名古屋、栄のK9(ケーナイン)さんでウイスキーを。

名古屋、栄のK9(ケーナイン)さんでウイスキーを。

今回は名古屋の栄にやってきました。別の場所で仕事を終えて、錦近くのホテルについたのが23時くらい。それでも繁華街は賑わいがあり、栄近辺にいくつかチェックしていたバーがあったのでシャワーを浴びてリフレッシュしてから街に繰り出してみました。住吉通り沿いにいくつかマーキングされていたので、とりあえず上から順番に回っていこうかと思って下ったのですが、運悪くどこも閉店。1軒目のキュラソーさんは張り紙があって、今日は早くに閉店された様子。2軒目のルビンズベースさんもちょうど店を閉めようとしていたところでした。最後にチェックしていたところは「stand bar」という風な表記。最近はモルト以外にもいろんなモノをgoogle mapにマーキングしているので、立ち飲みの居酒屋かなんかかと思いつつ、ラストチャンスと思いトライした(後で分かったのですが、K9さんが入られる前の老舗バーの名前だったようです)、というのが今回こちらのバー訪問の経緯となります。 キルホーマン、マデイラカスク 入店してまず営業されていたことにホッとしました。夜中の一時までやってますよ、とのことだったので入ってカウンター席の中央に腰を下ろしました。手前側に女性が二人、カウンター奥に男性一名、そして真ん中に自分が座って半分埋まったくらいな感じ。L字のカウンタ席がメインの隠れ家的なバーです。座った時にはあまりモルトウイスキーとかは置いていないのかなと思っていたのですすが、女性が座っていた側の棚にかなりのモルトウイスキーのボトルが置かれていたようで、帰り際に気づきました。またこれも後で調べて知ったのですが、スコッチ文化研究所の名古屋支部を兼ねているそうで、定期的にテースティングイベントを開催されたりもしているそうで、列記としたモルトバーでした。マスターの方がとてもイケメンの気さくな方でしたので、そちらの方向に意識がいきませんでした。(もちろん、イケメンも気さくもウイスキーとは何ら関係ないんですが、、、)とりあえず一杯目には目の前の棚にあったキルホーマンをオーダー。最近あまりモルトウイスキーを飲んでおらず、とくにピーティーなウイスキーとはかなりご無沙汰だったので、最初のパンチに驚きました。ド・ピートにド・シェリーというか、強烈なブローとフックを浴びた感じです。(?って何の話、どうしても朝倉フロイド戦が気になってましてm(__)m) メキシコの蒸留酒、ソトル。 さて、自分の座ったカウンターには見慣れる酒が置かれてありまして、モルトウイスキーよりもこちらの方が気になってしまいました。最近は本当にいろんな酒を見かけるようになったというか、当然のことながら新しくできたとかではなくて、もともと世界中にはこれだけたくさんの種類のお酒があって、自分の知っていたのはそのうちのほんの少しだったのだということを毎度気づかされます。メキシコならテキーラでしょ、っていうのは間違ってはいないんですが、メスカルがあったり、そしてこのソトルがあったりいろんなバリエーションがあるんですね。このソトルというお酒は主にメキシコ北部で生産されているようで、原料はリュウゼツランにも似たようなダシリリオンという植物とのこと(ただしアガヴェとは違った種類の植物なため、テキーラのようなアガヴェ系のお酒(アガヴェ・スピリッツ)とは区別されるみたいです)。アスパラガス科らしいです。COYOTE(コヨーテ)ブランコなので蒸留したままのお酒ということなのでしょうか。味わいとしてはテキーラのブランコとかにも似た感じかですが、ボタニカルさがより強いのかなとの印象でした。 南米ボリビアのお酒、ルフェロ。 次に頂いたのがシンガニというボリビアのお酒。ルフェロというのはその中のブランドの一つだそうです。他にもロスパラレスとか、カーサ・レアルというのがメジャーなブランドとしてあるようです(→PRTIMES記事参照)。 お酒はマスカット由来の蒸留酒でフルーツブランデーに区分けされるようです。頂いたルフェロはそれぞれパッションフルーツやマンゴーをフレーバリングとして添加しているとのこと。どちらもストレートをハーフで試してみたのですが、ノージングの香りの飛び方がすごくパワフルです。でも味わいは割とおとなしいというか、そこまで甘くはなかったです。どちらかというとカクテルとかのベースにしたり、ソーダとかで割って一杯目に飲んだりする方が良いのかなという感じはしました。そして、最後に頂いたのがアイリッシュのロウ&コー。実は隣に座った青年がオーダーしているのが気になって、ついつい乗っかって注文した次第なのですが、ディアジオが出資するアイリッシュの復刻銘柄です。元々はアイリッシュはスコッチよりも世界的な知名度があったのですが、アメリカの禁酒法などで売れ行きが落ち込んでしまい、つい最近までは100を優に超えるスコッチのウイスキーと違い、ほんの数か所の蒸留所しか生き残ってない状況でした。それが、最近またアイリッシュの良さが見直され、往時の勢いを取り戻しつつあります。ロウ&コーの特徴は、バーテンダーが経営に参画するなど飲み手側の意識が組み込まれていること、そしてアイルランド首都のダブリン市街にその蒸留所がありアーバンな雰囲気がスタイリッシュなボトルデザインからも感じられること、最後に定番銘柄として立ち上げられたこのボトルはアイリッシュのモルトとグレーンウイスキーから造られた親しみやすいブレンドウイスキーであること。これらが意味するのはこれからのスタイリッシュでアーバンなウイスキーとしてより親近感のあるウイスキーを手元に届けたいという意気込みのように感じます。味わいとしては、軽やかな一方でスパイシーさもあり、ストレートでも楽しめるし、割っても良し。アイリッシュらしいオールラウンダーなウイスキーでした。まだまだ見かけることは少ないかもしれませんがこの特徴的なボトルを見つけたらぜひとも頼んでみたい銘柄です。 新興アイリッシュ、ロウ&コー BACK TO HOME (スコッチウイスキーの楽しみ方)>>
頃末商店(神戸・三宮)

