我々は特別なことをやっている訳では無いんだ。これは昔からこの地の人々が普通にやってきたことなんだ。
「蒸留所は農閑期に稼働します。春と秋は大麦の種まきや、ジャガイモの作付け、牛の放牧などに忙しく、蒸留所は静かです。ですので、我々は冬か、6月~7月の夏の時期にウイスキーを作ります。これは別に真新しいことでありません。200年前はこうだったんです。」
ダフトミル蒸留所の創業は2003年。代々農家でウイスキー向けの大麦を栽培するなどしていたが、昔ながらのウイスキー造りがしたいとフランシス&イアン・カスバート兄弟が2003年に創業、農家仕事の合間にウイスキーの生産を始めた。生産量や規模は追わず、昔ながらのサイクルで自分たちの納得するウイスキーを探求する。スコッチウイスキーは3年の樽熟成を経ればスコッチとしてリリース可能であるが、ダフトミルは新興の蒸留所でありながら10年以上の熟成にこだわり。毎年樽詰めされる量も少ない年では100樽程度。当然のことながら、出回るボトルは非常に限られ、毎年リリースされるボトルも販売と同時に売り切れてしまうこともあるとか。そんな貴重なウイスキーがあるということで、またまた「てんてこまい」になりました。
貴重なボトルがなんと二つも。まず右側の2007年はアジア向けのウィンターリリース。ファーストフィルのバーボン樽で12年間熟成されたバッチ(合計6樽、1685本、2007年熟成で2020年ボトル詰め)。2008年は、エクスポート用のサマーリリース。同様にファーストフィルのバーボンで熟成(7樽、1780本、2008年熟成で2020年ボトル詰め)。両方とも似たような感じであるが、ボトル紹介のコメントではかなり違ったニュアンスの説明。2007年は、フローラルな香りからバニラの味わい、そして焼きバナナ感。2008年は、リンゴやアプリコットジャムの香から、新鮮なオークスパイス感、ということ。これは、試してみないと分かんないですね~。
蒸留所の建屋は非常に古く200年以上も前に建てられたものだそう。そして、カスバート家はこの地で6代にも渡り代々農業を営んできた。