【東京】お酒の美術館(中野)

本日は中野にお邪魔しました。 自分は都内に住んでいますが、あまり中央線沿線とは縁がなく、中野もたまに通ることはありますが、途中下車はしたことがありません。 そんなところに今回来たのは訳がありまして、、行きつけのバーのボーイ君が誕生日を迎えるということで、 どこかでささやかなお祝いでもしようかという話になり、先方の希望で中野が選ばれたいという経緯。 中野のほかには、上野も候補だったのですが、普段行くことが無いところという点で、中野をチョイス。 さて、その当の本人が、なかなか来ません!思ったより、恥ずかしがり屋さんのようです。とりあえず時間を潰します。しかし、この中野は面白いですね!まるで昭和にタイムスリップしたような感じです。 先日、広島を絶賛しましたが、この中野も結構いけます。どうしてなのでしょうか?コジンマリした店が、商店街の周辺にも密集しています。 待ち合わせの時間は15時くらいだったのですが、日曜ということもあってか結構の数の店が開けていて、またかなり混んでいます。 恐らく地元の方だとは思うのですが、老若男女が良いバランスで混ざっている感じ。とくに若い子が多い印象でしょうか。 さて、アレコレしていると到着したとの連絡を受け、駅前で再び合流して、どこか良さそうなバーの探索を開始。 そこで見つけたのが「お酒の美術館 中野店」。 15時オープンということで、ちょうど店を開けたばかり。我々が一番の先着だったようです。 席はどこかなと思って探していましたが、どうやら立ち飲み。店の棚を拝見する限り、ウイスキーとか蒸留酒系が中心の様。 すごいですね。飲み方にもよりますが、ウイスキーの立ち飲みは初めてです。 さてもうひとつの発見。店員さんがまた若い!聞くとまだ大学生(もちろん二十歳超えていますよ)。 良いですね。また、どうして?とお伺いしたところ、この店のオープニングに面接を受けたら、採用されたとの話。 いやはや、オーナーさんも度量のある方のようです。爽やかな青年でした。(ご本人の許可も得ての掲載。イケメンはマスク無しが映えますネ(笑)) 山崎と記念撮影 本人曰く、お酒も好きだけど、「人とのコミュニケーションが好き」だとのこと。可能性は無限ですので頑張ってください! さてさて、飲み物の話に移りたいと思います。 とその前にですが、このバーは「オールド」が売りのバーのようです。「オールド」というのは、廃番品のことで、現在は市販されていないものです。 では、なぜそのようなボトルがあるのか?理由は主に二つあると思います。そのボトルが市販された当時に買って、未開封のままでたまたま残っている。もしくは、コレクターの方がきちんとキープされていた。普通は買うと開けちゃうと思うのですが、開けずにちゃんとキープされるのがコレクター。というのは、将来性のあるボトルは、希少性が増して価値が上がります。 特にウイスキーはアルコール度数が高いため、腐敗しづらく、また保存熟成による味わいや香りの変化を逆に楽しめたりします。もちろん、保管状況によっては劣化もしてしまいます。 「オールド」の中でも昔の酒税法区分による「特級」などのラベルがついているものはかなり貴重です。1962年の酒税法改正(1989年に廃止)では、それまで「雑種類」であったウイスキーが、「ウイスキー類」として扱われるようになり、さらに原酒混和率により特級・一級・二級などの区分けができました。これにより「ウイスキー特級」には高額な税が課される反面、「高嶺の花」としてのブランド価値を確立しました。 当時の日本が行動経済成長期であったことと相まって、サラリーマンにとっての憧れとヤル気の源であったようです。 さて、今回こちらのお店で試したのは、スコッチブレンドのシリーズ。ラベルをよく見て頂けると分かると思いますが、下の方に「特級」とあります。なので、おそらく30年以上前に誰かが購入されたものと、こうして巡り合えたという事になります。 特級表記のボトル ボトルを簡単に紹介。左のBELL’S(ベル)はイギリスで最もポピュラーなブレンドスコッチです。ボトルの上の所に「afore ye go(船出の前に!)」とありますが、門出を祝う縁起の良いウイスキーとして、昔は出征する兵士に贈られたそうです。また、weddling…