頃末商店(神戸・三宮)

頃末商店といえばある程度ウイスキーやワイン好きの方であれば知らぬ方はいないのでしょうか。その伝説の酒屋さんに今回初めて立ち寄ることができました。今までも実は何度か近くには立ち寄っていたと思うのですが、場所が具体的にどこにあるのかは知らなくて、今回たまたま道を歩いていたら「見つけた!」というのが真相です(汗)。もっと老舗の感じを想像していたのですが、びっくりしました。清潔感のある明るい店内。そして、お店の方もみな若い。「きれい、明るい、若い」の三拍子?がそろっています。しかし、それだけではないんです。なんといってもこちらはウイスキーのみならずワインなどの洋酒の品ぞろえが半端ないのです。スコッチウイスキーでいうと、メジャーなものはほぼカバーしています。そのほかにも多くのボトラーズの商品が陳列してありました、しかも有料で試飲もできます。東京の長谷川商店や、銀座のリカマンと似たような価格帯・システムのようでした。さらに量り売りという購入もできるようです。これはプレミアムウイスキーとかボトラーズを少し試してみたい、というときに嬉しいですね。自分はまだ飲み始めであったのでとりあえずクラフトビールをクーラーから取り出して購入、そしてその場で頂いちゃいました。クラフトビールのセレクションも玄人好みというか、見たことのないボトルばかりです。その中でもコーヒー豆を使ったクラフトビールというのがあって、興味本位で試してみました。コーヒーを添加して味付けしたとかではなくて、コーヒー豆を発酵させた原酒を含んでいるようです(ベースはIPAとのことでした)。頃末商店という名前はウイスキー関連でフォローしているSNSとかで、時々名前が挙がってくるのでかなり前から知ってはいました。ただ、実際にどこの地域にあるとかは正直あまり良く知りませんでした。今回通りかかって、あ!神戸にあったんだと。そういう感じです。頃末というのは「頃末さん」というお名前なんですね。今の若大将で4代目?だそうですが、さすが貿易港として名前を馳せた港町神戸だけのことはあります。もしかして石原裕次郎とかも来たことあるんですかね。そんな思いに浸りながら、店内をくまなく回りました。とにかく、スッキリとしたレイアウト。雰囲気的には銀座のリカマンさんに近いかなと思いました。お店の方も気さくに話かけてくれて、でもこちらはただフラっと立ち寄っただけでしかも今から飲みにいくところだったので、一つくらいボトルを購入したかったのですがかないませんでした。また機会があれば今度はちゃんと計画的に来たいと思います! コーヒー豆をフレーバリングに使用したクラフトビールを店内で。 最近は酒屋さんもとても面白いですね。ウイスキーでいえば、ただボトルを並べて販売するだけではなく、自身で色々とプロデュースするタイプの店が増えているような気がします。地方でもオリジナリティにあふれるところを見かけます。まだ行ったことはないのですが岡山のバーを訪問した際に地元の酒屋さん(ウイスキーラバーズ)がプロデュースしたウイスキーを頂いたことがありました。東京だと信濃屋さんとかが有名ですね。他にも個人のバーでも共同で樽を購入したり、酒屋さんがアレンジしたりと色々あります。有料試飲や量り売りのシステムも嬉しいです。地方を訪問するときはさすがにがっつりボトルを買って飲むことはさすがに想像しづらいです(汗)。家飲みも自分はほとんどしないのでウイスキーのボトルを買ってもほとんど残ったままのボトルがあります。ですが、量り売りなら少量を買って飲めるので、例えば地方出張でもホテルに帰ってゆっくり楽しむとか、なんなら雰囲気の良い海辺とか公園とか見つけて野外で自然を堪能しながらチビチビ楽しむこともできそうです。量り売りで言えば広島を訪ねた時にリトルハピネスさんというバーがそういったサービスをしていました。今でもネットなどを通じて提供しているようです。(因みに二つのお店のことについてはこちらのブログ内でも少し紹介をさせてもらっています。詳細はこちらです。→岡山、→リトルハピネスさん)最近はインスタやツイッターなどSNSを活用したマーケティングも盛んで、テイスティングイベントを開催したり勉強会を開いたり、酒屋さんのスタイルにも革命が起こってきているようです。また、神戸にも触れないわけにはいきません。というのはワインとウイスキーに関してはとても良いバーがいくつかあるからです。経済的な規模からいうと一頃に比べるとただの地方都市レベルになった感じはありますが、こうした分野ではまだまだ神戸・三宮はすごいものがあると感じます。ワインでいえば、もうノラックさん一押しです。何も言わずに訪問してください。騙す気も何もないです。個人的に今まで行ったワインバーの中で最高です。モルトバーでいえば、メインモルトさん一択でしょう。こちらも、何も私から言うことはないです。迷わず行きましょう。そして、最後に、ちょっと怪しげな港町の雰囲気を楽しみたいという方におススメは、元町界隈の隠れ家的なバー、ムーンライトさん、をおススメします。神戸は表の繁華街だけではなく、少し路地裏のようなところでも垢抜けたシックなバーとかがあったりしてナイトライフが面白い街です。まだまだ発見がある気がするので、次回に頃末さんを訪問する機会があればどこかおススメのバーも聞いてみようかなと思います。 一つ一つに丁寧で簡潔な紹介文があり分かりやすい(youtube動画より)
広島の雑草庵で地酒と料理を楽しむ

