Year: 2023

エキゾチックで素敵な内装の京都・木屋町通り沿いのバー、KAWABAR。

京都滞在の最後の夜に、高瀬川に沿って走る木屋町通り沿いにあるクラフトビールバー、KAWA BARに立ち寄りました。オーナーはフランス人の方?エギゾチックな外観に惹かれました。 京都はとにかく水辺が面白い。先斗町にしても祇園にしても水回りなんですよね。鴨川なんかも歩くには良いんですけど、やっぱり小さな川とか堀とかに町屋風の建物があって夜も更けると灯りがともりだすんですけど、それがまた映える。本当にタイムスリップしたような気持になります。高瀬川沿いは居酒屋やバーがたくさんある路地裏があって、本当に歩いても歩いても興味は尽きないのですが、どこまで面白いんだ!ということで河原町から上がらず、五条の方に下っていくことにしました。しばらく歩くと、なにやらエギゾチックな店を発見。なんの店かと目を凝らして中を見ると外国人の方と思しき男性がテーブルの片づけをしているのが見えました。どうもクラフトビールを扱っている店のようで、店の奥の棚にずらりとボトルが並んでいるのが見えました。とにかく面白そうな店だったので、とりあえず入ってみました。 店の玄関からバーカウンターを覗く 建物は古い町屋風の建築で、中は改装してバー&レストランになっています。京都のクラフトビールを中心に扱っているようで、外国人観光客向けというか、英語も日本語も対応可能という感じでした。広いテーブル席と、奥にバーカウンターが少しありました。カウンター席に座りたかったのですが、すでに先客がおられたので、テーブル席に座りました。メニューには軽食もあり、まだご飯を食べていなかったので連れと二人でサーモンのサンドイッチをオーダーしました。店はオーナー一人で切り盛りされているようで、少し時間かかりましたが、空腹も手伝ってか予想以上に美味しくとても良かったです。なんだか京都というよりどこかヨーロッパの国に来た感じですが、京都のクラフトビールが色々とあって、しっかり京都を堪能しました。と思って頼んだビールは実は大阪でしたが(汗)、まあ細かいことは忘れましょう。 minoh beer って箕面(大阪)のことね。 お酒のメニューはクラフトビールだけでなく、ジンやウイスキー、ワインなども提供しているようです。ただ、なんといってもクラフトビールの品ぞろえが凄いです。クラフトビールでジャパニーズものを揃えているところって、あまり記憶になくて、久しぶりに飲んだ感じです。最近は海外でも国内でもとにかくお酒のクラフトものがとくに盛ん。小規模な蒸留所や醸造所でも、きちんとしたブランドと商品価値を確立できれば、商売として成立するってことなんでしょうね。クラフトビールもちょっと前にブームになって、あちこちでご当地モノができたころは、味わいというよりは他に追随しているだけのところとかも多かったように思いますが、最近はやはり淘汰が進んでホンモノの味を提供する勝ち組だけが残っている印象です。海外品も扱うお店が増えてきているので、競争は激しくなっているのではないかと思います。でも根強いファン層も増えてきていますし、海外の方がこちらのバーで日本のクラフトビールを飲む機会ができれば、もしかしたらウイスキーのように海外向けにも広がりを見せるのかもしれません。特に今回の京都訪問では、海外からの観光客もだんだんと戻ってきていると感じましたし、まだまだ増えていくのでしょう。寺社仏閣の歴史文化的な魅力にとどまらず、そのブランドを活かして様々な方面に京都が世界のKYOTOとなろうとしている、また京都に来れることを期待しつつお店を後にしました。 クラフトビールのボトルがずらりと並ぶ光景は圧巻 KAWA BAR>>

チャム・アパートメントでボウモアのハイボールを久しぶりに飲んだ話。

カラフルな内装のモダンカジュアルなダイニングバー、チャムアパートメントさんでボウモアのハイボールを楽しみました。開放感のある店内、スタジオのような雰囲気のあるインテリア、ゆったりとしたスペースはどれも最高です。グループ向けのテーブル席がメインですが、カウンター席もあるので一人でも落ち着いて楽しめます。

