BAR GOSSEにてIII

早速ですが、今日は珍しい来客がありました。 基本このブログはバーとウイスキーに焦点を当てることを目的としていますが、 あまりにもの珍事に、今回はゲストにもフォーカスをさせてもらいます。 なんと20代の女性、しかも美人さん。本ブログではこれを「三拍子揃う」といいます。笑 実のところ、こうしたウイスキー・バーに女性が来られること自体は珍しくはありません。 全員が美人じゃない?いえいえ、そういうことではないのです、皆さまお美しいです! 今回珍しいと大騒ぎしたのは、「ウイスキーが好きで、且、知識量も豊富で、しかも実際に行動されている」ところ。 行動している、というのは自分で蒸溜所を訪問したり、酒屋さんに行ったり、バー巡りしたりという意味です。 しかも、フレンドリーに取材許可までいただきました。もう感謝しかありません! お名前は、「さくら」さんということです。さくら様、とお呼びしたいところですが、変なバーと混同するといけないので、とりあえず「さくらさん」で本ブログは通します。 さて、まずは一杯いきましょう。 とりあえず、取材に入る前にコレをハイボールで。そう、ホワイトホースです。キーモルトはラガブーリン。 ホワイトホース(左側) 個人的に好きな銘柄なので、先ずはテンションを上げていきたいところでしたが、いきなりシングルモルトをストレートというのも飛ばし過ぎ。 そういう訳で、まずはやさしめに軽く一杯ということでホワイトホースを、ハイボールで頼見ました。気持ちを落ち着かせます。 さて「ホワイトホース」について、少し補足しておきましょう。名前の通りボトルの中央に白馬が描かれています。 このブランドは1881年、ピーター・マッキーにより立ち上げられました。 ホワイトホースの名前は、マッキー氏の近所にあった酒場兼宿場 「白馬亭(The White Horse Cellar)」に由来します。 ラベルの白馬は、白馬亭の看板を描いたもので、1742年というのは白馬亭の創業年になります。 この「白馬亭」ですが、普通の宿ではなく、18世紀にスコットランドの独立を図った「ジャコバイトの反乱」の際の拠点。 単純に良さげな宿があるから、という理由ではなく、スコットランド人の誇りの源に肖(あやか)ったというところでしょうか。 また、キーモルトがラガヴーリンというのもちゃんと理由があります。 マッキー氏の叔父ローガン・マッキーは同蒸留所のオーナー!若かりし頃にウイスキー造りを学んだのがラガヴーリンだったというワケ。 (なんと贅沢な!)ローガン氏が亡くなってからは蒸溜所の経路も引き継ぎます。 さて、もう一度バーに戻ります。さくらさんのストーリーです。あれだけ騒いでホワイトホースに脱線しかかりました。 さて、私が興味があったのは、どうしてそんなに若くしてウイスキーに興味を持ってしまったの?ということです。…

【東京】バー恵(中野)

そういう訳でやってきました「バー恵(めぐみ)」さん。 先ほどの「美術館」から歩いて5分くらいでした。 先ほどの彼によると仕事が終わって店長さんとこちらのバーで飲まれることもあるようです。 店に入っての印象は昭和のノスタルジックな秘密基地という感じでしょうか。細長い店内にカウンター席が8席くらい。 店内の様子 うちらが入った時には先客の方が3名おられて、うちらが入店した時点で結構がっつりという感じでした。 店の中の移動もカウンターに座ってる人の協力なしには後ろの壁とのスペースがカツカツで通れない感じ。 そんなわけで、なんとなく居合わせた者同士親近感を感じてしまうお店です。 語り合いバーみたいな感じでしょうか。 気さくな女性のマスターさんが店を切り盛りされてます。 この辺に住まれてる方には憩いの場みたいな感じかと思います。現にお一人で来られてた方は常連さんのようでした。 さて、席についてから「初めてですか?」と先ほどの女性マスター。 先ほどの経緯をお伝えすると「ワサビは終わったんですよねー」とのこと。 「あの子(件の美術館の彼)まだ宣伝してるのね」と笑っておっしゃってました。 どうやら彼は宣伝部長のようですね。我々の前にもこうしてワサビ杯を求めて来たものがいるようです。(笑) 何を飲もうかなぁと思い棚をキョロキョロ。 オススメで頂いたのがコチラ。 小学館さんのデビルマンシリーズ。 中身はアードモアの10年。ラフロイグカスクとのことです。 飲んでみたんですが、第一印象は思いっ切りラフロイグですね。笑 アードモアは飲んだことがないんですが、10年熟成なのにラフロイグに染まってる感じがします。 もちろんオフィシャルのラフロイグの様にブアッと煙が出る感じではありません。カスク越しなんで、上品に香るラフロイグという感じ。 このくらいだとアイラ系苦手なヒトとかでもイケそうな感じですね。 さて、これは後付けの知識なのですが、アードモアを調べてみました。アードモアはブレンドのティチャーズのキーモルトとして知られているようですが、ズバリその特徴はピート。 しかし、いわゆるアイラのピートでは無くハイランドのピートです。このピートの特長はアイランズのような磯の香りではなく、炭っぽい香りだとのこと。 ということは、先ほどのアードモアはアイラモルトとハイランドモルトの競演だったという訳ですね。知識が無くて追いつきませんでしたが、次はアードモアもぜひ試してみたいと思いました。 さて、次に試したのがコレ。 サウスパークさんのオリジナルボトル この中野には実はとても有名なバーがありました。 現在は残念ながら閉店されていますが、駅南に方に「サウスパーク」と言われるウイスキー好きの聖地がありました。…