広島の雑草庵で地酒と料理を楽しむ

久しぶりにまた広島にやってきました。今回はビジネスだけでの訪問。金曜の夕方に到着して土曜の朝には帰るという、ものすごく勿体ないスケジュールになりました。広島というのはいつ来ても自分にとっては何か古き良き昔を思い出すような感覚に陥る街です。モダンとクラシカルが入り混じる路面電車。ゆったりと街の中心を流れる川と、古風な趣のある石造りの橋。そして、現役のそごう(笑)。更に今回付け加えるなら、「方言」(広島弁?)もまだバリバリに現役。関西以外の地域でこれほどまでに生き生きとしとして老若男女問わずに活用されるているところも今や珍しいのではないでしょうか。細かくは自分も説明できませんが、語尾の特徴として「~じゃけえ」とか「~じゃろ」とか。自分の田舎も語尾が特徴的で、昔は広く使われていましたが、いまでは帰省しても街中ではあまり聞かなくなった印象です。なので、本当に懐かしい感じがします。「方言」は土地の言葉なわけで、その地方の文化的な特徴を音声を通じて体現するもの。それが日々の生活に根付いているというのは、皆が自分の住んでいるところに誇りを持っているということでしょう。交通や通信が便利になった今のご時世、離れた地方でも標準化の波が押し寄せ街並みも均一化が進み、チェーン店などが揃い、スタイルも教科書のように似通い、そして最後には人も土地の匂いのしない今風な人が闊歩するというか。致し方無い部分もありますが、それだけに広島は独自のスタイルが受け継がれているようで面白い。でも、昔っぽいというネガティブなものでは決してありません、むしろ逆にヨーロッパの旧市街を彷彿させるような趣きもあったりで、とても魅力的な街だと毎回来るたびに感じます。 お店の冷蔵庫には広島の地酒がどっさりと。 さて、今回もウイスキーのネタではなく「日本酒」の話題です。仕事の付き合いで飲みに出かけたためこの流れになりました。やはり、食べて飲んでとなると、なかなか最初からウイスキーの店で、とはならないですよね。訪れたのは広島随一の繁華街「流川」にある「雑草庵 安芸」さん。名前がなかなか風流ですね。宿泊先が平和公園近くであったので、平和公園でお祈りをしてから徒歩で向かいました。元安橋を渡りアーケードの本通り商店街を抜けてパルコを曲がり、金座商店街に。堀川町の交差点を渡りぶつだん通りに出たえびす通り商店街に行く手前の右手にありました。雨が降っていたのですがアーケードや商店街の屋根をつたいながら行けたので傘をささなくても気になりませんでした。通りの店はどこも通常通りの営業に戻っていて、前回訪問時とは違い、街の活気を肌に感じながら楽しい散歩になりました。ご一緒した方も数年前に広島に来られて、初めのうちはやはりとまどうところもあったようですが、今ではすっかりと馴染んでいるようでした。久しぶりの再会を祝してということで、飲み放題セットと料理に舌鼓を打ったあと、地酒タイムとなりました。日本酒の好きな方なら十分にご存じだとは思いますが、広島は県中央に位置する酒都・西条などを中心に酒蔵が多くあります。「賀茂鶴」や「亀齢」などで知られる西条の他にも、瀬戸内海側の呉、ウイスキー竹鶴政孝の生家のある竹原の「竹鶴」、他にも内陸ではワインの生産などでも知られる三次(みよし)など。面白いのはそのお酒の個性が同じ県内でもかなり違うということ。それもそのはずで呉や竹原などは瀬戸内海に面する温暖な気候が特徴。しかし、三次などの内陸は寒冷な地域で冬には街中でも積雪することでも知られています。(→SAKETIMESの記事など詳しい)このため、何か一つだけの銘柄を飲むというよりは、それぞれの地域から一つずつくらいを比べながら飲むというのがおススメで、そうすると最低3合は飲む羽目になります(笑)。良かったのは二人で一合づつ頼むと、小さなおちょこがついてきて相手のお酒も少し味見程度に注いでくれたこと。三人以上のグループとかだとどういう風になるのか分かりませんが嬉しいサービスでした。ラストに竹原・中尾醸造(→リンゴ酵母の開発などでも知られる)の「誠鏡」をオマケでいただきました。地元の酒屋「酒商山田」さんのオリジナル品で生産数600本の限定品だそうです。二人とも辛口が好きだったので色々と試しましたが、精米度が高くて色目も琥珀色をしているものでも不思議とスッキリ感があるというか、どのお酒もとても美味しかったです。お酒のアテもお魚系を中心に充実していました。鯛そうめんというのが気になっていて、〆に頼もうかと思って狙っていたのですが、その前にお腹いっぱいになってしまい味わうことがかないませんでした。また次回訪問の時、今度はカキの美味しいシーズンにぜひとも伺いたいですね! 自分が頼んだメインのグラスと、その隣には味見用に相手が頼んだお酒もおちょこに。 サービスで提供してくれた限定品のお酒「誠鏡」。とても良かった。 memo:都内にもお店があるようで、今回訪問した広島のお店は「雑草庵 安芸」で検索してみてください。 BACK TO HOME (スコッチウイスキーの楽しみ方)>>
【愛知】HOCKER ホッカー(蒲郡)

【愛知】HOCKER ホッカー(蒲郡)

