熱海で見つけた純レトロの空間が凄すぎて腰を抜かした。(りあんRienさん)

昭和ゴージャス、というボキャブラリーがあるのかどうか知りませんが、もしそのような単語が存在するならまさにこちらのお店のことだ思います。いきなりで、すみません。熱海駅から降りた海岸に近い繁華街をフラフラしていました。訪れたのはちょうど夏祭りの準備期間のタイミング。街全体から太鼓と笛を練習する音が聞こえてくるようです。練習しているのは主に子供たちで、それを囲むように大人たちが見守る風景が街のあちこちで見られ、その音色は止むことを知りません。ひとつの集まりを通り過ぎれば、また次の集まり、という風に駅から下る途中で至る所で練習をしていました。その練習の熱量のせいなのかどうか分かりませんが、繁華街は返ってヒッソリ静まっています。みんな祭りの練習に大忙しということなんでしょうか。もしくは祭りの練習が終わったらドッと来ていたのかもしれませんが、ちらほら灯りが点いているお店の中を覗いてみてもどこも手持無沙汰な感じです。そんな中、川っぺりの建物の二階に灯りを見つけました。りあんRienとあります。どんなもんかとりあえず覗いてみようかと思い2階へ続く階段を昇っていきました。するとどうでしょう。どひゃん。完璧に純レトロの空間がまるごとギッシリ詰まっている感じ。ここまで濃密な昭和感満載が、まるで博物館の展示室のような保存状態で視界に飛び込んできました。熱海は伊豆半島の玄関口になるわけですが、この伊豆半島というのは東京から結構近いんですけど、結構独特な味があるので個人的にとても好きです。ひとつには、やっぱり昔のバブリーな時代に趣向の変わったモノを作った人がいたっていうことなんでしょうか。別荘なんかもいまだに各地に点在していたりしますが、表向きは少しさびれてしまっているというか、昭和に戻ったような空気感に覆われます。(ただし、良い意味で!昭和の古臭い頑固おやじのニュアンスではなく、ジャパンアズナンバーワンの気概があったころの意味ですm(__)m)熱海も駅周辺は駅ビルが新しくなったりで、どこぞの某地方都市のターミナル駅感というか、ノッペリしてしまった感は否めませんが、それでもやっぱり丁寧に見ていけば必ずや面白い店があるのだという確信に誘われてたどり着きました。

昭和レトロのディープな空間。

ホテルオークラだか、ニューオータニだか、昔の高級ホテルの一番奥の応接間ちっくとでも言いましょうか。赤いじゅうたんに、紅?ワインレッド?チェリーのソファーと丸っこいスツール。カウンター席のカウンターチェアも同じ色調で統一されています。これほどまでにきちんと統一感のある感じで昭和が丸っと保存されているところ見たことがありません。お店はカラオケ付きのスナックバーですが、壁も床もこんな感じだからなのか、音響の感じもとても良いです。余計な雑音がすべて九州されてしまうからか、自分の下手な歌声が本当に良く聴こえてきますもしかして、ここに来て練習を続ければ歌がうまくなる?!)。とくにこの絨毯を壁に貼り付けたような、「チンチラ」というそうですが、毛皮の壁がとても特徴的らしく将来的に張り替えるのはかなり難しいかもしれないとのことでした。自分がお店に入ったときはまだ誰もいませんでしたが、のちに地元っ子の女性が来られたり、たまたまだたったのか分かりませんが、終始ホンワカした感じでした。お店のママも気さくな方で、なんの紹介も無くただフラっよ立ち寄っただけでしたが、温かく迎え入れてくれました。こうした昭和のディープレトロが好きであることをお伝えすると、他にも何軒かこういう感じの店があるので探検してください、とのこと(笑)。熱海は青春切符で何度か乗り換えで利用することはありましたが、こうやって繁華街まで下りて来たのは久しぶりです。最近では海鮮料理のお店を目指してなのか、昼間は時々ワカモノで繁盛しているお店とかを見かけますが、こうした古き良きお店もまだ残っているのだと改めて実感しました。常連で来られる方は高齢化されているとの話もありましたが、スナックは都内でも同じ感じではないでしょうか。いずれにせよ、今やなんでもスタバやセブンや、吉野家や、同じようなものが同じように並ぶ光景をどこでも見るようになってしまったので、スナックというのはその土地固有の文化的テロワールのようなものを感じることができる貴重な場になっていると思います。また更に探検を続けていきます!

絨毯を壁にはったようなコレ。「チンチラ」?というようです
熱海で見つけた純レトロの空間が凄すぎて腰を抜かした。(りあんRienさん)

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