【東京】お酒の美術館(中野)

本日は中野にお邪魔しました。 自分は都内に住んでいますが、あまり中央線沿線とは縁がなく、中野もたまに通ることはありますが、途中下車はしたことがありません。 そんなところに今回来たのは訳がありまして、、行きつけのバーのボーイ君が誕生日を迎えるということで、 どこかでささやかなお祝いでもしようかという話になり、先方の希望で中野が選ばれたいという経緯。 中野のほかには、上野も候補だったのですが、普段行くことが無いところという点で、中野をチョイス。 さて、その当の本人が、なかなか来ません!思ったより、恥ずかしがり屋さんのようです。とりあえず時間を潰します。しかし、この中野は面白いですね!まるで昭和にタイムスリップしたような感じです。 先日、広島を絶賛しましたが、この中野も結構いけます。どうしてなのでしょうか?コジンマリした店が、商店街の周辺にも密集しています。 待ち合わせの時間は15時くらいだったのですが、日曜ということもあってか結構の数の店が開けていて、またかなり混んでいます。 恐らく地元の方だとは思うのですが、老若男女が良いバランスで混ざっている感じ。とくに若い子が多い印象でしょうか。 さて、アレコレしていると到着したとの連絡を受け、駅前で再び合流して、どこか良さそうなバーの探索を開始。 そこで見つけたのが「お酒の美術館 中野店」。 15時オープンということで、ちょうど店を開けたばかり。我々が一番の先着だったようです。 席はどこかなと思って探していましたが、どうやら立ち飲み。店の棚を拝見する限り、ウイスキーとか蒸留酒系が中心の様。 すごいですね。飲み方にもよりますが、ウイスキーの立ち飲みは初めてです。 さてもうひとつの発見。店員さんがまた若い!聞くとまだ大学生(もちろん二十歳超えていますよ)。 良いですね。また、どうして?とお伺いしたところ、この店のオープニングに面接を受けたら、採用されたとの話。 いやはや、オーナーさんも度量のある方のようです。爽やかな青年でした。(ご本人の許可も得ての掲載。イケメンはマスク無しが映えますネ(笑)) 山崎と記念撮影 本人曰く、お酒も好きだけど、「人とのコミュニケーションが好き」だとのこと。可能性は無限ですので頑張ってください! さてさて、飲み物の話に移りたいと思います。 とその前にですが、このバーは「オールド」が売りのバーのようです。「オールド」というのは、廃番品のことで、現在は市販されていないものです。 では、なぜそのようなボトルがあるのか?理由は主に二つあると思います。そのボトルが市販された当時に買って、未開封のままでたまたま残っている。もしくは、コレクターの方がきちんとキープされていた。普通は買うと開けちゃうと思うのですが、開けずにちゃんとキープされるのがコレクター。というのは、将来性のあるボトルは、希少性が増して価値が上がります。 特にウイスキーはアルコール度数が高いため、腐敗しづらく、また保存熟成による味わいや香りの変化を逆に楽しめたりします。もちろん、保管状況によっては劣化もしてしまいます。 「オールド」の中でも昔の酒税法区分による「特級」などのラベルがついているものはかなり貴重です。1962年の酒税法改正(1989年に廃止)では、それまで「雑種類」であったウイスキーが、「ウイスキー類」として扱われるようになり、さらに原酒混和率により特級・一級・二級などの区分けができました。これにより「ウイスキー特級」には高額な税が課される反面、「高嶺の花」としてのブランド価値を確立しました。 当時の日本が行動経済成長期であったことと相まって、サラリーマンにとっての憧れとヤル気の源であったようです。 さて、今回こちらのお店で試したのは、スコッチブレンドのシリーズ。ラベルをよく見て頂けると分かると思いますが、下の方に「特級」とあります。なので、おそらく30年以上前に誰かが購入されたものと、こうして巡り合えたという事になります。 特級表記のボトル ボトルを簡単に紹介。左のBELL’S(ベル)はイギリスで最もポピュラーなブレンドスコッチです。ボトルの上の所に「afore ye go(船出の前に!)」とありますが、門出を祝う縁起の良いウイスキーとして、昔は出征する兵士に贈られたそうです。また、weddling…

