【愛知】HOCKER ホッカー(蒲郡)

【愛知】HOCKER ホッカー(蒲郡)

今回は愛知県三河地方の蒲郡に立ち寄りました。名古屋からはかなり南に下ります。豊橋からは新快速で一駅です。青春切符などで東海道を旅行していると、必ず通る駅ではあるのですが、降りたことは一度もありませんでした。地元の方に伺うと、「ラグーナテンボス」というリゾート施設や文豪に愛された温泉などがあり、東海の「熱海」ともいわれる行楽地のようです。豊橋の勢川でうどんを食べた後だったので夜も更けてしまい、着いた時には周辺の様子はよくわかりませんでしたが、地図で見ると駅から歩いて数分くらいで海に行けるようでした。繁華街は海側とは逆方向にあります。のちに聞いた話では昔はかなり賑わいがあったようですが、今では灯りがポツン、ポツンという感じです。フィリピンバーらしきピンクの看板が煌々と燃える店のすぐ近くに今回のバー、ホッカーさんを見つけました。歩いて本当に数分でした。ロータリーを挟んでほぼ駅前のような感じです。ただ、あたりに歩いている店はほとんどなく寂しい雰囲気。降り立ってすぐたったので、とりあえず表通りを1周してみましたが、バーらしきものはここともう1軒くらいなようでした。かなり閑散としています。駅前の地下にある小さな呑み屋街も通ってみました。お店は開いていましたが、静かな感じでした。地元の方が飲むにしても、名古屋や豊橋の街中で飲んでから、最後に帰宅前に寄るような感じなのでしょうか。そうすると、もっと深夜帯の方が賑わいがあるのか。とりあえずグルグルしてみましたが、埒が明かないのでお店の方にまた戻ってきて扉を開けました。 最初の一杯はC.C.ハイボールから 店内はシックな感じです。オーセンティック系のバーという雰囲気。ゆとりのある席の配置。広々としたカウンター席と、その後ろにゆったりと座れるテーブル席が二つくらいありました。レコードなんかも飾ってあって店に流れる曲調も心地が良いです。入ったときはマスターが一人でカウンターに立たれていました。まずはカナディアンクラブをハイボールで。「カナディアンクラブがお好きなのですか?」と開口一番に聞かれたのですが、とりあえず一杯目はバーボン的なハイボールを飲むのがルーティンなだけでございます。カナディアンクラブは正確にはバーボンではありませんが、成り立ちを遡ればバーボン志向は明白です。アメリカの禁酒運動で仕方なくカナダ側に蒸留所を作らざるを得ず、その後はこれまたアメリカ側の事情で「バーボン」を名乗ることができなかったために「カナディアン・ウイスキー」という別枠を設けられ、そしてアメリカで禁酒法が施行されてからその品質の高さが広く認められ「カナディアン・クラブ」(C.C.)としてのブランドが定着することになります。(https://www.suntory.co.jp/whisky/canadianclub/history/)カナディアン・ウイスキーはバーボンと似ている部分もあります。モルトも多少は使うこともありますが、主に穀物(特にライ麦)由来の材料を使用します。蒸留も連続式です。ただし、バーボンと違い樽は再生樽も使います。また独自の特徴としてコーン由来のベースウイスキーと、その他穀物のフレーバリングウイスキーを作り、それをブレンドしてカナディアンらしい爽快感あるスパイシーさを持たせています。なので定番ブランド品はストレートで飲むよりは、ロックやハイボールなど割って飲んだりする方が美味しく楽しめるかと思います。 ブラントン・シングルバレルのストレートを 続けてブラントン(Blanton's)を。ブラントンはバッファローズ・トレース蒸留所のプレミアムウイスキーのブランドです。1980年代に登場した比較的若いブランドで、これは銘柄の名前にあるアルバート・ブラントン大佐に由来します。特徴はマスターディスティラーによって認められた良質の樽から一つ一つボトリングされていること。これは、ブラントン大佐が大切な客人をもてなすときに、倉庫から樽を一つ開けてボトリングしたものを用意していたことに着想を得たようです。こうした経緯を知れば、これは割らずにストレートで飲むしか選択肢はありませんよね。ラベリングや馬のキャップなどまですべてがハンドメイドなクラフトバーボンの味を堪能します。バーボンとしては、かなり辛口な感じです。プレミアムだけあって、熟成もバーボンとしては長期間行っているようで、加えてバファローズ・トレースの倉庫は冬場にスチームを炊いて温度を保ったりなど早熟の仕掛けもあり樽感がしっかり出るイメージ。バーボンはオークの中を焦がした新樽のみを使用するので、これがバーボン樽の深みというやつなのでしょうか、クセになりそうです。 キルホーマンのリキュール。スモークな香りが! 最後に頂いたのはスコッチ・キルホーマン。ただし、ウイスキーではなく、リキュールです。ベースにキルホーマンのニュースピリッツを使用して、フレーバリングにブラックベリーを浸漬したようですが、ノージングをしてみるとベリーワインのような液体からスモークが立ってきます。どんな味だろうと思ってテイスティング。ただ、味わいまではさすがにスモークさはあまり感じられず、ベリー感が口に広がります。キルホーマンをベリージュースで割ったような感じとでもいいましょうか。元々はキルホーマン蒸留所が立ち上がった時の最初の数年間、原酒が熟成してモルトウイスキーとしての完成品ができるまでの間、何か販売できるものがないかということで商品化されたようです。普段あまりリキュール類は飲まないのですが、甘すぎることもなく面白い味わいだと思いました。さて、カナディアンに始まり、バーボン、スコッチのリキュールを楽しんでお店を後にしました。マスターは気さくでフレンドリーな方で、地元も蒲郡とのこと。繁華街の賑わいが無くなってしまったのは残念ですが、どこの地もこうしたオーセンティック系のバーは息づくものなのかと思いました。今度は近隣の温泉街など含めてもう少し深く探検をしてみたいですね。ではでは。 BACK TO HOME (スコッチウイスキーの楽しみ方)>>
西川口のトルコ・クルド・バー

西川口のトルコ・クルド・バー

埼玉県の川口といえば最近では外国人が多く住むようになった街として知られます。特に今では移り住んでくる外国人の数が国内でナンバーワンなのだとか。主には中国系などアジアからの方が多いのですが、その中で異色を特に放つのがトルコ系、正確にはクルド系の移民です。映画とかで見るような感じのままで、家族ずれなどが街を歩いているところに偶然出くわすと、逆に自分が日本にるのか?と思いたくなります。難を逃れて移り住んできた事情もあってか、いわゆるジャパナイズ(日本人化)された要素が無く、まるで昨日まで向こうにいたようなオーラを醸し出しています(というのは自分の勝手な思い込みだけかもしれませんが)。一説には二千人くらいの方が住んでいるそうですが、どこまで正規に補足されているのかも分からないので実際はもっといるような気がします。この界隈にはところどころに移民コミュニティがあり、このバーもその一つです。近くに用事があり時々こちらのお店によるのですが、まず日本人が来たことを見たことが無いです。最初に行ったときはちょっとヤバいのかとおもったのですが、運が良いだけなのかとりあえず今まで身の危険を感じたことはないです。最初はどんなところのだろう?という好奇心で立ち寄ったのですが、今では来る理由があって、それがこのトルコ風サンド、カブルマです。写真ではちょっと分からないのですがとにかくうまい、そしてデカい!一つ食べるだけで自分は充分です。 →→NHK記事(日本一外国人が多い街・川口市)・川口市が"ホーム"に選ばれる理由とは カブルマ(kavruma)というサンドイッチが特におススメ トルコ料理のサイトに紹介されていたカブルマ。中の具の方を指すようです。 中の具材はラム肉と、野菜の炒め物。スパイスがかかっていて、たぶん具だけ食べても全然イケると思います。キッチンに立ってた女性にこれは何ていうのって片言の日本語で聞いたら「カブルマよ!」と流ちょうな答えが。ちなみに、コロンビア人だそうで、旦那さんがトルコ人とのことでした。一緒に相席した全身入れ墨かと思う若い子がいたのですが(めちゃイケメン)、とても礼儀正しく、人は見かけによらんもんだと思いました。また、話す片言の日本語がかわゆい笑。前回訪問したときは、コロンビア人のママがその彼に恋愛指導をひたすらしてました。たまに自分に「そうよね!!」とか振られてきて、タジタジでした(汗)。どこの国も女の人が最強なようです。日本人を代表して面子を保つためにすべて「はい!」と返事たことは一生の誇りです。さて、酔っぱらう前に話を進めます。トルコのお酒といえばこれでしょう。ラクです。(詳しくはこちらの記事など) トルコのエフェスビールとともに。お肉料理とよく合います。 ラクは変わった飲み方をするお酒で、ストレートではなく割ってのむのが基本。原酒は透明なのですが、水を注ぐと写真のように白濁するようです(写真の右のグラス)。それに合わせて何やら酸っぱくて甘くないジュースが出てきました。これを交代で飲むのが流儀だそうです。割と健康的な飲み方をするのだと感心しました。一杯しか飲みませんでしたが、昔の知恵なのでしょうか。全然酔いませんでした。蒸留酒なので原酒の度数は40度以上あるようです。原酒の味もどんなのか見たかったのですが、今度にしたいと思います。原料がブドウらしく、甘かったです。甘い酒と酸っぱいジュースを交互に飲むので、抹茶飲んで羊羹食べる感じでしょうか。違いますでしょうか。古今東西問わずこういう「バランス」って何事も良く考えられているものですね。 ラク(Raki)というのトルコのお酒。隣は合わせて飲む酸っぱいジュース。 店内の様子 テレビから流れてくる音楽番組 店内は基本的に移民コミュニティの集う場所のような感じです。トルコのテレビが流れてたり、水タバコがあったり、食事を求めてテイクアウトのお客さんが車を止めて入ってきた入り。恐らくこの界隈では有名なバーなのかと思います。一人でいっても特に警戒されず、少なくともお店の人は温かく迎えてくれましたが、時と場合によってはどうなのか分かりません。興味のある方は自己責任で行ってみるのも良いかと思います。ただ、交通の便は不便です。基本は西川口か蕨からバスになるかと思います。住宅街の一角なので、近くに車を止めるところも少ないと思います。もし何かの機会があって通ることがあれば、カブルマのテイクアウトくらいならおススメしたいですね。
小豆島に行こう&DONIS BAR