京都先斗町のバー通い、Bar佐曽羅さん。

少し時間が経過してしまいましたが、年末に京都を訪ねた時に訪れた先斗町のバーの紹介です。京都の先斗町(ぽんとちょう)は、「三条通の一筋南から四条通まで通じる鴨川にそった南北500メートルあまりにわたる細長い通りのことを指し、京都における著名な花街の一つです」ということです。(詳しくはこちら→)元々は花街だったそうで、今でも現役の舞妓さんや芸妓さんが出現するスポットとしても知られています。小さな路地裏には主に飲食店や土産物屋さんが軒を連ねていて人気の観光スポットとして知られています。阪急線の京都河原町からが便利です。小さな路地なので初めての方には少し分かりづらいかもしれません。昼も夜も人通りが多く、今回も観光客の一行にもまれながら、どこか良いバーは無いものかと探していたのですが、あまりにも人が多かったので通りを入ってすぐの左手にちょっと雰囲気の良さげなこちらのバーを見つけ、ちょうど中の様子が見えたのでそのまま入っていきました。(ちなみにこちらの系列店でもう少し奥に行った川側の右手に同じ名前のダイニングカフェもあるようですが、こちらは「Bar佐曽羅」さんです) 先斗町のバー佐曽羅さん店内カウンターの様子 外の喧騒が嘘のように店内は少し薄暗くシックな内装です。カウンター席がメインで、すでにほぼ満員でしたが、一番奥の席が空いてたので連れとそちらに腰を下ろしました。カウンター後ろの棚にはスコッチウイスキーを含めたハードリカー中心の品ぞろえ、とりあえずいつものことですが軽くハイボールをグレンモーレンジ・オリジナルで頼みました。あまり最近は本格的なスコッチを飲んでいなうて、グレンモーレンジとか、あとはラフロイグ10年とか、バーボンのジャックダニエルとかをハイボールで頼むことが多くなりました。さすがに京都の先斗町に店を構えるだけあって内装も京都風なアレンジというかどことなくお洒落です。京都は本当に何気ないほんの僅かなことが絵になるというか、片隅に華がポツンとあるだけでも、ああ京都だなあ、なんてことになってしまいます(笑)。店内は割と忙しくいろいろな注文を取り次いでいたり、カクテルなどを作っていたりしたので、あまりゆっくりとカウンターの中の方をお話しができませんでしたがとても良い雰囲気だと思いました。真ん中に居座っているただならぬパッケージのウイスキーが気になったのでお伺いしたところ、「京都ウイスキー」なる地元の蒸留所のリリース品とのことでした。 京都みやこ蒸留所の場所 どこの蒸留所かと思って調べてみたら、京都の丹波地方という京都「府」の真ん中くらいのところに最近できた蒸留所のようです。(→京都新聞の記事)オーナーさんは脱サラで立ち上げられたような感じですね。ウイスキー好きが高じてというパターンは海外でも良くありますが、日本でも登場してきているんですね。解説して早くも海外の賞を取ったりしているようです。西陣織のパッケージなどを見るところからすると、京都ブランドに肖って海外志向の意識も感じてしまいます。ケチをつけるワケで無いですが、たぶん距離的なことを言うと、サントリーさんの山崎蒸留所の方がMIYAKOには近い気もしますが。。ホームページ(京都酒造)などで詳細を見ると、おそらく現段階では海外のウイスキーを持ってきて自社ブレンドしているのかなという印象です。蒸留所の設備はポットスチルが2台、クラフトディスティラリー的なこじんまりとした感じです。多少は自社の原酒も入っているのかもしれませんが、今のことろは輸入ウイスキーをブレンドしてある期間を自社倉庫で熟成させてプロデュースしているといったところでしょうか。その割にはいきなり海外で賞を取るというのは、すごいですね。ボトルの値段も見ましたが、 京都酒造 京都ウイスキー西陣織ラベル 紫帯 700ml 価格:4,950円(2023/1/29 10:34時点)感想(1件) まあそこまで高く無いというか、ただブレンドウイスキーで言うと、そこそこのお値段かなと。バランタインなら12年と17年の中間くらいの価格帯といったところでしょうか。まあどちらを選ぶかというところですが、海外から観光で来られたお客さんがお土産とかで購入して買って帰ることを考えるなら、良い値段かなとも思いました。ちょっと味見をしてみようかとも思ったのですが、自分は結局その後ブルックラディのクラシックを頼みました。(なんじゃそりゃm(__)m) 最後になりますがBar佐曽羅さんの場所です。京都はJRの京都駅というのは本当に不便でかなり都の中心から外れています。京都の中心というのはもちろん昔の天皇のお住いのあった京都御所からカウントしていくわけですが、京都駅があるのは「8条」、先斗町があるのは「3条」から「4条」の間です。この点では京都に伸びている私鉄に軍配があり、阪急や京阪が便利です。ただし、JRと私鉄は京都市内での接続が無いので、京阪神地区の外から来られる方はJR京都駅からバスやタクシーを使ってということになります。このあたりが、やはり京都が関西の奥座敷としての地位をいまだに保っている所以なのかもしれません。方言とか含めて京都はやはり別格だと感じます。ちなみに京都は以前に来た時にも先斗町のバー・ラッケンブースさんを訪問しています。こちらの記事も良かったら読んでいただければと思います、この時はかなり真剣にモルトウイスキーを楽しませてもらいました!