【愛知】共栄窯(常滑)

人生を悔いなく生きるにはどうするか?その日その日を精一杯に生きる、とかありきたりの言い方がありますけれど、自分流に言わせてもらえればこういう事です。 「気になったことは、その場でやる」、これだけです。 でも、モヤモヤしたりウジウジしたりで先延ばしにしてしまうことが未だに多い。 若いうちはそれでも可愛らしいですが、歳を取るにつれて「次」っていうのが、日に日に重たくなって来ます。その「次」はいつくるのか?ホントにくるのか? 一回一回がすべてチャンスと思えば姿勢も変わってきます。もちろんすべてに気を張っていたのでは息苦しいんで、ある程度のメリハリも必要なのですが。。 さて、そういった意味で、自分はやっぱり出張とかで出かけた時に、何をするかというのは、とても重要です。仕事の次にです!もちろん。笑 さて前置きが長くなりました。 今回の訪問先は、自分にとって5年ぶりくらいの「再チャレンジ」になります。 再チャレンジとはどういう意味かというと、以前中部空港を利用するのに前泊でここ(愛知県常滑)に泊まったことがあるのです。その時はただ空港に近いというだけで選択しただけで、焼き物で有名だとか、このバーに存在とかは全く知りませんでした。 ただ、その時はこのお店の扉を開けることができなかったのです。当時はそこまでお酒にも詳しく無かったですし、外観が非常に特徴的で面白そうだとは思ったんですが、中が全く窺い知れず勇気が出ませんでした。 初めて来た土地で、夜遅くに、バーを訪問する。しかも独りで。冷静に考えれば結構ハードル高いのかなとも思います。 今では大分こういうのにも慣れてきて、緊張で扉を開く勇気が無いということは無くなりました。それでも、やっぱり扉を開ける一瞬は緊張します。注射に慣れても、チクッと刺すときは意識してしまう、そんな感じです。 さてこのバーの特色は何と言っても外観もさることながら、その中の空間にあります。 ここ愛知の常滑は焼き物の町で有名です。街の中を歩いてても感じは伝わって来ます。このバーも実は焼き物(しかも土管!です)を以前焼いてた窯だったのこと。内部の空間はカマボコ型をしていて、土管を焼いてただけありかなりデカイ。 カウンター席の他に、テーブル席もありますが、それでも広々しています。器とかを焼く「登り窯(のぼりがま)」とかは見たことあるのですが、とても人が中に入って寛げるような感じでは無かったですね。 窯の中 それにしても誰のアイデアなんですかね?焼き物の窯をバーにしちゃおうなんて。本来の用途とは全く違いますが、再活用として初めてナイス・アイデア! さて、釜の中で何を飲もうか考えました。 とりあえずメニューから興奮を覚ますべくローランドのウイスキー・グレンキンチーをロックでまずは一杯。  Glenkinchie 12yo ローランドはあまり飲む機会がありません。スコットランドの中心都市であるエジンバラを含む南部地域がローランドと呼ばれますが、この地域に現存する蒸溜所は非常に少ないです。 グレンキンチーと、オーヘントシャンがよく知られている蒸溜所ですが、他はほとんど見ることが無いかと思います。 さて、今回トライしたグレンキンチー12年。 ノージングはフローラルで軽く、味わいはハイランドとはまた違う柔らかな感じで、まろやかさがあります。都会的なタッチとでもいうのでしょうか。 マスターにお話を伺ったところでは、このバーはまだ始めてから7年ぐらいとのこと。窯自体は昭和前半くらいの作りなので、建物は古いですが店は非常にまだ若い。 土管を焼いてたというこの窯が現役で使用されていたのが、昭和46年迄ということなので、使われなくなってから半世紀近くの経つ計算。 しかし、店の中の感じはつい最近まで火を炊いていたのでは無いかと思うほど内壁が黒光りしています。 恐らく何かしらの復元なりメンテ工事をしたのだろ思われますが、平日夜の遅い時間にも関わらず店の中は終始バタバタの状態。 今回は経緯などをゆっくりお伺いすることが残念ながらできませんでした。…

【広島】バー・リトルハピネスさん(広島)

