まずはテイスティンググラスの持ち方からだ!変な持ち方をしてないかね?底を軽く持つんだ! さて、飲む前に注意してほしいことがある。スコッチウイスキーのショットを出されて、いきなりグイっと飲み干してないか?それは全くクールじゃない!我々が丹精込めて作ったLUXURY「ラグジュアリー」だ!丁寧に味わってほしい! グラスにウイスキーを注いだならまずは一息ついて、ノージングからだ。ウイスキーの多彩な香りをまずは堪能してほしい! まず、グラスに鼻を近づけて挨拶をしよう。「こんにちは!」 さらに、もう一度、「ご機嫌は如何ですか?」 最後に「ご機嫌よう」。 次にティスティングだ。先ほども言ったように、一気飲みはやめてくれ!我々の造るウイスキーは新歓サークルの罰ゲームのためでないことを理解してほしい!これはLUXURYなんだ!神経を舌に集中させて、じっくりと味わってほしい!そして、飲み終わった後に、10秒数えるんだ。10秒後にウイスキーの味わいが君の中で花を咲かせるはずだ!これがウイスキーの真の味わいなんだ!「鼻と舌をもっと使って下さい。使うためにあるのですから! ウイスキーは探れば探るほど、沢山のものが返ってきますよ」 パターソン氏は26歳の若さでホワイト・アンド・マッカイ社(グラスゴー)のマスターブレンダーとなり早くから活躍。業界きってのノージングのスペシャリストで、ついたあだ名が「The Nose」。同社の傘下にあるダルモア蒸留所での功績は広く知られ、またスコッチウイスキーへの情熱の深さと行動力から世界各地に赴き、「伝道師」としてその魅力を熱く語っている。探求心が旺盛で読書家(特に歴史書を好むそう)、シェリーやワイン、コニャックなど他のお酒にも造詣が深く、「樽熟成」のエキスパート。ブレンドしたモルトを別の樽でマリッジさせ、さらにグレーンとモルトでもう一度マリッジさせ樽で寝かせる「ダブル・マリッジ」手法などを開発、ホワイト&マッカイのブレンドスコッチではこの方法が使われている。 ホワイト&マッカイ社の看板ブレンドウイスキー造りの決め手は「木」なんだ。It is the wood that makes the whisky そして、待つことだ。辛抱強く。3年、4年、5年、、、ウイスキー造りにおいては、熟成の時間がすべてだ。ハイランドにあるダルモア蒸留所は、ホワイト&マッカイ社傘下で、パターソン氏が長年マスターブレンダーを務めてきた蒸留所。長期熟成の名作がある中で、最高峰とされるのが「トリ二タス64年」、たった3本のリリースで発売当時の金額は1本当たり10万ポンド(当時の相場で約1500万円)!その他、自身のキャリア50周年を記念してリリースされた「ダルモア50年」も、当時の価格で5万ポンド。ウイスキーの可能性をトコトン追い求めた究極のラグジュアリーボトル。アイラの隣のジュラ島にあるジュラ蒸留所も一時期ホワイト&マッカイの傘下にあった。彼がウイスキーの最高の想い出としてたびたび回想するのが、ジュラ島にあるパップス山に蒸留所の所長と登り、頂上で飲んだ「スーパースティション」の味。頂上からの眺め、その時の雰囲気、そして気の合う友と過ごす時、これらの要素が絶妙に重なり合い、忘れえぬ最高の記憶となっているのだという。 DALMORE JURA https://nonjatta.blogspot.com/『美味しんぼ』にも登場したパターソンさん。(第70巻/1999年) ホーム画面に戻る