BAR B.Fleet

BAR B.Fleet
【千葉】BAR B.Fleet(千葉・富士見町)

東京にいながらあまり訪れる機会の無い謎の街(すみません!)、千葉。今回はその千葉を探ってみようという誓いを立てて、千葉駅からモノレールに乗って天空の旅に出ました。降りたのは二駅先の「葭川公園」。よしかわ、と呼びます。読めませんでしたm(__)m。ちなみに、千葉で一つ凄いのは「そごう」がまだ残っているということです。(スミマセン!)自分の生まれ育った町にも繁華街の一角にそごうがあったのですが、何年か前に無くなりました。理由は良く分かりません。たぶん売れ行きが良くなかったのだとは思うんですが、中心駅のド真ん前に一応あったので不思議でした。他のデパートと違って「そごう」は何か特別な印象がありました。なんでですかね。あの砂時計のようなブランドマークが妙に頭に残っていて、子供の時に強く残っている残像というのは大人になっても変わらないものだとつくづく思います。名門。(そう、この言葉がなんとなくピッタリきます。老舗とか、と少し違うんですよね~)と言われた(かどうかも分かりませんが)そごうが今も活躍しているのは関東3県の三大都市、すなわち横浜、大宮、千葉、というワケです。どこも駅前にドンとした店構え。千葉は、他にもデパートがあったようですが、「そごう」が勝ち組として生き残ったとのこと。さて、閑話休題。本題に入ります。今回は千葉の繁華街である富士見町を歩いて、モルトバーを訪ねてみたいと思います。そして、見つけたのはこちら「Bar B.Fleet」(ビー・フリート)さん。この他にもいくつか路面店のお店を通り過ぎたのですが、パッと見て良さげな感じの看板だなと思い階段を上りました。お店はビルの二階にありました。

ジェムソンのハイボールから

お店の扉を開けると横に長いカウンターが一直線。マスターと女性の方の2名がカウンター内に立たれて接客されていました。自分はとりあえず入ってすぐの席に陣取りました。まだ早い時間帯でしたが、すでに先客の方もいらっしゃいました。オーセンティックバーですが、雰囲気的にはアットホームな感じで、照明もほどよく明るく居心地の良い空間だなと思いました。こちらのお店はお酒の種類がとにかく豊富です。スコッチやバーボンなどのウイスキーに限らず、いわゆる蒸留酒と言われるものであれば焼酎や泡盛以外はなんでもある感じでした。ラムやジン、テキーラ、ブランデーなどです。ラインアップはスタンダードな品揃えで値段もとても良心的。分厚いメニューも見せてもらい、安心して頼むことができました。

アイリッシュウイスキーのグレンダロッホ

ジェムソンのハイボールを飲みながら、そのメニューを1ページづつ読んでいきました。ひとつづつに短く簡潔なコメントがついているので、非常に分かりやすいです。これを読んでるだけでジェムソン3杯くらいお代わりできそうでしたが、とりあえずアイリッシュに狙いを定めて前に進むことにしました。あまりアイリッシュ系はそもそもジェムソンやブッシュミルズ、あとはカネマラ。いいところでたまにティーリングとかを見かけるくらいのイメージでしょうか(もちろん一般的なバーの話です)。こちらは結構新しいものも多く入れているようで、その中で「グレンダロッホ」が気になりました。完全に名前の印象だけで決めました、予備知識ゼロです。後で調べたのですが、割と最近にできた蒸留所のようで、グレンダロッホという辺鄙な山の中にある蒸留所のようです。ウイスキー仲間が自らの職を辞して、つまり覚悟を決めて、(それがつまりボトルの絵の背景にある両手を挙げている男性、すなわち6世紀か7世紀頃に同じように世俗を捨て信仰の道を究めたケビン僧侶のように)自分たちの手でウイスキー造りをしようと志したことから始まったようです。さて、お味はどうかというと、美味しいです。以前にライターズティアーズ、日本語に訳すと「作家の涙」というポットスチルとモルトをブレンドしたアイリッシュを飲んだことがありましたが、それに近いような感じです。スムーズな飲み口と、アイリッシュ独特のスパイシーさが感じられました。ダブルバレルというのは、最初にバーボン、後でオロロソ・シェリーでフィニッシュしているからだということです。どのくらい寝かせているのかは分かりませんが、とにかくバランスの良い一杯でした。

