今回は岡山に立ち寄りました。岡山は目の前にイオンがドーん！と駅前に鎮座して、もう完全に東京駅の八重洲口ミニバージョンというか、完璧に失敗した地方都市のターミナル駅の印象しかなかったのですが、最近ようやく実は繁華街がもっとこの奥に存在することを知りました。岡山飲み歩きが初めての方はまず注意をしてほしいのですが、駅前の繁華街はいわゆる新市街です。旧市街が別にあるのです。とにかくこういう場合は、お城の位置を確認してください。そしてお城の近くの繁華街を目指してみてください。今回はとにかく表通りには目もくれずに路面電車に飛び乗り、表町（おもてまち）を目指しました。目当ての店があったからなのですが、あいにくお店が開いておらず付近をフラフラしていたら何やら怪しげなマンションを発見。「ほろよいマンション」とあります。恐る恐る階段を昇ってどんなところなのかと探検してみましたが、どうやらバーやスナックなどのお店が入っているようです。ただ普通に住んでいるような方もいらして混在しているようでした。マンションはおそらく築５０年以上はするのではないでしょうか、4階？くらいだったかと思うのですが階段がとにかく要注意です。階段の段差が不規則な箇所がいくつかあって、酔った後にこれを下るのは非常に危険というか、もうトラップとしか思えませんでした。後で聞いた話ですが、年に1回くらいは救急車で運ばれていく酔客がいるそうです（汗）。とりあえずマンションの中を一通り回ったところで、まだ開店準備をしているくらいのお店を発見しました（とはいってももう22時回ったくらいでしたが）。ちょうど酒屋さんがお酒を運んできたところで、店の中がチラッと見えたので、その流れに乗って？意を決してお店の中に入っていきました。カウンターメインのエキゾチックなカジュアルバーといった感です。奥には少し広めのテーブル席もありました。コエグジスト（Coexist）さんという名前のお店です。カウンターの後ろの棚をみて驚いたのですが、かなりマニアックなお酒の品ぞろえです。ウイスキーや焼酎などの一般的なお酒もありましたが、なんだか正体不明のボトルがチラホラあります。かと思えばイングランドで最近注目の蒸留所レイクス(LAKES）のジンやウォッカが置いてあったりと、かなりオーナーのお酒好きが伝わってきます。目の前に怪しげなロシアのお酒があったので、それを試しに頂きました。朝鮮人参などの薬草を付けたハードリカーのようで、「バルザム」というようです。口当たりはまさに薬用種といったところで、感じ的にはドイツのイエガーマイスターみたいな感じでしょうか。
繁華街とはいっても人通りは都内などに比べると全然まばら。しかも夜もどっぷり更けている状態での開店。それでもこちらを目指して来るお客さんもしっかりいるようです。近くにある大学の留学生とかもたまに来るそうで、国際政治談議をするのだとか。いやはや、見かけもそうですが中身も完全にゴールデン街風というか。それにしても、日本はやっぱりすごいですよ。地方都市の旧市街にある繁華街の飲み屋ですが、お店のお酒の品揃えは都内の繁華街にまったく負けていません。地方都市だとニッチなお酒の需要があまり無いので、基本的には無難なセレクトになる傾向は確かにあると思うのですが、地方においてもこうした珍しいお酒に対する需要があるのだなと思いました。コロナを経て地方に移住する人も一定数ありましたし、先日新聞記事でも読んだのですが社会人に比べて大学レベルだと比較的まだ学生数は全国に分散しているのだそうです。ウイスキーやジン、ウォッカなどのハードリカーは昔はオジサンの飲み物であった印象ですけど、最近は若いヒトでも好んで飲むヒトも見かけるし、これからも変わっていくでしょうね。何はともあれこのようなゴールデン街チックの趣きをもつ区画を見つけたことに自分でも驚き。こういう発見はやはりグーグルマップだけに頼って目的地に直行していると得られないもので、自分の足でひたすら迷うこと、これに尽きるのです。今回の成功体験をもとに、一層「フィールドワーク」に尽力していきたいう誓いを新たにしたのでした。めでたし、めでたし。