小豆島に行こう&DONIS BAR

ところで、みなさん「島旅」してますか?最近、船で行く島旅にはまっています。本州側の四国地方と四国に挟まれた瀬戸内(せとうち)の海には小さな島が多く点在しています。今では瀬戸大橋やしまなみ海道などの連絡橋ができたので交通も便利になりましたが、橋が通っていない島も多いため「渡船」もまだまだ現役で活躍しています。今回訪れた「小豆島」(しょうどしま)は瀬戸内の島でも淡路島に次いで大きな島です。醤油(デパ地下とかで見かける有機醤油の類)の生産は古くから有名。他にオリーブなど。「二十四の瞳」の舞台とか?ちょっと古いでしょうか。関東圏ではあまり馴染みないかもですが、関西方面では観光地として多くの人に知られていると思います。島の中を走る車も神戸ナンバーのBMWとか、奈良ナンバーのポルシェとか見かけました。島の中は小さな道が多くて軽が多いので、大きめの外車が走っていると目立ちますね。小豆島も本州や四国とは橋でつながっていないので、フェリーなどの船を利用してとなります。島の港もひとつではなく、航路も多様です。パッと挙げてみると、神戸、姫路、日生、岡山、そして高松などです。主要航路は高松から島の西部の土庄(とのしょう)を結ぶルートで、高速船も出ていてかなり頻繁に船が出入りします。高速船であれば30分、フェリーでも1時間なので、島から高松に通勤通学をしている人もいるとのこと。うちらは神戸からフェリーを使い島の東の坂手港から上陸しました。坂手から土庄まではバスが走っており1時間程度。アニメの聖地としても脚光を浴びているようで若者が結構多かった印象です。 ドニズバーに入る入口 そんな小豆島にバーはあるのか?というこでいつものgoogle mapで探したのがこちらのドニズバーさんです。「bar」と名の付くのはこちらだけだったように思います。小豆島は高級ホテルなどが島に点在しますが、いわゆる繁華街的なものは無い印象。なのですが、土庄の付近の中心部は「迷路のまち」と言われるほどの細い路地が入り組んでいて昔にタイムスリップしたような感じで面白いです。ちなみに、この迷路の由来は南北朝時代にまで遡るそうです。関西に来て史跡を見るとすぐに数百年を軽く飛び越えてくるんで、年代とかある程度頭に入れとかないとついていけないです(汗)。ドニズバーの場所ですが、その迷路地帯から少し離れた通り沿いにありました。1階が酒屋さんになっていて、その下がバーとなります。名前は「バー」ですが、どちらかというと座って飲食を楽しむレストラン的なスタイル。テーブル席がメインで、カウンター席は無かった記憶です。メニューはフードとドリンクがあり、フードは本格的です。パスタやサラダだけでなく、スペインオムレツとか結構いろいろあって、食事と一緒にワインを楽しむには最適かなと思いました。ワインは気に入ったものが棚にあればボトルでの購入もできるようです。ボトルメニューも何ページも書いてあって、価格帯も手頃なものから高価格帯までそろっていました。ウイスキーなどの蒸留酒系はそれほど無かったように思います。お店の黒板にはその日のおススメのグラスワインが書かれてあり、そこから選ぶこともできます。確か8種類くらいあったと思います。一人が飲むには十分かなと。うちらはせっかくなので「小豆島」のラベルがあるものを選びました。とても美味しかったです。小豆島で作られたワイン?と思いきや、さすがにそういうわけではなかったようです。詳しくはドニズバーさんのこちらのページで) 小豆島ワイン、エンジェルロードはメルローとカベルネのふくよかな味わい 店内カウンター付近の様子 最後に近くのスナックで裕次郎を歌って帰りました ドニズバーさんでワインとフードを堪能した後に、ふらふらと迷路のところに帰ってきました。ポツリとスナックらしき店の灯りを見つけて、その名も「より道」!最高のネーミングですね。パッと開けたらちょうど誰もいないカウンター席が見えたので突入してみました。ママさんが一人で立ってらして(この道39年だそうです)。島の昔の様子なども気になっていたので伺ってみました。やはり昔は結構栄えていたようで「スナック街」もあったとのこと。でも残念ながら今はほとんど無くなってしまったようです。調べてみると分かるのですが、この島は結構高級なホテルが各所に点在しています。たぶん、ホテルがすべて用意してくれるものだから出歩く必要が無いのかと思いますが、街の繁華街がこうして廃れてしまうのは寂しいですね。でもママはとても元気で、この間は外国人のグループが通訳を連れて来店して忙しかったわよ、とか快活に語ってくれました。確かに。旅好きの外国人で、しかも小豆島に来るような方たちなら絶対にツボにはまる気がします。インバウンドはまだまだ小康状態ですが、島の雰囲気は南北朝とまでは言いませんが!昔ながらの雰囲気や風情が随所に色濃く残っていて最高でした。マイクを渡されたので裕次郎の「北の旅人」を熱唱して、ご満悦で帰路につきましたとさm(__)m
【神戸】Bar Moon-Lite バー・ムーンライト

