BAR GOSSEにてII

先日訪問したバーで、敢えて置かれていなかったジャパニーズ・ウイスキー。

今回は5年ぶりくらいに再会する友人Y氏と訪問。

さて、今回はウイスキーを普段飲まれない人を連れてなので、「ウイスキー」の面白さを知ってもらうべく近くのコンビニでこんなものを調達。

サントリー角瓶

言わずと知れたサントリーの「角瓶」。本当にどこでも手に入ると思います。数百円です。

ウイスキーは安いから美味しくない、という訳ではありません。

特に角瓶は1937年に発売されて以降、名実ともに日本で最も良く知られたウイスキーで、売上№1を誇ります。

ドライですっきりした後味から、ハイボールでも美味しく飲めます。

とはいえ、やはり熟成年数の若い樽をバッティング(混ぜ合わせて)して作られているので、熟成前の原酒の味に近いのかなと。要は、スピリッツのような感覚。

ウイスキーは原酒の出来も重要だと思いますが、やっぱり熟成による味の変化が一番の醍醐味。

なので、やっぱり個人的には物足りない感じ。

でも、とりあえず山に登るには登山口から、という訳で無理を言って「角瓶」からのスタートをお願いしました。

*ちなみに、コンビニで買ってきたウイスキーを飲ませてくれるワガママ聞いてくれたことに感謝!普通では考えられないです。どうか真似をしないでください。(笑)

さて、角瓶をストレートで楽しみながら昔話に花を咲かせました。

個人的な話ですが、Y氏とは大学時代からの付き合いです。

外資や日系大手の海外駐在を経て、かなり最近、というか先月に勤めていた会社を退職。

「え、何するの?」と聞いたら「勉強」との答え。しかも学部、しかもアメリカ、しかもニューヨーク。

???

すみません、まだ一杯目ですが頭がクラクラします。汗

なんでもコロナや子育てで、再度人生の意義について考えた結果、自分の本当にやりたい事がなにか、という問いに返ったそうです。

アメリカはまだ大変なので、しばらくは日本待機なようですが、時代の変化をつくづく感じます。

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Yamazaki 12yo & 18yo

「山崎」

「山崎12年」

「山崎18年」

日本の山崎は、世界のYAMAZAKIになりました。

ウイスキーの熟成年数の表記をエイジ・ステイトメントと言います。

その表記の無いものはNAS(ノン・エイジ・ステイトメント)、通常ノン・エイジと言います。

山崎12年、山崎18年とあるのは、それぞれ12年以上、18年以上、熟成した樽の原酒のみを使用しているという意味です。

山崎のエイジもの(熟成年数の表記があるボトル)は昔に比べて非常に入手が困難で、値段も高くなりました。

*ともっともらしく書きましたが、自分はそれらが入手容易であった時にはウイスキーに興味が無かったので、実感としては分かりません。

国内でも、ノンエイジはともかくとして、エイジものを頼むときは値段がいくらか頼む前に確認します。

やはり、希少価値で値段が高くなっているところがあるので、適正価格という枠が無い気がします。特に海外では、非常に高価な価格で販売されることもあるようです。

ウイスキーは熟成年数を経て完成品となります。

需要が突発的に上昇しても、熟成していた樽の分が無くなれば終わり。

限りあるストックに対して、それ以上の引き合いがくればどうなるかは明白ですよね。

タイムマシンで過去に遡って仕込み量を増やしておく様に指示ができれば良いのですが、

残念ながらそうはいきません。

在庫が減るほどに、希少価値が高まり、値段は上がります。

しかも、単純にラインを増やして作れば良いという話ではありません。

原酒を急いで作っても、そこから熟成に数年、数十年の歳月を要します。

山崎のエイジものが入手困難になっている理由はまさにここにあります。

当時は、これぐらい仕込んでおけば大丈夫だろう、と思っていたのが、実際は全然足りなかった。

しかし、この問題はウイスキー作りに必ずついて回る問題です。

今作るウイスキーの仕込み量は、10年後、20年後の需要を想定しながら計算しなという訳。

他にこんな商売は自分には思い当たりません。

自分がウイスキーに惹かれるのも、こうした「不確実性のロマン」があるからです。

さて、「山崎」も「角瓶」も同じサントリーの蒸留所で熟成したウイスキーを元に作られていますが、何が違うのでしょうか?

簡単に言うと、二つです。

ひとつは、「山崎」はサントリーの山崎蒸留所で蒸留し、熟成したモノのみを使用していますが、「角瓶」は他の蒸留所(白州蒸留所)由来のモノも混ぜ合わせています。

また、ウイスキーのタイプも違います。「山崎」はいわゆるシングルモルト。原料は大麦由来の麦芽(モルト)のみ。

しかし、「角瓶」はブレッド(ブレンデッド)ウイスキー。これは、モルト・ウイスキーと、グレーン・ウイスキー(トウモロコシや小麦など大麦由来の穀物を使用)の2種類のウイスキーを混ぜ合わせたものです。

これによってどのような違いが出てくるのか?

これも簡単に言うと、シングルモルトは単一なのでより蒸留所の特徴が出る個性的な味に。ブレンドは様々なものをミックスしますので、どちらかというとバランスが取れた味になります。

また蒸留設備の違いから、モルト・ウイスキーの方がより複雑に、グレーン・ウイスキーはスピリッツに近い味わいになります。

そして、山崎蒸留所の大きな特徴としてひとつ挙げておきたいのは、熟成樽の豊富さです。

ウイスキーの熟成には様々な樽が使用されます。

通常よく使わるのは、バーボン樽(バーボンウイスキーの熟成に使われた樽)と、シェリー樽(シェリーの熟成に使われた樽)。山崎の特徴としては、こうした樽の種類が豊富なこと。中にはワイン熟成に使われた樽も使用されているとのことです。

樽熟成の効果としては、樽の成分がウイスキーの中に溶け出すことにより、原酒に様々なフレーバーが加わります。これが、ウイスキーの複雑な味わいを出すことに寄与します。

さて、テイスティングに入りましょう。

まずは、「山崎」(ノンエイジ)。

自分は山崎の中ではこれが一番好きです。理由はシンプル。コスパが良い。

結構普通にどこでも入手可能です。色合いの深みは熟成樽から来るのか?12年と比べても深いです。実際、味の芳醇さも12年に比べるとノンエイジの方が深い気がしました。

逆に12年は色合いも薄く、味によりキレがある感じ。

素人の推測ですが、オーク樽の比率が高いのかなと感じました。

そして、18年。これはなかなか簡単には飲めないのでは無いかと思います。

色合いも深く、ディープで複雑な味。

全体的な印象として山崎は本場のスコッチよりボディに芳醇さを感じます。

夏場の気候が向こうよりも温かいので熟成スピードの違いなのか、色んな樽で仕込んだものをバッティング(混合)しているからなのか。

いずれにせよ、山崎は本場のスコッチとは何か一味違うカラーを感じるブランドだと思います。そういう意味で、まさにジャパニーズ・ウイスキーを代表する銘柄とも言えるかと思います。

本日は友人Y氏を迎えて、サントリーのウイスキーを代表的な銘柄である「山崎」を中心に、興味深い話とともに堪能させて頂きました。

BAR GOSSEにてII

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