今回は愛知県三河地方の蒲郡に立ち寄りました。名古屋からはかなり南に下ります。豊橋からは新快速で一駅です。青春切符などで東海道を旅行していると、必ず通る駅ではあるのですが、降りたことは一度もありませんでした。地元の方に伺うと、「ラグーナテンボス」というリゾート施設や文豪に愛された温泉などがあり、東海の「熱海」ともいわれる行楽地のようです。豊橋の勢川でうどんを食べた後だったので夜も更けてしまい、着いた時には周辺の様子はよくわかりませんでしたが、地図で見ると駅から歩いて数分くらいで海に行けるようでした。繁華街は海側とは逆方向にあります。のちに聞いた話では昔はかなり賑わいがあったようですが、今では灯りがポツン、ポツンという感じです。フィリピンバーらしきピンクの看板が煌々と燃える店のすぐ近くに今回のバー、ホッカーさんを見つけました。歩いて本当に数分でした。ロータリーを挟んでほぼ駅前のような感じです。ただ、あたりに歩いている店はほとんどなく寂しい雰囲気。降り立ってすぐたったので、とりあえず表通りを1周してみましたが、バーらしきものはここともう1軒くらいなようでした。かなり閑散としています。駅前の地下にある小さな呑み屋街も通ってみました。お店は開いていましたが、静かな感じでした。地元の方が飲むにしても、名古屋や豊橋の街中で飲んでから、最後に帰宅前に寄るような感じなのでしょうか。そうすると、もっと深夜帯の方が賑わいがあるのか。とりあえずグルグルしてみましたが、埒が明かないのでお店の方にまた戻ってきて扉を開けました。 最初の一杯はC.C.ハイボールから 店内はシックな感じです。オーセンティック系のバーという雰囲気。ゆとりのある席の配置。広々としたカウンター席と、その後ろにゆったりと座れるテーブル席が二つくらいありました。レコードなんかも飾ってあって店に流れる曲調も心地が良いです。入ったときはマスターが一人でカウンターに立たれていました。まずはカナディアンクラブをハイボールで。「カナディアンクラブがお好きなのですか?」と開口一番に聞かれたのですが、とりあえず一杯目はバーボン的なハイボールを飲むのがルーティンなだけでございます。カナディアンクラブは正確にはバーボンではありませんが、成り立ちを遡ればバーボン志向は明白です。アメリカの禁酒運動で仕方なくカナダ側に蒸留所を作らざるを得ず、その後はこれまたアメリカ側の事情で「バーボン」を名乗ることができなかったために「カナディアン・ウイスキー」という別枠を設けられ、そしてアメリカで禁酒法が施行されてからその品質の高さが広く認められ「カナディアン・クラブ」(C.C.)としてのブランドが定着することになります。(https://www.suntory.co.jp/whisky/canadianclub/history/)カナディアン・ウイスキーはバーボンと似ている部分もあります。モルトも多少は使うこともありますが、主に穀物(特にライ麦)由来の材料を使用します。蒸留も連続式です。ただし、バーボンと違い樽は再生樽も使います。また独自の特徴としてコーン由来のベースウイスキーと、その他穀物のフレーバリングウイスキーを作り、それをブレンドしてカナディアンらしい爽快感あるスパイシーさを持たせています。なので定番ブランド品はストレートで飲むよりは、ロックやハイボールなど割って飲んだりする方が美味しく楽しめるかと思います。 ブラントン・シングルバレルのストレートを 続けてブラントン(Blanton's)を。ブラントンはバッファローズ・トレース蒸留所のプレミアムウイスキーのブランドです。1980年代に登場した比較的若いブランドで、これは銘柄の名前にあるアルバート・ブラントン大佐に由来します。特徴はマスターディスティラーによって認められた良質の樽から一つ一つボトリングされていること。これは、ブラントン大佐が大切な客人をもてなすときに、倉庫から樽を一つ開けてボトリングしたものを用意していたことに着想を得たようです。こうした経緯を知れば、これは割らずにストレートで飲むしか選択肢はありませんよね。ラベリングや馬のキャップなどまですべてがハンドメイドなクラフトバーボンの味を堪能します。バーボンとしては、かなり辛口な感じです。プレミアムだけあって、熟成もバーボンとしては長期間行っているようで、加えてバファローズ・トレースの倉庫は冬場にスチームを炊いて温度を保ったりなど早熟の仕掛けもあり樽感がしっかり出るイメージ。バーボンはオークの中を焦がした新樽のみを使用するので、これがバーボン樽の深みというやつなのでしょうか、クセになりそうです。 キルホーマンのリキュール。スモークな香りが! 最後に頂いたのはスコッチ・キルホーマン。ただし、ウイスキーではなく、リキュールです。ベースにキルホーマンのニュースピリッツを使用して、フレーバリングにブラックベリーを浸漬したようですが、ノージングをしてみるとベリーワインのような液体からスモークが立ってきます。どんな味だろうと思ってテイスティング。ただ、味わいまではさすがにスモークさはあまり感じられず、ベリー感が口に広がります。キルホーマンをベリージュースで割ったような感じとでもいいましょうか。元々はキルホーマン蒸留所が立ち上がった時の最初の数年間、原酒が熟成してモルトウイスキーとしての完成品ができるまでの間、何か販売できるものがないかということで商品化されたようです。普段あまりリキュール類は飲まないのですが、甘すぎることもなく面白い味わいだと思いました。さて、カナディアンに始まり、バーボン、スコッチのリキュールを楽しんでお店を後にしました。マスターは気さくでフレンドリーな方で、地元も蒲郡とのこと。繁華街の賑わいが無くなってしまったのは残念ですが、どこの地もこうしたオーセンティック系のバーは息づくものなのかと思いました。今度は近隣の温泉街など含めてもう少し深く探検をしてみたいですね。ではでは。 BACK TO HOME (スコッチウイスキーの楽しみ方)>>
西川口のトルコ・クルド・バー