【愛知】共栄窯(常滑)

人生を悔いなく生きるにはどうするか?その日その日を精一杯に生きる、とかありきたりの言い方がありますけれど、自分流に言わせてもらえればこういう事です。 「気になったことは、その場でやる」、これだけです。 でも、モヤモヤしたりウジウジしたりで先延ばしにしてしまうことが未だに多い。 若いうちはそれでも可愛らしいですが、歳を取るにつれて「次」っていうのが、日に日に重たくなって来ます。その「次」はいつくるのか?ホントにくるのか? 一回一回がすべてチャンスと思えば姿勢も変わってきます。もちろんすべてに気を張っていたのでは息苦しいんで、ある程度のメリハリも必要なのですが。。 さて、そういった意味で、自分はやっぱり出張とかで出かけた時に、何をするかというのは、とても重要です。仕事の次にです!もちろん。笑 さて前置きが長くなりました。 今回の訪問先は、自分にとって5年ぶりくらいの「再チャレンジ」になります。 再チャレンジとはどういう意味かというと、以前中部空港を利用するのに前泊でここ(愛知県常滑)に泊まったことがあるのです。その時はただ空港に近いというだけで選択しただけで、焼き物で有名だとか、このバーに存在とかは全く知りませんでした。 ただ、その時はこのお店の扉を開けることができなかったのです。当時はそこまでお酒にも詳しく無かったですし、外観が非常に特徴的で面白そうだとは思ったんですが、中が全く窺い知れず勇気が出ませんでした。 初めて来た土地で、夜遅くに、バーを訪問する。しかも独りで。冷静に考えれば結構ハードル高いのかなとも思います。 今では大分こういうのにも慣れてきて、緊張で扉を開く勇気が無いということは無くなりました。それでも、やっぱり扉を開ける一瞬は緊張します。注射に慣れても、チクッと刺すときは意識してしまう、そんな感じです。 さてこのバーの特色は何と言っても外観もさることながら、その中の空間にあります。 ここ愛知の常滑は焼き物の町で有名です。街の中を歩いてても感じは伝わって来ます。このバーも実は焼き物(しかも土管!です)を以前焼いてた窯だったのこと。内部の空間はカマボコ型をしていて、土管を焼いてただけありかなりデカイ。 カウンター席の他に、テーブル席もありますが、それでも広々しています。器とかを焼く「登り窯(のぼりがま)」とかは見たことあるのですが、とても人が中に入って寛げるような感じでは無かったですね。 窯の中 それにしても誰のアイデアなんですかね?焼き物の窯をバーにしちゃおうなんて。本来の用途とは全く違いますが、再活用として初めてナイス・アイデア! さて、釜の中で何を飲もうか考えました。 とりあえずメニューから興奮を覚ますべくローランドのウイスキー・グレンキンチーをロックでまずは一杯。  Glenkinchie 12yo ローランドはあまり飲む機会がありません。スコットランドの中心都市であるエジンバラを含む南部地域がローランドと呼ばれますが、この地域に現存する蒸溜所は非常に少ないです。 グレンキンチーと、オーヘントシャンがよく知られている蒸溜所ですが、他はほとんど見ることが無いかと思います。 さて、今回トライしたグレンキンチー12年。 ノージングはフローラルで軽く、味わいはハイランドとはまた違う柔らかな感じで、まろやかさがあります。都会的なタッチとでもいうのでしょうか。 マスターにお話を伺ったところでは、このバーはまだ始めてから7年ぐらいとのこと。窯自体は昭和前半くらいの作りなので、建物は古いですが店は非常にまだ若い。 土管を焼いてたというこの窯が現役で使用されていたのが、昭和46年迄ということなので、使われなくなってから半世紀近くの経つ計算。 しかし、店の中の感じはつい最近まで火を炊いていたのでは無いかと思うほど内壁が黒光りしています。 恐らく何かしらの復元なりメンテ工事をしたのだろ思われますが、平日夜の遅い時間にも関わらず店の中は終始バタバタの状態。 今回は経緯などをゆっくりお伺いすることが残念ながらできませんでした。…

【広島】バー・リトルハピネスさん(広島)

