味わいで、20年以上の超熟品ではあったのですが全く癖のない滑らかな味わいでした。酒屋さんやモルトバーのプライベートカスクとかは時々聞きますが、オリジナルのブランドを作って「地域おこし」に貢献するというのは粋な企画だと思いました。丁度タイミングが悪くお休みと重なってしまったためウイスキー・ラバーズさんには訪問はできませんでしたが、次回のお楽しみにしておこうと思います。ところで、少し話はそれますが、岡山のウイスキーのご当地ブランドといえば、何と言っても宮下酒造さんが作られているシングルモルト「岡山」が有名かと思います。クラフトビールの「独歩」やジンの生産でも知られており、市内近郊に蒸留所があります。市販されていないシェリー感満載の貴重なボトルがありまして、こちらも少し味見をさせて頂きました。 キルホーマン、マキヤベイとクリスマス限定品のカスクストレングス さて、中四国方面に来ると自分は必ずコレを飲みたくなります。キルホーマンです。自分は仕事の縁もあってこの地域にたびたび来るのですが、ホントに凄いバーがいくつかあります。こちらのブログでも記事を書いたのですが、以前高松のバーを訪問した時にキルホーマンのボトルがずらりと並べてあって、飲んだおいしさが忘れられず、なぜかこちらに来ると無性に飲みたくなってしまいます。(こちら方面にキルホーマンの貴重なボトルが置いてあるのは高松にあるシャムロックさんの影響が大きいのかなと。こうした地方の独自色というのも面白いです。残念ながらシャムロックさんにはまだ訪問できていなのですが。。)キルホーマンが位置するのはスコッチの聖地アイラ島。創業は2005年で、同島では124年ぶりにできた新しい蒸留所です。特徴的なピートの香りでファンも多いアイラ・ウイスキーですが、ビジネス的な観点からみるとほとんどの蒸留所は巨大資本の傘下で運営されているのが実態。その中でキルホーマンは独立資本による経営をしている真の地元企業になります。またピートや磯の香りがフォーカスされるアイラ島にありながら、キルホーマンは大麦の自家栽培にこだわるなど別な角度からアイラのテロワールを表現しようとしています。ピート系のウイスキーではあるのですが、バーボン熟成のインパクトが大きいのか、そこまでアイラ・ピートは感じません。どちらかというと原酒のモルト感のようなものを強く感じてしまいます。カスクストレングスの方は60度くらいの度数がありましたが、味の系統はピッタリくる感じで、より濃厚なマキヤベイといったところ。(そのままですみません汗) アードナムルッカンのシングルモルト 更なる発見はこのホームページでも記事を書いたアードナムルッカンのシングルモルト。自分は宅飲みとかボトル集めとかはせずに、(そんなお金も置き場or隠し場所もないですし)、もっぱらこうしたバーでしか飲まないのですが、そうするとなかなかこうした貴重なボトルに出会える機会は少ないのが実態。書いては見たけど、飲んだことはありません、というのがほとんどだったりします。訪問したバーのマスターのご興味や偶然、タイミングなどが重なって自分が飲みたかったボトルに出会えると言うのは非常にありがたく、嬉しいものです。アードナムルッカンの母体であるアデルフィ社はボトラーズが発祥で、クオリティ重視な印象。一番左が2020年9月リリースで、真ん中が2021年1月、一番右が最新のものらしくどっぷりシェリー熟成のものということです。今回は真ん中のシングルモルトを頂きました。思ったよりあっさりしているというか、もう少しパンチのある味を想像していたのですが、ボディも軽くて滑らか、飲みやすいです。ピートとノンピートのウイスキーをヴァッティングしているようですが、ピート感はほとんど感じませんでした。ハイランド系のピートなんでしょうか。余談ですが、アドナムルッカン蒸留所の設立に当たっては、「先輩」に当たるキルホーマン蒸留所のアンソニー・ウィルス氏らからもアドバイスを受けたそうで、コラボ商品の開発などで協力関係にあるそうです。(ウイスキーマガジン記事より)こうした助け合いの精神というのは、スコッチ業界の良き習慣かなと思います。こちらのバーでも、ウイスキーラバーズさんのような酒販業者や近隣地域のバーのマスターさんらとのお付き合いもあるようで、地域興しやスコッチウイスキーのプロモーションなどをお互いに支えないながら商売をされている姿がとても新鮮に映りました。本場のスコットランドでもウイスキー造りは過疎化の進む辺境の地の地域興しの側面があり、雇用機会を創出して若者の流出を止めたり、ツーリズム(観光業)を盛り上げたり、全体として地域の魅力を高めていこうという機運があるように思えます。中四国で言えば、松井酒造さんの倉吉だとか、桜尾さんの戸河内ウイスキーなどが広く知られていますが、海もあり山もある自然豊かなこの地域で更に独自のウイスキー文化のようなものが醸成されていけば面白いなと思いました。今度また来るのはいつになるか分かりませんが、次回はもう少し余裕をもって来たいですね。ウイスキー・ラバーズさんにもぜひ立ち寄ってみたいと思いました。 岡山駅から歩いて10分から15分くらいと言うとこでしょうか。土地感が無いと少し分かりづらいですが、西川緑道を頼りに歩くと見つけやすいと思いました。 宮下酒造さんのご当地のシングルモルトウイスキー「岡山」 ウイスキー専門販売店のウイスキー・ラバーズさん(訪問はかなわず)

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