西川口のトルコ・クルド・バー

埼玉県の川口といえば最近では外国人が多く住むようになった街として知られます。特に今では移り住んでくる外国人の数が国内でナンバーワンなのだとか。主には中国系などアジアからの方が多いのですが、その中で異色を特に放つのがトルコ系、正確にはクルド系の移民です。映画とかで見るような感じのままで、家族ずれなどが街を歩いているところに偶然出くわすと、逆に自分が日本にるのか?と思いたくなります。難を逃れて移り住んできた事情もあってか、いわゆるジャパナイズ(日本人化)された要素が無く、まるで昨日まで向こうにいたようなオーラを醸し出しています(というのは自分の勝手な思い込みだけかもしれませんが)。一説には二千人くらいの方が住んでいるそうですが、どこまで正規に補足されているのかも分からないので実際はもっといるような気がします。この界隈にはところどころに移民コミュニティがあり、このバーもその一つです。近くに用事があり時々こちらのお店によるのですが、まず日本人が来たことを見たことが無いです。最初に行ったときはちょっとヤバいのかとおもったのですが、運が良いだけなのかとりあえず今まで身の危険を感じたことはないです。最初はどんなところのだろう?という好奇心で立ち寄ったのですが、今では来る理由があって、それがこのトルコ風サンド、カブルマです。写真ではちょっと分からないのですがとにかくうまい、そしてデカい!一つ食べるだけで自分は充分です。 →→NHK記事(日本一外国人が多い街・川口市)・川口市が"ホーム"に選ばれる理由とは カブルマ(kavruma)というサンドイッチが特におススメ トルコ料理のサイトに紹介されていたカブルマ。中の具の方を指すようです。 中の具材はラム肉と、野菜の炒め物。スパイスがかかっていて、たぶん具だけ食べても全然イケると思います。キッチンに立ってた女性にこれは何ていうのって片言の日本語で聞いたら「カブルマよ!」と流ちょうな答えが。ちなみに、コロンビア人だそうで、旦那さんがトルコ人とのことでした。一緒に相席した全身入れ墨かと思う若い子がいたのですが(めちゃイケメン)、とても礼儀正しく、人は見かけによらんもんだと思いました。また、話す片言の日本語がかわゆい笑。前回訪問したときは、コロンビア人のママがその彼に恋愛指導をひたすらしてました。たまに自分に「そうよね!!」とか振られてきて、タジタジでした(汗)。どこの国も女の人が最強なようです。日本人を代表して面子を保つためにすべて「はい!」と返事たことは一生の誇りです。さて、酔っぱらう前に話を進めます。トルコのお酒といえばこれでしょう。ラクです。(詳しくはこちらの記事など) トルコのエフェスビールとともに。お肉料理とよく合います。 ラクは変わった飲み方をするお酒で、ストレートではなく割ってのむのが基本。原酒は透明なのですが、水を注ぐと写真のように白濁するようです(写真の右のグラス)。それに合わせて何やら酸っぱくて甘くないジュースが出てきました。これを交代で飲むのが流儀だそうです。割と健康的な飲み方をするのだと感心しました。一杯しか飲みませんでしたが、昔の知恵なのでしょうか。全然酔いませんでした。蒸留酒なので原酒の度数は40度以上あるようです。原酒の味もどんなのか見たかったのですが、今度にしたいと思います。原料がブドウらしく、甘かったです。甘い酒と酸っぱいジュースを交互に飲むので、抹茶飲んで羊羹食べる感じでしょうか。違いますでしょうか。古今東西問わずこういう「バランス」って何事も良く考えられているものですね。 ラク(Raki)というのトルコのお酒。隣は合わせて飲む酸っぱいジュース。 店内の様子 テレビから流れてくる音楽番組 店内は基本的に移民コミュニティの集う場所のような感じです。トルコのテレビが流れてたり、水タバコがあったり、食事を求めてテイクアウトのお客さんが車を止めて入ってきた入り。恐らくこの界隈では有名なバーなのかと思います。一人でいっても特に警戒されず、少なくともお店の人は温かく迎えてくれましたが、時と場合によってはどうなのか分かりません。興味のある方は自己責任で行ってみるのも良いかと思います。ただ、交通の便は不便です。基本は西川口か蕨からバスになるかと思います。住宅街の一角なので、近くに車を止めるところも少ないと思います。もし何かの機会があって通ることがあれば、カブルマのテイクアウトくらいならおススメしたいですね。
新宿ゴールデン街「花の園」G1

