さて、何ゆえに今に至って韓国初のウイスキー(もちろんスコッチウイスキー)の蒸留所が出来たのか、という話ですが、創立者のブライアン氏(도정한/ DO BRYAN HAN)は韓国系アメリカ人。元はマイクロソフトに勤務していたITエンジニアだったようです。アメリカの大学を出てから韓国に戻り放送局などでキャリアを積みながら最終的にはマイクロソフトに10年ほど勤務、将来的な展望も十分にある中で、敢えてその職を辞しバーを開店。自宅で自前のクラフトビールを作るくらいにビール好きで、当初はクラフトビールを事業に据え2014年にHand&Malt社を立ち上げました。機械化の進む業界の動きとは逆に手作り感を前面に出す戦略を取り見事に成功。同社は現在OBビールを運営するインベブ傘下のブランドになっています。
因みに「韓国らしさ」の観点でいうと、原料のモルト(発芽大麦)はどこから調達しているかということですが、これは海外から輸入をしているようです。もちろん韓国産の大麦を使ってモルティングできないかということもトライはしてみたようですが、うまくいかなかったようです。ただし、将来的には韓国産の大麦を使ったMADE IN KOREAのウイスキーを作ることを目標としているようで今後が楽しみです。