【京都】ラッケンブースLUCKENBOOTH(京都)

ラッケンブース(sakedori.com)

久しぶりに京都を巡りました。皆さんは京都に出向かれたことはあるでしょうか?京都は本当にすごいところです。バーを巡る目的以外でも、街の探索が好きです。趣味と言っても良いかもしれません。(因みに大学では歴史先行しました。日本史は苦手でセンターも受けてないのですが(汗))

京都というのは地図なしでも迷子になりません。これは、例えば札幌の市街が碁盤目なので迷わないとか、いう意味ではないんです。(京都も中心はそうですがこちらは中国に由来しての碁盤目なんでしょうね)

要するに、どう歩いても京都から外れることが無いという意味においてです。京都は北と東に山があり、西は川(桂川)が流れていて、南はJRがあります。要は歩いていてこれらに突き当たれば、外れに来ていることが分かります。この範囲内はざっくり京都だと思います。

もちろん、祇園や河原町なんかの繁華街やら、金閣銀閣清水寺などの名所旧跡ばかりではありません。それでも、古都京都のすごみはぶらぶらすることによってじわじわと輪郭が現れるはずです。

シンプルに歴史の重みが違います。東京などにいると、この何とかは何十年の歴史がある、とかいうと「へぇー」、百年以上だとかいうと「ひょえー」となるかと思いますが、京都はそうなりません。スタートは明治維新以後は「若い」んです。歴史を何十年とかで数えるのではなく、何百年で数える、ここに京都のすごみがあります。そして、そうした歴史を積んだ寺社やお店などがゴロゴロしている。これが生きた歴史博物館、京都の正体です。(拙者は京都の者ではありませんがm(__)m)

マルス津貫蒸留所のシングルモルト

さて、夜が更けて、阪急の河原町駅から少し歩いてところにある先斗町(ぽんとちょう)に向かいました。とりあえず夜のお店探しはここが一番のお気に入りです。いわゆる「花街」のひとつです。祇園界隈は一見さんお断りの格式高いところが多くて、庶民にはハードル高く、駅にも近いこの界隈が便利。実際に「先斗町」という町があるわけではなく、鴨川沿いに走る小さな路地とその一帯が先斗町です。ウイスキーバーも結構沢山見かけます。

バー巡りにも自分なりに流儀が実はあって、もちろんお目当ての店があれば地図検索で調べていくのですが、そうでない場合は繁華街の外れやメインストリートから脇にでる小径を攻めます。繁華街のお店はだいたいどのジャンルもそうだと思うのですが、駅前とか中心は人の流れがあるので、忙しないことが多いです。外れや小径にポツンとあるのは、何かしらそこを目指すものがあってこそだと思うので、発掘する甲斐があります。

今回お邪魔したモルトバー「ラッケンブース」さんも、先斗町の繁華街の中に位置しますが、場所的にはちょっと小径にそれたところという感じでしょうか。1軒目のおでん屋さんで軽く飲んでからフラッと歩いて見つけました。まだ時間的にも早かったからか、お客さんは誰もいらっしゃらずゆっくりと楽しむことが出来ました。

店内はカウンターメインで5人か6人程度な感じでしょうか。とてもこじんまりとしたお店に見えました。カウンターを囲むようにして棚にはずらっとウイスキーボトルが並んでいます。若干カウンターにも溢れていました。面白そうなボトルもたくさんあって、正直何を頼もうか、かなり迷ってしまったのですが、とりあえずジャンルをジャパニーズに決めて、まずは津貫のシングルモルトから。