岡山の老舗居酒屋 黒ヒゲさんにて。

「晴れの国」岡山での居酒屋巡りの記録です。今回は宿泊していたホテルからふらりと立ち寄った播磨町の居酒屋「黒ヒゲ」さん。岡山は繁華街が面としてかなり広範囲にわたるのですが、密集度が低いので、少し分かりづらいというのが問題です。そんななか、おそらく岡山のいわゆる夜の町である中央町から少しはずれた播磨町に「黒ヒゲ」さんという居酒屋を見つけたので立ち寄ってみました。 到着したのは夜の9時ごろだったでしょうか。でも通りは閑散としていて、正直のところどうしたものかと思っていました。飛行機が遅れたので夜ご飯も食べそびれてしまったため、今回は珍しく食事も少しできるところということで物色していました。宿泊していたホテルから少し歩いたところに「おでん」の文字を見つけたので、これが良いかなと思い雑居ビルの1階にあったこちらのお店の門をくぐってみました。 岡山はすでになんどかきたことがありまして、モルトバーも何軒か知ってはいたのですが、とにかくお酒だけというような感じでもなく久しぶりに居酒屋の門戸をたたきました。偶然か分かりませんが、店内は誰もおらず、カウンターの席に案内されました。店内の内装は昭和ノスタルジック満載、まるで漫画のワンシーンのような作られた空間です。カウンターには黒電話があったり、演歌が流れていたり、あとはうまく説明ができませんが囲炉裏だとか、蓄音機のようなものだとか、昭和を彷彿されるグッズがたくさん陳列されていました。その極めつけが昭和の演歌。マスターはラジオや司会のパーソナリティを長くされているようで、往年の名歌手さんとの交流もあるとのことです。八代亜紀さんなんかと一緒に撮られた写真なんかも置いてあって、「舟歌」好きの自分としては感慨深いものがありました。おもわず「ホンモノはどんな感じなんでしょうか?」なんて聞いたりもしてみました。さてさて、今宵はとりあえず何を飲もうかと思案していた時に、焼酎のお湯割りなんかを頼んでしまいました。ウイスキーもブラックニッカやらが陳列されたいたのですが、なにせまだ一軒目だったもので気が回りませんでした。オーナーはもう御年80歳を超えるそうですが、とても若々しく、確かに「ヒゲ」は黒ヒゲではありませんでした、十分に昔のオーラーを感じさせるものもありました。しかも、まだ現役でお仕事されているとのことですから、さすがとしか言いようがありません。時々娘さんが手伝ってくれるとか話をされていましたが、後世に伝えるのはかなり難しいのかなと思います。客層もご自身とともに老いていくわけですし、新たな客層といってもお店のスタイルとどうマッチングさせていくのかという問題もあります。常にファンを獲得するというのは、本当に難しいことかなあと思いました。 「おでん」の盛り合わせセットなんかを腹ごなしに頼んだのですが、正直お値段的には少し周りと比べても高めなかと思いました。理由は良く分かりません。老舗だからなのか、手間暇かけて作っているこだわりなのか。そもそもお酒を飲むときには食べることをしないタイプの自分には判断のしようがありません。コスパ全体を考えた時に、必ずしも良いとは言えないとは思いますが、そこは50年以上の歴史とオーナーの貫禄に免じてとでも申しましょうか、面白い店ではあると感じました。相当たる往年の歌手との交流があるようでしたが、特に控え目で何を自慢するわけでもなく、本当にごく普通に振舞っているところが素敵だなと思いました。80歳というのは日本人の平均寿命ではありますが、それを超えても現役でカウンターに立つことができるというのは、やはりすごいと思います。そこまで健康でいられる、さらにまだ現役で働いていらっしゃるというのは、実にすごい。まさに自分が目指すところでもあります。笑 1時間ほど飲んだり食べたりしながらマスターと楽しい時間を過ごさせてもらいました。また機会があればぜひ再訪できればと思います。ありがとうございました。そしてご健康で!