沖縄・伊江島のラム酒、サンタマリア。絶品です。

さて、本日の発見はコレでした。沖縄の伊江島(いえじま)のラム、通称「イエラム」。ラムといっても少し普通と違って、いわゆる糖蜜を原料とするのではなく、さとうきびのしぼり汁をそのまま使って作るのだそうです。また、色が透明であることにビックリ。テキーラのブランコのように、ラムも透明があるのですね。要は熟成をしていない、ウイスキーでいうところのニューポットみたいなものでしょうか。ただ、半信半疑で飲んだのですが、これが激ウマです。サトウキビのしぼり汁というだけあって甘味もちょうど良い具合にのっています。辛口系を想像したのですが、口当たりもマイルド。とくにトゲトゲしさもなく、美味しいです。これはすごい発見!こんなのがあったのですね。お聞きすると、これとは別に樽熟成をしたものもあるようでした。ぜひ次は樽熟成したものも飲んでみたいですね。これも後で調べたのですが、結構すでに流通しているようでアマゾンとかでも普通に購入することができるようです。これはヒットする様な予感がしました。

イタリア初のシングルモルト、特徴的なボトルスタイル。

最後にトライしたのが、これまた前から気にはなっていた第三国のシングルモルト、イタリアの「プーニ蒸留所」です。特徴的なボトルのデザイン、さすがオシャレの国、イタリア。ちなみにですが、この蒸留所はその外観もウルトラモダンな感じで変わっています。下の写真がそうなのですが、一見してまったく蒸留所とは思えない、まるで銀座がどこかの高級ブティックかと思うような感じです。場所はイタリアの南チロル地方、ヴィンシュガウ渓谷の付近。プーニという名前は付近を流れる川からとったとのことですが、その名前はラエティア語という現地に存在して紀元前に消滅した古い言語に由来するそうです。このレンガ造りの奇抜な建物を建てたのは、蒸留所の設立者でもあるアルブレヒト・エーベンスペルガー氏。地元で建設業を営んでいるようですが、スコッチウイスキーへの情熱が高じて2010年に蒸留所を立ちあげたのだとか。蒸留所の周辺は昔からライ麦などの穀物栽培に適したところで、ウイスキー造りの機械や製法は本場スコットランドから取り入れていますが、原料は地元の良質な水や穀物を活かして、イタリアンなシングルモルト造りに取り組んでいるようです。蒸留所の運営にはアルブレヒト氏の二人の息子さんが手伝っており、地域に根差した家族経営のクラフト蒸留所。ウイスキーにはまだ若さが感じられますが、これからが楽しみです。こちらのバーではなんと4種類がラインアップとしてメニューにありましたが、すでにそのうち二つは売り切れになっていました。また新たな入荷も期待したいです。

プーニ蒸留所の外観、さすがイタリア!

さて、いろいろなお酒を楽しませてもらいました。すでに馴染みらしい先客様がいらしたのですが、マスターがほぼマンツーマンで対応して頂き、非常に恐縮でした。まるで執事のようなというか、こちら側の興味に合わせてボトルを持ってきて頂いたり、分からないところは丁寧に解説をしてもらったり、またお酒のネタに限らず冒頭のデパートとかの地元話とか、本当に至れり尽くせりという感じで大満足。ありがとうございました。マスターが最後におっしゃっていたのですが、珍しいお酒の数々もこちらのお店に来られるお客様が持ってきてくれる情報に頼る部分も大きいのだとか。やはり、バーというのは一つの社交場というか、情報交換の場でもあるのですね。そうした空間を提供しているこちらのバーも、やはり皆さんが立ち寄りたくなるアットホームで居心地の良い雰囲気があってのことだと思います。また千葉に来る機会があればぜひ立ち寄りたいと思いました。

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