【神戸】Bar Moon-Lite バー・ムーンライト

神戸には何度か飲みに来たことがあります。こちらでも紹介をしていますが、ウイスキーでいえばメインモルトさん、ワインならノラックさんが、とにかく一押し。間違いないです。ただ、いかにも港町神戸らしい雰囲気のバーっていうのがあるのか、と言われるとあまりピンと来ない感じが続いていました。海岸通り沿いなんかを歩くと、上海の外灘に近いようなどことなく異国情緒が感じられる建物などもありますが、神戸の震災があってから貿易港としての地位は年々下がって来ているのが実情。外国人を見かけるのも、インバウンドのころからはむしろ神戸ではほとんど見かけず、京都や大阪の方が目立っていた印象です。なので、街としてはキレイにはなったけれどもちょっと普通な感じに丸く収まって来ているかな、なんて思っていたところに、ありました!ザ・神戸的なバーが。それが、こちらのBar Moon-Lite(ムーンライト)さんになります。港町的なエキゾチック感、石原裕次郎が奥の席でニヤニヤしてそうなバーのご紹介です。 店内の様子と注文したカクテル シンガポール・ラッフルズホテルのレシピだそうです バーの扉もちょっと危ない雰囲気で緊張感があったのですが、開けてみるとそのままというか、「赤」と「黒」を貴重として店内に、怪しげな仮面とかが壁に掛けられています。(でも、お店の方は至って普通な感じで、そのコントラストも面白かったですm(__)m)変わった雰囲気の店内ですがバーカウンターとかもすごくおしゃれで、色々飾られたりしていますがきちんとまとまっていて洗練されたカジュアル・オーセンティックなバーの雰囲気です。お店はカウンター席がメインで、たしか奥にテーブル席もあったような。記憶ですが。でもここは来るなら一人か、少人数がおススメかなと。あまり大人数で来るようなところでは無いような気がしました。で、何が港街神戸なの?って話なんですが、もちろんエキゾチック感のあるバーの雰囲気もそうだったのですが、先に居らした神戸マダム(実際に神戸の人かは分かりませんが汗)の影響ですかね。いや、とても失礼なんですが東京の六本木や赤坂ならいざ知らず、地方のバーで先客がマダムというのはなかなか経験することが無いんです。たぶん、皆無に近いです。(もちろん、飲食系とかそういう関係ならもちろんあるんですが、それは同業者なのでカウントしないです。)ちょうどとなりに座るような感じになって、お店の人との会話がちらちらと聞こえてくるんですが、なにやらシンガポールだ、香港だ、なんだかインターナショナルな話をされていて、それならば!ということで、自分もメニューにあったシンガポール・ラッフルズホテルのレシピのカクテルがあったので雰囲気に合わせて注文した次第。注:普段カクテルなんて一切頼みません。たぶん、数年に一度くらいかな。。大汗 インドラムのオールドモンクをストレートで マスターに話を伺うと、なんと30年もお店を営業されていたそうです。まったく気づきませんでした、というかこの栄町付近の界隈まで足を延ばすことがほとんどありませんでした。今回たまたまブッキングしたホテルがこの近くだったので、偶然に発見につながりましたが、それでなければ恐らく一生出会うことなかったと思います。やっぱり神戸で飲むといえば三宮界隈がメインになりますからね。何かご紹介とかがあれば話は別ですが、やはり繁華街から離れたところにポツンとなるバーというのは結構難しいです。でも今回こうした発見につながったということもあり、やっぱり探検はしてみるものだと思いました。入店してからもポツリポツリとご来店される方がいらして、カウンター内も忙しく、なにぜマダムがいる緊張感もあり、いつものようにフランクにマスターに会話することが終ぞできませんでした。なので、得られた情報はそれくらいで、この店の由来とか、どうしてラッフルズなのかとか、そういうのは一切聞けなかったのですが、9回裏にヒットを打ちました。それが、こちらのインドラム。メニューをパラパラ見てて結構いろいろと面白いものがあったのですが、インドのラムというのは聞いたことなかったので勇気を出してカウンターを駆け回るマスターを止めて聞いてみました。割と人気のあるラムだということで、樽熟成のものをストレートで注文しました。7年と12年が確かあって、頼んだのは7年だったと思います。「サトウキビ・ジュースとモラセスを原料に蒸留したラムをブレンド」(お酒の武蔵屋さんサイトより)とのことですが、カリビアンラムとは違う味わい。なんというか、キャラメル感というかコーヒーというか、独特な深みのある味わいです。コーラーで割って飲む方法もあったようですが、なるほどと思いました。確かにコーラーで割ると両方のキャラがうまくミックスされそうです。次回はコーラ割りでも頼んでみようかと後で思いました。カウンターのど真ん中に奄美黒糖焼酎の「竜宮」が鎮座していて、これも頼んでみたかったのですが、時間の関係とかもあってお店を後にしました。バーも良かったのですが、来られている方もマダムを筆頭に品のありそうな方が多くて、近隣住民の集まるバーというより、皆さんどこかから目指して来られているのかと想像しました。お店のページを拝見すると割に早い時間帯からやっているような記載があったので、今度はもう少し早い時間帯に行ってみようかなと思います。ただ、店の雰囲気的にはやっぱり最後に回る一軒なのかなとも思い悩ましいところです。神戸は三宮以外にもこうした素敵なバーが眠っていそうですね。今後も何か発見があれば随時ご紹介していければと思います! 港町神戸の夜 裕次郎と神戸なら「赤い波止場(1958)」がよかったですねえ。
【栃木】パイプのけむり(小山)

【栃木】パイプのけむり(小山)

仕事帰りに立ち寄った栃木県小山市のバー、「パイプのけむり」さん。小山駅の西口を降りてすぐのところにあります。表通りの「祇園城通り」(祇園城は小山城の別名)でではなく、その左隣の小さな脇道「昭和横丁」から入ってすぐ右手のところにあります。路面店ではなく雑居ビルの2階に階段を上がっていきます。オーセンティック系のバーですが、お店は路面向きの窓が大きくとられているので真っ暗な空間というわけではなく、外の空気も感じられる割と開放的なバーです。店内はカウンター席が中心ですが、ひとつひとつの席に余裕があって、席そのものもゆったりと座れるので心地が良いです。1人でも2,3人で来ても楽しめるのではないでしょうか。お酒はモルトウイスキーが中心かなと思いました。スコッチの他にもジャパニーズで面白い銘柄とかもいくつか並んでいました。写真にも少し写っていますが、桜尾とかガイアフローとか。ガイアフローのブレンデッド「M」もあって、これは少し味見程度にいただきました。中身はガイアフローのモルト原酒もあるようですが、生産量がまだ限られるため、スコットランドからモルトとグレーンの原酒を取り寄せてブレンドしたようです。(→詳細記事)「M」というのは静岡のウイスキーと本場スコットランドのウイスキーがブレンドすることで結びついたという意味で、「MEET」の頭文字から取って来たとのこと。最近はジャパニーズの地場モルトウイスキーの生産が広範囲に行われているので、これからも様々な「出会い」があると良いなと思ったりもします。残念ながら新興の蒸留所はまだまだ準備できるものが限られている状態なので、これから5年先、10年先、あるいはもっとかもしれませんが、日本国内でもいろんな融合が出てきたら面白いですよね。因みに小山駅は以前に東口のbar as everさんを訪問したことがあり、今回は逆サイドの西口を探検してみた次第です。 タリスカーのソーダ割り さて、椅子に座って頂いたのはタリスカーのソーダ割りを久しぶりに。何を注文して良いか分からないときに、以前訪れた丸亀のサイレンスバーを思い出しながらオーダーします。タリスカーのソーダ割りを頼むと、いまでもあの時の思い出がよみがえってくるんですよね。(→その時の思い出話はこちらに。)そんなこともあって、モルトウイスキーを頼むときは基本はストレートなのですが、タリスカー(タリスカー10年)だけは今でもソーダ割りで頼むのが自分の定番です。マスターの話では、小山も昔は繁華街が非常に栄えていたときがあったそうですが、古い長屋の建物が密集しているような感じで、結局は今のように駅前ビルが建て駆られたりなど再開発によりサッパリしてしまったようです。駅ビルには蔦屋とかドンキがありましたが確かに駅ビルの中でショッピングは事足りてしまいそうです。ただ、飲み屋街が無くなってしまったのは非常に残念な話です。それまで通っていた人はどうしてしまったでしょうかね?他の街に流れたのか?マスターに突っ込んで聞いてみましたが、マスターも良く分からないといった感じでした。それはそうでようねm(__)m。時代的に外で飲み歩きする人が年々減っているのもあると思います。先日、野球選手のデーブ大久保さんのチャンネルを見ていた時に、やはり似たような話がでていました。昔の野球選手はとにかく試合後に飲み歩きするのが常であったが、今の若い選手はそうじゃない、的な。自分の仕事の周りでもそうです。昔は本当にお客さんと飲むのが当たり前だったですけど、今は時代が時代というのもありますが、そもそも若い人がそういった「旧習」に興味がない。ましてや無理やり連れて以降なら「パワハラ」とかになってしまいさえする時代です。でも、不思議なんですよ。それでも街中の繁華街とかに出ると、若い人がワイワイやっているのって結構見かけるんですよね。これはどういったことなんでしょうか?小規模にはなったけど、楽しむ人は楽しんでいるということなのか、ただノンアルやソフトでも楽しんでいるのか、それともまだ飲み歩きをやってる業界が生き残っているのか。そんなことをボーっと考えながら、ゆっくりとくつろがせてもらいました。他にもいくつかお酒をいただいたのですが、写真を撮るのを忘れていました。確か以前に松本の摩幌美さんで頂いたグレンゴインの21年とかが置いてあって、そちらを堪能させてもらいました。グレンゴインのシェリーはすごいですね。圧倒されます。先日whiskycastで、グレンゴイン推しの話があって、最近はまってます。12年も飲みたかったのですが、そちらは無かったので、とりあえず21年をいただいてお店を後にしました。
ONODA-BAR

