禿坂と桜とお酒

禿坂と桜とお酒

今回はのんびり週末の花見の話でもしようかと思います。どうかお気軽にお付き合いくださいまし。というわけでやってきたのは近所にあるかむろ坂。せっかくこうして書くので、そもそも「かむろ」って何?と思ってネットを調べたら、禿(禿)のことなんですね、というのは実は違って、江戸時代に遊女の手伝いをする女の子を言うそうです。周りに遊郭もなかった、おそらくただの田舎の村であったこのあたりにどうしてこんな名前がついたかというと、昔、あるお侍さんと契りを結んだ花魁がいたそうです。でも悪事を働いたその侍は鈴ヶ森で処刑され、この付近の寺に葬られたとか。そのことを聞いた花魁がその葬られた墓で自害すると、後を追って探しに来たかむろも悪い奴にからまれて近くの池で自害したそうです。それを忍んでかむろ坂というそうな。そんな話があるのだそうです。ふむふむ。さすが、江戸は東京。何事も由来があるのですなあ。そんなことを思いながら、桜のトンネルと化したかむろ坂をゆっくりと下ります。

かむら坂の桜トンネル
かむろ坂の桜。車で通るのもまた一興です。

小山台から山手通りに下っていると、目黒川みたいにお店の表でシャンパンを提供している洒落たビストロを発見。民家の一階にキッチンとカウンターがあり、座席数も4席くらいのこじんまりとした感じ。たぶん二組くらいで一杯ではないでしょうか。男性二名がキッチンに立たれていて、フレンドリーな感じに招かれて、小雨も降り出して来たこともありなんと店の中で雨宿りをさせていただきました。ちょうどディナーに向けた開店準備の最中、キッチンでは若い男の子が仕込み中でした。話をお聞きすると、なんと旭川のご出身ということで、いやはや。ウイスキーのことに話が及んで、厚岸のことだとか、近くのおすすめのスコッチバーの話だとかついついペラペラと話しをしてきちんと仕事の邪魔をしてしまいましたm(__)mしかも、オーナーらしき男性からお代わりまで次いでいただく始末。これはまたどこかの機会にお詫びの印できちんと訪問したいですね、ところでお店の名前をメモするの忘れてました汗。googlemapeで調べてもみたんですが、載ってなくて、また近所に寄ったら調べてみようかと思います。

かむろ坂とお酒
フレンチビストロのカウンター越しに楽しむシャンパンと桜。

さて、この界隈にはもうちょっと面白いお店があるんですよ。それが次にご紹介したいもう一つのフレンチ。こちらは本当に本格派というか、本場に近い現地の味という感じの場所。いわゆる格式ばったフレンチ!というのではなくて、本当に現地の味っていうか、これぞホンマモン、というのがこのお店の特徴です。名前はキャトル・アヴリールといいます。この間に店の前を通りかかったときにオーナーの方と話しをしていたら、フランス領マルティニーク島のラム酒があるという話を聞きまして、なにせ珍しいお酒には目が無いものでせっかくの料理目当てではなく、なんとラム酒目当てで来てしまいました。

仏領マルティニーク島の希少なラム酒。@quatre avril

マルティニーク島のラムはおそらく国内ではまり知られていないかと思います。いわゆるハバナクラブのようなキューバラムとは違って、フランス領のマルティニーク島などで作られる「フレンチ・クレオール・ラム」という希少価値の高いラム酒で、アグリコール製法というオーガニックなクラフトスタイルのラム酒です。従って、いわゆる工業的に大量生産されている有名銘柄に比べると、生産量も少なく故に希少価値が高いということです。(→詳しくはこちらのページなどをご覧ください。)ラム酒はスコッチのシングルモルトのようにオーク樽で熟成もするので、粗原料の違いはあるもののスコッチと同じよう熟成による味の円熟味や風味の違いなどが楽しめます。丸ティーク島ではスコットランドのアイラ島のように7か所か8か所くらいの蒸留所があるようで、それぞれ個性的なお酒を造っているそうです。今回頂いたSaint Jamesはかなり濃厚なフレーバーで風味豊かな味わいでした。フルボディな味の輪郭というか深みはバーボンとも似ているのかもしれませんが、やっぱりちょっと違うんですよねえ。こういうのがまた面白いです。

自家製ソーセージ
絶品の自家製ソーセージ!@quatre avril

さてフレンチシェフが作る料理の中で、自分が一押しなのは実はこのソーセージ。一度食べると病みつきになります。しかも、手作りなので毎回微妙に違います。中身も微妙にレシピが違うそうです。基本的に日本のソーセージと言われるものって、まがいモノなんですよね。そもそもソーセージなる文化が無かったので仕方ないと思うんですが、ソーセージとは何ぞや?を語るならぜひここでホンモノを味わってほしいです。小さなナゲッツみたいなのがコロコロしているのではなくて、ナイフとフォークで1本に向き合う、これぞ本場の味。あと、ソーセージっていうのはドイツのモノ、っていう固定概念があるような気がするんですけど、ヨーロッパに行けばだいたいどこの国も美味しいんですよね。もともとはドイツから製法を学んだとかあるかとは思うんですが、とにかくこのフレンチビストロのソーセージは自分は今まで食べてきた中では絶品です。(一応、ドイツもオーストリアも観光でですが行ったことありますし、現地のレストランで食したこともありますので断っておきますm(__)m)あ、そういうえば、今まだ営業されているかわかりませんが、あるドイツ人の方から行きつけのお店を教えてもらって市ヶ谷の日テレ近くの地下にあるドイツ料理屋さんに親父と一緒に食べに行ったことがあるのですがそこのソーセージも旨かった記憶あります。

西伊豆の神-GIN-「DEGIRU」@bar nargo

さて、夜も更けてきたところで最後に立ち寄ったのが、Bar Nargoさん。ここはテキーラで知られるお店です。元ゴールデン街にいらした方が、こちらでお店を開かれたそうです。実はこの場所は個人的に少し思い出深い場所でして、それでたまに思い出したように足を運びます。とはいってもたぶん2回か、3回かくらいしか来たことはないのですが。やっぱりあまり家の近所とかのお店っていうのは、誰に見られているかも分からないし、なんかちょっと足が遠のいてしまいます。はい、小心者でございます。昔、もう辞めてしまったんですがある同僚と話をしていて、一人暮らしの時だったんですが、洗濯物をベランダで干しているときに通りを歩く通行人と目が合うと恥ずかしいよね、みたいなこといったら「そんなこと気にしてちゃだめですよ、山田君!(仮名)堂々としなきゃ」と、意味不明の励ましを受けて以来、とりあえず今でも洗濯物を干すときは堂々とすることを心がけています。って何の話?!

Nargoさんの話に戻ります。内装は結構広々としていてカウンターのほかに、テーブル席もあり、おひとり様でもグループでも楽しめるのではないかと思います。カウンターの女性の方もとてもフレンドリーでアットホームな雰囲気。そういう意味ではゴールデン街チックともいえます。また、傍らデザイン関係のお仕事もされているらしく、ご自身でデザインされたTシャツやバッグなども販売をされていました。こういった感じもなんかゴールデン街に似てる?!。テキーラは正直ほとんどまだ攻めきれてないので、また今度お伺いするときはもう少ししっかりとお店の看板商品にチャレンジしてみようと思います。それでは、また次回まで!バイバイキーン!

注:小生は全く酔っていません。ヒック。

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