本日は浜松。カリビアンバーのオクイズミさんというテキーラバーにやって参りました。駅から歩いて10分くらいでしょうか、繁華街の少しはずれにお店を見つけました。最近は「勉強」と称して、ウイスキー以外のお酒にもチャレンジ中。蒸留所の世界でいえば、ラムやブランデー、テキーラ、ジン、焼酎などがウイスキーと並んで有名です。「テキーラ」についてですが、原料は穀物ではなくて、リュウゼツランという植物、もう少し細かくいうとサボテンのような多肉植物の一種になります。現地の言葉ではAGAVE「アガベー」というそうです。この茎の部分(といっても下の写真のようにかなりデカい。重いものだと50kgくらいになるそうです)が酒造りの原料の元になります。
「テキーラ」という名前についてですが、これは実は地名だとのことです。ブランデーに「コニャック」や「アルマニャック」などの原産地呼称がありますが、あれと同じ考え方のようです。つまりテキーラは原則としてテキーラ地方で作られたお酒でないと「テキーラ」を名乗れないという規定があり、原料や蒸留場所、その回数、アルコール度数、添加物の上限などかなり細かく指定されています。この要件をクリアしたものだけが「テキーラ」を名乗れるということで、これはスコッチウイスキーなどと同様にかなり厳格な仕組みで管理がなされているようです。
以上が「テキーラ」の要件ですが、もう少し予備知識として細かく見ておきたいと思います。ポイントは原料と熟成年数です。原料についてですが、要件としては主原料としてアガベが51以上含まれていればOKです。その中でもアガベ100%使用のものがあり、プレミアム価値がつきます。また熟成年数(クラス)にも違いがあります。まず、「ブランコ」というのは熟成させずにすぐに瓶詰をしたもの。その次に1年未満樽で熟成したものが「レポサド(reposado)」。さらに3年未満の熟成をしたものが「アネホ(anejo)」と呼ばれます。ほかにもゴールドとかエクストラアネホとかありますが、とりあえず上記3つくらいを知っていれば大丈夫かと思います。ざっくりとですが、樽熟成しているものと、そうでないもの、の2種類があるのだと分かっていれば、あとは中身の液体の色で見分けが着くかと思います。
そんなわけでまずは目についたのが「雫」の文字。なんだろうということですがエルボラーチョという福岡発祥のメキシカンレストランがプロデュースしたテキーラのようです。原料はアガベ100%のプレミアムテキーラ。濾過なしと濾過ありのブランコの飲み比べをしてみました。原料100%ということで、特に無濾過のほうはかなり独特な味わいがありましたが、想像したよりはマイルドな味わいでストレートでも特に嫌な癖もなくおいしくいただけました。リュウゼツランの絵のイメージからするとだいぶ控えめというか、割とイケる感じです。笑
お次には少しエイジングしたものと試してみたいということでcasamigosのreposadoを頼みました。グラスだと分かりづらいですが、ほんのり琥珀色をしていて樽熟成したことがわかります。アメリカンオークの樽を使っているようです。数か月程度かとは思うのですが樽感がやはり乗っかってきていて甘味が感じられます。ちなみにこちらも100%アガベのテキーラをベースにしているようですが、バランス良くまとまっていると思いました。やはり高温な気温ということもあるのか、熟成中に中のアルコールも相当飛んでしまうでしょうし、アネホやエクストラアネホというのはレアなんですかね。途中でマスターが出かけてしまって、ボーイ君と棚を探しましたが、主にはブランコかレポサドか、という感じでした。
さて、こちらのお店ですが、テキーラ以外にもラムなども充実した品揃えとのことです。恐らく浜松では随一のラインアップになるのかと思います。一階は主にカウンター席で、二階にグループ用のテーブル席があるようでした。料理のメニューもありダイニングバーとしても活用できます。一人でふらりと来ても落ち着いた大人の雰囲気でゆっくりとした時間を楽しめます。繁華街から少し外れたところにあるので、浅い時間であれば割と入りやすいのかもしれません。どちらかとうと二軒目からのお店かなという印象でした。マスターは気さくな方で、ヘルプで入っていたボーイさんとのコンビでカウンターを回していました。店を開けたくらいの時間に訪問したため、まだ仕込み作業をしたりなど準備中という感じでしたが、楽しく会話をしながらゆっくりとテキーラの味に浸ることができました。ありがとうございます!今度はラムのほうも勉強ができればなあと思います。
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