広島が好きです。 理由、要りますかね?笑 敢えて言うなら、昭和の香りです。それも品の良い香りです。 路面電車の走る風景 自分は昭和の生まれですが、平成、令和となって、街に昭和の雰囲気がめっきり無くなった気がします。建物や街全体が新しくなることは良いことだとは思います。便利で快適になりますから。 でも少し寂しい気もします。ヨーロッパの都市の旧市街を散策してたりすると、やっぱり羨ましく感じてしまいます。 古くても良いものは輝きがあります。年を経ることで良さがでるものは確かに存在します。 日本で昭和っぽい街並みと聞いて連想するのは、時代遅れで古臭い感じでは無いでしょうか。 古びた建物に、シャッターの下りた商店街、廃墟と化したような街並み… そういう場所も沢山あると思います。地方に行くと街の中心にある商店街は閑古鳥が鳴いていることは少なくありません。 その中で広島は、その街並みが昭和っぽさの上に築かれながらも、「美しく」繁栄している、そんな気がします。 市内の川に架かる橋。結構沢山あります。どれも結構年季が入ってますけど、ヨーロッパの橋の様に品があります。 街中では新旧両スタイルの路面電車が仲よく走るのを見かけます。市民や観光客の交通手段として現役で活躍してます。 繁華街も昔の感じそのままに賑わいがありノスタルジックな感じがして素敵です。中には怪しげな店もチラホラありますけど、全体的に肩肘張った緊張感が無い。お寺の縁日の祭りの様な懐かしい感じがします。 日本の街は古いものを壊して新しく作り替える式が多い。その中で広島は、うまく昔のものを引き継ぎ活かしている、そんな気がします。贔屓しすぎですかね?!笑 結局長々と語ってしまいました。 そろそろ本題のウイスキーバーに話を移しましょうか。 今回お邪魔したのはリトルハピネスさん。 ウイスキーバーにしては可愛らしい名前、建物の一階にあったのでふらっと寄ってみました。 店内はスタイリッシュな感じで、結構きれいにボトルが並べられてます。 オフィシャルを中心にボトラーズも。 パッとみた感じ左がスペイサイド、真ん中がアイラで、右はジャパニーズやバーボン系 今日はスペイサイドが飲みたかったので左側に席をとりました。 さて一杯目は広島ということで、コレを頂きました。 広島・廿日市の中国醸造さんのウイスキー。戸河内TOGOUCHI。 ウッドフィニッシュで酒樽とビール樽が置いてあり、ビール(IPA)樽フィニッシュのものをロックでいただきました。 ビールのホップ感までは正直分かりませんでしたが、スッキリした味わいです。ソーダ割りとかでも美味しいかもしれません。 中国醸造さんは「桜尾」という国産のジンを作っており、こちらの方がよく知られているかとは思います。 2021年にはスコッチウイスキーの慣習に習い3年の熟成を経た待望のシングルモルトが発売されるようです。 桜尾蒸溜所…

BAR GOSSEにてII

先日訪問したバーで、敢えて置かれていなかったジャパニーズ・ウイスキー。 今回は5年ぶりくらいに再会する友人Y氏と訪問。 さて、今回はウイスキーを普段飲まれない人を連れてなので、「ウイスキー」の面白さを知ってもらうべく近くのコンビニでこんなものを調達。 サントリー角瓶 言わずと知れたサントリーの「角瓶」。本当にどこでも手に入ると思います。数百円です。 ウイスキーは安いから美味しくない、という訳ではありません。 特に角瓶は1937年に発売されて以降、名実ともに日本で最も良く知られたウイスキーで、売上№1を誇ります。 ドライですっきりした後味から、ハイボールでも美味しく飲めます。 とはいえ、やはり熟成年数の若い樽をバッティング(混ぜ合わせて)して作られているので、熟成前の原酒の味に近いのかなと。要は、スピリッツのような感覚。 ウイスキーは原酒の出来も重要だと思いますが、やっぱり熟成による味の変化が一番の醍醐味。 なので、やっぱり個人的には物足りない感じ。 でも、とりあえず山に登るには登山口から、という訳で無理を言って「角瓶」からのスタートをお願いしました。 *ちなみに、コンビニで買ってきたウイスキーを飲ませてくれるワガママ聞いてくれたことに感謝!普通では考えられないです。どうか真似をしないでください。(笑) さて、角瓶をストレートで楽しみながら昔話に花を咲かせました。 個人的な話ですが、Y氏とは大学時代からの付き合いです。 外資や日系大手の海外駐在を経て、かなり最近、というか先月に勤めていた会社を退職。 「え、何するの?」と聞いたら「勉強」との答え。しかも学部、しかもアメリカ、しかもニューヨーク。 ??? すみません、まだ一杯目ですが頭がクラクラします。汗 なんでもコロナや子育てで、再度人生の意義について考えた結果、自分の本当にやりたい事がなにか、という問いに返ったそうです。 アメリカはまだ大変なので、しばらくは日本待機なようですが、時代の変化をつくづく感じます。 **** Yamazaki 12yo & 18yo 「山崎」 「山崎12年」 「山崎18年」 日本の山崎は、世界のYAMAZAKIになりました。…

