六本木にある究極のカットソーのお店、フィルメランジェ(FilMelange)でモノづくりとサステナビリティを考える。

六本木にある究極のカットソーのお店、フィルメランジェ(FilMelange)でモノづくりとサステナビリティを考える。

今回はちょっと趣向を変えて洋服屋さんの訪問記事です。すっかり外も秋めいてきたというか、熱い夏がいつまで続くのかと思っていたらいきなり秋になってしまったかのうような天気。そんなわけで俄かに押入れの中に収納していた長袖の服を出してみたんですが、どうもいまひとつピンと来ません。そんなわけで六本木を散策していたら良い店をみつけました(というか正確には去年も来ましたm(__)m)。

お店の名前は「フィルメランジェ」と言います。場所は六本木ヒルズから広尾よりに少し歩いたところ。六本木からだと中国大使館を過ぎたあたり、広尾からだと有栖川宮記念公園を右に見て坂を上ったあたりに位置します。麻布十番とかからでも歩いて行けるかもしれませんが、まあ、あのあたりです。住宅街の中にあるようなこじんまりとした店構え、路面店になるのですぐわかるかと思います。この立地だと、どうしても何かすごい高級感というかあふれ出るようなオーラ感みたいなのを想像するかもしれませんが、まったくそういうことはなく。ほのぼのとした優しい感じです。あまりこの手のものを探しに六本木に来られる方はいないとは思うのですが、もしかしたら近隣の方が普段用にとかで購入されていくのでしょうか。デザインも色使いもご覧通り至ってシンプルです。そしてなんといっても自分が気に入っているのは、「着心地」。ウールとかの服だと肌に直接当たった時にチクチクすることがあると思うんですが、こちらのはそういうことが全くないんです。自分はちょっと肌が過敏なところがあって、ウールのセーターとかは長袖のインナーを着て肌に直接当たらないようにしたりするのですが、その必要性が全くない。そんな感動をお店の方に伝えてみると、こちらのお店の売りが「生地」にあるとのこと(汗)、これ以上の理由が見つからないほどに納得です。また、こちらのメーカは一見して何か北欧的な感じがあるのですが、実は「MADE IN JAPAN」の日本製です!

スコッチウイスキーと無理にからめようとしているわけではありませんが、クラフト製品の価値、要はハンドメイド・手作りの良さというものが改めて見直されてきているように感じます。質の良いものを長く使うというか、本当に良いものの価値というのは何か共通点があるように感じます。特に今の世の中はITとAIによる自動化というものが激しく進行しています。余計な労働を省略していかに効率的に生産をできるかという視点に注目が集まっている状況。ただ、その一方で何か固有でユニークなオンリーワンの個性を、すべてが同質化、標準化する流れの中で求めているような気がします。ここで大切になってくるのが、やはり「ホンマモン」を見極める力ではないでしょうか。ウイスキーマニアの端くれであっても、だだウイスキーボトルを抱きかかえるだけではダメで、常に広角に視野を持っていないといけません。ウイスキー業界もそれまでの伝統をただ盲目的に追従するというのではなく、SDGsなのど環境問題に始まり、作り手における多様性の抱擁、新たなイノベーションなど常に変革の波が押し寄せ来ています。それはまず一つにウイスキー愛好家である需要サイドの裾野が広がって来ているということ、またそのニーズに応えるべく新たなインスピレーションが求められている、そして何ゆえにスコッチを楽しむ?という根源的な問いに対する答えも今までになく多様化してきていることが挙げられると思います。激動する世の中を生きていくために「感受性」を養うことは必須でございます。小難しいことばかり考えずに単純にお酒を楽しく呑めれば良いという向きもあるかと思いますが、「スコッチウイスキーの楽しみ方」はこのようにお酒を飲むだけでなくいろんなことを考えながらスマート飲酒の在り方についても考えていきたいと思っています。

 

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