新宿ゴールデン街「花の園」G1

そうだ、ゴールデン街に行こう! 久しぶりにまたこの街に還ってきました。新宿のゴールデン街です。喧騒とする新宿の繁華街の一角に、まるで昭和ノスタルジーの博物館のように活気づく界隈です。一説には300軒を超すともいわれる小さな呑み屋がこの一角に軒を連ねます。インバウンド全盛の頃は、テーマパークの如く外国の方も大挙していましたが、今は国内組の若い世代が目立つ感じでしょうか。カウンターの中でも若い方が立っていることも多い印象です。ノスタルジックな店も残る一方、改装して今風な雰囲気に生まれ変わった店も多くなっています。まさに世代交代が現在進行形で進む熱い街なのです。人も街も、そしてお酒も、入れ替わり立ち代わり日が変わっても明るい街、それがこのゴールデン街なのです。さて、今回やって来たのはG1通りにある「花の園」さん。何度かお邪魔したことがあるお店なのですが、今回やってきたのはある噂を聞きつけてのこと。それは「伝説の女」が降臨する日だからでして(汗)。さて、一体いきなり何の話なのか?ということですが、実はこの街を探検していて何度か聞きつけたウワサがあったのです。それはこの無数にある呑み屋を全軒制覇した猛者がいると。その方が在籍?されていたお店がまさにこちらのお店「花の園」というわけ。ただ、今はこの街を卒業されたというような話もあり今日まで実際にお会いすることができなかったのです。ところが、先日まさかの「女神降臨」情報を聞きつけ、それならば!ということで急行したといううのが事の次第になります。 現場に急行した後の一杯はサッポロ黒ラベルで。 正直のところ会いに行くべきがどうかは、少し悩みました(笑)。想像に任せた方が良いこともありますよね。全軒を制覇するとなると相当な強い意思がないといけないし、それを達成したとなるとやっぱりどこか超人的な、普通で無い要素があるのかと勝手な想像をしていました。しかし、実際にお会いしてそうした勝手な先入観は崩壊しました。普通に明るい気さくな女の子でした。しかもすごく謙虚。オーラはもちろんあるのですけど、自然な感じなのですよね。全軒制覇も納得です。自分からグイグイいかなくても相手から集まってきそうなタイプ。この街を歩いていて思うのですが、カウンターのどちら側にいても自然と様になるような定連のお客さんが多いです。結局どちらにいても場の雰囲気を盛り立てられるということなのでしょう。こうした「人間力」みたいなのが常に試される街だなと毎回感じます。(そして毎回自分は人間力の無さに打ちひしがれているというか。。大汗)どちらがもてなす、もてなされる、ということもなく、初見の方には各店の常連さんから丁寧にアプローチしてくださることも往々にしてあり嬉しいです。個性派揃いの店が群雄割拠する中で、「花の園」は常に自然体です。他のお店だとお酒に特化してたり、音楽を専攻されてたり、古い映画好きが集まってたり、色々と何かしら看板があって、そちら方面の話題についていけないと寂しい思いをすることをあるのですが、こちらのお店は割とオールラウンドの形で初めての方でも馴染みやすいのではないかと思います。というわけで、ゴールデン街に来て1軒目のお店に迷ったらまずはこちらのお店に来てほしいですね。ゴールデン街の手前側の筋の真ん中ら辺にピンク色の看板が煌々としているので場所はすぐわかると思います。きっと暖かく迎えてくれることと思います! 電子マネー(SUICA)で決済できました!これは嬉しい! 店内の様子(http://meroom.com/hananosono.htmlより)
小豆島に行こう&DONIS BAR

小豆島に行こう&DONIS BAR

ところで、みなさん「島旅」してますか?最近、船で行く島旅にはまっています。本州側の四国地方と四国に挟まれた瀬戸内(せとうち)の海には小さな島が多く点在しています。今では瀬戸大橋やしまなみ海道などの連絡橋ができたので交通も便利になりましたが、橋が通っていない島も多いため「渡船」もまだまだ現役で活躍しています。今回訪れた「小豆島」(しょうどしま)は瀬戸内の島でも淡路島に次いで大きな島です。醤油(デパ地下とかで見かける有機醤油の類)の生産は古くから有名。他にオリーブなど。「二十四の瞳」の舞台とか?ちょっと古いでしょうか。関東圏ではあまり馴染みないかもですが、関西方面では観光地として多くの人に知られていると思います。島の中を走る車も神戸ナンバーのBMWとか、奈良ナンバーのポルシェとか見かけました。島の中は小さな道が多くて軽が多いので、大きめの外車が走っていると目立ちますね。小豆島も本州や四国とは橋でつながっていないので、フェリーなどの船を利用してとなります。島の港もひとつではなく、航路も多様です。パッと挙げてみると、神戸、姫路、日生、岡山、そして高松などです。主要航路は高松から島の西部の土庄(とのしょう)を結ぶルートで、高速船も出ていてかなり頻繁に船が出入りします。高速船であれば30分、フェリーでも1時間なので、島から高松に通勤通学をしている人もいるとのこと。うちらは神戸からフェリーを使い島の東の坂手港から上陸しました。坂手から土庄まではバスが走っており1時間程度。アニメの聖地としても脚光を浴びているようで若者が結構多かった印象です。 ドニズバーに入る入口 そんな小豆島にバーはあるのか?というこでいつものgoogle mapで探したのがこちらのドニズバーさんです。「bar」と名の付くのはこちらだけだったように思います。小豆島は高級ホテルなどが島に点在しますが、いわゆる繁華街的なものは無い印象。なのですが、土庄の付近の中心部は「迷路のまち」と言われるほどの細い路地が入り組んでいて昔にタイムスリップしたような感じで面白いです。ちなみに、この迷路の由来は南北朝時代にまで遡るそうです。関西に来て史跡を見るとすぐに数百年を軽く飛び越えてくるんで、年代とかある程度頭に入れとかないとついていけないです(汗)。ドニズバーの場所ですが、その迷路地帯から少し離れた通り沿いにありました。1階が酒屋さんになっていて、その下がバーとなります。名前は「バー」ですが、どちらかというと座って飲食を楽しむレストラン的なスタイル。テーブル席がメインで、カウンター席は無かった記憶です。メニューはフードとドリンクがあり、フードは本格的です。パスタやサラダだけでなく、スペインオムレツとか結構いろいろあって、食事と一緒にワインを楽しむには最適かなと思いました。ワインは気に入ったものが棚にあればボトルでの購入もできるようです。ボトルメニューも何ページも書いてあって、価格帯も手頃なものから高価格帯までそろっていました。ウイスキーなどの蒸留酒系はそれほど無かったように思います。お店の黒板にはその日のおススメのグラスワインが書かれてあり、そこから選ぶこともできます。確か8種類くらいあったと思います。一人が飲むには十分かなと。うちらはせっかくなので「小豆島」のラベルがあるものを選びました。とても美味しかったです。小豆島で作られたワイン?と思いきや、さすがにそういうわけではなかったようです。詳しくはドニズバーさんのこちらのページで) 小豆島ワイン、エンジェルロードはメルローとカベルネのふくよかな味わい 店内カウンター付近の様子 最後に近くのスナックで裕次郎を歌って帰りました ドニズバーさんでワインとフードを堪能した後に、ふらふらと迷路のところに帰ってきました。ポツリとスナックらしき店の灯りを見つけて、その名も「より道」!最高のネーミングですね。パッと開けたらちょうど誰もいないカウンター席が見えたので突入してみました。ママさんが一人で立ってらして(この道39年だそうです)。島の昔の様子なども気になっていたので伺ってみました。やはり昔は結構栄えていたようで「スナック街」もあったとのこと。でも残念ながら今はほとんど無くなってしまったようです。調べてみると分かるのですが、この島は結構高級なホテルが各所に点在しています。たぶん、ホテルがすべて用意してくれるものだから出歩く必要が無いのかと思いますが、街の繁華街がこうして廃れてしまうのは寂しいですね。でもママはとても元気で、この間は外国人のグループが通訳を連れて来店して忙しかったわよ、とか快活に語ってくれました。確かに。旅好きの外国人で、しかも小豆島に来るような方たちなら絶対にツボにはまる気がします。インバウンドはまだまだ小康状態ですが、島の雰囲気は南北朝とまでは言いませんが!昔ながらの雰囲気や風情が随所に色濃く残っていて最高でした。マイクを渡されたので裕次郎の「北の旅人」を熱唱して、ご満悦で帰路につきましたとさm(__)m
【神戸】Bar Moon-Lite バー・ムーンライト