広島が好きです。 理由、要りますかね?笑 敢えて言うなら、昭和の香りです。それも品の良い香りです。 路面電車の走る風景 自分は昭和の生まれですが、平成、令和となって、街に昭和の雰囲気がめっきり無くなった気がします。建物や街全体が新しくなることは良いことだとは思います。便利で快適になりますから。 でも少し寂しい気もします。ヨーロッパの都市の旧市街を散策してたりすると、やっぱり羨ましく感じてしまいます。 古くても良いものは輝きがあります。年を経ることで良さがでるものは確かに存在します。 日本で昭和っぽい街並みと聞いて連想するのは、時代遅れで古臭い感じでは無いでしょうか。 古びた建物に、シャッターの下りた商店街、廃墟と化したような街並み… そういう場所も沢山あると思います。地方に行くと街の中心にある商店街は閑古鳥が鳴いていることは少なくありません。 その中で広島は、その街並みが昭和っぽさの上に築かれながらも、「美しく」繁栄している、そんな気がします。 市内の川に架かる橋。結構沢山あります。どれも結構年季が入ってますけど、ヨーロッパの橋の様に品があります。 街中では新旧両スタイルの路面電車が仲よく走るのを見かけます。市民や観光客の交通手段として現役で活躍してます。 繁華街も昔の感じそのままに賑わいがありノスタルジックな感じがして素敵です。中には怪しげな店もチラホラありますけど、全体的に肩肘張った緊張感が無い。お寺の縁日の祭りの様な懐かしい感じがします。 日本の街は古いものを壊して新しく作り替える式が多い。その中で広島は、うまく昔のものを引き継ぎ活かしている、そんな気がします。贔屓しすぎですかね?!笑 結局長々と語ってしまいました。 そろそろ本題のウイスキーバーに話を移しましょうか。 今回お邪魔したのはリトルハピネスさん。 ウイスキーバーにしては可愛らしい名前、建物の一階にあったのでふらっと寄ってみました。 店内はスタイリッシュな感じで、結構きれいにボトルが並べられてます。 オフィシャルを中心にボトラーズも。 パッとみた感じ左がスペイサイド、真ん中がアイラで、右はジャパニーズやバーボン系 今日はスペイサイドが飲みたかったので左側に席をとりました。 さて一杯目は広島ということで、コレを頂きました。 広島・廿日市の中国醸造さんのウイスキー。戸河内TOGOUCHI。 ウッドフィニッシュで酒樽とビール樽が置いてあり、ビール(IPA)樽フィニッシュのものをロックでいただきました。 ビールのホップ感までは正直分かりませんでしたが、スッキリした味わいです。ソーダ割りとかでも美味しいかもしれません。 中国醸造さんは「桜尾」という国産のジンを作っており、こちらの方がよく知られているかとは思います。 2021年にはスコッチウイスキーの慣習に習い3年の熟成を経た待望のシングルモルトが発売されるようです。 桜尾蒸溜所…

BAR GOSSEにてII

先日訪問したバーで、敢えて置かれていなかったジャパニーズ・ウイスキー。 今回は5年ぶりくらいに再会する友人Y氏と訪問。 さて、今回はウイスキーを普段飲まれない人を連れてなので、「ウイスキー」の面白さを知ってもらうべく近くのコンビニでこんなものを調達。 サントリー角瓶 言わずと知れたサントリーの「角瓶」。本当にどこでも手に入ると思います。数百円です。 ウイスキーは安いから美味しくない、という訳ではありません。 特に角瓶は1937年に発売されて以降、名実ともに日本で最も良く知られたウイスキーで、売上№1を誇ります。 ドライですっきりした後味から、ハイボールでも美味しく飲めます。 とはいえ、やはり熟成年数の若い樽をバッティング(混ぜ合わせて)して作られているので、熟成前の原酒の味に近いのかなと。要は、スピリッツのような感覚。 ウイスキーは原酒の出来も重要だと思いますが、やっぱり熟成による味の変化が一番の醍醐味。 なので、やっぱり個人的には物足りない感じ。 でも、とりあえず山に登るには登山口から、という訳で無理を言って「角瓶」からのスタートをお願いしました。 *ちなみに、コンビニで買ってきたウイスキーを飲ませてくれるワガママ聞いてくれたことに感謝!普通では考えられないです。どうか真似をしないでください。(笑) さて、角瓶をストレートで楽しみながら昔話に花を咲かせました。 個人的な話ですが、Y氏とは大学時代からの付き合いです。 外資や日系大手の海外駐在を経て、かなり最近、というか先月に勤めていた会社を退職。 「え、何するの?」と聞いたら「勉強」との答え。しかも学部、しかもアメリカ、しかもニューヨーク。 ??? すみません、まだ一杯目ですが頭がクラクラします。汗 なんでもコロナや子育てで、再度人生の意義について考えた結果、自分の本当にやりたい事がなにか、という問いに返ったそうです。 アメリカはまだ大変なので、しばらくは日本待機なようですが、時代の変化をつくづく感じます。 **** Yamazaki 12yo & 18yo 「山崎」 「山崎12年」 「山崎18年」 日本の山崎は、世界のYAMAZAKIになりました。…