ONODA-BAR

【岡山】オノダバー(倉敷) 盛り上がりをみせるスコットランドの蒸留所の中でも、時代の波の中で廃業してしまった蒸留所も数多くあり、特に1980年代前半に廃業した蒸留所の中には幻のウイスキーと呼ばれ未だに人気の高いものがあります。蒸留所の閉鎖とは面白くて、蒸留所が操業を止めても樽に眠るウイスキーがなくなるわけではないのでテクニカルには熟成という意味でのウイスキーの生産はまだ続いているということになります。そのストックとなったウイスキーが蒸留所の廃業後も世間に少しづつ流通することで、閉鎖したはずの蒸留所のボトルを今日でも見かけることができます。もちろん、その希少性から相当な高額な値段で売買されるため入手するのは極めて難しく、モルトバーでもオーナーが昔からのウイスキー愛好家でオールドボトルを集めていらっしゃるようなところではもしかしたらお目にかかる機会はあるかもしれませんが、そのボトルが一般向けに飲めるものであるかというとこれは分かりません。こうした事情などがあるので、自分はあまり希少性の高いオールドボトルなどには普段はあまり興味を示さないようにしているのですが、今回たまたまフラりと立ち寄ったところその幻のウイスキーと対面することができたのみならず、ハーフショットで試すことができたのでその思い出を書いておこうかと思います。 お店のバーカウンター。上品な大人の空間。 帰りの電車の時間を考えながら夜の浅い時間に1軒だけ少し立ち寄れるところはは無いかと探していたところ、幸運なことに倉敷駅から少し歩いた商店街の外れに今回のバーがありました。パッと見どこにバーがあるのか看板が見えずに分からなかったのですが、googlemapで示された建屋の横に外階段があり、そこを二階に上っていくとバーがありました。一階は別の飲食さんが入居されていて、その二階がこちらのオノダバーさんになります。建物は安藤建築のようなコンクリート打ちっ放しの豪快な建築。天井もかなり高く、隙間からは自然の光が漏れてくるような感じで、夕方のまだ明るい時間ではありましたがミュージックバーのようなシックな雰囲気です。倉敷は有名な美観地区という観光名所などがあり、昔ながらの風情ある街の景観が残ります。そうかと思いきや昭和感満載の商店街の中にもオシャレなカフェなども点在していたりして、レトロ感が良い具合に残っているといった印象です。オノダバーさんのある一角は、どちらかというと住宅街の一角という感じでしたが、喧騒から離れた落ち着いた雰囲気のところで隠れ家的なモルトバーを見つけるというのも街歩きの醍醐味ではあります。 ポートエレン蒸留所のシングルカスクをバカラのアンティークグラスで! さて、今回発見したのはこちらの「ポートエレン」。ボトラーズのゴードンマクファイル社。1983年に蒸留所が閉鎖した幻の蒸留所の一つです。ボトルには蒸留年が1979と表記されていますので、蒸留所が閉鎖される少し前にボトリングされたものだろうと思われます。ポートエレンはアイラ島にかつて存在した蒸留所でした。ブレンド向けに使用されるピートウイスキーの供給過多とシングルモルトとしてのニーズの低迷などにより閉鎖を余儀なくされました。この当時は特にイギリス経済が全体的に不況であったことから他にも例えばハイランドのブローラ蒸留所なども同じ年に閉鎖をしています。(参照記事)ポートエレンは蒸留所が解体された後もアイラの蒸留所向けにヘビーピートのモルトを提供するなど精麦業者としての操業は続けています。しかし蒸留所としての操業は1983年までなので、ゴードンマクファイル社が閉鎖前に買い取った樽を、その後(1999年)に瓶詰してリリースされたものと思われます。それから更に20年の時を経てこの貴重なウイスキーと巡り会えたというワケです。ここまでレアなウイスキーというのは自分もそんなに飲む機会も無いので、比べようも無いのですが、一口口に含んで試してみましたが、とにかくクリアでまろやかなボディ、おそらくバーボン樽での熟成かと思うのですが角が取れていてものすごく美味しかったです。またオールドボトルで時々あるような変な後味のようなものも全くなく、保存状態の良さにも頭が下がります。オーナーによると建物の構造上どうしても高温多湿になるので、保管には結構気を使われているそうです。 さて、口直しというと語弊あるのですが、トマーティンの旧ボトル?があったのでこちらも少し味見にいただきました。先ほど述べたようにイギリスは1970年代はいわゆる「イギリス病」ともいわれる産業政策の失敗と経済的な不況に苦しんでおり、その影響でスコッチの蒸留所も過剰生産を是正する合理化政策で閉鎖させる蒸留所が出てきました。(因みに「鉄の女」として知られる保守党のサッチャー政権が誕生したのが1979年。これにより国有企業の合理化政策などが進んでいきます)こうした時代の中で、日本企業による救済により閉鎖を免れた蒸留所がこのトマーティン蒸留所であったわけです。1986年のことでした。元々京都に拠点のある宝酒造はトマーティン蒸留所からウイスキーを購入していたのですが、その縁もあり当時の大倉商事と組んでスコットランドのトマーティン蒸留所を日本企業として初めて買収しました。写真のボトルは2006年リリースの16年モノ。1stフィルと2ndフィルのヨーロピアンオークのホッグスヘッドで熟成し、最後の8か月をオロロソシェリー樽でマリッジしたようです。ほんのり甘味がありますが、味わいはきれいなキレのある原酒のトマーティンらしさがはっきりと感じられます。こちらのボトルも相当古いとは思いますが、年月を感じさせない爽やかな味わいでした。貴重なウイスキーのボトルの数々を眺めながらマスターにその秘訣を伺いました。その理由は、このバーを訪れる方の一人でも多くに楽しんでもらえるように、一度にたくさん出したりしないようにして来たのだとか。念願のボトルに出会えたのなら、一期一会と思ってしっかりとその味わいを堪能する。そして、残りは次来られる方のために残す。こうしたことの積み重ねで、幻(まぼろし)とまで言われれるウイスキーのボトルが今日まで残っているのだとか。素晴らしいポリシーだなと思いました。昨今は注目のあるボトルがリリースされると、まるで投機の対象であるかのように取り扱われ巷になかなか出てこないものもあります。そのような高い評価を得るということはある意味「成功の証」なのかもしれませんが、ウイスキーの味が楽しまれることなくただ棚の奥に仕舞われたままであることは生産者の方にとっては残念なことではないのかと思います。貴重なお酒とこれからも巡り会えるようにするためにも、時には造り手の苦労に思いを馳せながら、こうして出会えた運に感謝をしつつ常に「一期一会」の気持ちで楽しんでいければと思います。貴重なお酒をいただきありがとうございました。 >>お店のページはこちらに。
倉敷・水島の夜を歩く

