BITTERS AND CLUB

アメリカ禁酒法の1920年代をイメージした隠れ家的バーを21世紀の銀座1丁目に見つける。

銀ブラ。銀座をブラブラすることに間違いないですが、ウィキペディアで一応調べたらこの用語は「大正時代」からのようですね。そんなに古くからこの「銀座」というのは文句無しに都心の一等地としての座に君臨し続けて来たというワケでございまして、諸行無常も何もなく、銀座はおそらく永遠に銀座なのでしょう。その銀座でバー巡りというのは、恐れ多すぎて今までに一度も挑戦したことがなかったのですが、たまたまお日柄も良く八重洲から新橋に歩いていくついでにちょっと試しに1軒立ち寄ってみた次第です。タイトルにもあるようにアメリカの禁酒法時代、つまり日本の大正時代と同じくらいなわけですが、のキャバレーをイメージしたまさに大人の隠れ家的なバーを見つけてしまいました。 毎度同じですが今回も全くただフラっと見つけただけなのですがお店の名前は「BITTERS END CLUB」というところです。文芸バーとして有名なスター・バーのあるビルの2階です。銀座のビルは外観だけでは全く判断できないところがあって、至ってどこにでもあるような雑居ビル風でも中はすごく洗練されていることがあります。こちらも全くその例の通りでして、中はゴージャスな隠れ家的オーセンティックバー。大人のバーの模範解答のようなお店でした。お店の奥に小さなバーカウンターがあり、マネージャーと助手の方?の2名。もちろんバッチリと正装していました。お店の中を入ってすぐの真ん中あたりは暗くて良く分かりませんでしたがハイテーブルのカップル席がいくつか。そしてカウンターとは逆の奥の方にVIP向けのボックス席らしいものも見えました。要するにです。すべてがエレガントな設えで、ありとあらゆるシチュエーションに対応しているということなのです。お一人で来るもよし、ペアやカップルで来るもよし、もしくはグループでも対応できますよ、と。そして店の隅々にまで至る洗練されたオーラがどこに座っても迎えてくれるという仕組みです。さて、それでは一体何を頂けるのかしら?というワケなのですが、ここでもまた新たな発見がありました。 1920年代のキャバレーにタイムスリップ?! いやあ、参りました。その前に、申し上げておきたいことがあるのですが、とにかくマネージャー殿の接客術と申しましょうか。久しぶりにこのような上品なバーに来るので異常に緊張していたのですが、とにかく聞き上手。やはり大人の男性の理想像というか、中年男子の目指すべき姿がそこにあります。余計なことは言わず、とにかくこちらに話をさせる。「させる」というのは恐縮なのですが、とにかく気づいたら自分がしゃべっているワケです。(というか、ただ自分がおしゃべりなだけなのか?!)これがまたうまい。時にこうしたバーはマスターの講義を延々と聴くようなことになったりすることもあるのですが(それはそれで勉強になるから面白くて良いのですけど)、こうした落ち着いた構えというのはエレガントな大人のバーに必須の要件ですね。とにかく、落ち着きが無かったりすると話をして誤魔化すなんてことは多々あるのですけど、やっぱり静寂というもの如何に美しく演出できるのかというのは接客の極意かなと思います。また、お隣にいらした女性の方もいるのですが、まったくこちらの様子に気を遣うことなくひたすら隣で何やら下準備らしきことに勤しんでおられて、これもまた美しき。ここで相槌を打つというのも確かに男としてはうれしいのですが、実は中の上くらいなのかなと。(笑) さて、そろそろ本題に入りましょう。最初にハイボールで軽く口を洗った後、何かちょっと特別なモノがないのかなあと思いながらマネージャーさんと話をしていたのですが、紅茶とアルコールのマリッジを開発しているとのことをお伺いして、アイリッシュコーヒーならぬ、アイリッシュティーを頼んでみました。要するに紅茶にリキュールを淹れるということなのですが、自分も以前にちょっとあるヒントを経てこの発想について興味を持ったのですが、実際問題「紅茶」に「リキュール」を淹れるというのがうまくマリアージュするのか?という問いがありました。それぞれに個性的なものを組み合わせると、1+1が2になるどころか、ゼロ、もしくはマイナスになってしまうこともあります。極上のトロと神戸牛はそれぞれに良いですが、それを合わせたら美味しさも倍になるかというと、そうはならないのと同じです。