【群馬】ショットバーキャップ(太田)

群馬県の太田を仕事の関係で訪問した。 太田といえば、自動車メーカSUBARUのお膝元。 静岡の浜松とかと同様に、日系のブラジル人が多く住むことでも知られる町です。 仕事の用事が終わって車を太田駅に返却したところで夕方の5時くらい。 さすがにバーが開店するにはちょっと早い時間帯。 しかし、ここまで来るのは滅多に無い。特急電車の待ち時間もある。 色々と言い訳を自分なりに作って駅前をフラフラしていると、駅近くの雑居ビル2階に見つけました。お目当てのウイスキー・バー。 扉の近くに行くと、マスターがバタバタと店を開ける準備をしていたところでした。 店内にもまだ日が差し込む夕暮れ時にカウンターに着席。さて、このお店ですが、 入店した瞬間からちょっとただならぬモノを感じていました。 なんというか直感です。やはりスゴイものって、理屈無しで伝わるものあります。 カウンターに座ってちょっとビックリ。薄暗くて良く見えませんでしたが、ボトルを逆さに宙吊りした状態で、ウイスキーの銘柄がずらりとカウンターの上と後ろに並んでいます。 店内の様子 ボトルを逆さにしているのには仕掛けがあります。 通常は、ボトルを毎回開けて、ワンショットをマスターが計量して、ウイスキー用のチューリップ型のグラスにつぎ込ます。 このボトル逆さタイプ(「ワンショットメジャー」とか言うようです)は、キャップの所にバルブが付けられていて、バルブをひねると、その下の計量カップにワンショット分が自動的につぎ込まれます。 要するに手間がかからないという訳。中にはボトルを逆さに吊るすように、ラベルも逆さに貼ったボトルまであるそうです。 海外では多いと聞きますが、個人的にはあまり国内で見かけたことは無いです。 さて、ズラリと並んだボトル。棚の奥はオフィシャルのスコッチ、カウンターの上に吊り下げられているのはバーボンと、きれいに並べ分けられています。 そして、カウンターの背面の壁には、いわゆるボトラーズのボトルがズラリ。 ちょっと興奮を抑えながら、とりあえずバーボンをロックで。 「バーボンがお好きなのですか?」と聞かれたのですが、これはあくまで準備運動。 本命(スコッチ・ストレート)の前に、最初に少し違う系統のお酒を敢えて頼むのが自分流。 生ビールやスコッチのソーダ割りを頼むことが多いのですが、今日は頭の上にズラッと並んでいるバーボンを選んでみました。 さて、何から頼もうかと頭の中で思案しつつ、マスターにお話しを伺いました。 なんでも、御年80歳で現役。30年以上もお店を続けられているとのこと。 サラリーマン時代にいつかは脱サラすると決めて、40代で少しずつウイスキーのことを勉強し始め、50代で独立されたとのこと。 近くには繁盛している時で、30軒以上も同じようなウイスキー・バーがあったそうですが、現時点で残っているのはココぐらいだとか。 周辺の前橋とか、足利とかからもお客さんが来るそうです。 店のスタイルはいたってシンプル。ウイスキーのみの提供。食べ物は一切無し。…