【神戸】Bar Moon-Lite バー・ムーンライト

神戸には何度か飲みに来たことがあります。こちらでも紹介をしていますが、ウイスキーでいえばメインモルトさん、ワインならノラックさんが、とにかく一押し。間違いないです。ただ、いかにも港町神戸らしい雰囲気のバーっていうのがあるのか、と言われるとあまりピンと来ない感じが続いていました。海岸通り沿いなんかを歩くと、上海の外灘に近いようなどことなく異国情緒が感じられる建物などもありますが、神戸の震災があってから貿易港としての地位は年々下がって来ているのが実情。外国人を見かけるのも、インバウンドのころからはむしろ神戸ではほとんど見かけず、京都や大阪の方が目立っていた印象です。なので、街としてはキレイにはなったけれどもちょっと普通な感じに丸く収まって来ているかな、なんて思っていたところに、ありました!ザ・神戸的なバーが。それが、こちらのBar Moon-Lite(ムーンライト)さんになります。港町的なエキゾチック感、石原裕次郎が奥の席でニヤニヤしてそうなバーのご紹介です。 店内の様子と注文したカクテル シンガポール・ラッフルズホテルのレシピだそうです バーの扉もちょっと危ない雰囲気で緊張感があったのですが、開けてみるとそのままというか、「赤」と「黒」を貴重として店内に、怪しげな仮面とかが壁に掛けられています。(でも、お店の方は至って普通な感じで、そのコントラストも面白かったですm(__)m)変わった雰囲気の店内ですがバーカウンターとかもすごくおしゃれで、色々飾られたりしていますがきちんとまとまっていて洗練されたカジュアル・オーセンティックなバーの雰囲気です。お店はカウンター席がメインで、たしか奥にテーブル席もあったような。記憶ですが。でもここは来るなら一人か、少人数がおススメかなと。あまり大人数で来るようなところでは無いような気がしました。で、何が港街神戸なの?って話なんですが、もちろんエキゾチック感のあるバーの雰囲気もそうだったのですが、先に居らした神戸マダム(実際に神戸の人かは分かりませんが汗)の影響ですかね。いや、とても失礼なんですが東京の六本木や赤坂ならいざ知らず、地方のバーで先客がマダムというのはなかなか経験することが無いんです。たぶん、皆無に近いです。(もちろん、飲食系とかそういう関係ならもちろんあるんですが、それは同業者なのでカウントしないです。)ちょうどとなりに座るような感じになって、お店の人との会話がちらちらと聞こえてくるんですが、なにやらシンガポールだ、香港だ、なんだかインターナショナルな話をされていて、それならば!ということで、自分もメニューにあったシンガポール・ラッフルズホテルのレシピのカクテルがあったので雰囲気に合わせて注文した次第。注:普段カクテルなんて一切頼みません。たぶん、数年に一度くらいかな。。大汗 インドラムのオールドモンクをストレートで マスターに話を伺うと、なんと30年もお店を営業されていたそうです。まったく気づきませんでした、というかこの栄町付近の界隈まで足を延ばすことがほとんどありませんでした。今回たまたまブッキングしたホテルがこの近くだったので、偶然に発見につながりましたが、それでなければ恐らく一生出会うことなかったと思います。やっぱり神戸で飲むといえば三宮界隈がメインになりますからね。何かご紹介とかがあれば話は別ですが、やはり繁華街から離れたところにポツンとなるバーというのは結構難しいです。でも今回こうした発見につながったということもあり、やっぱり探検はしてみるものだと思いました。入店してからもポツリポツリとご来店される方がいらして、カウンター内も忙しく、なにぜマダムがいる緊張感もあり、いつものようにフランクにマスターに会話することが終ぞできませんでした。なので、得られた情報はそれくらいで、この店の由来とか、どうしてラッフルズなのかとか、そういうのは一切聞けなかったのですが、9回裏にヒットを打ちました。それが、こちらのインドラム。メニューをパラパラ見てて結構いろいろと面白いものがあったのですが、インドのラムというのは聞いたことなかったので勇気を出してカウンターを駆け回るマスターを止めて聞いてみました。割と人気のあるラムだということで、樽熟成のものをストレートで注文しました。7年と12年が確かあって、頼んだのは7年だったと思います。「サトウキビ・ジュースとモラセスを原料に蒸留したラムをブレンド」(お酒の武蔵屋さんサイトより)とのことですが、カリビアンラムとは違う味わい。なんというか、キャラメル感というかコーヒーというか、独特な深みのある味わいです。コーラーで割って飲む方法もあったようですが、なるほどと思いました。確かにコーラーで割ると両方のキャラがうまくミックスされそうです。次回はコーラ割りでも頼んでみようかと後で思いました。カウンターのど真ん中に奄美黒糖焼酎の「竜宮」が鎮座していて、これも頼んでみたかったのですが、時間の関係とかもあってお店を後にしました。バーも良かったのですが、来られている方もマダムを筆頭に品のありそうな方が多くて、近隣住民の集まるバーというより、皆さんどこかから目指して来られているのかと想像しました。お店のページを拝見すると割に早い時間帯からやっているような記載があったので、今度はもう少し早い時間帯に行ってみようかなと思います。ただ、店の雰囲気的にはやっぱり最後に回る一軒なのかなとも思い悩ましいところです。神戸は三宮以外にもこうした素敵なバーが眠っていそうですね。今後も何か発見があれば随時ご紹介していければと思います! 港町神戸の夜 裕次郎と神戸なら「赤い波止場(1958)」がよかったですねえ。
【栃木】パイプのけむり(小山)