つまり、紅茶もリキュールも仮にそれぞれに良いものを選んだとして、それをうまく合わせてお互いの良さを引き出し、さらにプラスアルファを出すというのは相当な知見と技術が無いと難しいのではないか、と考えていました。そんなことをモヤモヤ頭の中で考えながら、でもとにかくメニューにあったので一つ頼んでみたのですが、簡単にいうととても美味しかったのです!紅茶はブレンドで、リキュールは確かラム?だったか、それにホイップクリームらしきものを入れて提供されたのですが、絶品でした!! ちょっと何を撮っているのか分かりにくいですが、こちらがその絶品です それぞれの主張が衝突することなく、うまく組み合わさって何か新たな次元を作り出しています。うまく言えませんが、味の系統としてはスターバックスのカフェモカとか、インドカレー屋で頂くような本格的なホットチャイとかに近いのですが、確かにリキュール感もします。 話をお伺いしているとコロナの影響もありお昼も営業されているようで、バーの雰囲気からすると深夜帯以降かなとも思える雰囲気でしたが、早めの時間帯がメインなようです。ゴージャスで洗練された風であるのは間違いないのですが、マネージャーの落ち着いた人柄などもあってか余計な緊張をすることなく純粋に楽しめました。さすがに銀座とあってか女性客も多く、海外からのお客さんもたまに見つけて来られるとのこと。都会の喧騒を忘れてちょっと優雅で贅沢な時間を楽しむには最適のバーだと思いました。値段もリーズナブルで、正確には分かりませんが、テーブルチャージとかは無く、ドリンク料金だけの明朗会計でした。また銀ブラをする機会が訪れたときには、その隣の2丁目界隈を狙ってみようかなと思います。それでは、また!
東京カレンダー2023年8月号の表紙

東京カレンダーを読んだ通りに、四谷三丁目界隈のスナックを探索する。

荒木町の奥座敷、スナックちょうちょさん。 先日に代官山の蔦屋書店で立ち読みしていた時に、四谷三丁目界隈と新宿荒木町のスナックが紹介されていたのを思い出してフラリと立ち寄ってみました。都営新宿線の曙橋で初めて降車し、階段を昇って四谷三丁目のある靖国通りの方向に歩いていきました。まだ早い時間帯ではあったのですが、いくつか坂道にバーがあって、どれもお客さんで一杯でびっくりしました。やはり東京は広いですね。このような穴場的なところに早い時間帯から人がたむろするなんて、とてもでないけど他ではよほど何かイベントとか無い限り考えられないのではないでしょうか。バーにも立ち寄ってみたかったのですが、今回の目的地周辺にもたどりつかぬ間から寄り道するわけにもいかないので、次の宿題として、そのまま坂を上がっていくと荒木町の裏手に出てきました。『東京カレンダー』で紹介されていた店は、靖国通りからみて一番遠い位置だったので、裏から攻めるのがラクかと思ってきたのですが、見つけるのには少々手間取りました。表通りから一本横に走っているところにそのお店はあり、一見するとただの民家っぽい構えだったので入るのに戸惑いました。一応、看板の名前を二度三度確認してから入店しました。ちょうちょさんというお店です。 お店の中で答え合わせします。 迎えてくれたのはダンディー風の男性。雑誌に出ていたママさんは浅い時間は別のお店で働かれていて、遅くなってから来店?されるとのこと。とりあえず、雰囲気からなんですが、バッチリグーです。もし「オーセンチック・スナック」というものが存在するなら、まさにソレです。お店はカウンター席がメインで、もちろんカラオケ付き。まるで裏銀座のような、しっとりとした大人の雰囲気があふれんばかりに漂ってきます。また同時に、カラオケの感じとかは昭和感があったり。どこか他の街で飲んで食べて遊んで、最後の〆に地元民が安らぎを求めてリフレッシュにくるような、そんな感じでしょうか。元よりこちらのお店を目指して来た自分にはちょっと早すぎましたが、まあとりあえずそれは問わないことにしましょう。とにかく雰囲気は最高です。これで歌が美味く歌えれば文句無かったのですが、スミマセン、恐れ多すぎてマイクは握れませんでした。(汗) ジェムソンのハイボールで心を温める。 マイクは握れませんでしたが、幸いなことにハイボールのグラスはしっかりと握れました。このほかに、オールドクロウも久々にロックで楽しませてもらいました。バーカウンターのマスターが非常にフレンドリーで、荒木町談議を楽しませてもらいました。