BAR GOSEEにて

今日は久々に行きつけのお店にお邪魔しました。 コロナ禍で大変ですが、こちらのバーは常連さんがメインで、だいたいは落ち着いた感じです。 やっぱり行きつけの店って大切にしたいですよね。とにかくご迷惑はおかけしたくないんで、比較的空いてる早めの時間帯によってみました。 ここのバーはコロナ前から何度か通っていて、ある程度どのような銘柄が置いてあるのかも、頭の中にあります。 要するに、今日飲みたいウイスキーについてある程度イメージを持ったうえで、店の門をくぐることができるということ。 今回、自分は、キャンベルタウンの「スプリングバンク」と初対面すると決めていました。 *** キャンベルタウンの「スプリングバンク」。 ウイスキーの好きな方なら、知らない方はいらっしゃらないと思います。 それくらい有名です。 スコットランドにおける蒸留所は、地域別におおよそ5つに分かれます。 まずはおおまかに、「ハイランド」(北部/田舎)と「ローランド」(南部/都会)。 「ハイランド」の中で、スペイ川流域を「スペイサイド」と言います。 このスペイサイド地区が最も蒸留所が密集する地域です。 また、スコットランドの周りにある島々で生産されるウイスキーを「アイランズ」といいます。 キャンベルタウンというのは、スコットランドのある島の西の外れに位置する都市です。 現在この地域で稼働している蒸留所はたったの3つ。 なぜ、たった3つの蒸留所しかないのに、別に区分けされるのか? それは、ここがかつては「世界のウイスキーの首都」と呼ばれるほどにウイスキーで繁栄していたからです。 日本でのウイスキーの創成期に活躍し、ニッカウヰスキーを起こした竹鶴正孝も、この地でウイスキー作りを学びました。 ところが、20世紀前半の大不況の影響で、30ヶ所以上もあった蒸留所は次々と閉鎖。 今世紀に至るまで生き延びたのが、今回取り上げるスプリングバンク蒸留所他、3つです。 残りの二つは、グレンガイル蒸留所とグレンスコシア蒸留所。 グレンガイルは「キルケラン」という銘柄を作っていますが、実は出資者がスプリングバンク。2000年にスプリングバンクを運営する会社が買収し、当時閉鎖されていた蒸留所を復活させました。 グレンスコシアはオーナーが頻繁に変わり、廃業と復活を繰り返しながら、何とか生き延びてきました。 *** さて、スプリングバンクに焦点を当てましょう。 ここまでの話で、スプリングバンク蒸留所が、スコットランドのキャンベルタウンにある蒸留所であるということは、お分かり頂けたかと思います。 また、キャンベルタウンの最盛期から今日まで、継続して安定的に運営しているという意味では、唯一の蒸留所と言って良いでしょう。 この苦難の歴史を力強く生きてきたスプリングバンク。…

【千葉】BAR ALBA(II)(千葉)

千葉方面に用事があり、その帰りに再び先日訪問した千葉駅西口のバーALBAさんを訪問しました。 店名の「ALBA」という名前であるが、オーナーに由来をお伺いしたところ現地の言葉で「スコットランド」という意味らしいです。因みに大昔(といっても6世紀くらい)にはスコットランドに住んでいたピクト人が建国したアルバ王国というのがあったそうです。日本でいうところの「大和(やまと)」とか、そういう感じなのでしょうか。 JAPANという名前も、もとを辿ればマルコポーロが指した黄金の国「ジパング」が由来というから、結構勝手なものですが。しかし、そんな勝手につけられた名前になぜか愛着を感じてしまうから面白いモノです。 さて、前回ここを来訪したときに頂いた格調高き王室御用達のブレンドスコッチ、「ロイヤルハウスホールド」。このウイスキーのストーリーを少し復習しておきたいと思います。 このウイスキーと英王室の関係は100年以上前に遡り、時は1897年。 「当時自社ブランドが英国下院の公式ウイスキーにもなっていたジェームズ・ブキャナン社が、英国王室によって皇太子(後のエドワード7世)専用のブレンデッド・スコッチウイスキーを造るよう、勅命を受けたことに由来」。 要は英王室のご用命で特別に作られたブレンドウイスキーになります。 繰り返しになりますがこのウイスキーが飲めるのは、イギリス以外では、日本だけなのです。 イギリスでさえ特別な場所に行かないと買えないそうなので、町の酒屋さんでも(値段はともかく)普通に買えて、家で飲めますというのは、素晴らしいことです。 なぜ日本で飲めるのか?という話ですが、昭和天皇が皇太子時代にイギリスを訪問された際、英王室からこのブレンドを授かり、特別な許可を経て日本でも楽しめるようになったからだそうです。 今回ALBAさんを再訪したのは、このロイヤルハウスホールドのキーモルトである「ダルウィニー」を飲むためでした。キーモルトというのは、ブレンドウイスキーにおいて味の中核を為すウイスキー原酒のことです。 そんな訳で、開口一番「ダルウィニー(15年)」を注文しました。 香りは確かにロイヤルハウスホールドと同じような感じもするかなあ、と思いましたがテイスティングしてみてちょっとビックリです。 丸みのある味を想像していましたが、シャープですっきりした感じです。あまりフルーティとか、まろやかとか、そういう感じではありません。 そこで、蒸留所について考えてみました。ダルウィニーはスコットランド北部にあり、いわゆるハイランズという分類に分けられます。 蒸留所はスコットランドの蒸留所の中でも最も高い場所にあり(とは言っても300mそこそこですが)、年間を通じた気温がイギリス国内で最も低い所として知られています。 ということは?味にどのような影響があるのでしょうか。 通常ウイスキーは貯蔵庫で熟成する際に、温度の変化により樽が膨張と収縮を繰り返し、中のウイスキーも「呼吸」をします。 気温がずっと低いということは、呼吸が静かでゆっくりと熟成することを意味します。 比較的温度の高い条件で熟成をしたりすると樽感が良く出る反面、味わいが結構丸みを帯びることがありますが、低温熟成というような感じのため蒸留した後のスピリッツの感じが生きているような気がしました。生半可な知識の中でただの想像に過ぎませんが、こうしたいろんなことを考えながら飲むのも楽しみの一つです。 ロイヤルハウスホールドには、モルトとグレーンの原酒が45種類も使用されています。 キーモルトのダルウィニーの静かな佇まいを下地として、様々なウイスキーの調和により独特な柔らかさが作り出されているのだと思います。 以上が、ロイヤルハウスホールドと、そのキーモルトであるダルウィニーをテイスティングした上での感想です。 お次は何を頼もうかということで、棚をチラチラ見ていると隅の方に面白そうな銘柄を発見。「ウルフバーン」とあります。モノクロのラベルに動物の絵が。ウルフ(狼)なのでしょうか。 ウルフバーン蒸留所が出来たのは今世紀。2012年12月に誕生しました。 場所はスコットランドの最北端、ケイスネス州にあります。 2013年から稼働を始めたこの蒸留所が、スコッチの規則である「熟成3年」の時を経て、出荷を始めたのが2016年。 従って、まだまだ熟成年度が若いボトルしか登場していません。 今回トライしたボトルもいわゆるノンエイジ、熟成年数の表記が無いものです。 テイスティングして、こちらも驚きです。…