【群馬】ショットバーキャップ(太田)

群馬県の太田を仕事の関係で訪問した。 太田といえば、自動車メーカSUBARUのお膝元。 静岡の浜松とかと同様に、日系のブラジル人が多く住むことでも知られる町です。 仕事の用事が終わって車を太田駅に返却したところで夕方の5時くらい。 さすがにバーが開店するにはちょっと早い時間帯。 しかし、ここまで来るのは滅多に無い。特急電車の待ち時間もある。 色々と言い訳を自分なりに作って駅前をフラフラしていると、駅近くの雑居ビル2階に見つけました。お目当てのウイスキー・バー。 扉の近くに行くと、マスターがバタバタと店を開ける準備をしていたところでした。 店内にもまだ日が差し込む夕暮れ時にカウンターに着席。さて、このお店ですが、 入店した瞬間からちょっとただならぬモノを感じていました。 なんというか直感です。やはりスゴイものって、理屈無しで伝わるものあります。 カウンターに座ってちょっとビックリ。薄暗くて良く見えませんでしたが、ボトルを逆さに宙吊りした状態で、ウイスキーの銘柄がずらりとカウンターの上と後ろに並んでいます。 店内の様子 ボトルを逆さにしているのには仕掛けがあります。 通常は、ボトルを毎回開けて、ワンショットをマスターが計量して、ウイスキー用のチューリップ型のグラスにつぎ込ます。 このボトル逆さタイプ(「ワンショットメジャー」とか言うようです)は、キャップの所にバルブが付けられていて、バルブをひねると、その下の計量カップにワンショット分が自動的につぎ込まれます。 要するに手間がかからないという訳。中にはボトルを逆さに吊るすように、ラベルも逆さに貼ったボトルまであるそうです。 海外では多いと聞きますが、個人的にはあまり国内で見かけたことは無いです。 さて、ズラリと並んだボトル。棚の奥はオフィシャルのスコッチ、カウンターの上に吊り下げられているのはバーボンと、きれいに並べ分けられています。 そして、カウンターの背面の壁には、いわゆるボトラーズのボトルがズラリ。 ちょっと興奮を抑えながら、とりあえずバーボンをロックで。 「バーボンがお好きなのですか?」と聞かれたのですが、これはあくまで準備運動。 本命(スコッチ・ストレート)の前に、最初に少し違う系統のお酒を敢えて頼むのが自分流。 生ビールやスコッチのソーダ割りを頼むことが多いのですが、今日は頭の上にズラッと並んでいるバーボンを選んでみました。 さて、何から頼もうかと頭の中で思案しつつ、マスターにお話しを伺いました。 なんでも、御年80歳で現役。30年以上もお店を続けられているとのこと。 サラリーマン時代にいつかは脱サラすると決めて、40代で少しずつウイスキーのことを勉強し始め、50代で独立されたとのこと。 近くには繁盛している時で、30軒以上も同じようなウイスキー・バーがあったそうですが、現時点で残っているのはココぐらいだとか。 周辺の前橋とか、足利とかからもお客さんが来るそうです。 店のスタイルはいたってシンプル。ウイスキーのみの提供。食べ物は一切無し。…