Month: January 2021

【神奈川】ヴァール・バー(横浜)

新年の初投稿になります。本年も何卒!さて、年初めの参詣というの、いつも並々ならぬ力を入れているフラリーマン。例年は西に出かけるタイミングに合わせたりして、大阪の四天王寺や高野山、京都なら東本願寺など、とにかくご利益に預かろうという下心であちらこちらをフラフラするのが習わし。(やはりお寺は西の方が迫力あって良いですしね。)客先回りも出来ずに行き詰ってきた近頃、ようやくたどり着いた悟りが、とにかく参詣に足を使うという。。(笑) そんな訳で今回も少し足を伸ばしてたどり着いたのが、「弘明寺」。京急線にはたまに乗ることが有るのですが、この「弘明寺」という駅名に前々からすごく惹かれていました。関西だと寺の付く名前の駅名ってそんなに珍しくないと思うのですが、東京だと10数個くらいですかね、数の割に少ない気がします。京急だと「泉岳寺」とか、メトロの「護国寺」とかでしょうか。 さて、この「弘明寺」ですが、少し調べたところでは横浜で最古の由緒あるお寺のようです。また後で知ったところでは高野山真言宗だったのですね。「十一面観音様」がご本尊ということで、どこの宗派なのかな?と思ってはいたのですが、訪ねてみて割合に小ぶりだったのと、横浜というのはどうしても鎌倉仏教的な流れのイメージが強くて「真言宗」というのは意外でした、しかも「高野山派」とは、関東では結構珍しい気がします。 さて、階段を上って(自分には正直物足りないくらいですが)有難く参詣を済ませてから境内を見渡すと、左手に駐車場に下りる道が。短い階段を下って、裏門から出たところ、何やら怪しげな灯り。パッとみるとウイスキーのバーらしき看板が。しかし、まだ夕方というにも早い時間帯、何かの間違いでは無いかと思い中を確認すると(!)なんと本当に営業されていました。こうなっては、そのまま引き返すのは失礼というもの。カウンター席に腰を掛けてマスターに経緯をお伺いしました。これは記者としての当然の宿命でもあるのです。(大汗) 開店はなんと午後3時からとのことでした。しかも、特に昨今の状況を反映したものではなくて、開店した当初(といっても1年前くらいだそうですが)からなのだそうです。最近は特に土日が休みという風潮でも無いらしく、平日の昼間でもお客さんが来られるのだとか。さらにリモートで仕事をするサラリーマンも増えていて、時流にも乗った形。その代わりにお店も深夜まで営業せずに早めに閉めるそうです。とても健康的なお店です。マスターは元々別の場所で雇われ店長をされていたとかで、バーテンダーとしての経歴は20年以上の大ベテラン、といってもまだまだ若くて、動きもキレがあります。やっぱりどんな場所でもこうした仕事に緊張感を以て働かれる方は本当に尊敬します。(己の反省を込めて、再汗) お店の中はとてもシンプルな造り。カウンター席と、二人掛けの小さなテーブル席が二つほど。マスターお一人で立たれているようなので、このぐらいが丁度良いのかもしれません。店内はこじんまりしていますが、窮屈という訳では無く、十分にスペースを感じてくつろげる感じです。お酒は割とベーシックなものが多めですね。ウイスキーはスコッチとバーボン、それからジンやウォッカなど。シンプルながら必要最低限なものはしっかりと押さえているといった感じ、簡単なフードメニューもありました。オールラウンドに対応できるお店だと思います。さて、とりあえずはタリソーで最近の景気の話なんかをしたところで、目の前にあるクリスタルのデカンターボトルが気になりました。 何かと思い尋ねてみると、これは(今は退役した)豪華客船「クイーンエリザベス号」の船内で特別に販売されていたスコッチのシングルモルトだそうです。一応、中身はローランドのオーヘントシャンだそうですが、縁あって譲り受けたものらしく詳細はナゾのようでした。オーヘントシャンは数少ないローランドの蒸留所。スコッチでは珍しく(アイルランド式に)3回蒸留を行うことで有名。1984年~モリソン・ボウモア社傘下になり、その十年後の1994年には日本のサントリー社が買収、現在はビームサントリー傘下の蒸留所となっています。中身の「ヒント」としてなのか、隣にはオーヘントシャンのスタンダードボトル「12年」が置かれていました。興味本位でクイーンエリザベス特別ボトルのワンショット価格を聞いてみましたが、まあまあリーズナブル。ちょっと悩みました(汗)。でも、さすがに時間も早いし、今回は断念しました。ローランド系のお酒は普段あまり飲まないので、特別ボトルを頂くなら12年と合わせたり飲み比べしてみないと、そのありがたみも分からないですしね。今度また機会があれば、ということで、その代わりに同じローランドの「グレンキンチー」を。これも正直初めてとは言わないけど、お久しぶりの銘柄。こちらは2回蒸留ですが、仕込み水は硬水です。ローランドのお酒は、「特徴的でないことが特徴」なのかというのが自分の解釈。ある意味、何とでも合わせられる、万能な味といったところでしょうか。グレンキンチーについては、それに加えモルト本来の甘味を感じます、でも余韻はスパイシーなスッキリ感でアイリッシュとはまたちょっと違う感じ。「食前酒」とも紹介される理由が分かる気がします。 今回こちらでソーダ割とシングルモルトにナッツを注文して、二千五百円くらいでした。お店の雰囲気的なところからいっても結構リーズナブルかと思います。さて、こちらのバーですが、名前をヴァール・バー(Wahl Bar)と言います。お店の名前の由来をお聞きするのを忘れて居ましたが、ヴァールはたぶんドイツ語から取っているのだと思いますが、「選挙」という意味の他に「一級品」という意味もあります。たぶん後者の方だとは思います。因みに、バーを後にして気付いたのですが、ここは現総理のお膝元のようですね。ポスターとかが街頭に貼っているのを目にしました。 今年は、まだ明けたばかりですが、色々なことが不透明です。オリンピックもどうなることやら。そういえば、今回の一連の発端となったのは、クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス号」でした。当初は世界中からアレコレ言われましたが、結局はあれが既に起こるべきことの「予兆」だったのだとしみじみ思います。あの時は、まさかあの船内で起こったことが、世界中に(特に欧米に)拡散していくとは夢にも思いませんでした。ちょうど今くらいの時期でしたかね、船内で感染者がいると騒ぎだしたのは。。 とにかく健康が何よりも第一であるということを再認識するとともに、やはり規則正しい生活というのが一番だとしみじみ思います。ある意味、夜通し飲むとか、そういうことが武勇伝のように語られること自体が少し何か違うような、そんな当たり前のことが今回の事態になって割と再認識されてきたのではないでしょうか?これからは、やっぱり仕事とかもやるべきことを集中してやって、終わったらなるべく早めに帰るようにして、とにかく生活にリズムをつけてやっていくことが大切なのかと思います。日本ではあまり昼呑みというのは世間的にもまだまだ許容されていませんが、同じ酒を飲むなら、夜遅くに飲んで二日酔いになるより、早めに節度ある量を飲んで(楽しんで)お開きにするのがベターなのかと思ったりします。というわけで、これからも早めにオープンするバーがもっと増えてくれば良いなあ、という願いを込めまして、また皆々様のご健康を祈願申し上げて2021年初投稿といたします。今年も引き続きお付き合いの程、よろしくお願いいたします!