倉敷・水島の夜を歩く

今回は岡山は倉敷、水島臨海工業地帯の手前にある水島の夜の街を探索すべくやってきました。もちろんこれだけ目的に遠路はるばるやって来たわけではなく、宿泊先も次の日の予定の関係で岡山市内。時間も限られておりますので、さくさくと回っていきたいと思います。水島の夜は昨年に一度初めて来訪しまして、とても興味深く感じました。また想像していたのとより随分落ち着いた雰囲気で楽しめましたので、今回記事を執筆目的にまたやってきたというわけです。ブログ記事は基本的にはモルトバーの訪問記事のみしか扱っていませんでしたが、視野を広げるためにウイスキーに多少なりとも関連性があることであれば総合的に多角的に取り込んでいきたいと考えておりますので、ご了解のほどよろしくお願いいたします。それでは、参りましょう!まずは倉敷駅! 倉敷駅前の天満屋ビル。スタバがある。 ちょっとまだ明るい時間に来てしまいました。というか夏なので。確か18時は過ぎていたかと思います。19時手前くらいだったかな。どちらにせよこの調子だと雰囲気が出ないので、とりあえずもう少し日が落ちるのを待つことにしました。倉敷から水島には、水島臨海鉄道というのが走っています。水島の臨海地区にある岡山県随一の工業団地に向かう鉄道です。基本はワンマン運転のローカル線ですが、貨物輸送の需要があるようで会社の収益は黒字運営なようでした。(→水島臨海工業団地の来歴などについてはこちらのページなど参照)水島臨海鉄道の「倉敷市駅」(「倉敷駅」ではない!テストにでます!)は、JRの倉敷駅を一度下車してから、南口を右手に少し行ったところにあります。こじんまりとしたローカル線のターミナル駅らしい駅舎です。因みに、JRとの直通運転とかはやってないようです。その駅舎のあたりを少しフラフラしてみました。すると、とある雑居ビルの1階のスナックらしきお店のあかりが点いていたので、軽い気持ちで扉を開けてみました。 ラムールという看板が漢字で掲げられていてたのですが、ロシアのアムール川を思い出して、ロシア系のスナックかなとも一瞬思ったのですが、純粋にジャパニーズのスナックでした。ママさんが満面の笑みで迎えてくれました。まだ店内には誰もおらず、事のいきさつを話して水島に行く前の電車待ちでフラりと立ち寄りましたと伝えると、珍しがってくれました。店内にはウイスキーのボトルもいくつか並んでいて興味もあったのですが、さすがにまだ一軒目から飲み始めるワケにもいかず、とりあえずサントリーでジントニックを作っていただきました。もちろん、ママさんにも貢がせていただきました。後で入ってこられたヘルパーの女の子にも、かわいかったので。最近、こういう所作だけは自然とできるようになりました。もとより感謝されようとか一切思ってないんです。普通の礼儀的な儀式という風に最近は理解するようになりました。一人でただ飲むならともかくとして、話を聞いてもらってお互いに楽しく会話をさせてもらっているのに、こちらだけお酒をいただいているのでは申し訳ないじゃないですか。自分はそういう意味で、ぜひとも!という気持ちです。軽く30分程度くらいお邪魔させてもらいました。ママは倉敷の方で一時期、大阪の方にいらしたこともあるそうですが、戻ってきてからは地元倉敷一筋なんだそうです。でも、やはりどこか違いますよね、大阪とか東京とかで少しでも修行をされた方なら、何か洗練された身のこなしのようなものを感じます。簡単に言うと、話をしっかり聞いてくれる、こちらの足りない部分をフォローしてくれる、最後に笑顔が素敵。この3拍子かと思います。自分もときどき仕事とかでメンターが欲しいなあなんて思ったりすることがあるのですが、こうしたスナックのママさんの「聞く力」とか、いわゆる「コミュ力」ってエゲツないですよね。知らない人、行ったことのない人に限って、水商売だと一括りにしますけど、トンデモナイ話だと自分は思います。(もちろん全てが良い店だとも申しません、誤解無きようお願いしますm(__)m) 目的の地、ラストチャンス さて、今回なんですが、目的の地がありました。前回こちらの水島に訪問した時に、最後の店で訪問した「ラストチャンス」さん。ずばり名前に惹かれて入りました。いつも仕事の出張で来ることが多いので、見知らぬ土地をフラフラしてもそれが最後になる可能性も幾度となくあるわけで、そうした意味で今回来たら次来るのはいつだろう、的なことはよく思います。前回もそうしたことを思ってもう一軒無いかなあ、的にモヤモヤしてたら、ズバリ!なこの看板を見て、ハイ!とばかりに入店したのでした。当然素晴らしいお店でこちらのママはどちらかというと天然系?(笑)なホンワカした感じ。なんと前回の訪問時のことを覚えてくださっておりましてm(__)m、そんなことまでしゃべったかなーなんていうことも事細かく覚えていらっしゃいました。女の人はすごいですよね、男はとにかく頭を常に低くして接すべきです!なんも覚えとらんのやから。とまあ、こういうワケなんですが、ちゃんと手土産も持参して(エライ!)、とにかく評価ポイントを上げるべく努力をしています。さて、すみません、お酒の話が全くありませんでした。今回はペラペラとしゃべるのに忙しくて、お酒のことにまったく気が回らないという不手際をしてしまいました。お酒については今回の旅の最後に倉敷市内で一軒バーをきちんと回りましたので、次回にそちらのご案内ができればと思います。なにやら脈絡もなく書いて参りましたが、とにかく自分の目で一度来て、見るのが一番。昭和ノスタルジックな雰囲気の中で、ゆっくりと落ち着いた雰囲気を楽しめることができると思います。スナックの他にも居酒屋やバーなどもありますが、繁華街のエリアの中にそれぞれ点在して残っているような感じの雰囲気です。(もしくは自分が知らない部分とかもあるのかもしれませんが)臨海鉄道の最終便は22時台なので、前回同様に「終電」に乗って水島を後にしました。また来ることがあれば、他の店とかももう少し回ってみたいですね。水島のスナック街は岡山県倉敷市水島東常磐町あたりに集中している。付近にもいくつか店は点在しているが、灯りが消えているお店も多い。交通の便としては倉敷から水島臨海鉄道が便利。中心部には何軒かホテルもあるが、数が少ないので早めに予約を取らないと空室が無いことも。
BAR B.Fleet

