未分類

倉敷・水島の夜を歩く

今回は岡山は倉敷、水島臨海工業地帯の手前にある水島の夜の街を探索すべくやってきました。もちろんこれだけ目的に遠路はるばるやって来たわけではなく、宿泊先も次の日の予定の関係で岡山市内。時間も限られておりますので、さくさくと回っていきたいと思います。水島の夜は昨年に一度初めて来訪しまして、とても興味深く感じました。また想像していたのとより随分落ち着いた雰囲気で楽しめましたので、今回記事を執筆目的にまたやってきたというわけです。ブログ記事は基本的にはモルトバーの訪問記事のみしか扱っていませんでしたが、視野を広げるためにウイスキーに多少なりとも関連性があることであれば総合的に多角的に取り込んでいきたいと考えておりますので、ご了解のほどよろしくお願いいたします。それでは、参りましょう!まずは倉敷駅! 倉敷駅前の天満屋ビル。スタバがある。 ちょっとまだ明るい時間に来てしまいました。というか夏なので。確か18時は過ぎていたかと思います。19時手前くらいだったかな。どちらにせよこの調子だと雰囲気が出ないので、とりあえずもう少し日が落ちるのを待つことにしました。倉敷から水島には、水島臨海鉄道というのが走っています。水島の臨海地区にある岡山県随一の工業団地に向かう鉄道です。基本はワンマン運転のローカル線ですが、貨物輸送の需要があるようで会社の収益は黒字運営なようでした。(→水島臨海工業団地の来歴などについてはこちらのページなど参照)水島臨海鉄道の「倉敷市駅」(「倉敷駅」ではない!テストにでます!)は、JRの倉敷駅を一度下車してから、南口を右手に少し行ったところにあります。こじんまりとしたローカル線のターミナル駅らしい駅舎です。因みに、JRとの直通運転とかはやってないようです。その駅舎のあたりを少しフラフラしてみました。すると、とある雑居ビルの1階のスナックらしきお店のあかりが点いていたので、軽い気持ちで扉を開けてみました。 ラムールという看板が漢字で掲げられていてたのですが、ロシアのアムール川を思い出して、ロシア系のスナックかなとも一瞬思ったのですが、純粋にジャパニーズのスナックでした。ママさんが満面の笑みで迎えてくれました。まだ店内には誰もおらず、事のいきさつを話して水島に行く前の電車待ちでフラりと立ち寄りましたと伝えると、珍しがってくれました。店内にはウイスキーのボトルもいくつか並んでいて興味もあったのですが、さすがにまだ一軒目から飲み始めるワケにもいかず、とりあえずサントリーでジントニックを作っていただきました。もちろん、ママさんにも貢がせていただきました。後で入ってこられたヘルパーの女の子にも、かわいかったので。最近、こういう所作だけは自然とできるようになりました。もとより感謝されようとか一切思ってないんです。普通の礼儀的な儀式という風に最近は理解するようになりました。一人でただ飲むならともかくとして、話を聞いてもらってお互いに楽しく会話をさせてもらっているのに、こちらだけお酒をいただいているのでは申し訳ないじゃないですか。自分はそういう意味で、ぜひとも!という気持ちです。軽く30分程度くらいお邪魔させてもらいました。ママは倉敷の方で一時期、大阪の方にいらしたこともあるそうですが、戻ってきてからは地元倉敷一筋なんだそうです。でも、やはりどこか違いますよね、大阪とか東京とかで少しでも修行をされた方なら、何か洗練された身のこなしのようなものを感じます。簡単に言うと、話をしっかり聞いてくれる、こちらの足りない部分をフォローしてくれる、最後に笑顔が素敵。この3拍子かと思います。自分もときどき仕事とかでメンターが欲しいなあなんて思ったりすることがあるのですが、こうしたスナックのママさんの「聞く力」とか、いわゆる「コミュ力」ってエゲツないですよね。知らない人、行ったことのない人に限って、水商売だと一括りにしますけど、トンデモナイ話だと自分は思います。(もちろん全てが良い店だとも申しません、誤解無きようお願いしますm(__)m) 目的の地、ラストチャンス さて、今回なんですが、目的の地がありました。前回こちらの水島に訪問した時に、最後の店で訪問した「ラストチャンス」さん。ずばり名前に惹かれて入りました。いつも仕事の出張で来ることが多いので、見知らぬ土地をフラフラしてもそれが最後になる可能性も幾度となくあるわけで、そうした意味で今回来たら次来るのはいつだろう、的なことはよく思います。前回もそうしたことを思ってもう一軒無いかなあ、的にモヤモヤしてたら、ズバリ!なこの看板を見て、ハイ!とばかりに入店したのでした。当然素晴らしいお店でこちらのママはどちらかというと天然系?(笑)なホンワカした感じ。なんと前回の訪問時のことを覚えてくださっておりましてm(__)m、そんなことまでしゃべったかなーなんていうことも事細かく覚えていらっしゃいました。女の人はすごいですよね、男はとにかく頭を常に低くして接すべきです!なんも覚えとらんのやから。とまあ、こういうワケなんですが、ちゃんと手土産も持参して(エライ!)、とにかく評価ポイントを上げるべく努力をしています。さて、すみません、お酒の話が全くありませんでした。今回はペラペラとしゃべるのに忙しくて、お酒のことにまったく気が回らないという不手際をしてしまいました。お酒については今回の旅の最後に倉敷市内で一軒バーをきちんと回りましたので、次回にそちらのご案内ができればと思います。なにやら脈絡もなく書いて参りましたが、とにかく自分の目で一度来て、見るのが一番。昭和ノスタルジックな雰囲気の中で、ゆっくりと落ち着いた雰囲気を楽しめることができると思います。スナックの他にも居酒屋やバーなどもありますが、繁華街のエリアの中にそれぞれ点在して残っているような感じの雰囲気です。(もしくは自分が知らない部分とかもあるのかもしれませんが)臨海鉄道の最終便は22時台なので、前回同様に「終電」に乗って水島を後にしました。また来ることがあれば、他の店とかももう少し回ってみたいですね。 水島のスナック街は岡山県倉敷市水島東常磐町あたりに集中している。付近にもいくつか店は点在しているが、灯りが消えているお店も多い。交通の便としては倉敷から水島臨海鉄道が便利。中心部には何軒かホテルもあるが、数が少ないので早めに予約を取らないと空室が無いことも。