小一時間くらい滞在して、もう1軒同じ雑誌に掲載されていたちょっとカジュアル系ファンキーなバーを目指しました。行けばすぐに分かる、ということでしたが、確かに店の前に着くかなり遠くからでもその存在は分かり過ぎました。 荒木町のカラオケバー、G.H.Qさん 自分は雑誌を見て目指したのですが、グーグルで検索すると新橋に近い同名のダンスクラブが出てきますが、そちらではなく、新宿荒木町のカラオケバーであることをまず初めに断っておきますm(__)m。さて、ちょうど入れ替わりでお客さんが出られてばかりで店内が一度空っぽになったところでした。先ほどのお店とはうってかわり、こちらはちょっとファンキーなカジュアルバーっぽい雰囲気です。同じ界隈にこれほどまでの「多様性」があるというのは面白いですね。ただ、どちらも深い夜に楽しむお店ということでは同じかもしれません。とりあえずカウンター席の隅の方に座りました。そのほかに奥の方にもグループ用の席があったりして座席の造りは一応カラオケバーですが、壁一面に昭和アイドル?のポスターがギッシリ貼られていたりするなど店内の雰囲気は照明など含めて完全に新宿ゴールデン街のお店を彷彿させるような雰囲気でした。 壁ギッシリに昭和感満載のポスターが。 お店にいらしたカウンターの子と少し話をさえてもらいましたが、会社がリモートなのでヒトとの関わりを求めて時々カウンターに立たれているそうです。最近よく聞きます。世の中がリモートになっても、やっぱり人との関係って重要ですよね。今日の新聞には将来AI上司と働けるか?なんて見出しがありましたが、どうでしょうか?AI上司ってなんの意味かすらよく分かりません。無人の自動販売機とかには全く抵抗ありませんが、ホテルの受付がロボットとか、そういうのって個人的には意味が分からないです。もちろん人手不足なのは分かるんですが、別にそこに「カタチ」を漏らせる必要なくて、ただの券売機とかにすれば良いのでないかと思います。AI上司も同じで、だったら全員社長直属にするとか、組織のスリム化とかまずそういうことでは?と思ったりしますが。まあ記事をしっかり読んで無いので分かりませんが、そもそもムダなことは無くて良い気がします。さて、こうやってフラフラしていることもそもそもムダなんじゃないか?という問いが出てくるかもしれませんが、これはこれでムダを楽しんでいるわけです。バー巡りはムダが楽しいのであって、効率的なことなんか最初から求めていないのです笑。この意味で最近、内田先生の『阿呆列車』という文庫本を読んだのですがこの先生こそが私の天才です。なんの理由も無く東京から大阪に電車で旅に出て(しかもお金も無いので借りたお金で!)、大阪に着いたらそのまま戻ってくるという。そういえば昔うちのオヤジも似たようなイミフなことを青春切符使ってやっていて、それに付き合わせれた自分(一応自称「乗り鉄」なんですが、それでも!)はかなりの災難だったと記憶している次第ですが、なるほど、最近になってこうしたムダにこそ意味があるのか、と悟りに入ってきている次第です。さてさて、みなさん、人生何をそんなに急ぎますか、せかせかせずにゆっくりとのんびりと行きましょう! よく見るとココにも東カレが置いてありました。 新宿荒木町の場所です。↑↑↑→→→荒木町商店街

目黒の権之助坂通りを散策しながら気になっていたクラフトビールのお店を尋ねてみました。

目黒駅を降りた西口から目黒通りに向けて歩くと、大きな下り坂になっています。この通り沿いには、多くの飲食店が通りの両脇に立ち並んでいます。商店街や繁華街は立地が碁盤目だったり、くねくねしていたり、いろいろありますが、「坂道」沿いにあるというのは結構珍しいのでないでしょうか。それなんで、この商店街を歩くならとりあえず下り坂を降りながら店を一通り眺めて、帰り道の上りで気になった店に入るということになります。しかし、今回が初めてというワケではないのですでに下調べは住んでいました。目黒というと駅前(実は目黒駅は品川区なんですが)にタワマンが立ったりと様相がかなり昔と違ってきて特に東口周辺はかなり開放的な感じになったのかとは思います。それでも西口から下る権之助坂の通りはそれほど大きな変化もなく、せめていうなら三角州みたいなところの歩道橋がなくなったくらいでしょうか。さてまず一軒目なのですが、とんかつで有名な「とんき」さんの通りを更に下りドンキを過ぎてもう一つ下ったところを左手(行人坂方向)に曲がってすぐに「アナザーエイト」というクラフトビールの立ち飲み屋さんがあります(バーカウンターや座席も少しあります)。 