初めてのウイスキーバー 

初めてウイスキーバーに行かれようとしているあなたにお伝えしたいこと。 ものすごく羨ましいです! なんでもそうだと思いますが、初めて触れ合う、出会うときの感動というのは、一度きりの最高のものだと思います。 自分は海外旅行に初めて行って空港に降り立った時の新鮮で未知の世界に来た感触というのを忘れられません。アメリカの地方の空港だったのですが、「異世界」に来た興奮に満ち溢れていました。バーも初めてお伺いしたところは、知人の経営されていたところだったのですが、開店まもなく棚も半分くらいしか埋まっていませんでしたが、それでも初めてバーカウンターによじ登るようにして腰を据えたときは、ちょっと感動しました。何を飲んだかとか一切覚えてないのですが。汗 経験を積み重ねていくうちに、楽しみ方は増えますが、感動のボリュームという意味では、「初体験」に勝るものは無いと思いますネ。なので、とにかく行くだけでまずは儲けモンということです! 今は色々なものが溢れている時代なので、結構「感じる」ことに鈍くなってしまったりもしますが、ウイスキーバーというのは非日常感が感じられるエンターテイメントの一つかなと思ってます。 ただ、何もないところで、ひょっとウイスキーバーに行こうか、という風にはなかなか成らないのも事実。周りの人で好きな人がいたりすれば別かもしれませんが、ウイスキーバーにわざわざ行くというのは、よほど何か理由がないとお世話になる必要も無いのかもしれません。そこで、このページがあります。これをきっかけにしてください!ネタにしてください!気になったら、実際に行って見てください!どこ行けば良いか分からない?簡単です、ググれば良いんです。笑 自分が初めて「一人で」ウイスキーバーを訪問したのも30過ぎてからでした。自分はいきなりググった訳ではありませんよ。一応、それなりのストーリがありました。 取引先の方で、突然退職されてバー経営に転じられた方がいらっしゃいました。(ちなみに下戸!お酒が飲めない人)それが理由かは分かりませんが、ほどなくして店は閉店。しかし、バーの雰囲気を最初に覚えたのはその方のお店でした。もともと、ウイスキーやカクテルといったものには特に興味も無かったですし、周りで日本酒やワイン好きな方たちはいましたが、蒸留酒を飲んでる人は一人も知りませんでした。(おそらくこのページを見ている方は似たような境遇ではないかと推察します) なので、たぶんその方との出会いときっかけが無ければ、自分はこのホームページを作ってないと思います。密かに感謝申し上げます! さて、その方のお店に初めて訪れた時のこと。バーカウンターに背の高い椅子によじ登るように座って、お酒を飲む。正面には、キラキラひかる棚があって、ウイスキーなどのボトルがずらっと、、ではなく、棚半分くらいに並べられてました。(オープンしてから間もない頃だったので、棚一杯には埋まっていませんでした。残念なら、ついぞ埋まることはありませんでした。棚ギッシリだったと脚色しようかとも思いましたが、正直に書いておきます。スミマセン!笑) 一番、初めに飲んだのは、「メーカーズマーク」。バーボンです。スコッチではなく、アメリカンウイスイキーというやつです。どうやって飲んだのかは忘れました。味も。何も覚えてないです。ただ、赤い蝋のキャップが印象的だった、それだけです。しかし、その時の空気感だけはハッキリ覚えてます。初めてのバーってこんなもんだと思います。なので、あまり肩ひじ張る必要もないと思います。とりあえず行ってみて、頭真っ白になって、それからが始まりです!もしバーの席に無事にたどり着けましたら、次のページ「味わい方」へ進んでください。 A Bar in Zurich スイス・チューリヒにて 因みに、「バー」の語源というのは、bar(横木)から来ているそうですね。バーはたいてい、バーカウンターという横長の一枚板が特徴的なお店が多いですが、これは昔、お酒を飲みに来た人が樽から勝手に飲まないように「仕切る」ための板に由来するようです。カウンターに座って、カウンターのテーブルを縦置きすれば、確かに柵のような仕切りになります。また、英語でbarというのは動詞で「遮る」という意味になります。 バーのカウンター立って給仕する人を「バーテンダー」と言いますが、これはbarをtend(管理・監督)する(-er)人という意味です。要は、お酒を飲みに来る呑兵衛さんの世話役ということですね。なので、どんなバーでも入店したらバーテンさんの指示に従いましょう。特に初めての店であれば、どこに座るべきかを含めてお店の方に身を委ねてしまった方が楽です。お店によってはメニューが出されないこともありますが、思い切って尋ねてみましょう。とにかく、お店のことを一番知っているのがバーテンダーの方でので、何でも聞かなきゃ損です! それでは、GOOD LUCK!

