アードナホー湖の上質な水源と、ジュラ島を望む最高のロケーション、ハンターレイン社が次世代を見据えてスコッチの聖地・アイラ島に建てた9番目の蒸留所!
ハンターレイン社の社長スチュワート・レイン氏。1965年、18才だった氏は当時親戚が経営していたアイラ島のブルックラディ蒸留所に働きに出ていた。その時に思い浮かべた夢が「アイラ島に蒸留所を建てること」。半世紀の時を経てその夢は現実となり、更なる将来の成長に想いを馳せる。
2013年に兄弟で経営していたダグラスレーン社から袂を分かち、新たにハンターレイン社として二人の息子(スコットとアンドリュー)と共に立ち上げたスチュワート氏。現実的な側面としては、今後のビジネスの展開を考える上で、良質なウイスキーの原酒を自分たちで確保する必要性に迫られた上での決断であったとも明かす。自らはボトラービジネスを統括し、新たな蒸留所と会社の未来は二人の息子へとバトンが引き継がれた。蒸留所の設計にはボウモア、ブルックラディなどで長くキャリアを積んだウイスキー界のレジェンド、ジム、マッキュアン氏を招聘。
"アードナホーで造られているスピリットは、私の56年のキャリアの中でも、最も上質なレベルのものだ。とても良い出来で、誇りに思っている。このスピリットがボトリングされる時には、私はもしかしたらどこか空の上から見守っているのかもしれない。でも、私はこの新たに生まれるウイスキーを作る手助けをすることができたことを光栄に思っている。どうか楽しみにしてほしい!”
蒸留所は2016年から計画が始まり、2018年11月に操業開始。2109年4月に一般公開され、大規模なビジターセンターには、既に多くの人が訪問している。ハンターレイン社では、この蒸留所の開設を祝して2017年から”FEIS ILE KINSHIP”というアイラウイスキーのセレクトボトルをリリース、毎年アップデートがされている。
アードナホーで目指すウイスキーの特徴は、「伝統的なアイラ・スタイル」。今やスコッチの聖地となり、グローバルな資本により大規模な蒸留所が群雄割拠するアイラ島において、アードナホーは小規模。まずはアイラ島の先輩に囲まれながら、着実な一歩を踏み出そうとしているようだ。
モルトはポートエレンからの調達で、ピートは40ppmとヘビー系。スピリットは長時間の発酵と、スコットランドで一番長いと言われる蒸留器のラインアームを使い、クリアでフルーティに。更に、アイラ島では唯一である木製のウォームタブを復活させ、スピリットの質感(tecture)に微妙な変化を与えようとしている。熟成はファースト・フィルのバーボン樽がメインで一部にシェリー樽を使う予定とのこと。ヘビーピートでフルーティ感、に少し複雑な味わいというとラガヴーリンみたいな感じを想像してしますが、果たしてどんなウイスキーができるのか、楽しみだ!