このお店のウワサはかねがね別の意味でお伺いしていました。言うなれば東京カレンダーに載るようなオシャレな人が集まるお店。なんでもクリエイティブ系やデザイナー、近所に住むガイジンがよなよなたむろするようなお店ということなんです。何度か通りがかったことはあって、毎回結構混んでいたのもありますが、確かに外から見ても分かるほどウワサ通りな感じのお店で毎回躊躇していました。しかし、今日はとにかく意を決してとりあえず中に入ってビールを一杯頼もう、と決してこのブログ記事の取材と勝手な体裁を決めながら突撃してみました。 先に注文する方式です。タップビールのメニュはこんな感じ。あと軽食的なメニューもありました。店内はなにやら二次会のパーティ会場的な雰囲気で奥にバーカウンター、手前に立ち飲み席、壁際にベンチ、という具合です。まあ、軽く一杯飲みましょう、というのには最適。まだ早い時間ですが、みなさん確かにオシャレな人が多い。まあ、普通のサラリーマン的なのは皆無でした(汗)、どんな職業の方なのか分かりませんが、確かにデザイナーとかそういう感じかなあと思いました。男女比も半々くらいで、もっというとガイジンと日本人も半々くらい。何か会社の中のラウンジバーじゃないですが、真ん中のスタンドを選挙していたガイジングループは、途中から輪の中に入って、また抜けてみたいな感じでを繰り返していました。すごい。いや、なんか最近思うんですけど、もう外国とか行かなくても全然コレで自分的には満喫です。店員さんも、フレンドリーなので、肩肘張らずに飲めました。最初に頼んだのは名前からチョイスですが「起死回生」というやつ。とにかくハーフをサクッと飲んで、二杯目は「反射炉」早雲。これはアメリカンIPAです。どちらもすっきとしたクリアでフルーティな飲みごたえ。とまあ、急ぎ足で二杯飲んで逃げるように退散しました。本当に記念飲みというヤツです(笑)。 さて、二軒目はこちらもウワサを聞いたり、実際に通りがかったりして目をつけていたところ。ビアパブとでもいうんでしょうか。こちらも前のとこと同じ系統だと思います。SCENT(セント)という名前の看板が大きくあり、何かちょっとダンディーな大人のヘアカットショップみたいな外観でもあるのですが、中はカウンターメインのバーになっています。こちらも毎回通る時からイケてる人が集まる雰囲気があるとずっと思っていて、今回アナザーエイトを攻略した勢いに乗じて勇気を持って扉を開けてみました。とにかく、先のお店とかもそうなんですが、初めからビビっていて中の雰囲気が見えてしまうと躊躇してしまいます。なので何も水に目をつむるくらいな勢いで突入しました。とにかく外国と違うのは、「日本語が通じる」ということです!(外国だと、そうはいきません、向こうの初めの一句がうまく聞き取れなかったりするとそのまま退散したくなります(´;ω;`))ホームの利点を最大限に活かしてチャレンジしたいものです。お酒に酔った勢いでっていうのもあるんですが、「酔い」ってコントロールが難しいし他の方とかに迷惑かけたくありませんからやっぱりこうしたお店はそこらのスナックのノリではいけないものです。なので扉を開けるまでは目をつむっても、その後はしっかりと目を見開いて中に入りました。 幸運なことにまだお店はそんなに混んでいなくて、手前側にカップルが1組いただけでした。自分は奥の席に案内されて、ちょうどメニューの黒板もあったのでスムーズに注文できました。しかも、実は前から気になっていた静岡の用宗にあるクラフトビールを見つけたので、さっそくそれを注文しました。ウエストコーストブルーイングというのですが、カルフォルニア出身のアメリカ人が日本で本場のビール造りをしたいということで立ち上げたブルワリーです。現地にいかないと飲めないくらい鮮度にこだわりがあるような話を聞いていたいので、びっくりしました。樽買いされたようで、生ビールが飲めたのですが、ウワサ通りというかものすごく美味しかったです。なんどかこちらで紹介しているオレゴン州のクラフトビールが凄い!という話(こちらの記事などをお読みください)をしていますが、あれと同じかそれ以上かもしれません。クラフトビールと言いつつも、フレーバーやテイストは色々で、出来栄えも良かったりそうでなかったりするケースが多い印象です。