BAR B.Fleet

【千葉】BAR B.Fleet(千葉・富士見町) 東京にいながらあまり訪れる機会の無い謎の街(すみません!)、千葉。今回はその千葉を探ってみようという誓いを立てて、千葉駅からモノレールに乗って天空の旅に出ました。降りたのは二駅先の「葭川公園」。よしかわ、と呼びます。読めませんでしたm(__)m。ちなみに、千葉で一つ凄いのは「そごう」がまだ残っているということです。(スミマセン!)自分の生まれ育った町にも繁華街の一角にそごうがあったのですが、何年か前に無くなりました。理由は良く分かりません。たぶん売れ行きが良くなかったのだとは思うんですが、中心駅のド真ん前に一応あったので不思議でした。他のデパートと違って「そごう」は何か特別な印象がありました。なんでですかね。あの砂時計のようなブランドマークが妙に頭に残っていて、子供の時に強く残っている残像というのは大人になっても変わらないものだとつくづく思います。名門。(そう、この言葉がなんとなくピッタリきます。老舗とか、と少し違うんですよね~)と言われた(かどうかも分かりませんが)そごうが今も活躍しているのは関東3県の三大都市、すなわち横浜、大宮、千葉、というワケです。どこも駅前にドンとした店構え。千葉は、他にもデパートがあったようですが、「そごう」が勝ち組として生き残ったとのこと。さて、閑話休題。本題に入ります。今回は千葉の繁華街である富士見町を歩いて、モルトバーを訪ねてみたいと思います。そして、見つけたのはこちら「Bar B.Fleet」(ビー・フリート)さん。この他にもいくつか路面店のお店を通り過ぎたのですが、パッと見て良さげな感じの看板だなと思い階段を上りました。お店はビルの二階にありました。 ジェムソンのハイボールから お店の扉を開けると横に長いカウンターが一直線。マスターと女性の方の2名がカウンター内に立たれて接客されていました。自分はとりあえず入ってすぐの席に陣取りました。まだ早い時間帯でしたが、すでに先客の方もいらっしゃいました。オーセンティックバーですが、雰囲気的にはアットホームな感じで、照明もほどよく明るく居心地の良い空間だなと思いました。こちらのお店はお酒の種類がとにかく豊富です。スコッチやバーボンなどのウイスキーに限らず、いわゆる蒸留酒と言われるものであれば焼酎や泡盛以外はなんでもある感じでした。ラムやジン、テキーラ、ブランデーなどです。ラインアップはスタンダードな品揃えで値段もとても良心的。分厚いメニューも見せてもらい、安心して頼むことができました。 アイリッシュウイスキーのグレンダロッホ ジェムソンのハイボールを飲みながら、そのメニューを1ページづつ読んでいきました。ひとつづつに短く簡潔なコメントがついているので、非常に分かりやすいです。これを読んでるだけでジェムソン3杯くらいお代わりできそうでしたが、とりあえずアイリッシュに狙いを定めて前に進むことにしました。あまりアイリッシュ系はそもそもジェムソンやブッシュミルズ、あとはカネマラ。いいところでたまにティーリングとかを見かけるくらいのイメージでしょうか(もちろん一般的なバーの話です)。こちらは結構新しいものも多く入れているようで、その中で「グレンダロッホ」が気になりました。完全に名前の印象だけで決めました、予備知識ゼロです。後で調べたのですが、割と最近にできた蒸留所のようで、グレンダロッホという辺鄙な山の中にある蒸留所のようです。ウイスキー仲間が自らの職を辞して、つまり覚悟を決めて、(それがつまりボトルの絵の背景にある両手を挙げている男性、すなわち6世紀か7世紀頃に同じように世俗を捨て信仰の道を究めたケビン僧侶のように)自分たちの手でウイスキー造りをしようと志したことから始まったようです。さて、お味はどうかというと、美味しいです。以前にライターズティアーズ、日本語に訳すと「作家の涙」というポットスチルとモルトをブレンドしたアイリッシュを飲んだことがありましたが、それに近いような感じです。スムーズな飲み口と、アイリッシュ独特のスパイシーさが感じられました。ダブルバレルというのは、最初にバーボン、後でオロロソ・シェリーでフィニッシュしているからだということです。どのくらい寝かせているのかは分かりませんが、とにかくバランスの良い一杯でした。 沖縄・伊江島のラム酒、サンタマリア。絶品です。 さて、本日の発見はコレでした。沖縄の伊江島(いえじま)のラム、通称「イエラム」。ラムといっても少し普通と違って、いわゆる糖蜜を原料とするのではなく、さとうきびのしぼり汁をそのまま使って作るのだそうです。また、色が透明であることにビックリ。テキーラのブランコのように、ラムも透明があるのですね。要は熟成をしていない、ウイスキーでいうところのニューポットみたいなものでしょうか。ただ、半信半疑で飲んだのですが、これが激ウマです。サトウキビのしぼり汁というだけあって甘味もちょうど良い具合にのっています。辛口系を想像したのですが、口当たりもマイルド。とくにトゲトゲしさもなく、美味しいです。これはすごい発見!こんなのがあったのですね。お聞きすると、これとは別に樽熟成をしたものもあるようでした。ぜひ次は樽熟成したものも飲んでみたいですね。これも後で調べたのですが、結構すでに流通しているようでアマゾンとかでも普通に購入することができるようです。これはヒットする様な予感がしました。 イタリア初のシングルモルト、特徴的なボトルスタイル。 最後にトライしたのが、これまた前から気にはなっていた第三国のシングルモルト、イタリアの「プーニ蒸留所」です。特徴的なボトルのデザイン、さすがオシャレの国、イタリア。ちなみにですが、この蒸留所はその外観もウルトラモダンな感じで変わっています。下の写真がそうなのですが、一見してまったく蒸留所とは思えない、まるで銀座がどこかの高級ブティックかと思うような感じです。場所はイタリアの南チロル地方、ヴィンシュガウ渓谷の付近。プーニという名前は付近を流れる川からとったとのことですが、その名前はラエティア語という現地に存在して紀元前に消滅した古い言語に由来するそうです。このレンガ造りの奇抜な建物を建てたのは、蒸留所の設立者でもあるアルブレヒト・エーベンスペルガー氏。地元で建設業を営んでいるようですが、スコッチウイスキーへの情熱が高じて2010年に蒸留所を立ちあげたのだとか。蒸留所の周辺は昔からライ麦などの穀物栽培に適したところで、ウイスキー造りの機械や製法は本場スコットランドから取り入れていますが、原料は地元の良質な水や穀物を活かして、イタリアンなシングルモルト造りに取り組んでいるようです。蒸留所の運営にはアルブレヒト氏の二人の息子さんが手伝っており、地域に根差した家族経営のクラフト蒸留所。ウイスキーにはまだ若さが感じられますが、これからが楽しみです。こちらのバーではなんと4種類がラインアップとしてメニューにありましたが、すでにそのうち二つは売り切れになっていました。また新たな入荷も期待したいです。 プーニ蒸留所の外観、さすがイタリア! さて、いろいろなお酒を楽しませてもらいました。すでに馴染みらしい先客様がいらしたのですが、マスターがほぼマンツーマンで対応して頂き、非常に恐縮でした。まるで執事のようなというか、こちら側の興味に合わせてボトルを持ってきて頂いたり、分からないところは丁寧に解説をしてもらったり、またお酒のネタに限らず冒頭のデパートとかの地元話とか、本当に至れり尽くせりという感じで大満足。ありがとうございました。マスターが最後におっしゃっていたのですが、珍しいお酒の数々もこちらのお店に来られるお客様が持ってきてくれる情報に頼る部分も大きいのだとか。やはり、バーというのは一つの社交場というか、情報交換の場でもあるのですね。そうした空間を提供しているこちらのバーも、やはり皆さんが立ち寄りたくなるアットホームで居心地の良い雰囲気があってのことだと思います。また千葉に来る機会があればぜひ立ち寄りたいと思いました。 画像クリックで「イエラム」のページへ。

ホワイトオークイニシアティブ

アメリカのバーボンメーカー、ブラウンフォーマン社とホワイトオークイニシアティブについて。バーボンウイスキーはスコッチと違い新樽を使用します。新しい樽はホワイトオークという木が使われますが、昨今のウイスキーブームなどにより将来的な安定調達が課題になっています。ウイスキーメーカーと森林資源保護について簡単に紹介します。 そもそも、どうしてホワイトオークの話なんかが出てきたんだということなんですが、これはいつも聞いているwhiskycast(リンクはreferenceにもありますが)の7月4日の放送(”Preserving the American White Oak’s future)で取り上げられていたからです。オーク材がワインやシェリー、ウイスキーなど保管や熟成用とに広く使われていることはご存じの通りかと思いますが、アメリカンバーボンはホワイトオーク材が主に使用されます(※)。スコッチと違い「新樽」で熟成することが条件なので、常に新しい樽を作る必要があり、簡単に言うと森林を伐採する必要があるということです。もちろん、森林を伐採するからダメだとか言う話ではな無く、ホワイトオークは熟成用の樽向け以外にも、建材(フロアリング)や家具、鉄道の枕木など広く使われています。このため、いかに有効的に森林資源を保護し活用するかということが課題になっています。昨今のウイスキーブームなどもありホワイトオークの将来に向けた安定的な調達は、すでに大きな不安を抱えているのが実態です。その中で、プレミアムバーボンのオールドフォレスターなどで知られるブラウンフォーマン社は、2017年に「ホワイトオークイニシアティブ」という森林資源保護の取り組みに、ウイスキーメーカーの立場で創立当初から参画。放送ではホワイトオークイニシアティブのメンバーとしてブラウンフォーマン社の樽製造部門のグレイグ・ロシュコフスキー氏がその活動内容を紹介するという内容でした。 ※因みに、オークは産地によりいくつか種類があり、それぞれ蒸留酒の熟成用樽として活用されてきました。アメリカではホワイトオークですが、ヨーロッパではシェリー用に使われるヨーロピアンオーク(スパニッシュオーク)やコニャック向けのフレンチオーク(セシルオーク)が知られています。日本ではミズナラが有名で、昨今はミズナラの樽で熟成したウイスキーがジャパニーズのみならずスコッチなどでも使われています。また、アメリカではホワイトオークの他にも、ギャリアナオークと呼ばれる希少なオークが米西部に生育しており、こちらのホームページでも紹介をしたウエストランド蒸留所などがその資源保護と熟成樽の活用に取り組んでいます。 ホワイトオークは主に米東部に植生している さて、なにゆえにこのホワイオーク材の供給が問題になっているのかをホワイトオークイニシアティブがyoutubeにアップしている動画などを見ながら少し掘り下げてみました。まず先にも紹介したようにオーク材を含む森林資源の用途は多岐にわたります。ウイスキーやワインなどの熟成用に使われる割合というのは数パーセント程度ですが、主として建材などの産業用途に広く使われており、バーボン業界としては他の用途と競合しながら調達をしないといけない状態にあります。上の地図はホワイトオークのアメリカにおける植生分布になります。見て分かるように、主にアメリカの東部を中心に分布しています。保有者は個人が多く、材木業社などが切り出して、各向け先に販売をしているようです。つまり民間で個々に取引が行われて流通しており、全体としてどのような管理をしているのかを把握するのはかなり難しいという状況にあります。そうした中、ホワイトオークイニシアティブが各業界団体の支援なども取り付けて、オーク材が植生する森林資源の保護と有効活用に乗り出しています。とりわけブラウンフォーマン社はバーボン業界を代表するような形でそのリーダーシップを発揮しています。ブラウンフォーマンは傘下のブランドとしてオールドフォレスター(あまり日本では馴染みがないですね。どうしてなのか?はこちらの記事など参考になります。)の他に、ジャックダニエル、スコッチではベンリアックやグレンドロナック、グレングラッソーなど複数の有名なブランドを保有しています。 ブラウンフォーマン社の現チェアマン、キャンベル・ブラウン氏 ブランフォーマン社傘下のウイスキーブランド さて、オーク材の保護という意味で別の観点からみた課題が下の表になります。これはオークの木の樹齢分布になります。樹齢50年~70年あたりがピークになっているのが分かります。そして、この樹齢50年以上のオークというのがオーク材の資源的価値が高く、それ未満のオークというのはまだ成熟をしていない若い木になります。一目で分かるように、樹齢50年未満のオークは他と比べても少なく、すぐにまだ資源が枯渇するような状況にはありませんが、20年先、30年先を想像すると確かに不安な要素があるように見えます。 ホワイトオークの樹齢分布 “Trees that are harvested to make distilling barrels can take up to 100 years to grow, so you have to think ahead,”      蒸留所向けの樽に使われる木が生育するには100年近い時間を要する。だから先を見越して考えねばらないなんだ。Dr. Jeffrey Stringer だったらもっと植えれば良いじゃないかという話かと思いますが、どうもなかなかそう単純ではないようです。まず、オークは他の木と比べて成熟するのに時間がかかる上、生育のスピードも遅いです。また、森林の中における生育環境も昔と比べて変化があるようです。以前は自然の森林火災や低木などを好んで食べる動物などによりオークにとって好ましい生育環境がありました。ところが昨今、森林火災や動物活動の減少により、日陰でもよく育つカエデやブナなどに(オークの苗木や若木が)競り負けるようになっているのだとか。その結果、成熟したオークの木を伐採した後には、本来あるべき若いオークの木がほとんど生えていないという状況になっているようです。樹齢分布もまさにその実態を裏付けています。 ではホワイトオークの未来はどうなのか?マークは放送の中で「最悪のシナリオは?」と問うていましたが、ロシュコフスキー氏の回答は「いまのところ”母なる自然”(mother nature)がよくやってくれている」というものでした。昨今のウイスキーブームにより当然のことながら良質な樽に対する需要が増えていることは容易に想像ができます。また、スコッチはホワイトオークの新樽を使いませんが、バーボン樽を使うため間接的につながっています。またワインやコニャック、シェリーなど全体を見渡せば、今のクラフトブームなどで良質な材料への需要というのは木材に限らずより一層高まっていくことでしょう。その時にやはり考えたいのが、それがクラフト(手作り)だから、天然由来だから、良いのか?という問題です。確かに木材は自然由来の資源ではありますが、皆が一様に欲してその資源を一斉に消費すると、当然のことながら近い将来に「枯渇」の危機に直面します。もちろん、森林資源の後先を毎回考えながらウイスキーを選ぶ必要は無いと思いますが、プレミアム的な価値などを求めて加熱するクラフトブームには少し注意を払う必要があると感じています。何事もそうですが、過ぎたるは及ばざるが如し。自然の恵みにも時には思いを馳せながら、品良くお酒を楽しみたいものです。 参考記事:https://whiskymag.com/story/white-oak-is-vital-for-whiskey-production-but-its-future-is-uncertainwhite-oak-is-vital-for-whiskey