【栃木】パイプのけむり(小山)

仕事帰りに立ち寄った栃木県小山市のバー、「パイプのけむり」さん。小山駅の西口を降りてすぐのところにあります。表通りの「祇園城通り」(祇園城は小山城の別名)でではなく、その左隣の小さな脇道「昭和横丁」から入ってすぐ右手のところにあります。路面店ではなく雑居ビルの2階に階段を上がっていきます。オーセンティック系のバーですが、お店は路面向きの窓が大きくとられているので真っ暗な空間というわけではなく、外の空気も感じられる割と開放的なバーです。店内はカウンター席が中心ですが、ひとつひとつの席に余裕があって、席そのものもゆったりと座れるので心地が良いです。1人でも2,3人で来ても楽しめるのではないでしょうか。お酒はモルトウイスキーが中心かなと思いました。スコッチの他にもジャパニーズで面白い銘柄とかもいくつか並んでいました。写真にも少し写っていますが、桜尾とかガイアフローとか。ガイアフローのブレンデッド「M」もあって、これは少し味見程度にいただきました。中身はガイアフローのモルト原酒もあるようですが、生産量がまだ限られるため、スコットランドからモルトとグレーンの原酒を取り寄せてブレンドしたようです。(→詳細記事)「M」というのは静岡のウイスキーと本場スコットランドのウイスキーがブレンドすることで結びついたという意味で、「MEET」の頭文字から取って来たとのこと。最近はジャパニーズの地場モルトウイスキーの生産が広範囲に行われているので、これからも様々な「出会い」があると良いなと思ったりもします。残念ながら新興の蒸留所はまだまだ準備できるものが限られている状態なので、これから5年先、10年先、あるいはもっとかもしれませんが、日本国内でもいろんな融合が出てきたら面白いですよね。因みに小山駅は以前に東口のbar as everさんを訪問したことがあり、今回は逆サイドの西口を探検してみた次第です。 タリスカーのソーダ割り さて、椅子に座って頂いたのはタリスカーのソーダ割りを久しぶりに。何を注文して良いか分からないときに、以前訪れた丸亀のサイレンスバーを思い出しながらオーダーします。タリスカーのソーダ割りを頼むと、いまでもあの時の思い出がよみがえってくるんですよね。(→その時の思い出話はこちらに。)そんなこともあって、モルトウイスキーを頼むときは基本はストレートなのですが、タリスカー(タリスカー10年)だけは今でもソーダ割りで頼むのが自分の定番です。マスターの話では、小山も昔は繁華街が非常に栄えていたときがあったそうですが、古い長屋の建物が密集しているような感じで、結局は今のように駅前ビルが建て駆られたりなど再開発によりサッパリしてしまったようです。駅ビルには蔦屋とかドンキがありましたが確かに駅ビルの中でショッピングは事足りてしまいそうです。ただ、飲み屋街が無くなってしまったのは非常に残念な話です。それまで通っていた人はどうしてしまったでしょうかね?他の街に流れたのか?マスターに突っ込んで聞いてみましたが、マスターも良く分からないといった感じでした。それはそうでようねm(__)m。時代的に外で飲み歩きする人が年々減っているのもあると思います。先日、野球選手のデーブ大久保さんのチャンネルを見ていた時に、やはり似たような話がでていました。昔の野球選手はとにかく試合後に飲み歩きするのが常であったが、今の若い選手はそうじゃない、的な。自分の仕事の周りでもそうです。昔は本当にお客さんと飲むのが当たり前だったですけど、今は時代が時代というのもありますが、そもそも若い人がそういった「旧習」に興味がない。ましてや無理やり連れて以降なら「パワハラ」とかになってしまいさえする時代です。でも、不思議なんですよ。それでも街中の繁華街とかに出ると、若い人がワイワイやっているのって結構見かけるんですよね。これはどういったことなんでしょうか?小規模にはなったけど、楽しむ人は楽しんでいるということなのか、ただノンアルやソフトでも楽しんでいるのか、それともまだ飲み歩きをやってる業界が生き残っているのか。そんなことをボーっと考えながら、ゆっくりとくつろがせてもらいました。他にもいくつかお酒をいただいたのですが、写真を撮るのを忘れていました。確か以前に松本の摩幌美さんで頂いたグレンゴインの21年とかが置いてあって、そちらを堪能させてもらいました。グレンゴインのシェリーはすごいですね。圧倒されます。先日whiskycastで、グレンゴイン推しの話があって、最近はまってます。12年も飲みたかったのですが、そちらは無かったので、とりあえず21年をいただいてお店を後にしました。