BAR B.Fleet

【千葉】BAR B.Fleet(千葉・富士見町) 東京にいながらあまり訪れる機会の無い謎の街(すみません!)、千葉。今回はその千葉を探ってみようという誓いを立てて、千葉駅からモノレールに乗って天空の旅に出ました。降りたのは二駅先の「葭川公園」。よしかわ、と呼びます。読めませんでしたm(__)m。ちなみに、千葉で一つ凄いのは「そごう」がまだ残っているということです。(スミマセン!)自分の生まれ育った町にも繁華街の一角にそごうがあったのですが、何年か前に無くなりました。理由は良く分かりません。たぶん売れ行きが良くなかったのだとは思うんですが、中心駅のド真ん前に一応あったので不思議でした。他のデパートと違って「そごう」は何か特別な印象がありました。なんでですかね。あの砂時計のようなブランドマークが妙に頭に残っていて、子供の時に強く残っている残像というのは大人になっても変わらないものだとつくづく思います。名門。(そう、この言葉がなんとなくピッタリきます。老舗とか、と少し違うんですよね~)と言われた(かどうかも分かりませんが)そごうが今も活躍しているのは関東3県の三大都市、すなわち横浜、大宮、千葉、というワケです。どこも駅前にドンとした店構え。千葉は、他にもデパートがあったようですが、「そごう」が勝ち組として生き残ったとのこと。さて、閑話休題。本題に入ります。今回は千葉の繁華街である富士見町を歩いて、モルトバーを訪ねてみたいと思います。そして、見つけたのはこちら「Bar B.Fleet」(ビー・フリート)さん。この他にもいくつか路面店のお店を通り過ぎたのですが、パッと見て良さげな感じの看板だなと思い階段を上りました。お店はビルの二階にありました。 ジェムソンのハイボールから お店の扉を開けると横に長いカウンターが一直線。マスターと女性の方の2名がカウンター内に立たれて接客されていました。自分はとりあえず入ってすぐの席に陣取りました。まだ早い時間帯でしたが、すでに先客の方もいらっしゃいました。オーセンティックバーですが、雰囲気的にはアットホームな感じで、照明もほどよく明るく居心地の良い空間だなと思いました。こちらのお店はお酒の種類がとにかく豊富です。スコッチやバーボンなどのウイスキーに限らず、いわゆる蒸留酒と言われるものであれば焼酎や泡盛以外はなんでもある感じでした。ラムやジン、テキーラ、ブランデーなどです。ラインアップはスタンダードな品揃えで値段もとても良心的。分厚いメニューも見せてもらい、安心して頼むことができました。 アイリッシュウイスキーのグレンダロッホ ジェムソンのハイボールを飲みながら、そのメニューを1ページづつ読んでいきました。ひとつづつに短く簡潔なコメントがついているので、非常に分かりやすいです。これを読んでるだけでジェムソン3杯くらいお代わりできそうでしたが、とりあえずアイリッシュに狙いを定めて前に進むことにしました。あまりアイリッシュ系はそもそもジェムソンやブッシュミルズ、あとはカネマラ。いいところでたまにティーリングとかを見かけるくらいのイメージでしょうか(もちろん一般的なバーの話です)。こちらは結構新しいものも多く入れているようで、その中で「グレンダロッホ」が気になりました。完全に名前の印象だけで決めました、予備知識ゼロです。後で調べたのですが、割と最近にできた蒸留所のようで、グレンダロッホという辺鄙な山の中にある蒸留所のようです。ウイスキー仲間が自らの職を辞して、つまり覚悟を決めて、(それがつまりボトルの絵の背景にある両手を挙げている男性、すなわち6世紀か7世紀頃に同じように世俗を捨て信仰の道を究めたケビン僧侶のように)自分たちの手でウイスキー造りをしようと志したことから始まったようです。さて、お味はどうかというと、美味しいです。以前にライターズティアーズ、日本語に訳すと「作家の涙」というポットスチルとモルトをブレンドしたアイリッシュを飲んだことがありましたが、それに近いような感じです。スムーズな飲み口と、アイリッシュ独特のスパイシーさが感じられました。ダブルバレルというのは、最初にバーボン、後でオロロソ・シェリーでフィニッシュしているからだということです。どのくらい寝かせているのかは分かりませんが、とにかくバランスの良い一杯でした。 沖縄・伊江島のラム酒、サンタマリア。絶品です。 さて、本日の発見はコレでした。沖縄の伊江島(いえじま)のラム、通称「イエラム」。ラムといっても少し普通と違って、いわゆる糖蜜を原料とするのではなく、さとうきびのしぼり汁をそのまま使って作るのだそうです。また、色が透明であることにビックリ。テキーラのブランコのように、ラムも透明があるのですね。要は熟成をしていない、ウイスキーでいうところのニューポットみたいなものでしょうか。ただ、半信半疑で飲んだのですが、これが激ウマです。サトウキビのしぼり汁というだけあって甘味もちょうど良い具合にのっています。辛口系を想像したのですが、口当たりもマイルド。とくにトゲトゲしさもなく、美味しいです。これはすごい発見!こんなのがあったのですね。お聞きすると、これとは別に樽熟成をしたものもあるようでした。ぜひ次は樽熟成したものも飲んでみたいですね。これも後で調べたのですが、結構すでに流通しているようでアマゾンとかでも普通に購入することができるようです。これはヒットする様な予感がしました。 イタリア初のシングルモルト、特徴的なボトルスタイル。 最後にトライしたのが、これまた前から気にはなっていた第三国のシングルモルト、イタリアの「プーニ蒸留所」です。特徴的なボトルのデザイン、さすがオシャレの国、イタリア。ちなみにですが、この蒸留所はその外観もウルトラモダンな感じで変わっています。下の写真がそうなのですが、一見してまったく蒸留所とは思えない、まるで銀座がどこかの高級ブティックかと思うような感じです。場所はイタリアの南チロル地方、ヴィンシュガウ渓谷の付近。プーニという名前は付近を流れる川からとったとのことですが、その名前はラエティア語という現地に存在して紀元前に消滅した古い言語に由来するそうです。このレンガ造りの奇抜な建物を建てたのは、蒸留所の設立者でもあるアルブレヒト・エーベンスペルガー氏。地元で建設業を営んでいるようですが、スコッチウイスキーへの情熱が高じて2010年に蒸留所を立ちあげたのだとか。蒸留所の周辺は昔からライ麦などの穀物栽培に適したところで、ウイスキー造りの機械や製法は本場スコットランドから取り入れていますが、原料は地元の良質な水や穀物を活かして、イタリアンなシングルモルト造りに取り組んでいるようです。蒸留所の運営にはアルブレヒト氏の二人の息子さんが手伝っており、地域に根差した家族経営のクラフト蒸留所。ウイスキーにはまだ若さが感じられますが、これからが楽しみです。こちらのバーではなんと4種類がラインアップとしてメニューにありましたが、すでにそのうち二つは売り切れになっていました。また新たな入荷も期待したいです。 プーニ蒸留所の外観、さすがイタリア! さて、いろいろなお酒を楽しませてもらいました。すでに馴染みらしい先客様がいらしたのですが、マスターがほぼマンツーマンで対応して頂き、非常に恐縮でした。まるで執事のようなというか、こちら側の興味に合わせてボトルを持ってきて頂いたり、分からないところは丁寧に解説をしてもらったり、またお酒のネタに限らず冒頭のデパートとかの地元話とか、本当に至れり尽くせりという感じで大満足。ありがとうございました。マスターが最後におっしゃっていたのですが、珍しいお酒の数々もこちらのお店に来られるお客様が持ってきてくれる情報に頼る部分も大きいのだとか。やはり、バーというのは一つの社交場というか、情報交換の場でもあるのですね。そうした空間を提供しているこちらのバーも、やはり皆さんが立ち寄りたくなるアットホームで居心地の良い雰囲気があってのことだと思います。また千葉に来る機会があればぜひ立ち寄りたいと思いました。 画像クリックで「イエラム」のページへ。
ホワイトオークイニシアティブ

ホワイトオークイニシアティブ

アメリカのバーボンメーカー、ブラウンフォーマン社とホワイトオークイニシアティブについて。バーボンウイスキーはスコッチと違い新樽を使用します。新しい樽はホワイトオークという木が使われますが、昨今のウイスキーブームなどにより将来的な安定調達が課題になっています。ウイスキーメーカーと森林資源保護について簡単に紹介します。そもそも、どうしてホワイトオークの話なんかが出てきたんだということなんですが、これはいつも聞いているwhiskycast(リンクはreferenceにもありますが)の7月4日の放送("Preserving the American White Oak's future)で取り上げられていたからです。オーク材がワインやシェリー、ウイスキーなど保管や熟成用とに広く使われていることはご存じの通りかと思いますが、アメリカンバーボンはホワイトオーク材が主に使用されます(※)。スコッチと違い「新樽」で熟成することが条件なので、常に新しい樽を作る必要があり、簡単に言うと森林を伐採する必要があるということです。もちろん、森林を伐採するからダメだとか言う話ではな無く、ホワイトオークは熟成用の樽向け以外にも、建材(フロアリング)や家具、鉄道の枕木など広く使われています。このため、いかに有効的に森林資源を保護し活用するかということが課題になっています。昨今のウイスキーブームなどもありホワイトオークの将来に向けた安定的な調達は、すでに大きな不安を抱えているのが実態です。その中で、プレミアムバーボンのオールドフォレスターなどで知られるブラウンフォーマン社は、2017年に「ホワイトオークイニシアティブ」という森林資源保護の取り組みに、ウイスキーメーカーの立場で創立当初から参画。放送ではホワイトオークイニシアティブのメンバーとしてブラウンフォーマン社の樽製造部門のグレイグ・ロシュコフスキー氏がその活動内容を紹介するという内容でした。※因みに、オークは産地によりいくつか種類があり、それぞれ蒸留酒の熟成用樽として活用されてきました。アメリカではホワイトオークですが、ヨーロッパではシェリー用に使われるヨーロピアンオーク(スパニッシュオーク)やコニャック向けのフレンチオーク(セシルオーク)が知られています。日本ではミズナラが有名で、昨今はミズナラの樽で熟成したウイスキーがジャパニーズのみならずスコッチなどでも使われています。また、アメリカではホワイトオークの他にも、ギャリアナオークと呼ばれる希少なオークが米西部に生育しており、こちらのホームページでも紹介をしたウエストランド蒸留所などがその資源保護と熟成樽の活用に取り組んでいます。 ホワイトオークは主に米東部に植生している さて、なにゆえにこのホワイオーク材の供給が問題になっているのかをホワイトオークイニシアティブがyoutubeにアップしている動画などを見ながら少し掘り下げてみました。まず先にも紹介したようにオーク材を含む森林資源の用途は多岐にわたります。ウイスキーやワインなどの熟成用に使われる割合というのは数パーセント程度ですが、主として建材などの産業用途に広く使われており、バーボン業界としては他の用途と競合しながら調達をしないといけない状態にあります。上の地図はホワイトオークのアメリカにおける植生分布になります。見て分かるように、主にアメリカの東部を中心に分布しています。保有者は個人が多く、材木業社などが切り出して、各向け先に販売をしているようです。つまり民間で個々に取引が行われて流通しており、全体としてどのような管理をしているのかを把握するのはかなり難しいという状況にあります。そうした中、ホワイトオークイニシアティブが各業界団体の支援なども取り付けて、オーク材が植生する森林資源の保護と有効活用に乗り出しています。とりわけブラウンフォーマン社はバーボン業界を代表するような形でそのリーダーシップを発揮しています。ブラウンフォーマンは傘下のブランドとしてオールドフォレスター(あまり日本では馴染みがないですね。どうしてなのか?はこちらの記事など参考になります。)の他に、ジャックダニエル、スコッチではベンリアックやグレンドロナック、グレングラッソーなど複数の有名なブランドを保有しています。 ブラウンフォーマン社の現チェアマン、キャンベル・ブラウン氏 ブランフォーマン社傘下のウイスキーブランド さて、オーク材の保護という意味で別の観点からみた課題が下の表になります。これはオークの木の樹齢分布になります。樹齢50年~70年あたりがピークになっているのが分かります。そして、この樹齢50年以上のオークというのがオーク材の資源的価値が高く、それ未満のオークというのはまだ成熟をしていない若い木になります。一目で分かるように、樹齢50年未満のオークは他と比べても少なく、すぐにまだ資源が枯渇するような状況にはありませんが、20年先、30年先を想像すると確かに不安な要素があるように見えます。 ホワイトオークの樹齢分布 “Trees that are harvested to make distilling barrels can take up to 100 years to grow, so you…
【岐阜】BARチルネコcirneco(岐阜)