【岐阜】BARチルネコcirneco(岐阜)

JRの在来線で東海道を下って、関西に来たなあと思えるところってどこでしょうか?一般的には関ケ原を超えて米原に来た辺りなのかなあと思いますが、実は言葉に関しては意外にも?岐阜のあたりなんですよね。実はこの岐阜弁?(という呼び方で良いのか分かりませんが)は、関西弁では無いけど関西弁っぽく聞こえるという不思議な言葉なんです。居酒屋で飲んでいた方に言わせると「関西弁からイントネーションだけをもってきた」と形容されていましたが、まさにそんな感じです。コンビニで「おおきに!」とは言われませんけど、どことなく関西風なイントーネーションのある言葉なんです。ただ、岐阜もかなり広域で飛騨や下呂などの山岳地帯から、都会の岐阜、西は大垣など、さまざまです。ただ、残念ながら新幹線は主要都市からは離れたところにあるため、今回訪問した県庁所在の岐阜も名古屋から在来線を使っての移動となります。でも、最近は新幹線が通じるところは均一的になりすぎて、むしろこうして少し離れているところのほうが個人的には昔ながらの風情が良く残っていて、個人的には好みです。 ズラリと並ぶジャパニーズ・ウイスキー 本日のバーは、岐阜駅から少し歩いた奥まったところにあるチルネコさん。繁華街の喧騒から少し離れた住宅街に位置します。御園町とは良い響きの名前ですが、その名の通り落ち着いた雰囲気で、奥ゆかしい店がいくつか散在するようなエリアです。訪問した時はすでにほぼカウンターが埋まっていて、手前側にテーブル席が二つくらいありましたが、こちらも満席という感じ。ちょうどカウンターの真ん中の席が運良く一つ空いていたのでそちらに腰を下ろしました。サラリーマン風は一人もおらず、たぶん地元の方だと思うのですが、皆さん談笑されて思い思いにお酒を楽しんでおられました。都会のモルトバーだと、制服組(サラリーマン)一色になることもあるので、別世界に来たようです。でも、ここは普通の居酒屋ではなく、歴(れっき)としたオーセンティックバーなんです! 駒ヶ岳シングルカスクのピート 表向きはこうなんですけど、中身は。。。 まずはというか、とりあえずはカウンター席の目の前にあった笹の川酒造さんの安積蒸留所、「山桜ブレンデッドモルト」を頼んでみました。これは安積蒸留所の原酒と、「国産原酒」をブレンドしたものだということです。この「国産原酒」というのはそこら辺のものではなくて、こちらの蒸留所とゆかりのあるあの蒸留所のモノだとか。一杯目ということでロックで頼んでしまったのですが、マスターが後でこっそり教えてくれたのですが、今年のWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)ブレンド部門の最高賞受賞品とのこと。とんでもないものが目の前にありました。汗 気を取り直して同じくその隣くらいに並んでいた駒ヶ岳のピート。こちらも少し気になってはいました。駒ヶ岳がズラッと並んであったのですが、どんなピートかなと思って頼んでみました。飲んだ感じはハイランド系なのかな。50ppmでホッグスヘッド(一般的なバレル樽よりやや大きめ)のシェリー熟成ということなんですが、アイラ的なのとはまた違ったコクのある味わいです。 辰巳酒造のクラフトジン 突き出しに絶妙な甘納豆が! ご当地モノが何かないかなと思っていたのですが、カウンターの隅に発見したのがこちらの辰巳蒸留所、クラフトジン。岐阜県の山奥、郡上八幡に蒸留所があります。特徴的なスタイルのボトルなので結構目立ちます。ボタニカルなジンが有名ですが、ウォッカやラムも作っているようです。この蒸留所、何が凄いって辰巳さんという方が一人で運営されているのだそうです。まさに、クラフトスピリッツ!。今回頂いたのはご当地ボタニカルということで岐阜県が誇る「カモミール」を使ったクラフトジン。岐阜県西部の大垣市で主に作られており、なんと全国生産量ナンバーワンだそうです。カモミールというとハーブティーな印象しかありませんでしたが、柑橘系的なフレッシュな味わい。ソーダ割りでお願いしたのですが、ジンの味わいを十分に楽しんでほしいとのことで、ソーダの量が非常に少な目な濃厚なジントニックでした。さて、こちらのマスターですが、とても気さくなイケメンマスターです。嫌味の無いこだわりというのでしょうか。時々いろいろな蘊蓄(うんちく)をお持ちの方もいらっしゃいますが、こちらのマスターは「伝え方」がものすごく上手で、コミュ力が高いです。店内の雰囲気が終始和やかなのもマスターのオーラなのかもしれません。来られている方もマスターの人柄で集まってきてるような感じで、馴染みのお客さんばかりといった印象でした。 →→辰巳蒸留所については、こちらのページなどおススメです。 秀逸な一杯。ちょっとびっくりですm(__)m 最後にお願いしたのが、こちら。「あかし」で知られる江井ヶ島酒造(ホワイトオーク蒸留所)のシングルモルト。通常はコンビニなどでも見かける安価なウイスキーのイメージが強くて、あまるモルトファンの中での評判は高くないと思いますが、こちらのバーカウンターに並べてあったのでこれは何かしら理由があるなと思い〆の一杯で頼みました。もちろんストレートで。最近自前のシングルモルトのいくつかのバリエーションを見かけるようになりましたが、こちらの「SAKURA」というのは焼酎樽熟成の赤ワインフィニッシュ。桜というのは、味わいのイメージでしょうか。飲んでみた印象ですが、悪くないです。表現しずらいですが、しっかりしたモルト感のあるボディに赤ワインの甘味がかかっているような感じ。どうしてもコンビニに並んでるイメージが抜けてなくて、素直に美味しい!と言えないのが申し訳ないですが、今までのイメージを覆す逸品であることは間違いないです。 夜も深くなって来たので名残惜しくもありましたが、お別れをしました。でも店内は誰一人として帰る方もおらず、おそらく深夜まで営業されるのかなという感じ。でも一歩外に出ると周りは寝静まっていて、チルネコさんの灯りがあるだけでした。皆さんここを求めてやってくるんでしょうね。こういった地方の街外れの一角にある隠れ家的なバーというのは、個性的で良い店が多いです。店内にいる限りは都心にいるのと雰囲気的にもほとんど違わないというか、ほんとにどこでもドアを開けたような感覚です。岐阜はこちらのバーの他にもいくつか名店級のお店があり、また機会があれば探索に訪れたいと思いました。ありがとうございました。 画像クリックでお店のページへ