素材や機械に子だ渡ったり、レシピに力をいれたり、天然や有機などを盛んにうたっても、そこからできるものが必ずしも期待値通りに美味しいかというと、そうでないケースも多々あります。しかし、これはかなり期待値に近いというか、唸るような爽快ですっきりした味わいでした。特に余韻にいやな苦みがまったくなくスッキリしたフレッシュ感が最後まで続いたのでこれはホンモノだと感じました。この後、実際に現地に立ち寄って来ました!その時の記事はコチラです>>> 最後にスぺイーバーンでしめました。 最後に訪問したのは目黒川の手前にある目黒新橋にあるモルトバー「てんてこまい」さん。かなり久しぶりの訪問となりましたが、お元気そうでまずはなによりでした。最近はこちらのブログ記事でも肝心のモルトバー探訪がほとんどできておらず、故になかなか良いスコッチを味わう機会も無くなっていたのですが、初心に戻らねば!という気持ちもこめて久しぶりに訪れました。こちらの女性オーナーさんとは歳が近いこともあり、また大変にウイスキーのことを勉強されているので、同年代のモルトファンとしては毎回学ぶことが多いです。試験勉強のためなのか、オフィシャルのモルトを全部揃えているらしく、なかなか飲めないようなモルトウイスキーが普通に置いてあります。モルトウイスキーの本などを見ると、いろんな蒸留所の情報が書かれているのですが、実際にマッカランやラフロイグ、グレンモーレンジなどどこでも見かけるものもありますが、自社のボトルをほとんど出していない蒸留所もたくさんあるのでそういう意味でも貴重です。また、普通のシングルモルトの上のレベルというと、だいたいシングルカスクやプライベートカスク、そしてオシャレなラベルに身を包んだ高級感のあるボトラーズという路線になるかと思うので、蒸留所のオフィシャルとうのはあまり光が当てられない。まさにこちらもいかにも地味なラベルのボトルです。ついこの間、スコッチウイスキーの本を読んでいてたまたま気になっていただけなのですが、今回はじめて頂きました。味わいとしては、まさにこれぞスコッチというような懐かしい味わいです。最近のボトルはピートや樽で味わいを計画的に設計して盛ってくるものが多い印象ですが、これはそういった飾り気ゼロの純スコッチという感じ。草原のようなモルト感が口に広がり超GOODでした!
目黒通りのワインショップ、ORNIS(オルニス)に立ち寄って微発砲ワインを軽くいただく。

目黒通りのワインショップ、ORNIS(オルニス)に立ち寄って微発砲ワインを軽くいただく。

かなり久々にやってきました、目黒通りのオルニスさん。一時期カード式のワインディスペンサーを置かれていたことがあって、その時はかなり足繫く通い、普通では飲む機会も無いであろう高級ワインに照準を定めて15ccとかちょっぴり飲んだりしていました。今でも時々そのような試飲的なイベントなどを催したりしているようなことは、時々通りがかったりしたときに気づくこともあったのですが、お店の中に入ったのはおそらく5年ぶりくらいではないかと思います。ワインストックは昔と同じような感じでしたが、かなりカジュアルなインテリアに変わった印象です。 こうやってフラワーアレンジメントと合わせるのが今風なんでしょうか。最近はどこのワインショップでも見かける感じです。「酒屋」さんというとウイスキやジン、ウォッカ、焼酎などのヘビーリカーが主体なイメージですが、特に最近はワインを主体としたワインショップが増えているような気がします。どこのお店もそうですが、旧来の酒屋さんと違って、店内は明るく開放的なインテリア、角打ちもできてイベントスペース的なのもある。従来の酒屋さんが図書館だとすると、今風のこうしたワインショップは蔦屋書店みたいな感じとでも言いましょうか。初めての方でも楽しめるような親しみを持てるような雰囲気があります。当然のことながらスタッフさんも親切で(若い子も多い印象)、あまりお酒のことに詳しくなくても親切に一から教えてくれるところが増えてきています。「ワイン」はもともと食事とペアリングするのに必須なアイテムで、イタリアンやフレンチなどでは必ずついてきますので、このあたりがスコッチウイスキーなどのハードリカーと比べて「ハードルの低さ」という意味で大きく違うのかなと感じてしまいます。(もちろん、ウイスキーにもフードとのペアリングという概念はあるのですが、やはりそこまで知られていない印象です) さていきなり目に着いたのが「ペットナット」(微発砲ワインの飲み放題?