これは本坊酒造のマルス津貫蒸留所からリリースされた初のシングルモルト「THE FIRST」です。本坊酒造というのは鹿児島にはる芋焼酎のメーカ。焼酎メーカがなぜウイスキー造りに携わっているかと言うと、本坊酒造の元会長である本坊蔵吉氏が戦前に大阪帝大で学んでいた時に師事したのが、「国産ウイスキーの父」として知られる竹鶴政孝をスコットランドに送り出した元摂津酒造の岩井喜一郎氏。戦後に岩井は本坊酒造の常務として招聘され、山梨でウイスキー事業の立ち上げを指揮。その後、山梨蒸留所は現在の信州マルス蒸留所に移り、更に2016年には本坊酒造の本拠地である鹿児島の地に新たな蒸留所を開設。それが、マルス津貫蒸留所。(因みにwikipedia情報ですが、「マルス」というのは、本坊蒸留所の芋焼酎ブランド「宝星」から引いて「火星」(マルス)としたそとのこと。)

そしてTHE FIRSTは津貫で造られた初のシングルモルトというワケです。ジャパニーズウイスキーと名を売って販売されていても、実際は海外の原酒を使っていたり、単純にボトリングだけしても実はOKなので、巷で数千円クラスと言うのはだいたいそういうパータンが多いのですが、こちらはいわゆる「ホンマモン」、正真正銘のジャパニーズウイスキーなのです。そして、ホンマモンは、間違いなく旨い!。合掌。

幻の軽井沢蒸留所

さて、次に頂いたのが軽井沢蒸留所、こちらは幻の蒸留所になります。どういうことかというと、蒸留所が既に閉鎖されてしまって、今は生産されていないのです。昨今クラフトウイスキーブームで少し想像がつかないのですが、ウイスキーは本場のスコットランドを含めて流行の波が結構あるようなのです。そして、その直近の底といわれるのが80年代~90年代。現在、サントリーの山崎や響の年代物が稀少であるのも、この時代の余波を受けています。つまり、当時の販売量が低迷したために、仕込む量が少なく、時代が遅れて人気が出始めると過去に熟成したストックが足りずに、限られた量を奪い合い価格高騰、品薄、そして品切れになると言う展開。山崎などはまだ蒸留所が稼働しているので、今後に期待するということもできますが、蒸留所が閉鎖されてしまったところは当時の熟成樽分しかこの世に存在しないという事になり、後の時代になって再評価されて注目を浴びれば偉いことになるのは容易に想像できるかと思います。つまり、田舎のばあちゃん家の押し入れからホコリかぶって出てきた箱から、お宝発見なんていうのも全然あり得る話なわけでして。。。

実はリアルにそんな話を信州松本のフラッと立ち寄ったバーでお伺いして、このボトルしかないんですけど、、と言われていた頂いたのが「軽井沢」を初めて知ったきっかけでした。後でそのバーがどこにあったのか記憶をたどってみたのですが、地図だけではどうしても想い出せず、また現地を訪問することがあれば再度訪ね歩きせねばとは思っています。

さて、この軽井沢のブランドですが、実は今、日本の実業家と元台湾カヴァランのマスターディスティラーが小諸で再興しようとしているそうです。(→台湾カヴァランとマスターディスティラーはこちらの記事を参照)

さて、結構アレコレと話を進めてきました。毎度のことですが、何が本題だったのかも分からなくなってきましたが、マスターも気さくな方で久しぶりゆっくりと貴重なウイスキーを愉しむことができました。まだまだ他にもいろいろと試してみたいボトルなどもあったのですが、如何せんコロナ禍でほとんどのバーが営業休止をされたりで、本格ウイスキーから少し遠ざかっていたので、徐々にまた勉強含めて再開していければなと思っています。

ラッケンブースさんの棚

お店の名前「ラッケンブース」はスコットランドのお守りのようですね。詳しい記事はsakedoriさんに掲載のお店のブログ記事より。後で知ったのですが、近くの有名バーwhisky&rumさんとオーナーさんが師弟関係で深い交友関係にあるとのことで、独自セレクトの限定ボトルをリリースしたりされているようです。全くの勉強不足でした。

BAR Luckenbooth
〒604-8017
京都市中京区先斗町通三条下ル材木町187-2
TEL075-251-0407

【京都】ラッケンブースLUCKENBOOTH(京都)

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