夕暮れ時の熱海の街歩き

熱海に久しぶりに立ち寄りで温泉でも入って帰ろうかと思い、駅を降り立ちました。熱海といえば「夏」のイメージがあって、海岸とかを車で走ったりすると真っ黒に日焼けした人が歩いてたりとか、東京から新幹線だとわずか1時間ですが南国感にあふれるイメージです。とくに最近は駅ビルも新しくなったりで、若い観光客が増えた気がします。街を歩いていても昔ながらの古い旅館とかお店が無くなっていく代わりに、都内で見かけるようなおシャレ感のあるお店が増えてきているように思えます。今回は少し時間も余っていたいので、熱海銀座の方に歩いて坂を下っていきました。さすがにまだ陽も照っていてる夕方の浅い時間で、しかも平日ということもありあまり人通りはありませんでしたが、パラパラとおしゃれなお店を通り過ぎながら下っていくと、なんだかダンディー風なカフェ&バーを通り沿いに発見しました。ちょうどマスターが看板を表に出して開店準備をしているところで、中にはまだ人影がありませんでしたがいつものようにスタスタとお店の中に足を踏み入れました。後で伺ったのですが、このお店はもともと紳士服屋さんだったのを改装したようです。いわゆる「居抜き」ですが、かなり良い感じに洋服屋さんの雰囲気が残っていて、とてもおしゃれな感じにまとまっています。マスターご自身でも店内を改装されたとのことですがなかなかの腕前ですね。日が暮れて店内の灯りがともるともっと良い感じになりそうなのが想像つきます。でも角地で窓も大きく閉鎖的な感じも全くありません。 通り側の店内の様子 お店の奥の席 さて、何を頼もうかと思ってメニューを見ていたいのですがカフェ&バーといった感じで、ノンアルメニューもあるし、スコッチウイスキーのシングルモルトもいくつか品ぞろえがありました。他にバーボンやジン、カクテルなど。カバーチャージ無しで良心的な価格でした。とりあえず自分は喉が渇いていたので、一杯目にハイボールを頼んでから、二杯目にこのお店のオリジナル「アタミカーナ」という(ミントやライムではなく)大葉を使ったモヒートをいただきました。フレンドリーなマスターでお店の準備をしながらいろいろお話をしていただいたいのですが、まだお店自体は新しく1年も経っておらず、まだ試行錯誤の段階のようでした。ご自身は別にIT関係の会社も経営されているそうで、いわゆる二刀流というやつでしょうか。IT関係ですとリモートワークとかも普及してきているようですし、働き方が多様になっていけばこうした都心から離れたところでも仕事や生活ができるということが実体験として広がれば街ももっと活気がでてくるのかなと感じました。夏の一時期を除いてあまり元気が無いように見えた時もありましたが、このところ熱海は街がかなり若返っているような気がします。でも基本は観光で来ている人で、また昔のように団体客が大勢で来るということもすっかり無くなってしまったようで、夜の街としては依然厳しいというようなことも聞きました。でも、こうしたおシャレなバーとかが増えてくれば、また違ってくるのではないでしょうか。今後に期待をしてみたいですね。 大葉を使ったモヒート「アタミカーナ」 帰り際になんですが、航空券を催した近くのレモネード屋さんの割引チケットをいただきまして、それならばということで横に逸れる小道をくだったところにあるこれまた今風のレモネード屋さんに行きつきました。割引券使用で、なんと一杯400円。こちらもお酒のメニューがあったのですが、ノンアルのレモネードをいただきました。こちらの店も内装は都内にあるような、レモネードバーというか、とても熱海らしく無い内装です。恐らく休日とかは若者でごった返すのかなと思いました。カウンターにいたお店の女の子にこちらの店を紹介された経緯などを話したりしながら少し涼ませてもらい、しばらくしてから目的の熱海銀座を目指しました。 レモネードで休憩 もちろんモルトバーの話なんですが、今回気になていたのは「ドクター・スマグラー」という熱海銀座にある川沿いのバー。熱海は観光地なので、そこまでビジネスマンがいないかならのか、居酒屋やスナックは結構ありますが、いわゆるウイスキー専門のモルトバーというのはあまり無い印象です。こちらのお店はgoogle mapで事前検索をして出てきた1軒になります。どのような感じなのか分かりませんでしたが、とりあえずトライをしてみようということで入っていきました。 バーカウンターとボトル やっぱり店の扉は開けてみるものですね。きちんとしたオーセンティックバーでした。やはりどの街にも1軒はこのようなお店が存在するものなのですね。店はカウンターに5席くらいで、後ろにテーブル席が二つといったところ。こじんまりとしたバーですが落ち着いた音楽も流れていて内装的にもオーセンティック系です。カウンター背後の棚にはびっしりお酒が並べられていて、ざっくりですが左半分がスコッチ、右半分がバーボンなど、といった感じでした。自分は玄関口に近かった右手のカウンター席に座ったので、あまりスコッチ側は観察ができませんでしたが、オフィシャル系のボトルがメインという感じだったかと思います。その他のお酒もスタンダードなものが中心なので、お客さんもそこまでウイスキー好きが集まってくるようなところでは無いかもしれませんが、十分に楽しめるところかと思います。お店自体は40年以上もの歴史があるそうで、スコッチやバーボンのオールドボトルもあるようでした。オールド系は不勉強なのでよくわかりませんが、マスターも相当なベテランなようで、掘り出し物があるのかもしれません。 「ブルーステート」というバーボンをロックで 棚の中で気になったバーボンのボトルを一つ出してもらいました。その名も「ブルー・ステート」。これはアメリカの選挙絡みの記念ボトルなようで、トランプ前大統領とヒラリー・クリントンさんが争った(2016年の)選挙戦のときのもののようです。ブルー・ステートというのは、民主党寄りの州という意味で、逆はレッド・ステート、すなわち共和党寄りの州。アメリカの大統領選挙は州毎に最多得票の候補陣営が総取りをする方式が基本で、ほとんどの州はどちらの党が優勢かが選挙前から分かっていることが多いです。なので、民主党寄りの州を「ブルーステート」共和党寄りの州を「レッドステート」と呼んだりします。日本でも地方や都会でだいたいどちらの政党が優勢なのかが分かっていることがありますが、それと同じだと思います。そしてこのロジックもまた同じで、アメリカの場合だと一般的には民主党は都会に強く、共和党は地方に強い、というのがセオリーです。なので、バーボンウイスキーの生産拠点であるケンタッキー州や、テネシー州というのは、「赤」と考えるのですが、これは「ブルーステート」を名乗っています。なので、どちらかというと選挙記念ボトルのような位置づけなのかなと思いました。味わいはしっかりとした深みのあるバーボン。ロックでいただきましたが、全然生き生きしています。写真でもわかるかと思いますが、とても良い色あいです。 追記:後で調べたのですが、正確には2012年の大統領選挙を記念して、ヘブンズヒル蒸留所がリリースしたもののようです。(→こちらのページなど参考)またブルーステートだけでなく、レッドステートもあるようです。ただし、中身は同じとのこと。 旅の最後にATAMICANAのマスターから勧められた熱海海岸にある後楽園ホテルの温泉スパ「Fuua(ふーあ)」に行ってきました。平日の17時以降の利用はビジターの立ち寄り入浴で1,700円くらい。しかも熱海駅からの送迎バスが夜遅くまで走っています。もちろん海を一望する絶景の露天風呂もあり最高のロケーションです。温泉は塩泉。湯温はぬる目で長湯でも楽しめます。館内には広々とした休みどころもあり、寝落ちしないように気を付けましょう。 後楽園ホテルの温泉スパ「ふーあ」がおススメ ところで、熱海でハンバーガといえば熱海銀座にある「ボンネット」さんがおすすめ。昭和ノスタルジー満載の純喫茶。名物メニューは昔のアメリカ映画に出てきそうな、元祖ハンバーガー。具材は自分で組み立て式です。サイズは日本人サイズにアレンジされています。 クラシックモダンなお店の外観 昭和感満載のテーブル席

太田のモルトバー

さて、群馬の太田でショットバーといえばこちらのお店しかないでしょう。以前にもこちらの記事でご紹介はしてありますが、またまたTOBUのりょうもう号にのって炎天下の灼熱地獄の中をやってきました。夜の6時を過ぎてもまるで屋外サウナ状態。もうろうとしながらたどり着きました。 年紀を感じるバーカウンターとオールドボトルが並ぶ棚 この光景をまた拝める日がやってくるとは感激です。前回に来た時は来店時間が早すぎて、空いておらず、何度かすれ違いを重ねていました。マスターもご高齢だったので、もしや、ということも頭をよぎったのですがビルのお店の看板のところに「従業員募集」の張り紙があったので、おや!とは思いつつまずはお店が閉まっていなかったことに一つ安心。でも従業員を張り紙で募集するようなカジュアル系の雰囲気でも無かったので、もしや誰か別の人にでも譲り渡してしまったのだろうか、お店のあの感じがガラリと変わっているんじゃないか、みたいな心配もしながらビル2階への階段を上っていきました。 圧巻の眺め! ドーン!。ああ、この懐かしい感じ。とりあえず中は今までと同じであったことに二度目の安心。しかし、お店の奥から声をかけてくれたシルエット感でマスターではないと分かりました。いったい誰なんだろう?と思いつつ、いろんな可能性があるのでズバリは聞かないで(探偵番組の見過ぎか!?汗)、とりあえずメニュー表みながらエビスビールとナッツを石原裕次郎のように頼みました。(って、コラ!w)ちびちびやりながら、その男性の方が「ここははじめてですか?」と声をかけてくれました。「いや、実は来たことがあるんですよねえ」と言ってどういう言葉を繋ごうかと考えていた時に、その男性の方のお顔がどことなく、以前のマスターと雰囲気が似ていたので思い切って切り出してみました。「以前のマスターとはどういうご関係なんですか?」。ちょっと間をおいて、「息子です(笑)」と笑顔とともに答えが返ってきました。思わず、へえーと声をあげてしまいました。確かにどことなく面影を感じましたが、まさか息子さんだとは。いやはや、嬉しいですよね、親子でこんな素敵なお店をバトンタッチできるとは!。なんだか一瞬に打ち解けた感じになってしまい、階段を上がりながらいろんな心配をしていたことを伝えました。モルトバー巡りはこちらで紹介している通り全国あちらこちらを周遊はしていますが、このタイプのモルトバーは本当にココだけということも。横須賀のどぶ板通りとか、都内のアイリッシュパブみたいなところでもたまにこうやってボトルをひっくり返して、バルブひねって出す方式のを見かけたことはありますが、それはあくまでお店側が簡易的なサービスでやっている感じで主だった定番品がいくつかあるという感じ。ここまでズラリというのはこちらのお店でしか見たことは無いです。(もしほかにもあるよ!みたいな情報があればぜひとも教えてほしいです。m(__)m) コッツウォルズのシングルモルト さて、こうしたわけで落ち着いたところで、シングルモルトを頼みました。こちらはスコッチのオフィシャル系ならかなりいろいろとそろってはいるのですが、カウンターにあったコッツウォルズが目に留まりました。コッツウォルズ蒸留所はスコッチの新興系で少し変わり種なところです。フレイバー豊かなクラフトジンも手掛けていて、ジンは結構いろんなところで見かけますが、ウイスキーをお目にかかるのは初めてでした。調べてみたら今ではアマゾンとかでも普通に入手できるようになっているようですね。ただし、ボトル1本1万円くらいするので、そこそこな値段です。こちらのお店に並んでいたのは、STRカスクのファウンダーズリザーブと、ピートカスクの2点。STRカスクは故ジム・スワン博士が開発されたウイスキーの早期熟成を可能にする特殊な処理の樽で、若い熟成年数の多い新興蒸留所などで広く使われています。かなりスパイシーな仕上がりかなと思いました。まだ若いんでしょうね。恐らく3年か4年の熟成年数なのかなと思いました。ピートのほうはピートで炊いたのではなく、ピートカスクで熟成をしたようです。どこのモルトかは分かりませんが、アイラ系というよりはもっとコケっぽさを感じたので、スコットランド本土のピートでしょうか。ピート感が落ち着いた感じですが、こちらも若さを感じます。どちらもまだリリースしたてといったところで、これからもっと熟成を重ねていけば深みのある感じもでてくるのでないかと思いました。今後のリリースも楽しみです。 バーボンをロックでいただきました。 スコッチを飲みながら、逆さボトルからもいくつか注文をしました。カウンターの上にはバーボン系がずらりと並んでいるのですが、その中からバッファローズトレースとミクターズをそれぞれロックでいただきました。主にはスコッチが充実しているのですが、バーボンの方もかなりの品ぞろえです。従業員募集とはありましたが、新人さんがこのウイスキーをすべて覚えるのはかなり大変かもですね。いずれにせよ、うまく世代交代ができて、さらに新しい人を雇う方向に向いているというのはありがたい話です。津々浦々周りましたけれど、やはり地方の老舗バーはマスターが高齢で、後継ぎ以上に商売も難しくなっているところを時々目にしてきました。やはりここ2,3年で行動パターンが変わってしまって、家飲みとかも普及したこともありますし、夜にまったりバーで飲むという行動形態をとる人が少なくなっていることがあるのかもしれません。自分もあちらこちら巡りはしますが、なかなか同じ人種に会うこともなく。やはりどこも常連さんに支えられてどうにか持ちこたえているという店も多くあるのかなという印象です。でもモルトバーは特別な場所だと思います。「バー」(英語でbarは「柵」や「遮断する」という意味もある)とは良く言ったもので、貴重なお酒が並ぶ棚をカウンターを介して管理しているわけで、バーのマスターはサービスを提供しつつもその実は「管理人」というか「番人」のような性質があります。なので、もちろんのことながら棚にあるお酒をきちんと理解している方でないと務まらないことではあるし、また店を訪ねる人の要望に的確に応えていくということも求められるわけです。これは簡単なことではないですよね。なので、今回こちらの素敵なお店が親から子へとバトンタッチができたということは本当に素晴らしいことだと思います。夜も深くなり始めると、ひとりまたひとりと定連さんらしきお客様が入ってこられました。帰りの電車の時間もあったので、名残惜しさもありましたがお店を後にしました。今度はなんとか泊りでも期待ですね。近くにホテルもあるんですがこのご時世ですし、まだ飲んで泊まるというのはちょっと難しいかなと。また機会があればお伺いしたいと思います! また伺います!!