プラン。ワインショップで飲み放題とはかなり珍しいですね!(汗)。そもそも、ペットナットって何か分かっていなかったのですが、ちょっと軽く何か飲んでみようかと思って立ち寄ったところだったので、さっそくコレを注文しました。クーラーの中に良い感じに冷えたワインボトルがいくつかあって、それが時間内で飲み放題というシステムなようです。普通のワインと同じく、白、赤、オレンジ、ロゼ、といった定番のラインアップ。微発砲というだけあって、確かにちょっとバブリーですが、シャンパンほどではありません。飲み口はどれも軽く、少し複雑な余韻があるものもありましたらが軽い飲み口。甘いのもあったり、ちょっとドライ系のもありました。後で調べたのですが、微発砲ワインというのは16世紀くらいの発泡ワイン造り初期の作り方を再現したもの。最近になってワインの本場フランスなどで注目を浴びて次第に広がって来ているようです。作り方の特徴としては、ワインを作る発酵段階でボトリングをすること。要するにボトル詰めをしてからもまだ発酵が続いている状態というわけで、これが微発泡の要因というワケです。ペットナットというのは、フランス語からの「ペティアン・ナチュレル」(自然発泡)から来ているようです。甘かったりドライだったりするのは、ボトルの中で発泡がまだ続ている状態なので、ボトル詰め初期であれば糖分がまだ残っており甘く、時間が経過すると中で発酵が進むためドライな風味になるということで、ナルホド!です。 このワインの特徴とおススメを3つ挙げたいと思います。ひとつは、もう分かり切っていることでありますが、女性向けなのかなと思いました。ワインボトルもオシャレで、中のワインも軽やかな色合い。こういうボトルが家の中にあるだけでも違うんじゃないでしょうか。軽やかな飲み口なので、お酒が苦手でも抵抗は少ないと思います。とくに熟成が若いものであれば、理屈的に度数も低く甘いジューシーな風味。ノンアル系のワインやカクテルなども流行っていますが、これはそうしたアルコールレスなドリンクの一種と捉えても良いかもしれません。二つ目ですが、エコロジーでしょう。これは古風なレシピというだけあって、完全な天然レシピです。グレープジュースにイーストが入っただけといっても過言ではありません。アルコールに分解される過程で発生する二酸化炭素が、ワインの状態を保つ役割を果たします。つまり、余計なモノは一切なく、純粋に自然の産物と働きだけで出来る液体だということです。しかも、面白いのは先に述べたように、ボトル詰めをしてからも発酵が進むため、時間の経過を楽しむことができるということ。微発砲ワインは2本以上のボトルを買うことが勧められますが、まさにこのためです。最後に挙げたいのは、シチュエーションです。度数も低く軽やかな飲み口なので、フードのペアリングもあまり深く考える必要は無いのかと思います。あまりこってりした肉系の料理などには軽すぎて合わないかもしれませんが、普通のワインと違って、純粋にペットナットのワインを主体にして軽いスナックで合わせたりすることも十分可能。また、深酒をすることもなければそこまで酔いが回るほどのものでないので、映画を見たり、読書したりしながらでも集中力を削ぐことなく楽しめそうです。 最後にですが、オルニスさんは通常のワインも充実したラインアップをもっています。アメリカ、南アフリカなどの新興系から、フランスやイタリアのワインまで広くカバーをしています。お手頃な価格のレンジもあり、小さいボトルも取り揃えたり、ヒップホップ的な缶詰めのワインなど。イメージ的にはカルフォルニアなどアメリカンワインにやや特色があるのかなという印象です。場所が少し不便で最寄りの駅でいうと、東急東横線の学芸大学でしょうか。恐らく駅からだと徒歩で15分くらいかかる気がします。もしくは目黒駅からバスでしょうか。このあたりは他にも若者向けなワインショップやカジュアルな角打ちの店なども多いので、たどり着くまでに別な誘惑にかられるかもしれませんが近辺に立ち寄る機会があればぜひとも訪れてほしいお店です。 >>>クリックでオルニスさんのホームページへ飛びます>>>
やまとや酒舗nakamachi店

広島を代表する酒屋、やまとや酒舗nakamachi店にフラリと立ち寄り感銘を受ける。

