2014年にボトラーズのWemyss社が開設したローランド地方にある新生の蒸留所で、ファイフ(Fife)に位置。ファイフは、「ゴルフの聖地」と言われるセント・アンドリューズや、スコットランド最古の大学であるセントアンドリューズ大学などがあり、見どころのある街としても知られる。

"the old course"/wikipedia
創立は1413年のUniv. of St Andrews/wikipedia
ニューポットを試飲!

さて、このキングスバーン蒸留所で作れれるモルトウイスキーの特徴は?ということであるが、これは何と言っても「麦の甘み」という事になるかもしれない。今回、このキングスバーンを初めて試した西川口のバー「CASK AND STILL」さんで、同蒸留所のニューポット(樽詰め前の出来立てのウイスキー)を試飲する機会があったのだが、62度というアルコールながらモルト感たっぷりの麦の「甘さ」を十分に感じることができた。

ディスティラーズエディション(2018,2019,2020)

上の写真は3年熟成を経たシングルモルトの完成品。なんと、ディスティラーズ・エディション!。市販品ではなく、(蒸留所のメンバーズクラブ)会員飲みに毎年1回蒸留所から送られてくる貴重なボトル。2018年(右)は恐らくバーボン熟成、真ん中の2019年はワイン樽、そして左の2020年はピートウイスキーの空き樽とのこと。どれも美味しかったが、やはり2018年のバーボンが個人的ンには一番気に入った。ニューポットの質感をそのまま生かしつつ、樽感に「素直に」染まっている感じ。

さてこのキングスバーンズ蒸留所であるが、建物は1800年頃に建てられたと思われる古い農家の建屋を改装。ピーター・ホーロイド(PETER HOLROYD)という若い青年が蒸留所の責任者を務める。彼が語るキングスバーンズの特徴は「フルーティ」で「ライト」、そして「エレガント」な味わい。ファイフは大麦の産地でも知られ、モルト仕込みには地元の契約農家のものを厳選して使用。水は蒸留所地下100mのミネラル分多く含む地下水を取り出して使うなど、「土地感」のある味にすべく地元の原材料にこだわる。製造プロセスでは、ゆっくりとした発酵と、軽やかでフルーティさを抽出する蒸留工程により、マイルドで甘みのある原酒を作り出す。熟成では主にバーボン樽が使用されている。一般向けリリースとしては、主力商品である「DREAM TO DRAM」(主にバーボン熟成)と、「BALCOMIE」(シェリー熟成)が知られている。

"dream to dram" ガスライト霞が関さんにて(2021年1月)
"balcomie"

最後になりますが、今回キングスバーンス蒸留所の貴重なウイスキーを頂いたバー「CASK AND STILL」さんの場所は以下の通りです。平日は18時~営業されてました。西口降りて南手すぐの地下にあります。喫煙可。主にカウンター席のみで来店者は一人の方が多い印象でした。(2020年12月訪問)