【品川】クエンチ・ワインQUENCH WINE(西小山)

東急目黒線で目黒から三つ先の西小山の商店街にオレゴン州のワインを独自に扱っているお店があると聞いて駆けつけました。お店はオープンしてまだ1年も経っておらず、まだ店内も少し始められて間もない感じもありましたが、いわゆる立ち飲み系のお店でお酒の販売と併せて営業されているようでした。営業時間的には基本的には土日の夕方からの営業という風にお聞きしましたが、今後もアップデートがあると思うのでSNSなどお店のページ(→インスタページはこちら)から最新情報は確認されたほうが良いかと思います。それでは初めての訪問の記録を残しておきたいと思います。まずお伝えしておきたいのですが、本当におススメです。(もちろんサクラではないですヨm(__)m)オレゴンのワインとクラフトービールがメインなのですが、本当に美味しかったです。 ところで、「オレゴン州」とは何か、というか、どこにあるのか、的な話から始めるべきだと思っています。自分はアメリカに何度か行ったことがあるのですが、それでもオレゴンと言われてもパッと思いつかないです。スミマセンm(__)m。日本に住んでいると馴染みがないというか、キャンピングとかDIYとかアウトドア系の趣味のある方ならご存じの方もいらっしゃるのかなと思いますが。。簡単にいうと、アメリカ西海岸の北寄りで、シアトルのあるワシントン州とカルフォルニアの間にある州です。西海岸といえば、上からワシントン州、オレゴン州、カルフォルニア州の三つなんですが、両隣の州がスター的存在感を放ちすぎて、あまり目立ってないといったところでしょうか。州都のあるポートランドは全米でも住みやすい都市として評価が高く、人口は60万人強。地方都市の部類にありますが、住民のコミュニティ意識が高く地産地消などローカルファーストが根付く街としても知られています。もちろん、こうした意識があってのことかと思いますが、お酒に関してもローカリズムを生かした小規模なマイクロブルワリーや、ウィラメット渓谷でのワイン造りが有名です。 オレゴン州のクラフトビール さて、前置きはこれくらいにしてテイスティングに入りたいと思います。なにせオレゴン州専門という珍しい響きで訪問しただけなので、まったくと言って良いほど知識の持ち合わせはありません。あばよくばバーボンなんかのウイスキーでもないかと棚を隅から隅まで見たのですが、残念ながらまだ?発見できませんでした(注:これについては後にアップデートがありましたので別に紹介しますm(__)m→→コチラ、記事の下の方の編集後記をご覧ください)。とりあえずは、ビールからいただきたいと思います。まずはジャケ買いというか、缶の外観だけで選びました。宇宙の絵をあしらった感じです。SUNRAYというのは「太陽光」?なんだかダイナミックなネーミングです。オレンジ色なんで、とりあえず柑橘系のフルーティさをイメージしてみましたが、これまたその通りというか、とてもフレッシュでフルーティさがはじけます。グラスもドイツ的なジョッキじゃなくて軽やかなグラスが用意されましたが、すばらしいマッチングです。また缶ビールとは思えないくらいの樽生感にびっくりしました。これは一杯目から贅沢です。 さて、こちらのお店は店名にもある通りワインが本命。という訳で、ワインも頼んでみました。オレゴン州には内陸部にウィラメット渓谷というビールのホップやワインぶどうの生産で有名な場所があります。この土地は、気候的にフランスのブルゴーニュ地方にも似ているそうで、ぶどうの生育に適していることからオーガニック系のワイン造りが盛んなようです。アメリカンのワインというのはスーパーで売っているような値段も手ごろのカルフォルニアワインとかしか知らないのですが、このオレゴンワインというのは実は大変知名度もあるようで、オバマ大統領の時代に中国の国家主席を招いた晩餐会にも提供されたことで一躍脚光を浴びるようになったそうです。2015年の話ですが、ワイン初心者の私はまったく知りませんでした。そういえば伊勢志摩サミットの時に三重の地酒が注目を浴びましたが、あれと同じ感じなのでしょうか。通の間で元々知られているようなブランドが何かのイベントをきっかけにいきなり大化けするっているのは結構お酒界隈ではよくあることなのかなと思います。逆を言えば、どこもそれなりのクオリティを造ってらっしゃるんですよね。モノづくりですごいです。 オレゴン、ピノノワール オレゴン、ピノノワール 詳しい話はぜひこちらのお店に来ていただいて、オーナーから直接お伺いするのがよろしいかと思います。自分はあまりクラフトビールやナチュラルワインについては語るほどの知識も持ち合わせていないので、たぶんググったほうが早いかと思いますm(__)m。さて、その代わりというか、オレゴンのウイスキー事情については少し触れておかないといけませんよね。オレゴン州は先にも述べたように、クラフトビールやナチュラルワインの盛んな地。加えて意識高い系の住民や、DIYの土地柄がある。ここまでくればもう文脈的には一択でして、「クラフトウイスキー」です。それが、ウエストワード蒸留所になります。(ちなみに似た名前でお隣のワシントン州で有名なアメリカン・スコッチの蒸留所は「ウエストランド蒸留所」です。) https://westwardwhiskey.com/ ウエストワード蒸留所の特徴はアメリカン・シングルモルトウイスキーの第一人者であることを自任する、アメリカンスタイルのモルトウイスキーメーカーである点です。注意していほしいのは基本的にアメリカでウイスキーといえばトウモロコシ由来のバーボンウイスキーです。アメリカンなモルトウイスキーというのは、スコッチのように自家栽培の大麦を使い、醸造、蒸留、樽熟成をすべて自前で行う。つまり、アメリカンテロワール&メイド・イン・アメリカなモルトウイスキーであることです。スコッチに比べれば歴史はまだ浅いですが、原料のテロワールや発酵などの工程に関するこだわりは本家にまったく負けてはいません。クラフトビールなどで培った知見を活かし、今後どのような成長を遂げていくのかがとても楽しみです。ウエストワードでは国内でも入手ができるようですが、他にも多くの蒸留所が今後誕生することが予想されます。こちらのお店でもぜひともアメリカンウイスキーが紹介される日が来るのではないでしょうか。 https://www.hrdspirits.com/mccarthys-oregon-single-malt オレゴン州でもう一つ有名な蒸留所がクリアクリーク蒸留所。アメリカで初めてのシングルモルトをリリースしたことで知られる。創業者はスティーブ・マッカーシーで、オリジナルのモルトウイスキーはピートタイプのこちらのボトルのみ。2014年にフッドリバー蒸留所に吸収され、蒸留所も元のポートランドから更に内陸のフッドリバーに移設。(『モルトウイスキー年鑑2022年』より) ポートランドの「カスケード・ブルーイング」のクラフトビール。ホッピーなビールとは一線を画す「サワーエール」が特徴。こちらのはウイスキー樽で熟成した上に、レモンとオレンジ風味を添加しているとのこと。その名の通り、柑橘系の爽やかさのある軽やかな仕上がりのビール。 こちらはワインで有名なご当地のグレープを使用し、オーク樽で熟成するなどした「タンニン」をしっかり感じるワインのようなビール。非常にうまく味が馴染んでいて、驚くほど飲みやすいです。 もはや秀逸という言葉しか浮かびません。日本で一般的なピルスナースタイルのクラフトビールなのですが、樽生でもないただの缶ビールなのに、すべてが吹き飛ぶほどの爽快感。ここまでくると神懸っているとさえ思えてきます。一体全体この缶の中はどうなっているんだ!という極上のうまさ。これがビールなんですね! これはIPAスタイルの「ゲームオン」。昔のテレビゲームを思い起こさせる遊び心のあるパッケージです。以前に頂いた樽熟成のカスケードビールは柑橘系のリキュール感ある甘みが特徴でしたが、こちらは柑橘系のシトラス感がボディとしてあるのは似ているのですが、ホップが適度に効いていてそのままスッと軽やかに抜けていくような感じ。こちらもとても缶ビールと思えないようなインパクトがあります。この樽生のようなフレッシュさを輸入ビールで再現できるって本当にどうかしてます!! カベルネ・フラン メインはオレゴンワインのお店なので、ワインも少し勉強させてもらいました。味わいはニューワールド系な感じですが、とっても美味しかったです!残念というか、ちょっと高めなんですね~。もっとオレゴンが盛り上がってくれば、安くなってくる予感です。 渋谷の神宮前にあるPDX TAPROOM Level Beerについて調べていたら、渋谷の神宮前にもオレゴン州のクラフトビールを楽しむことができるバーがあるようです。今度行ってみよう。 と言って、実際に訪問したのがこちらです。↓↓↓ これぞアメリカン・クラフト!!