地方に行ったときに最近必ずチェックするのが、地元の酒屋さんです。ローカルの酒屋さんというと、ひと昔前まではホコリをかぶったサントリーのウイスキーが眠っているなんかの話が、サントリーのヴィンテージボトルに大きな注目が出ている中で話題にもなったりします。しかし、各地でご当地の酒造りブームが到来している今日ではローカルのお酒の情報収取をするのに格好のアンテナショップとなっているケースがあります。また、地方といえでも都心に負けないような選球眼で良い厳選されたお酒のセレクションをラインアップしているお店が多く出てきています。更には、フードのペアリングなどにおいても、ご当地名物の絶妙なお酒のアテを用意しているところもあり、こちらのお店では角打ち的に店内で軽くフードをつまみながらお酒を飲める立ち飲みのカウンターバーもありました。 やまとや酒舗nakamachi店の店内の様子 やまとやさんでは広島を代表する酒屋さんといっても良いかと思いますが、本店はこちらではなく胡町にあります。本店のほうがお酒の品ぞろえは充実していますが、こちらはどちらかというとお酒の新たなワクワクを開拓するようなカジュアルな店の構えになっています。気軽にサクッと店内でグラスを傾けることもできますし、じっくりとお酒を選ぶこともできます。自分で味見をしながらお酒を選ぶには最適なのかなと感じました。店内も非常に明るくオープンな趣きで初めての方でも気軽に入れると思います。お酒のラインアップてきには割とお手軽でスタンダードなボトルを中心として、少し個性のある珍しいものも取り揃えてありました。オールジャンルで、広島名物の日本酒からワインやウイスキーまで、店舗はそこまで大きくはありませんが、少ないスペースをうまく活用しているという印象です。自分も角打ちを試してみたかったのですが、その後に予定があったため泣く泣く断念しました。角打ちスペースではイベントなどの催し物も開催したりしているようで、情報発信型の新しい酒屋さんです。最近はなんでもそうですが、ネットとかで気軽にショッピングができる時代なので、店舗の役割は単純にモノを売るだけでなく、情報を発信する広報的な役割が重要になってきているのかなと思います。お酒は量り売りなども対応しているようでした。 日本酒コーナーにあった呉の銘酒、雨後の月 ちょっと珍しいものをいくつか発見したのですが、特に驚いたのが北海道の新興蒸留所「馬追(まおい)蒸留所」のニューメイクでしょうか。まだ開設したばかりと聞いていますが、地元のモルトを使ったmade in Hokkaidoのモルトウイスキーを作ろうとしている蒸留所です。ワイナリーもあり、ブランデーとかも作っているようです。北海道にはニッカの余市蒸留所だけでなく、最近は厚岸蒸留所のウイスキーが非常に高い評価を得るなど注目を浴びています。気候もスコットランドに近いでしょうし、なによりモルトやピートなどスコットランドから輸入しているものも当地で調達できる環境にあることは大きいと思います。蒸留器などの機器類は本場で作ってもらったものを導入することが比較的どこでも容易にできるとは思いますが、原料の大麦やピートなどについてはどこでも育てられるものでないので、本場のスコットランドですら輸入品に頼る現状があります。こうなると、どこで何を作っても似通った味わいのウイスキーができてしまうわけで、独自性を出すために樽熟成でワイン樽だとかを使ったウッドフィニッシュなどが盛んにおこなわれています。ただ、こちらも最近は樽不足に悩んでいるところが多いようです。自然に無理なくその土地の個性を表現するという意味で、自家製のモルトを使ったウイスキーを作るというのは、そうした観点からもとても大きな強みになるのでないかと思います。そのニューメークは非常に貴重ではあると思うのですが、どうしたわけか広島のやまとやさんに陳列されていました。何かしらお付き合いがあるのか分かりませんが、地方を拠点としながら横のつながりがあるとするなら非常に興味深いです。本当は購入して買って帰りたかったのですが、ニューポットってなかなか購入しても開けられないんですよね。もったいなくて。今回は広島のお酒を目当てに立ち寄ったということもあって見送りました。次回はもう少しじっくりと時間を確保して立ち寄りたいなと思いました。まだ明るい時間帯でしたが、店内は角打ち席も満員に近く、人気店であることは間違いなさそうです! ウイスキーコーナーになった馬追蒸留所のニューメイク

山陽道を神戸から広島まで行った日々の記録。