【岐阜】BARチルネコcirneco(岐阜)

JRの在来線で東海道を下って、関西に来たなあと思えるところってどこでしょうか?一般的には関ケ原を超えて米原に来た辺りなのかなあと思いますが、実は言葉に関しては意外にも?岐阜のあたりなんですよね。実はこの岐阜弁?(という呼び方で良いのか分かりませんが)は、関西弁では無いけど関西弁っぽく聞こえるという不思議な言葉なんです。居酒屋で飲んでいた方に言わせると「関西弁からイントネーションだけをもってきた」と形容されていましたが、まさにそんな感じです。コンビニで「おおきに!」とは言われませんけど、どことなく関西風なイントーネーションのある言葉なんです。ただ、岐阜もかなり広域で飛騨や下呂などの山岳地帯から、都会の岐阜、西は大垣など、さまざまです。ただ、残念ながら新幹線は主要都市からは離れたところにあるため、今回訪問した県庁所在の岐阜も名古屋から在来線を使っての移動となります。でも、最近は新幹線が通じるところは均一的になりすぎて、むしろこうして少し離れているところのほうが個人的には昔ながらの風情が良く残っていて、個人的には好みです。 ズラリと並ぶジャパニーズ・ウイスキー 本日のバーは、岐阜駅から少し歩いた奥まったところにあるチルネコさん。繁華街の喧騒から少し離れた住宅街に位置します。御園町とは良い響きの名前ですが、その名の通り落ち着いた雰囲気で、奥ゆかしい店がいくつか散在するようなエリアです。訪問した時はすでにほぼカウンターが埋まっていて、手前側にテーブル席が二つくらいありましたが、こちらも満席という感じ。ちょうどカウンターの真ん中の席が運良く一つ空いていたのでそちらに腰を下ろしました。サラリーマン風は一人もおらず、たぶん地元の方だと思うのですが、皆さん談笑されて思い思いにお酒を楽しんでおられました。都会のモルトバーだと、制服組(サラリーマン)一色になることもあるので、別世界に来たようです。でも、ここは普通の居酒屋ではなく、歴(れっき)としたオーセンティックバーなんです! 駒ヶ岳シングルカスクのピート 表向きはこうなんですけど、中身は。。。 まずはというか、とりあえずはカウンター席の目の前にあった笹の川酒造さんの安積蒸留所、「山桜ブレンデッドモルト」を頼んでみました。これは安積蒸留所の原酒と、「国産原酒」をブレンドしたものだということです。この「国産原酒」というのはそこら辺のものではなくて、こちらの蒸留所とゆかりのあるあの蒸留所のモノだとか。一杯目ということでロックで頼んでしまったのですが、マスターが後でこっそり教えてくれたのですが、今年のWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)ブレンド部門の最高賞受賞品とのこと。とんでもないものが目の前にありました。汗気を取り直して同じくその隣くらいに並んでいた駒ヶ岳のピート。こちらも少し気になってはいました。駒ヶ岳がズラッと並んであったのですが、どんなピートかなと思って頼んでみました。飲んだ感じはハイランド系なのかな。50ppmでホッグスヘッド(一般的なバレル樽よりやや大きめ)のシェリー熟成ということなんですが、アイラ的なのとはまた違ったコクのある味わいです。 辰巳酒造のクラフトジン 突き出しに絶妙な甘納豆が! ご当地モノが何かないかなと思っていたのですが、カウンターの隅に発見したのがこちらの辰巳蒸留所、クラフトジン。岐阜県の山奥、郡上八幡に蒸留所があります。特徴的なスタイルのボトルなので結構目立ちます。ボタニカルなジンが有名ですが、ウォッカやラムも作っているようです。この蒸留所、何が凄いって辰巳さんという方が一人で運営されているのだそうです。まさに、クラフトスピリッツ!。今回頂いたのはご当地ボタニカルということで岐阜県が誇る「カモミール」を使ったクラフトジン。岐阜県西部の大垣市で主に作られており、なんと全国生産量ナンバーワンだそうです。カモミールというとハーブティーな印象しかありませんでしたが、柑橘系的なフレッシュな味わい。ソーダ割りでお願いしたのですが、ジンの味わいを十分に楽しんでほしいとのことで、ソーダの量が非常に少な目な濃厚なジントニックでした。さて、こちらのマスターですが、とても気さくなイケメンマスターです。嫌味の無いこだわりというのでしょうか。時々いろいろな蘊蓄(うんちく)をお持ちの方もいらっしゃいますが、こちらのマスターは「伝え方」がものすごく上手で、コミュ力が高いです。店内の雰囲気が終始和やかなのもマスターのオーラなのかもしれません。来られている方もマスターの人柄で集まってきてるような感じで、馴染みのお客さんばかりといった印象でした。→→辰巳蒸留所については、こちらのページなどおススメです。 秀逸な一杯。ちょっとびっくりですm(__)m 最後にお願いしたのが、こちら。「あかし」で知られる江井ヶ島酒造(ホワイトオーク蒸留所)のシングルモルト。通常はコンビニなどでも見かける安価なウイスキーのイメージが強くて、あまるモルトファンの中での評判は高くないと思いますが、こちらのバーカウンターに並べてあったのでこれは何かしら理由があるなと思い〆の一杯で頼みました。もちろんストレートで。最近自前のシングルモルトのいくつかのバリエーションを見かけるようになりましたが、こちらの「SAKURA」というのは焼酎樽熟成の赤ワインフィニッシュ。桜というのは、味わいのイメージでしょうか。飲んでみた印象ですが、悪くないです。表現しずらいですが、しっかりしたモルト感のあるボディに赤ワインの甘味がかかっているような感じ。どうしてもコンビニに並んでるイメージが抜けてなくて、素直に美味しい!と言えないのが申し訳ないですが、今までのイメージを覆す逸品であることは間違いないです。 夜も深くなって来たので名残惜しくもありましたが、お別れをしました。でも店内は誰一人として帰る方もおらず、おそらく深夜まで営業されるのかなという感じ。でも一歩外に出ると周りは寝静まっていて、チルネコさんの灯りがあるだけでした。皆さんここを求めてやってくるんでしょうね。こういった地方の街外れの一角にある隠れ家的なバーというのは、個性的で良い店が多いです。店内にいる限りは都心にいるのと雰囲気的にもほとんど違わないというか、ほんとにどこでもドアを開けたような感覚です。岐阜はこちらのバーの他にもいくつか名店級のお店があり、また機会があれば探索に訪れたいと思いました。ありがとうございました。 画像クリックでお店のページへ
夕暮れ時の熱海の街歩き