東欧のシングルモルト、ルーマニアより

東ヨーロッパ発のウイスキーでまず自分が思い出すのはこの「ハマーヘッド30年」というものです。確か、ウイスキーキャストのオンライン飲みでMCのマーク・ギレスピー氏がダルモアのリチャード・パターソン氏と、グレンモーレンジのビル・ラムズデン氏と対談している回があり、その時に各自が自分の飲んでいるウイスキーを紹介するときにでてきたのがこの「ハマーヘッド30年」で、それ以来、「東欧」と「ウイスキー」というとまずはコレが頭に来ます。恐らく、モルト好きの方でもこのボトルをご存じの方はいらっしゃらないのでしょうか。あまり詳細なことは記憶にないのですが、確かソビエトの崩壊(チェコでいうベルベット革命(1989年))とその後の混乱で倉庫に置き去りにされていたウイスキーの樽が、何かの拍子で発見されて革命30年を記念してリリースされたのがこのボトルでした。ソビエト時代にどのようにウイスキーが作ら得ていたのかはわかりませんが、大麦や樽などの材料は自前で調達できたものの「ピート」だけが入手できず、かなり苦労してスコットランドから調達をしていたのだとか。ハマーヘッドという名前は、ソ連国旗の「鎌と槌」に因んだ命名。こうした経緯があって本数限定のリリース品で、どんな味であったか気になるところですが、かなり高評価モノだったと記憶しています。 ハマーヘッド30年(https://www.glassrev.com/blog) さて、今回また同じようにウイスキーキャストを聴いていて紹介されたのが「ルーマニア初のシングルモルト」でした。名前はカルパチアン・シングルモルトというようです。製造元はルーマニアで有数のリカー・メーカー「アレクサンドリオン・グループ」。ウイスキー事業を始める前から、ブランデーやウォッカなどの製造をしており東欧では有数の規模の事業者のようで、最近ではアメリカなどの海外向けのマーケティングにも注力をしているようです。ルーマニアといえば、ワインや高級ブランデーの他、「ツイカ」とか「ホリンカ」と呼ばれる果実由来の蒸留酒などで知られています。(と書いては見たもののまだ自分はどれも実際に飲んだことは無いですm(__)m) Brâncoveanu vinars(https://alexandriongroup.com/) 今回どのような経緯からスコッチウイスキーへの挑戦を始めたのか等は分かりませんが、一応情報では4年半くらい寝かした樽のものを瓶詰してリリースしたとのことなので、逆算すると2018年くらいに樽詰めを開始したとして、なんやかんやで2015年とかそんなくらいからプロジェクトとしては着手していたということなのでしょうか。(ホームページを見ると2017年から操業をなっていました。)親会社であるアレクサンドリオン・グループの計画に沿って立ち上げられたようで、ブランドイメージもしっかりとしたものを感じます。それはやはり何といってもメイド・イン・ルーマニアの(スコッチ流)モルトウイスキーを世界に展開したいという野望なのかなという印象です。 シングルモルトのラインナップ(https://www.youtube.com/watch?v=xLL3-HX8DCc) 蒸留設備はグラッパの蒸留器を改造したものだとかhttps://www.diffordsguide.com/ 原料となる大麦は穀倉地である東欧らしくすべて自前のものを使うようです。また、水源は東欧のアルプスとでもいうべきカルパチア山脈の良質な水を使うことができます。樽は自前のワイン樽やブランデー樽などの他にもバーボンやシェリー系などいろいろ取りそろえているようです。自前のオークがあるのかは分かりませんでした。ピートは自前が難しいようで、ベルギーから調達するとなっています。どのような味わいなのか楽しみです。初リリースとなるラインアップは基本はバーボン熟成で、その後にウッドフィニッシュなどをしているラインアップのようです。気候的にはスコットランドよりも温暖で、且つ寒暖の差もあるようで熟成スピードは速めのようです。 アラン・アンダーソン氏(https://carpathian-singlemalt.com/our-story) スコッチ造りのスペシャリストとして招聘したのがアラン・アンダーソン氏。スコットランドやアイルランドの蒸留所を渡り歩いたエキスパートです。キャリアスタートはロッホローモンド蒸留所。スコットランド最古のリトルミル蒸留所の第二工場として稼働を始めたことで知られるハイランドに区分されるが位置的にはギリギリ。その後、ホワイト&マッカイでしばらく勤務した後、アイルランドのスレーン蒸留所の立ち上げや、モリソン家の新たな蒸留所であるアベラルギー蒸留所で製造現場の管理責任者を務めた後、アイルランド時代の知人の紹介でルーマニアでのシングルモルトウイスキー造りにチャレンジしているようです。 クリックでホームページにとびます。 更なる展開として計画が進行しているのが、アレクサンドリオン・グループによるアメリカのニューヨーク郊外での蒸留所新設計画。Gleneida Distilleryと呼ばれるそうで、ニューヨークのアッパーステート、パットナム群のカーメルに位置するとのこと。2018年くらいから建設計画が立ち上がっていたようであるが、実際のところこのプロジェクトがどのような進行状態であるかは確認ができませんでした。イメージとしては、この蒸留所でウォッカやジン、さらにはバーボンなどのウイスキーを作る計画のようですね。かなり壮大な計画です。現地の建築事務所とコラボして設計されたという蒸留所の外観はかなりモダン。シングルモルトウイスキーのお披露目式もアメリカの大使館で開催するなど、まずはアメリカ市場を攻めている感じでしょうか。今後の展開が楽しみです。

【名古屋】バーンズBar Barns(伏見)

