命の水「アクアヴィテ」
ウイスキーの語源はスコットランドの言語であるゲール語のウシュク・べハ(”uisge beatha”)が英語の発音に訛って「ウイスキー」となったもの。そして、ウシュク・べハとは蒸留されたアルコールを意味するラテン語のアクア・ヴィテ(”aqua vitae”)に由来。(ちなみに、ブランデーやウォッカもアクア・ヴィテを語源に派生したもの)
100%自然の産物でできたオーガニックな飲み物。
原料は3つ。大麦、水、イースト。
加工プロセスも自然の力を最大限に活用。
麦芽の生成、酵素を活用した糖化、酵母による発酵、そして蒸留による分離、樽での熟成、全てのプロセスが自然の営みを活用したもの。
時の経過が凝縮。
スコッチウイスキーは法律によって蒸留後に最低でも「3年」、樽の中で熟成することが義務づけられている。さらに「シングルモルト」のラインアップでは10年や12年は一般的で、ヴィンテージモノでは50年以上も熟成したものも存在する。数十年の時の流れが凝縮された液体。
多様な楽しみ方。
発酵、蒸留、樽熟成という工程の中で、味わいが複雑化、複層化する。これがウイスキーの醍醐味。複数の銘柄をブレンドするのも一般的。味わいが最初の香りと異なることもあるし、味わいの中でさらに別のニュアンスが後追いしてくることもある。こうした変化を味わうためには、繊細さも必要に。
飲み方も色々あります。
ウイスキーの標準的なアルコール度数は40度と高め。(ワインや日本酒は14度くらい、焼酎でも20度強)でも、心配はありません。もちろん、味わい尽くすにはストレートがお勧めなのは間違いありませんが、「楽しむ」という意味では、加水したりロックを入れたり、リキュールと合わせたり、自分にとって一番美味しい飲み方を見つければ良いんです!
教会の秘蔵酒、密造時代を経て合法化、ブランド化、現代へ。
蒸留酒としてのスコッチウイスキーの歴史はとても古く、文献で確認できるのは15世紀末であるが、それ以前からも製造されていたと言われる。もともと蒸留酒は薬用でありキリスト教の修道僧によりヨーロッパにもたらされた。16世紀から17世紀にかけて一般社会にも広まっていくが、1707年にイギリスとスコットランドが合併しグレードブリテンとなるとウイスキーに重税が課されるように。蒸留業者は課税を逃れるべく辺境の地に逃れたり、役人に見つからないように蒸留酒を隠す(=「貯蔵熟成の始まり」)など対応。1823年の酒税法で蒸留所を政府の認可制にする方式が始まり、1860年代には害虫でワインやブランデーの生産が壊滅すると、19世紀末にはウイスキーブームを迎えスコットランド各地に蒸留所が建造される。しかし、大不況やアメリカの禁酒法、2度の戦争で多くの蒸留所が荒廃。20世紀後半からは蒸留所も統廃合の動きが加速し、小規模な家族経営から大規模資本による経営、そしてグローバル化が進みマーケットも拡大。これを受けてスコットランドの中だけでなく、世界的にモルトウイスキーのブームが到来しようとしている。
ウイスキーの飲み方指南
さて、実際にスコッチウイスキーってどんなものなのか?
興味を持った方、飲みたくなった方、ちょっと味見してみようかなと思った方、そんな方はまずこの人に聞いてみたい!ウイスキー大手・ホワイト&マッカイのマスターブレンダーで、ダルモア蒸留所のマスターディスティラーでもあるリチャード・パターソン氏。マスターブレンダーとか、マスターディスティラーとかカタカナ語で面倒くさいですが、要は工場の「製造部長&品管部長」と考えてください。ただし、パターソン氏は「マーケティング・営業部長」も兼ねてる業界のカリスマです。