内田百閒の『阿呆列車』を読んでから、無性に山陽道を往きたくなっていました。実際のところは一度も列車には乗らなかったのですが、山陽道の始点である神戸を出て、姫路、岡山、広島という形で移動をしました。久々にこの山陽道をじっくりと踏みしめながら少しばかりの見聞ができたので、そのことを記録しておきたいと思います。まず、始めとなる神戸は毎度お邪魔をしているワインバー、ノラックさんを訪問しました。前回の訪問時はかなりお客さんがいて賑やかでしたが、今回はしっとりとした感じでした。奥のカウンター席に男性の先客さんがいただけで、落ち着いた雰囲気。手始めに目の前に置いてあった赤ワイン・ジンファンデルをいただきました。ジンファンデルはほぼカルフォルニアなので結構イメージした味とぴったり来ます。スタートの一杯というのはなんでもそうかもしれませんが、チューニング段階というかまずはイメージ通りのもので合わせておきたいところです。普通のバーとかですと、だいたいハイボールとか生ビールを頼むことが多いのですが、こちらは本当にワイン専門のお店なので、かなり悩むところではありますが。。 最高過ぎる雰囲気とはこのようなことを言います。 こちらのお店の特徴はとにかく一点も曇りのない完璧な店内の設えとでも申しましょうか。博識のマスターに完璧な品揃えのワイン、そしてディープな大人の雰囲気が満ち溢れるバーカウンター。更にはボタニカルの観賞植物や絵画など、すべてにおいて最高です。そして何といってもお手頃な価格なことが重要です。東京や京都なんかでもお金さえ出せばあるのかもしれませんが、こちらは周辺のバーとほぼ変わらないような料金体系で良い意味でサービスと金額が調和していません。なので、ワインがお好きなら一度はぜひとも飛行機代を払ってでもこちらのお店にいくべきだとすら思うのです。それでも元は取れると思います。↓ノラックさんのホームページです。因みに訪問記は別にありまして、こちらも>>>Read more articles about the bar NOLAC. ”Just sit down, and chill out” その後の用事でタコと卵焼きで有名な明石や、お城の姫路などを通り、岡山に向かいます。岡山は内田百閒の地元なのでありますが、本の中でたびたび出てくる「大手饅頭」というのを実際に食べようと思ってたのですが、ついつい忘れてしまいました。(汗)またの機会にしたいと思います。姫路と岡山についてはスコッチバーを訪れるチャンスが今回は残念ながらありませんでした。とりあえず過去の記事を再度ご案内いたします。姫路のスコッチバー、西中さん >>> READ MORE岡山のスコッチバー、ニシモトさん  >>> READ MOREところで三宮のスコッチバーは伝説のこちら >>> READ MORE(メインモルトさん) 美和桜酒造の御結。 最近広島に来ると誰かとご一緒に飲むことが多くて、一人でしっぽりとお酒を飲むことが無くなってしまった代わりに、自分の中では日本酒の魅力を気づかされる場所になっています。もちろん、一番有名なのは賀茂鶴などでお馴染みの西条のお酒なのですが、その他にも海に近い呉や、山の中の三次なども特徴のある個性的なお酒を作っています。今回は呉の「雨後の月」(相原酒造)と、三次の「御結」(美和桜酒造)の二つを賞味させてもらいました。どうも最近になって日本酒に弱くなってしまったので、本当はもっと試してみたかったのですが2杯に我慢しました。その後は焼酎のロックとかを飲んでいましたが。(酒)お結びは精米歩合が70%でいわゆる地酒ですね。色も見ての通り少し濁った感じで味わいも深みがあります。その名の通り「おむすび」をイメージしたそうですが、お米感のある味わいというか、とても良かったです。最初に飲んだ雨後の月はフルーティな感じでスッキリしたのど越しが良かったです。最後に訪問した広島でしたが、毎回来るたびに良い街だなあと思います。路面電車が街の縦横を走るのは何度も書いている通りなのですが、良い意味での昭和感があるというか。流川の繁華街には活気がとてもあり、昼間もアーケード街や平和記念公園には観光客などで人があふれている感じでした。最後にですが、広島に関するモルトバー記事はリトルハピネスさんで紹介しています。今回は日本酒のみとなってしまったのでモルトバーは訪問の機会がありませんでした。m(__)m お土産用のお酒は大和屋さんで購入しました。 >>>やまとや酒舗nakamachi店の訪問記録のページへ>>>