ダンカンテーラーからリリースされたマッカランは、75,000ポンドです。

新年早々にドヒャという記事を発見しました。スコッチウイスキーのボトラーズ、ダンカンテーラー社がマッカランの52年をリリースしたというのです。マッカランはスコッチのロールスロイスといわれる超高級ウイスキーとして知られています。12年などは一般的なバーでも広く置かれていると思いますが、ワンショットの相場だと1,500円くらいとかでしょうか。他のシングルモルトウイスキーに比べても高いことが多いです。それくらい高級ウイスキーとしての知名度を持っていうます。そのマッカランの52年。これは人類が月に行った年、1969年?、なのだそうですけれども。マッカランでなくても50年以上の超熟ウイスキーというのは非常に珍しいです。昨年にSUNTORYが限定販売していた55年の「山崎」が、アメリカのオークションで8000万円以上の値段をつけたとことでテレビでも話題になっていましたが、これもオフィシャル価格は300万円でした。そして、今回のマッカランはハウマッチということですが、なんと75,000万ポンド(日本円換算で1,000万円以上)。ToyotaとFerrariかというくらいに違います。(汗) 直近のウイスキーキャストでアメリカはロスのインポーターのシャンド社の人がゲストに呼ばれていました。このマッカランを引っ張ってきたからだと思われます。ダンカンテーラー社はユアン・シャンドさんという人がアメリカ人の元オーナーから会社を2002年に買収して今に至るのですが、元オーナーがかなりのコレクターだったようで非常に良い樽のストックをもっているようです。実際に、ダンカンテーラー社も廃蒸留所のオールドウイスキーシリーズ「Rarest」など珍しい長期熟成品のラインアップを得意としているイメージがあり、このマッカランがリリースできたのもそうした背景があると考えられます。関係は良く分からないのですが、インポーターのシャンド社の社長さんはモジ・シャンドさんという方で、ダンカンテーラー社のCEO(ユアン氏はChairman)になっています。苗字が同じなのですが、お二人がご夫婦なのか?とかまではちょっとわかりませんでしたが、シャンド社とダンカンテーラー社はつながりがあるようで、そうしたこともあってシャンド社の方が呼ばれたのかなと思います。アメリカのインポーターなので、日本ではあまり知名度が無いと思います。自分もシャンド社というのは初耳でした。ホームページを見ると、高級志向のインポーターなようで、ウイスキーの他にもウォッカやテキーラなど色々扱っているようです。 さて話を戻しますが、これだけ高価格のウイスキー。司会のマークはこう尋ねます。これまでウイスキーというのはウイスキーの愛好家(飲む人)向けに販売されてきた。ところが、最近はコレクター向けに価格が吊り上がっている。「ウイスキーのマーケットとは何か?」と。いや、まさにそうでしょう。普通に考えて、1000万円を超えるウイスキーといのは飲み物なのでしょうか?たとえそれが高級なものであったとしても、1滴が1万円するかのような、まさに不老不死の薬でも飲むような世界です。 その回答は少し興味深いものでした。いわく、そもそもこうしたレアなウイスキーというのは、もともとは退職祝いなどに贈られるようなものであったと。要は価値観が違うのでしょう。記念品のような扱いというか、単純に金額に換算されるようなものではないというのです。更に、カジノなどでも大きく負けた人に、因みに金額的には「1万ドル」とかの話だそうです、残念賞的な意味合いでこうしたレアボトルを慰め代わりに贈ることがあった(ある?)そうです。なるほど、確かにそれはウイスキーを「飲む」という中身の価値とは全く別なものがありそうです。しかし、そうだすれば、なおさら一般庶民の手に届かないところにあるのでは?というのが正直な感想です。こういうのです。こうしたお金の感覚は一般的には理解されないかもしれないが、そうした人(=お金持ち)にとっては「大海の一滴」のようなものだと。なるほど!確かに、一千万円が大海の一滴くらいな感覚で購入できるなら、しっかりと楽しめそうです。自分なんかは神棚に祭り上げて我が家の祭神として後世の繁栄を願うところですm(__)m。まあ、そんなわけで、土台無理な価格のレアボトルは忘れて、庶民は普通のフェラーリで我慢しましょうか?! 【1/15全品P2倍!】マッカラン 12年 シェリーオーク 700ml ※おひとり様12本迄 シェリー オーク カスク ザ マッカラン シングルモルトウィスキー 正規_[リカーズベスト]_[全品ヤマト宅急便配送]お家 家飲み 価格:11,880円(2023/1/15 11:04時点)感想(35件)