名古屋・伏見でみつけた極上のバー 今回は久々の出張ということで名古屋方面に出てきました。名古屋駅に戻ってきたのが夜の7時を過ぎたところであったのですが、もう街の賑わいは相当なもので、前回来た時はいわゆる「禁酒」の期間であったので、正直こんなに店があったのか!という感じです。ゴーストタウンだっところとか、あちこちに灯りがともり、中から盛り上がっている声が聞こえてきます。やっぱり繁華街はこうでなくてはなりませんよね。さて、今回は帰るまでの時間で回れるところということで、伏見近辺をターゲットを見据えてフラフラしてみました。当初、目的とした名だたるバーとかも一応控えてはいたのですが、やはり自分の目で見て発見するということに醍醐味を感じていまして、こちらのバーの灯りにいざなわれ階段を下りていきました。 まず最初の一杯目は前々からきになっていたアメリカ・シカゴ発のクラフトウイスキー、コヴァル(KOVAL)。特に気になっていたのはライウイスキーなのですが、こちらで用意のあったのは東京の信濃屋さんぷろーデュースのモルト&ライ。一口飲んでですが、結構甘い。かなりバーボンウイスキーに近い感じです。お店においてあるボトルなんかを見ていても手ごろな価格帯なので、家に一本置いたりするのには良いかなと思っていたのですが本当においしいですね。 コーヴァルのモルト&ライ このコーヴァル蒸留所についてですが、日本にもブランドアンバサダーのような方もいたりするので詳しくはグーグル検索にお任せしたいと思うのですが、スコッチ本流とは別のアメリカン・スピリッツという感じかと思います。創業者はそれぞれ大学や大使館で勤務された経歴をもつご夫婦で、ユダヤ系の方と思います。旦那さんがオーストリアの方でご実家がお酒造りをしている(た)そうです。特徴は原料と製法に対するこだわり。原料は有機栽培のものを使用し、蒸留器も独自の設計デザインをもとにカスタムで用意。コーヴァルというのは(ユダヤ人の言語ともいわれる)イディッシュ語で「鍛冶屋」を意味し、転じて「開拓する」(forge ahead)などの意があるそうですが、これはまさにコーヴァル蒸留所の成り立ちと深く関係していて、2008年に同蒸留所ができる前の歴史(シカゴ)をたどると19世紀後半までさかのぼります。 バンクを背景に上品なナッツ スイスのチーズと、ベリーにクラッカー さてと、なんですが、コーヴァルの次に何を飲もうかと裏の棚とかを暗がりに必死で目をこらしながら見ていたいのですが、一人で悩んでいても仕方がないのでおススメをリクエストしてみました。そしたら、なんとというか、やはりというか、出現したのがこちらのプライべートボトル。なんでもこちらのオーナーの方が台湾のボトラーズ「ウイスキーファインド(Whisky Find)」のオーディン・チョウさんと仲が良いらしく、コラボでリリースされたのがこちらのボトルだそうです。この素敵なラベルはチョウさんがご自身でデザインされたものだというのですが、素晴らしいですね。ウイスキーの味わいを絵でズバリ表現したもののようです。(話変わりますが、東京の恵比寿にバー・オーディンという超高級バーがあると聞いたことありますが、何か関係あるのでしょうかねえ。) さて、ボトルの中身なのですが、右手に見えるのがポートシャーロットでバーボン樽熟成、最後に貴腐ワインでフィニッシュしているだったかだと思います。左はディーンストンのシェリー熟成。フルーティさが特徴ということでいただいたいのですが、原酒が良すぎるのか自分はとにかくモルト感のパンチ力に圧倒されました。どちらともです。特にポートシャーロットのほうは度数が63度くらいあり、もうここまでの度数でいくとフルーティとかどうのってレベルではないような気がしました。ピートも結構効いているし炎のかたまりだった印象ですm(__)m。なので、思わず申し上げたのですが、これは夜も浅い今の時間帯ではなく、日が回ったくらいでないと舌がついていかないです、と。やっぱり良いウイスキーは真夜中くらいでないといけませんよね。1軒目でいただくにはあまりにももったいなかったかもです。 最後にマスターと話しをしながら、〆にご用意いただいたのがこちら。目黒マッシュタンさんのプライベートボトルとのことです。アードモアの控えめのピート感はオフィシャルものとかでも結構好きなのですが、こちらも本当に上品な仕上がりです。ピートは爆発しているのも好きなのですが、慎ましいピートも色気があって良いですね。貴重なお酒をたくさんいただいて十二分に満足できました。また、最後になりますが、こちらのバーの接客術は今まで自分が通ったことのある中で、おそらく最も秀逸なものでした。マスターと、若手の男性が交代で、また絶妙のタイミングで対応して頂いたのですが、間の取り方というか会話の仕方とかサービスの仕方とか含めてすべてが完璧でした。なんというか、本当にストレスフリーで、初めての訪問だったのですがまるで何度も来ていたかのような感覚で、リラックスして味わうことができました。スコッチのモルトバーだとやはり準備してあるお酒も確かに重要なのですが、それを楽しむインテリアだったり、あとはやはりそれらをサービスする「ヒト」の部分でも印象は大きく変わってきます。やはり、良い空間と素晴らしいバーテンダーの人にサービスをしてもらえると安心して良いお酒を頼むことができるというもの。そういった意味でこちらのバーは「極上の」バーであると思いました。ありがとうございました!

恵比寿のミュージックバー

東京の恵比寿界隈は芸能関係やら音楽関係の人が飲みに行くことでも知られていてとにかく、おしゃれな街の雰囲気とその中でもとにかくクオリティの高いミュージックを聴きながら、お酒が飲める大人のバーが散在しています。これらはいわゆるタウン系の雑誌などでもレビューされているので特にこれが良いとかあれが良いとかはないのですが、やはり恵比寿界隈というのは街の雰囲気が少し他と違うなというのはあります。なんとうか、少し奥ゆかしい大人の街という雰囲気なんです。なので、女性の前で格好つけたい男性諸君にとってはここら辺のバーの一つや二つを開拓しておいて、いざというデートのときのためにさらりとこの界隈の店を案内できるとしたら、それはさぞかし得点が上がるのでないかと予想されます。笑 ただ、どのバーが良いのかというのはここでも紹介はできません。やはり何でもそうかと思うのでのですが、個々の個性もあるので一様にどの人にもこれが良いというのはあまり無いかなと思います。あとその時のタイミングとかによってもバーとかの雰囲気は大分違ったりするものかと思います。これは本当に運の要素も大きいです。異常に盛り上がっていたかと思えば、波が引いたように静まりかえることもある。どのタイミングでどういうお客さんがいるときにその店に出くわすかは、これは本当に分からないわけで良い思いをしても、そうでなくでも、これは一期一会だと見切るしかないかなと思います。一応、そういう断りをした上で、恵比寿のミュージックバーのいくつかを語りたいと思います。 簡単に言うと、有名どころだと、東口のTRACKかMARTHAか、みたいなことを聞いていました。そこで、今回はとりあえず渋谷寄りのTRACKのほうを訪れてみました。恵比寿から歩いて結構すぐで、東口からだとほんの数分だと思います。路面店ではありますが、繁華街ではないのでどちらかというと隠れ家的な雰囲気。たぶん、普通に歩いていると見過ごしてしまうかもしれません。通りに「BAR」という灯りがともっている程度です。とにかく、東京ではこういう感じのバーが大当たりなことが多いんですよね。 確か雑誌でも紹介をされていたので、ある程度店内の感じとかは分かっていたのですが、やはり本物は違いますね。店内は割と広い空間になっていていバーカウンターと後ろにはテーブル席がいくつかあります。レコードとお酒のボトルがずらりとあって、中央のカウンター内のテーブルにはきれいに並べられたグラスが置いてありました。カウンターの中は男性が三名いるのですが、皆さん音楽関係という感じです。音楽のほうはあまり深くは良くわかりませんが、音響というか普通のプレーヤーでないなということぐらいはわかります。凄く良い音色です。お酒のほうも結構しっかりしていて、ウイスキーからラムとかジン、テキーラにコニャックと一通りそろえている感じで、特に文句のつけようもありません。自分はとりあえずカウンターに座って、軽くアメリカンのライウイスキーと、コニャックをチョイスして、音楽を聴きながら恵比寿の夜を楽しんでみました。ただ、なんとなくこちらのバーは結構有名店なのか、少し敷居が高い感じはしました。写真とかも少し取りずらかったので文章だけです。というわけで、今回少しおすすめしたいのは西口のこらちの店です。 恵比寿西口を少し歩いたところにある雑居ビルの3階。中は開放的な雰囲気で、開店間もない時間帯であったこともあり、店内はまだ明るいくらいでした。でも雰囲気はこの通りバッチリでしっかりとしたミュージックバーという感じ。店内はさきほどのトラックさんと比べればかなり小さめですが、それでもとにかく広々と感じる余裕があり、席数は少な目ですがゆっくりと落ち着いて音楽とお酒を楽しむことができます。 この隣には昭和の黒電話がありました。(現役だそうです) オーナーさんはアメリカ東海岸に留学とかもされたことがあるようで、落ち着いてはいますがフレンドリーでした。恵比寿のこういったバーは結構敷居が高いんで緊張しますよねー、的なことを思わず口走ってしまいましたが、まだお店の中には自分ひとりだったこともあってマイペースを取り戻して落ち着いた感じで楽しめました。ドリンクはスコッチウイスキーとラムが中心のようでした。スコッチは普段から飲むので、ここは敢えてラムを頼んでみました。特にスコッチのボトラーでも知られるイタリアのサマローリ(SAMAROLI)のラムが気になってしまいました。ラムはあまり飲まないんですが、サマローリがラムもプロデュースしていたとは知りませんでした。実のところサマローリのスコッチ自体も一度か二度くらいしか飲んだことがないんですけど、特徴的なラベルはラムも同じなんですね。パッと見なんのお酒なんだか分からないくらいです。 サマローリとケイデンヘッドのラム酒 もう一つ試したのはこれまたスコッチの名門ボトラーズ、ケイデンヘッドのプロデュースしたカリビアンラム。グリーンラベルというシリーズでカリブ海のいろいろな島の味わいを楽しめるというもの。お店にあったこのボトルは「トリニダード」の18年。スコッチでは珍しくない年数かもしれませんが、ラムで18年というのは相当貴重な感じがします。円熟味のあるトロピカルな味わいに酔いしれます。ラムはそれほど詳しくは無いのですが、さらっと出てきたにしてはちょっとスゴすぎやしませんかね。(汗)まさに音楽と酒にどっぶりつかるにうってつけです。無事に帰ってこれるのでしょうか。笑 スコッチのボトルもこの通りずらりと。 「B-10」(ビーテン)さんのお店の場所ですが、JR山手線であれば西口広場を出て中目黒・代官山方面に向かい、恵比寿南の交差点を斜め左に行く小道を行けばすぐです。ビルの三階にあります。

【長野】摩幌美 Whisky Bar(松本)

