whisky.comより
SUPERSTITION(迷信)
PROPHECY(予言)

怪しげな一つ目。これはこの蒸溜所がある島、ジュラ島に伝わる昔話に由来します。昔、この地はキャンベル一族により支配されていました。そのキャンベル一族により住む家を追い出された予言者の老婆が、去る時に残した言葉が上の予言が冒頭のこちら。

”キャンベル一族の末裔は、独眼で、すべての家財を荷馬車に載せ、白い馬に引かれて立ち去ってゆくだろう。”

奇しくも、その予言は1938年に当時の末裔で独眼であったチャールズ・キャンベルが島を離れたときに現実のものとなりました。その「予言」PROPHECYという名前を冠した奇抜な一つ目のボトル。中身も非常に謎めいています。エイジステイトメントが無いだけでなく、どの熟成樽を使ったのかも明確にはしていません。そしてこのボトルはヘビーピートを効かせたており、インパクトある余韻を残します。そして隣の「迷信」SUPERSTITIONはライトピートが特徴です。

 

10年と16年

この対比として先ずはオススメしたいのがスタンダードボトルです。10年、16年などがあります。特にジュラの特徴としては、「起源」Originと言われる10年モノ(バーボン熟成)。このニュアンスは非常にボトルの印象とは違い、とてもマイルド。味わいも花畑のような感じ。アイリッシュのような喉越しの良さがあります。16年は、バーボン熟成の最後の2年をシェリーで後熟しており、少しシェリーのニュアンスが加わります。この二つに比べると、ピートを効かせた「予言者」の印象はかなり鮮烈なものとなるはずです。もはやお花畑ではなく、どこか違う場所に放り出されたような気持ちになります。ピートの利き方も不気味と表現しましょう。味わいは確かにジュラの特徴あるマイルドなボディが先に感じられますが、その後にスモーキーなピートがバッと立ち昇ります。まるで予言者が到来するかのよう。まさかこんなイメージをしながら計画的に作ってるとは思いたくないのですが、すごく印象深い味わいでした。