2023年初投稿

2023年、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 スコッチウイスキーの楽しみ方では、スコッチウイスキーをメインテーマとして、注目している蒸留所の記事や、国内のバーの訪問ブログなど、さまざまな観点からスコッチーウイスキーの魅力を掘り起こしていきたいと思っています。 まだ同時に、スコッチウイスキーだけに限らず、バーボンなどの他のウイスキーや、他のジャンルのお酒についても色々と見聞きしたことや体験したことを書いていこうと思っています。「スコッチウイスキー」をタイトルに掲げてはいますが、お酒をテーマに広く全体的にカバーができればと思っています。そんな方向性で本年も頑張っていこうかなと思っているので、何卒よろしくお願いいたします。 年初はカサーシャで!@お酒の美術館中野店にて さて、年初初の投稿ということでのんびりと書いていこうかと思います。昨年は結構いろんなお酒にチャレンジした一年でした。今まではスコッチウイスキーがメインだったので、スコッチ専門を自任していて、オーセンチックなバーを中心に雑誌やネットで情報を拾いながら訪ね歩いてきました。その中で、最近のスコッチウイスキー界隈の流行としてある「ウッドフィニッシュ」をもう少し詳しく知りたくて、樽作りに使われていた実際のお酒を飲んでみたいなと思ったことがそもそもの初めでした。 ご承知の通りですが、スコッチウイスキーの味わいの多くは、熟成に使われていた「樽」に由来するといわれています。中には、穀物や発酵、蒸留設備の中にその特徴を求めることも無くはないですが、やはり「樽」のインパクトが大きいことは否めないかと思います。「ウッドフィニッシュ」というのは、熟成期間の最後の段階に、少し特別な樽の中でフレーバーに特徴づけをすることを言います。スコッチは主にバーボンの空き樽(バーボン樽)か、シェリー樽を使用しますが、このウッドフィニッシュに使われるのはそれらと違うよりフレーバーにインパクトのあるものが多いです。メインはシェリー樽が多いかなとは思いますが、バーボン樽も使われることがあります、また、ラムやテキーラなど変わった樽も使用されることがあります。熟成に使用される樽はリユース品も可能なのですが、リユース品は元のお酒のフレーバがすでに無くなっています。逆にウッドフィニッシュで使われる樽は、元のお酒の特徴が引き出せるようなものが多く使われています。中には少し前のお酒そのものが残っていることもあります。ただし、あまり前のお酒のインパクトが強くなりすぎるとウイスキーの微妙なニュアンスが壊れてしまうため、通常は短期間、数か月程度、最後の調整に使われるイメージです。こうすることで繊細なスコッチウイスキーの味わいに更に奥行きが出て、深みのある立体的な味わいに仕上がります。 とまあ、このように理屈ではある程度分かっているんですが、実際にバーボンもシェリーもあまり飲んだことが無く、ラムやテキーラなどもほとんど飲む機会がありませんでした。モルトバーに行って、わざわざウイスキー以外のお酒を頼むことも無いですから、当たり前といえばそうなのです。その反省を踏まえて?昨年は少し意識していろんな酒場に繰り出してみました。なので、少しスコッチウイスキーの話題から外れることが多かったかと思います。しかし、発見も多かったです。今まではモルトバーばかりしかお邪魔したことがなかったのですが、他のジャンルでもたくさん良いバーがあることを知りました。 ひとつひとつ語りだせば切が無いので、テーマ別にまとめていきたいと思います。まず、ちょっと上の写真で紹介した「カサーシャ」から先に紹介しておきたいと思います。これは、中野のお酒の美術館さんです。「カサーシャ」ってそもそもなかなか見ることもないお酒かなと思うのですが、ほぼラムだと思ってもらえれば大丈夫かなと。ブラジルのお酒です。原料はさとうきびのしぼり汁です。写真は熟成した樽別で、ブラジルにはウイスキーの熟成に使われるオークが無いので、オーク以外の木を使った樽で熟成しているそうです。ただ、基本はホワイトリカーで、熟成といっても短期間、数か月から数年といったところ。テキーラのアネホとかに近いのかなと思いました。味わいも甘いのかなと思ったのですが、意外にドライ、どちらかというとボタニカルなフレーバーが強いです。ロックくらいがちょうど良いかなと思いました。