夕暮れ時の熱海の街歩き

熱海に久しぶりに立ち寄りで温泉でも入って帰ろうかと思い、駅を降り立ちました。熱海といえば「夏」のイメージがあって、海岸とかを車で走ったりすると真っ黒に日焼けした人が歩いてたりとか、東京から新幹線だとわずか1時間ですが南国感にあふれるイメージです。とくに最近は駅ビルも新しくなったりで、若い観光客が増えた気がします。街を歩いていても昔ながらの古い旅館とかお店が無くなっていく代わりに、都内で見かけるようなおシャレ感のあるお店が増えてきているように思えます。今回は少し時間も余っていたいので、熱海銀座の方に歩いて坂を下っていきました。さすがにまだ陽も照っていてる夕方の浅い時間で、しかも平日ということもありあまり人通りはありませんでしたが、パラパラとおしゃれなお店を通り過ぎながら下っていくと、なんだかダンディー風なカフェ&バーを通り沿いに発見しました。ちょうどマスターが看板を表に出して開店準備をしているところで、中にはまだ人影がありませんでしたがいつものようにスタスタとお店の中に足を踏み入れました。後で伺ったのですが、このお店はもともと紳士服屋さんだったのを改装したようです。いわゆる「居抜き」ですが、かなり良い感じに洋服屋さんの雰囲気が残っていて、とてもおしゃれな感じにまとまっています。マスターご自身でも店内を改装されたとのことですがなかなかの腕前ですね。日が暮れて店内の灯りがともるともっと良い感じになりそうなのが想像つきます。でも角地で窓も大きく閉鎖的な感じも全くありません。 通り側の店内の様子 お店の奥の席 さて、何を頼もうかと思ってメニューを見ていたいのですがカフェ&バーといった感じで、ノンアルメニューもあるし、スコッチウイスキーのシングルモルトもいくつか品ぞろえがありました。他にバーボンやジン、カクテルなど。カバーチャージ無しで良心的な価格でした。とりあえず自分は喉が渇いていたので、一杯目にハイボールを頼んでから、二杯目にこのお店のオリジナル「アタミカーナ」という(ミントやライムではなく)大葉を使ったモヒートをいただきました。フレンドリーなマスターでお店の準備をしながらいろいろお話をしていただいたいのですが、まだお店自体は新しく1年も経っておらず、まだ試行錯誤の段階のようでした。ご自身は別にIT関係の会社も経営されているそうで、いわゆる二刀流というやつでしょうか。IT関係ですとリモートワークとかも普及してきているようですし、働き方が多様になっていけばこうした都心から離れたところでも仕事や生活ができるということが実体験として広がれば街ももっと活気がでてくるのかなと感じました。夏の一時期を除いてあまり元気が無いように見えた時もありましたが、このところ熱海は街がかなり若返っているような気がします。でも基本は観光で来ている人で、また昔のように団体客が大勢で来るということもすっかり無くなってしまったようで、夜の街としては依然厳しいというようなことも聞きました。でも、こうしたおシャレなバーとかが増えてくれば、また違ってくるのではないでしょうか。今後に期待をしてみたいですね。 大葉を使ったモヒート「アタミカーナ」 帰り際になんですが、航空券を催した近くのレモネード屋さんの割引チケットをいただきまして、それならばということで横に逸れる小道をくだったところにあるこれまた今風のレモネード屋さんに行きつきました。割引券使用で、なんと一杯400円。こちらもお酒のメニューがあったのですが、ノンアルのレモネードをいただきました。こちらの店も内装は都内にあるような、レモネードバーというか、とても熱海らしく無い内装です。恐らく休日とかは若者でごった返すのかなと思いました。カウンターにいたお店の女の子にこちらの店を紹介された経緯などを話したりしながら少し涼ませてもらい、しばらくしてから目的の熱海銀座を目指しました。 レモネードで休憩 もちろんモルトバーの話なんですが、今回気になていたのは「ドクター・スマグラー」という熱海銀座にある川沿いのバー。熱海は観光地なので、そこまでビジネスマンがいないかならのか、居酒屋やスナックは結構ありますが、いわゆるウイスキー専門のモルトバーというのはあまり無い印象です。こちらのお店はgoogle mapで事前検索をして出てきた1軒になります。どのような感じなのか分かりませんでしたが、とりあえずトライをしてみようということで入っていきました。 バーカウンターとボトル やっぱり店の扉は開けてみるものですね。きちんとしたオーセンティックバーでした。やはりどの街にも1軒はこのようなお店が存在するものなのですね。店はカウンターに5席くらいで、後ろにテーブル席が二つといったところ。こじんまりとしたバーですが落ち着いた音楽も流れていて内装的にもオーセンティック系です。カウンター背後の棚にはびっしりお酒が並べられていて、ざっくりですが左半分がスコッチ、右半分がバーボンなど、といった感じでした。自分は玄関口に近かった右手のカウンター席に座ったので、あまりスコッチ側は観察ができませんでしたが、オフィシャル系のボトルがメインという感じだったかと思います。その他のお酒もスタンダードなものが中心なので、お客さんもそこまでウイスキー好きが集まってくるようなところでは無いかもしれませんが、十分に楽しめるところかと思います。お店自体は40年以上もの歴史があるそうで、スコッチやバーボンのオールドボトルもあるようでした。オールド系は不勉強なのでよくわかりませんが、マスターも相当なベテランなようで、掘り出し物があるのかもしれません。 「ブルーステート」というバーボンをロックで 棚の中で気になったバーボンのボトルを一つ出してもらいました。その名も「ブルー・ステート」。これはアメリカの選挙絡みの記念ボトルなようで、トランプ前大統領とヒラリー・クリントンさんが争った(2016年の)選挙戦のときのもののようです。ブルー・ステートというのは、民主党寄りの州という意味で、逆はレッド・ステート、すなわち共和党寄りの州。アメリカの大統領選挙は州毎に最多得票の候補陣営が総取りをする方式が基本で、ほとんどの州はどちらの党が優勢かが選挙前から分かっていることが多いです。なので、民主党寄りの州を「ブルーステート」共和党寄りの州を「レッドステート」と呼んだりします。日本でも地方や都会でだいたいどちらの政党が優勢なのかが分かっていることがありますが、それと同じだと思います。そしてこのロジックもまた同じで、アメリカの場合だと一般的には民主党は都会に強く、共和党は地方に強い、というのがセオリーです。なので、バーボンウイスキーの生産拠点であるケンタッキー州や、テネシー州というのは、「赤」と考えるのですが、これは「ブルーステート」を名乗っています。なので、どちらかというと選挙記念ボトルのような位置づけなのかなと思いました。味わいはしっかりとした深みのあるバーボン。ロックでいただきましたが、全然生き生きしています。写真でもわかるかと思いますが、とても良い色あいです。追記:後で調べたのですが、正確には2012年の大統領選挙を記念して、ヘブンズヒル蒸留所がリリースしたもののようです。(→こちらのページなど参考)またブルーステートだけでなく、レッドステートもあるようです。ただし、中身は同じとのこと。 旅の最後にATAMICANAのマスターから勧められた熱海海岸にある後楽園ホテルの温泉スパ「Fuua(ふーあ)」に行ってきました。平日の17時以降の利用はビジターの立ち寄り入浴で1,700円くらい。しかも熱海駅からの送迎バスが夜遅くまで走っています。もちろん海を一望する絶景の露天風呂もあり最高のロケーションです。温泉は塩泉。湯温はぬる目で長湯でも楽しめます。館内には広々とした休みどころもあり、寝落ちしないように気を付けましょう。 後楽園ホテルの温泉スパ「ふーあ」がおススメ ところで、熱海でハンバーガといえば熱海銀座にある「ボンネット」さんがおすすめ。昭和ノスタルジー満載の純喫茶。名物メニューは昔のアメリカ映画に出てきそうな、元祖ハンバーガー。具材は自分で組み立て式です。サイズは日本人サイズにアレンジされています。 クラシックモダンなお店の外観 昭和感満載のテーブル席