松本でウイスキーのモルトバーといえばやはり摩幌美さんではないでしょうか。松本の駅を降りて繁華街の入り口のようなところの角地にドンと店を構えていらっしゃいます。いままでモルトバーというと少し離れたところにあったり、雑居ビルの2階だったり、立地的には分かりにくいケースが多いイメージですが、こちらは本当に喫茶店のような構えというか地図を見るまでもなくすぐに分かりました。以前に松本に来た時にも立ち寄ろうとした記憶があるのですが、確か定休日かでお休みをされており残念ながらそのときはお店の中に入ることができませんでした。今回はちょうどお店が開いたくらいのタイミングで念願の訪問がかないました。実は今回の記事なのですが、訪問直後に執筆したのですがアップロードに失敗していたようで、それを最近になって気づいて書き直しております。したがって、ウイスキーのテイスティングなど細かなところは正直うろ覚えになっておりまして、とりあえず再度執筆したものであることをあらかじめご了承ください。いずれにせよ、素晴らしいモルトーバーです。盛岡にスコッチハウスさんいうオールドボトルで有名なスコッチバーを訪ねたことがありますが、雰囲気的にはそちらと似たような感じかなというのが個人的な印象です。モルトバーは大都会の真ん中だけでなく、地方都市でも本当に素晴らしいバーがたくさんあります。ウイスキーの蒸留所も基本的には交通的に不便なところにあったりするケースがほとんどだと思いますが、モルトバーも同じように都会から離れたところにポツンとあるケースがあります。ウイスキー好きの方が全国からそこを目指してやってくるようなお店も珍しくはありません。摩幌美さんもそうしたモルトバーの一つなのかという認識です。マスターの話ですと、遠くは海外からもやってくるケースもあるとのこと。やはり魅力があればどこからでも人は来るものなのですね。 お店のなかですがスペース的には喫茶店のようなかんじというかゆったりとした広々とした空間が広がります。カウンターに数席あるほかはテーブル席などがいくつかあります。あとは、なんというか書斎に入ったような感じというか、ログハウス調のゆったりしたインテリアで肩肘張らずにゆっくりとお酒が楽しめます。お店が開くと同時に入店したのですが、後からお一人で来られる方やグループで来られる方などが続いて、それほどお酒に詳しくなくても丁寧に接客をされていました。貴重なウイスキーのボトルの棚に眠っているように見えましたが、スタンダードなラインアップを充実していて、モルトウイスキーがメインではありますが初心者から通の方までアットホームな雰囲気で楽しめます。 ダグラスレイン社の「ダブルバレル」 まず頂いたのはボトラーズ・ダグラスレイン社の「ダブルバレル」。スコットランドの中でそれぞれ違う地域にある蒸留所のモルト同士をブレンドした、いわゆる「ヴァッティッドモルト」です。左のグリフィンが描かれているものは、スぺイサイドとローランド。人魚の絵の方はアイラとハイランドであるとのこと。具体的にどこの蒸留所なのかについての情報はありませんでしたが、ともにとても上品な味わいでした。後でボトルの値段も調べてみたのですが、1万円しないような価格で(入手性がどうなっているかは分かりませんが)さすが老舗のボトラーズの商品だという印象です。 地理的にはローランドにも近い、グレンゴイン蒸留所 何か普段飲まないオフィシャルのシングルモルトがないかと棚に目をやっていたところ気になったのがあったので出してもらいました。グレンゴインです。シェリー熟成に定評があります。グレンゴインは区分けとしてはハイランドになりますが、地理的にはグラスゴーから車で30分程度の距離に位置します。(実際に行ったわけではなく、googlemapの検索でしらべましたm(__)m)自分はスコットランドには行ったことがないので、蒸留所などの情報はネットで調べたりが中心なのですが、どこに一番行ってみたいかというならグレンゴイン蒸留所が一番気になります。どこの蒸留所もそうだとは思うのですが、風光明媚な大地にポツンと佇んでいる様子をyoutubeの空撮ビデオで見たことがあり、その美しさに惚れたことが要因です。もちろん、アイラ島なども興味はあるのですが、現実的には非常に遠い。やはりグラスゴーからも近くて手軽にいけそうなグレンゴインとかはグラスゴーまで行けばもう少し足を延ばす程度の距離なので、いつか訪問してみたい蒸留所の一つです。 マスターは相当なベテランの方でウイスキー界の事情にも詳しかったので、以前に群馬太田のバーを訪ねたときのことをお話ししました。その店はスコッチやバーボンをズラリと揃えていたのですが、ジャパニーズはほとんどなく、特にサントリーのボトルが一つも無かったのです。その理由を店のマスターに聞いてみたところ、若いころは憧れだったがある時期に変わったという話をされていました。今では山崎や白州などで海外でも非常に高い評価を得ていますが、やはりひと昔前(1980年代とか、それ以前です)はいろんなお酒があったようで、あまり良くない印象を持たれている方も特に年齢層の高い方にいらっしゃるのですね、というようなことを勝手にしゃべっていました。すると、こんなのがありますということで出てきたのがこちらのオールドボトル。サントリーさんのピュアモルトで、7年とあります。二つ種類があって、それぞれなんであったか忘れましたが、樽違いかだったと思います。詳しくはこちらのページなどに書かれていますが、まさにその1980年代のウイスキーのようです。要は自分で味わってみろ、ということかと理解するとともに、まるで古文書館のように歴史が目の前で紐解かれてポンと出てきたことにビックリしました。(しかも、とても良心的な価格であったことも付け加えておきます。40年以上も前のボトルだと思うのですが。)味わいは、特にここではコメントは控えておきたいと思いますが、あまり普段ジャパニーズは飲まないので、分からないというのが正直なところです。いずれにせよ、お酒は究極を言うとそれはその人の個人の問題。味覚も人それぞれ。いろんな蘊蓄(うんちく)はあると思いますが、自分が美味しいと思えば、だれが何と言おうと美味しいわけで、それを否定することには何の意味もないです。ただ、とにかくこうして実際に「確かめることができあ」ということにただただ驚き感動した次第。そうこうしているうちに帰りの時間がやってきたので足早に店を去りました。また今度はゆっくりと泊りで訪れることができればなと思います。ありがとうございました。

【静岡】Caribbean Bar OKUIZUMI(浜松)

本日は浜松。カリビアンバーのオクイズミさんというテキーラバーにやって参りました。駅から歩いて10分くらいでしょうか、繁華街の少しはずれにお店を見つけました。最近は「勉強」と称して、ウイスキー以外のお酒にもチャレンジ中。蒸留所の世界でいえば、ラムやブランデー、テキーラ、ジン、焼酎などがウイスキーと並んで有名です。「テキーラ」についてですが、原料は穀物ではなくて、リュウゼツランという植物、もう少し細かくいうとサボテンのような多肉植物の一種になります。現地の言葉ではAGAVE「アガベー」というそうです。この茎の部分(といっても下の写真のようにかなりデカい。重いものだと50kgくらいになるそうです)が酒造りの原料の元になります。 リュウゼツラン(https://www.mundocuervo.com/eng) 「テキーラ」という名前についてですが、これは実は地名だとのことです。ブランデーに「コニャック」や「アルマニャック」などの原産地呼称がありますが、あれと同じ考え方のようです。つまりテキーラは原則としてテキーラ地方で作られたお酒でないと「テキーラ」を名乗れないという規定があり、原料や蒸留場所、その回数、アルコール度数、添加物の上限などかなり細かく指定されています。この要件をクリアしたものだけが「テキーラ」を名乗れるということで、これはスコッチウイスキーなどと同様にかなり厳格な仕組みで管理がなされているようです。 テキーラ市(https://www.mobilemaplets.com/showplace/14083) 以上が「テキーラ」の要件ですが、もう少し予備知識として細かく見ておきたいと思います。ポイントは原料と熟成年数です。原料についてですが、要件としては主原料としてアガベが51以上含まれていればOKです。その中でもアガベ100%使用のものがあり、プレミアム価値がつきます。また熟成年数(クラス)にも違いがあります。まず、「ブランコ」というのは熟成させずにすぐに瓶詰をしたもの。その次に1年未満樽で熟成したものが「レポサド(reposado)」。さらに3年未満の熟成をしたものが「アネホ(anejo)」と呼ばれます。ほかにもゴールドとかエクストラアネホとかありますが、とりあえず上記3つくらいを知っていれば大丈夫かと思います。ざっくりとですが、樽熟成しているものと、そうでないもの、の2種類があるのだと分かっていれば、あとは中身の液体の色で見分けが着くかと思います。 世界ではじめて日本人がプロデュースしたテキーラ そんなわけでまずは目についたのが「雫」の文字。なんだろうということですがエルボラーチョという福岡発祥のメキシカンレストランがプロデュースしたテキーラのようです。原料はアガベ100%のプレミアムテキーラ。濾過なしと濾過ありのブランコの飲み比べをしてみました。原料100%ということで、特に無濾過のほうはかなり独特な味わいがありましたが、想像したよりはマイルドな味わいでストレートでも特に嫌な癖もなくおいしくいただけました。リュウゼツランの絵のイメージからするとだいぶ控えめというか、割とイケる感じです。笑 カサミゴスのレポサド お次には少しエイジングしたものと試してみたいということでcasamigosのreposadoを頼みました。グラスだと分かりづらいですが、ほんのり琥珀色をしていて樽熟成したことがわかります。アメリカンオークの樽を使っているようです。数か月程度かとは思うのですが樽感がやはり乗っかってきていて甘味が感じられます。ちなみにこちらも100%アガベのテキーラをベースにしているようですが、バランス良くまとまっていると思いました。やはり高温な気温ということもあるのか、熟成中に中のアルコールも相当飛んでしまうでしょうし、アネホやエクストラアネホというのはレアなんですかね。途中でマスターが出かけてしまって、ボーイ君と棚を探しましたが、主にはブランコかレポサドか、という感じでした。 カウンター後ろの棚の様子 さて、こちらのお店ですが、テキーラ以外にもラムなども充実した品揃えとのことです。恐らく浜松では随一のラインアップになるのかと思います。一階は主にカウンター席で、二階にグループ用のテーブル席があるようでした。料理のメニューもありダイニングバーとしても活用できます。一人でふらりと来ても落ち着いた大人の雰囲気でゆっくりとした時間を楽しめます。繁華街から少し外れたところにあるので、浅い時間であれば割と入りやすいのかもしれません。どちらかとうと二軒目からのお店かなという印象でした。マスターは気さくな方で、ヘルプで入っていたボーイさんとのコンビでカウンターを回していました。店を開けたくらいの時間に訪問したため、まだ仕込み作業をしたりなど準備中という感じでしたが、楽しく会話をしながらゆっくりとテキーラの味に浸ることができました。ありがとうございます!今度はラムのほうも勉強ができればなあと思います。

Scroll to top