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ウイスキーの味わい方
さて、バーの席について一息ついたところで、味わい方についてご説明します。 初めての方は、とりあえずまず一杯何も読まずに一口味わってから、読み進めてほしいです! その上で、飲み方、楽しみ方、味わい方、の3つを順にご紹介していきたいと思います。 まずは、「飲み方」。これはウイスキーを良く味わうという意味ではストレートが一番のお勧めではあります。これは健康にはあまりよろしくないと思いますし、正直20代の子がウイスキーにチャレンジされてるのみると、正直微笑ましい気持ち半分と、「おい、大丈夫か?」という気持ち半分です。自分も若いこといくときは絶対にこっちからは勧めません。が、たいてい逆にいつもこちら側がストレートを薦められる始末。笑 いや、笑っている場合ではないんですが、とにかく無理はしないでほしいです。でも、最初の一口だけとか、無理をしない範囲で「時の結晶」の原水を味わってほしい気持ちも抑えられません。だいたいウイスキーの度数は40度前後。チューハイやビールは数パーセント。お酒が15度、焼酎20度くらいなので、やはりかなり高いです。これは意識しておくべきだと思います。 飲み方は、水割りやソーダ割りという方法もありますが、割って飲むと本来の味はどうしても薄まってしまうように思います。もちろん、おいしいです。ですが、エイジモノとか言われる、熟成したウイスキーはやはりストレートで飲んでこそかなあ、と思ったり。いずれせよ、ウイスキーそのものも通常は加水されてますので、加水がダメということは決してありません。(加水全くなしの原酒は、カスクストレンクスと言います。度数で60°くらい。 ロックやトワイスアップ(ウイスキーと水を半々で割る)という方法もあるので、自分の体や健康を第一に考えた上で試して頂ければと思います。あと、ストレートで頼んでも、チェイサーというお口直しの水が出てきます。薬の服用ではありませんが、ちょっと飲んで、後で水を流し込んでみたいなやり方もあるかと思います。自分はだいたいこうやってお腹で「水割り」にしてます。笑 さて、次は「楽しみ方」です。これは3つあります。特に難しく考える必要はありませんが、だいたい次の3つの観点からウイスキーは評価されます。 一つ目は「ノージング」。要するにウイスキーの香りを楽しむことです。 二つ目は「テイスティング」。ウイスキーを口に含んだ時の味わいです。 三つ目は「フィニッシュ」。後味のこと、「余韻」というやつですね。 普通のお酒は香りとテイストの組み合わせかなと思うのですが、ウイスキーは他の蒸留酒と比べても、「熟成」に特徴があり、テイストが非常に繊細で複雑。長期熟成のエイジモノなどは、「余韻」の後追いが面白いです。 香りで「アッ!」、テイストで「えっ?!」、余韻で「おお!」となれば成功です。笑 とは言っても何か特別な仕掛けがある訳ではありません。これが本当に憎らしいところです。 基本的に原料も作られ方はほぼ全部同じです。ベースは同じなんですが微妙なニュアンスの違いで、様々な「表現」が出てきます。なので、やはり舌に多少の繊細さは求められるかもしれません。ただ、ウイスキーでなくても、日本酒やワインであっても基本は同じコトかと思うので、ある程度お酒の好きな方であれば、すぐに馴染んで頂けるのでないかと思います。 香りや味わいの表現方法として、「フルーティ」「フラワー」「スモーキー」(ピート)「樽(木材)」などがあり、さらに細かな指標でも表現されます。テイスティング・ウイール(tasting wheel)というのがあり、これらの感覚が有る方は、ものすごく良いと思います。 蒸留所には「マスター・ディスティラー」というスペシャリストが常駐し、味わいや風味が同じになるように厳格な管理がなされています。簡単に言いますが、これってたぶんものすごく難しいと思います。なので、自分は尊敬しかないです。また、バーの方や、ウイスキーの愛好家の方でも、実はプロ?っていうくらい凄い方が、結構普通におられます。たまにド田舎の、こんなところに誰がくるの?ってところで、ヤバいウイスキーの棚とか見つけたら、小躍りしたくなります。自分は、それが楽しみで毎日生きてます。笑 最後に「味わい方」についてです。 これは、これらのウイスキーの味わいがどのようにして来るのか、様々な風味の違いを作り方や、作られた背景など様々な要素を考えながら、味わうという楽しみです。最初にですが、自分はまだ勉強中です。結構エラソーなことを語ってきましたが、蒸留所って実は一つも回ったことが無いんです。なので、あくまで自分の理解している範囲であることをあらかじめ了解願います。 ウイスキーの味の個性を分ける要因を分解すると、大きくは「原料」と「製造工程」に分けられると思います。 まずは「原料」について。原料は、水、大麦、酵母、基本はこの3つだけです。 最初の「水」。 水質については、ほとんどが軟水を使用していますが、硬水を使う蒸留所もあります。因みに、軟水と硬水の違いを簡単に言うと、ミネラル分を多く含むのが硬水、少ないのが軟水。滝のように川が流れる島国は、基本的に水が濾過されるので軟水。ピュアな水質が特徴。日本も軟水です。 硬水はミネラルを多く含むもので、欧州とか大陸に多いです。コンビニで見かける「エビアン」などがそうですね。 水源は雪解け水であったり、地下からくみ上げた地下水であったり、川の水であったりとさまざまであるが、良質の水を使うことはウイスキーづくりにおいてとても重要とされています。後に述べる大麦やイースト(酵母)などの原料は他から運んでくることもできますが、「水」はどうしようもない。なので、蒸留所はだいたい良質な水源の近くに位置します。 次に「大麦」です。モルトの原料である大麦については、デンプンを多く含む「二条大麦」が使われています。ただし、麦の種類についてどこの銘柄が良いとかはあまり問われることは無いです。恐らく、銘柄の違いが味わいに与える影響があまり無いからであると思います。ですが、最近ウイスキーもテロワールを重視した考え方が、特にスコットランド以外の蒸留所などで注目をされていて、敢えて地場の大麦を使ったりするなど新たな試みもなされています。このようなウイスキーが、どのような味の変化をもたらすのか、非常に楽しみではあります。 最後に、「イースト」です。要するに「酵母菌」の違い。 ウイスキーはビールと同様に麦汁に酵母を加えて、アルコールと炭酸ガスに分解することで原酒が得られます。一般的にウイスキーにはディスティラーズ・イーストと呼ばれる高効率のイーストが使われるが、複数の酵母を混ぜ合わせて使用したりすることも。酵母の種類や組み合わせにより香味成分が変化、発酵の後半に発生する乳酸菌とともに微生物たちの働きがフレーバーに大きな影響を与えます。 製造工法については、三つとりあげてみます。「乾燥」、「蒸留」、「樽」についてです。…