現地ではコーラとかで割って飲むみたいです。 さて、「ラム」ですが、思い返してみて一番印象に残ったのは神戸のムーンライトーバーさんで頂いた「オールドモンク」というインドのラムでしょうか。ラムといえばキューバとかカリビアンなイメージですが、インドでも古くから作られていることを知りました。実は「ウイスキー」の生産量でもインドが世界で実は一番なのです。なんとなくインド人というとあまりお酒を飲んでいるイメージは無いのですが、実は結構お酒を作っているんですよね。恐らくは昔、イギリスの植民地であった影響もあるのかとは思いますが、仏教とかヒンズー教とか信心深いイメージがあるので意外ではあります。インドのお酒事情みたいなのも何か調べてみたいナと思っています。 「テキーラ」では、浜松のOKUIZUMIさんでしょうか。ラムとテキーラを専門とするカジュアルなバーでしたが、こちらで頂いたジャパニーズ・プロデュースの「雫」がいまでも印象的です。テキーラはホワイトリカーの印象がありますが、熟成したレポサドやアネホも面白い味わいでした。あと、番外編ではありませんが、新宿歌舞伎町のカリビアン・バーは糞医的にとても面白かったです。 カリビアンバー、メヒコにてテキーラを。 さて、昨年に特に自分が興味を持ったのがワインとクラフトビールであることは間違いないです。なぜか?というのはとても簡単で、良いバーに巡り会えたことがすべてです。こちらのブログを見ている方であればすでに想像がつくかと思いますが、ワインは神戸のノラックさん、クラフトビールは品川・西小山のクエンチワインさんです。昨年の発見という意味ではこの二つのバーが自分の中では大きな出会いであったかと思います。詳細については、それぞれのブログ記事に譲りますが、簡単になぜそこまで気に入ったのかを紹介いたします。まずノラックさんですが、取り揃えているワインが本格派で、プロデュースする空間美とオーナーのパーソナリティーがすべてを語ります。これだけのサービスがあって、価格はとてもリーズナブル。毎回、感動の一言です。とくに最近ナチュールワインなどのオーガニック系のワイン、そして軽やかで華やかなソフトな口当たりのすっきりしたワインが着目されるなかで、従来の正当派ワインをしっかりとリーズナブルに楽しめるというのが一番大きいです。ワイン好きの方、特にワインを最近飲み始めた方に特におススメしたいお店です。 昨年飲んだお酒のMVPはずばりコレ!@クエンチワインさん クエンチワインさんですがこちらはオレゴン州推しのお店です。業態はどちらかというとインポーターさんで、お酒の販売とともに立ち飲みもできるといった感じです。まだ出来たばかりのお店でオーナーさんが一人で切り盛りをされているので、お店の営業も不定期です。基本的には土曜日のみに空いているイメージですが、とにかく営業日は事前チェックしてから訪問されることをお勧めします。あとは運頼みでしょう。ワインとありますが、クラフトビールもおいてあって、自分はこのクラフトビールに強烈なインパクトを受けました。とにかく、ビールでは無いんです!、でもビールです!。と、こんな感じです。ビールの原料が穀物であることを忘れ去るようなフルーティで軽やかなフレーバーの開き方が半端無いです。しかもそれが缶ビールで出てきます。低温輸送で入荷されているようなので、こちらで飲むのを特におススメします。 さて、あれこれ振り返ってきましたが、意外にも色々と発見の多い1年であったことに今更のように気づかされます。本年も、更に色々と見聞を広げながら、継続してブログ記事をアップしていければと思います。また蒸留所紹介記事についても、最近ほとんどアップができていないのですが、何かトピックを見つけてリサーチできればなと思います。少なくとももう一度見返してみて、アップデートが無いかなどの点検はしてみたいと思っています。最後にですが、今後さらにジャパニーズウイスキーや国内のバーが海外からも注目されるであろう動きに備えて英語でのブログ発信も細々と開始しています。こちらも少しづつ、英語の勉強とも合わせて、深みを持たせていければと思っています。そんなこんなですが、また今年も頑張ってやっていきますので、よろしくお願いいたしますm(__)m

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