たまにはアイリッシュウイスキーでもいかが?

こんにちは、海外特派員のだってらんです。 今回はあえて記事のタイトルを 「 ” た ま に は ” アイリッシュウイスキーでも…」としたが “アイリッシュウイスキー”  と聞いて皆さんは正直、何を思い浮かべるだろうか? 特に日本では、天下のスコッチに埋もれているイメージでアイリッシュウイスキーはその銘柄すらあまり耳にすることが少ない。 正直私も、一昨年初めてアイルランドへ渡航するまでは “アイリッシュって何ぞや?”という状態だった。 しかしこの1年と約半年… 異国で生活を送るのは初めてで、失敗の連続だったけれど ウイスキーと向き合っている間は、 いつだってその瞬間を豊かなものにしてくれたし、 このお酒があったから、いろんな人と繋がることができた。 すっかりアイリッシュウイスキーの虜なのである。 そこで今回は、アイリッシュウイスキーの魅力についてお伝えしようと思う。 衰退の歴史からいざ復活へ。 諸説あるが、ウイスキーの起源はアイルランドだったとされている。 北アイルランドにある”ブッシュミルズ“は世界最古の蒸溜所として有名だ。 アイリッシュウイスキーは19世期頃までウイスキー市場の主流だった。 その状況が大きく一変したのが1919年。 主要な輸出先であったアメリカで禁酒法が施行され、 程なくしてアイルランド国内ではイギリスからの独立をめぐる内戦が起こる。 結果、その報復でイギリスの市場からアイリッシュウイスキーは締め出され、衰退の一途を辿ることとなる。 国内に2000ヶ所程あった蒸溜所の殆どが閉鎖に追い込まれていく一方で、 「マッサン」の名で知られる竹鶴政孝氏がウイスキーの製造を学びに日本からスコットランドを訪れたのが1918年だった。 これは、タラレバの話だが もしアイルランドにこんな不運がなければ今ごろ アイルランドは、歴史ある蒸溜所で犇き合っていたかもしれない。 そして竹鶴さんの訪問先は もしかするとスコットランドではなくアイルランドで そしたらジャパニーズウイスキーは、今とは違うものになっていたかもしれない。 歴史に翻弄され、多くを失ったアイリッシュウイスキーだったが、 現在は世界に引けをとらないくらいの急成長を見せている。 こちらは、首都ダブリンに蒸溜所を持つティーリングの写真。 ボトルには、シンボルとして、不死鳥が描かれている。 “先祖のウイスキーを再び同じ場所で復活させる“ ティーリング蒸溜所は、その一心で125年ぶりにダブリンで誕生した新蒸溜所だ。 昨今、世界中でウイスキーブームが巻き起こり、日本でも多くの新蒸留所が出来ているが、 アイリッシュの場合は、単なる新規のビジネスチャンスとはまた違う、 プライドを懸けたものであることが伺える。 アイリッシュってどんなウイスキー? ではそのアイリッシュウイスキーは実際、どんな特徴があるのか。 はっきりどんな味なのかを説明するのだとしたら、これはかなり難しい。 仮に同じブランドでも、蒸溜時期や大麦品種、熟成期間、熟成樽の種類など ウイスキーはありとあらゆる条件によって味が全く異なってくる。 簡単に説明するならば 大麦から作られるモルトウイスキーは、下の写真のような蒸溜器を使って蒸溜されるわけだが スコッチやジャパニーズウイスキーは通常、蒸溜回数が2回。 […]

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