ドーノック蒸留所

REVERSE ENGINEERING EXTINCT TASTE,
"皆さんはウイスキー造りについて既に良くご存じのことかと思います。
私たちの製法は、使用する原料や作り方において、他の蒸留所と大きく異なります。
私たちはスコットランドにおいてかつて存在し、今は消滅してしまった、昔ながらのウイスキー造りを復活させようとしているのです。"
ORGANIC OLD-STYLE SINGLE MALT WHISKY
トンプソン兄弟が運営。サイモン(左)が製造、フィリップ(右)がマーケティングを担当

ドーノックはスコットランド北部の小さな海沿いの避暑地。当地にあるゴルフコース「ロイヤル・ドーナック」は『北の至宝』とも呼ばれゴルフファンの憧れの地でもあるという。その小さな町の中にホテルや結婚式の会場としてもつかわれる古城「ドーノック城」があるのだが、実はこの一角の元消防小屋であったところにドーノック蒸留所はある。ドーノック城の中には、ウイスキーファンの中でも大変に有名なオールドボトルやレアボトルを有するバーがあり、トンプソン兄弟が「失われた味の復活」を叫ぶのも、このバーに眠る数々のヴィンテージ品から得た確かな知見を基にしている。兄弟は2016年にDornoch Distillery Companyという会社を立ち上げると、クラウドファンディングで蒸留所開設のための資金集めに着手。わずか数週間で世界中からの投資を集め、目標とする金額を確保した。

https://thegincooperative.com/gin-maker/dornoch-distillery-company/
ウイスキーの味わいに対するこだわりは徹底している。モルトに使う大麦はアルコールの生産には非効率ではあるが、豊かな成分プロファイルのある高価な大麦を使用。発酵に使うイーストは自家繁殖(in-house)のものを使用、更に発酵時間は1週間にも及ぶという(通常は2~3日程度)。その結果得られる醪(もろみ)はとても深みのあるベリー系の甘さを特徴としている。ウイスキー造りは何かと蒸留と熟成により関心が集まりやすいが、兄弟の造るウイスキーで重視されるのはモルトと発酵という、いわば「前工程」。ウイスキーと並行して始めたジンはすでに販売が始まっているが、シングルモルトのリリースは現時点でまだ確認されていない。しかしながら、すでに手狭となった蒸留所の増設計画が既に始まっており、第二弾のクラウドファンディングによる資金集めが2018年夏から始まっているとのこと。

追記)ファーストリリースの情報を調べていたら、実際は2017年7月蒸留、2020年11月に瓶詰めしたカスク1号(893本)のリリースが始まっているようです。大麦はアーチャープラメージ(Plumage Archer barley)という1950年より以前に使われてた品種で、樽はファーストフィルのオロロソシェリーとのこと。何とも言えませんが、かなり「甘ーい」感じの仕上がりなんでしょうか。どこで飲めるのか分かりませんが、最初のクラウドファンディングでは「極東アジア」からの参加もあったということなんで、日本にも既に流入はしているはずです!どこかなー、、、

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