【千葉】BAR ALBA(千葉)

飲み比べセット 久々のバー巡りでお伺いしました。 場所は千葉駅の西口を降りて徒歩5分程度のところで、ノッポなペンシルビルの5階にありました。 店内はカウンター席と、奥にボックス型のソファー席のゆったりとした開放的なカジュアル・ダイニングバーに近い開放的な雰囲気。 スコッチウイスキーのボトルはカウンター後ろの棚の左側に並べられていて、着席後に気付いて後でわざわざ席の移動をお願いしてしまいました。 運ばれてきたメニューを見てグレンフィディックのティスティングセットがあり、熟成年数ごとに飲み比べる「縦飲み」?をしてみたかったので、早速オーダーしました。 グレンフィディックの12年、15年、18年の3つがハーフショットで、しかも解説付きと嬉しいオマケ付きです。 他にも、山崎とニッカの飲み比べ五大ウイスキーのセットなどオプションがありました。 12年はフルーティで飲み易く、評判通りの味。15年、18年は、熟成年数分だけ深みが増して、樽の違いからか味わいに奥行きが感じられました。 次に前々から気になっていた「ロイヤルハウスホールド」を思い切って注文。 英王室御用達の高級ブランドと呼ばれるブレンドウイスキーで、「ロイヤル」とつく銘柄はいくつか存在しますが、その最高峰に君臨するといわれています。日本の皇室との縁でイギリス以外では日本でしか飲むことができない「幻」?のボトルだそうです。 シングルモルトしかいつも飲まないので、味わいの柔らかさに驚きを感じてしまいました。ロイヤルな響きにウットリ、気品のあるテイストにご満悦です。 他にグレンファークラスのファミリーカスクも気になりましたが、ちょっと酔いも回ってきたので今日はここでクローズにしました。 マスターは気さくな方で、カウンター席隣に座っていた若い男性二人組はアイラモルトを楽しんでました。 店中の棚がボトルで埋め尽くられているようなバーもありますが、こちらのバーはウイスキー以外のセレクションもあり仕事帰りにフラッとでも、二軒目・三軒目に落ち着いて来るでも、いろんなシチュエーションに対応できそうです。 コロナ禍ということもあり、家呑み用にウイスキーの量り売り販売もされていました。お店のボトルからワンショット分くらいをミニボトルに小分けして販売するシステムのようです。 これは良いアイデアだと感じました。熟成年数の長いウイスキーはボトルで買うと値段が非常に高額になりやすいです。家に持ち帰ってゆっくり飲んでみたいという人の需要はもっとあるのではないでしょうか。

ウイスキーの味わい方

さて、バーの席について一息ついたところで、味わい方についてご説明します。 初めての方は、とりあえずまず一杯何も読まずに一口味わってから、読み進めてほしいです! その上で、飲み方、楽しみ方、味わい方、の3つを順にご紹介していきたいと思います。 まずは、「飲み方」。これはウイスキーを良く味わうという意味ではストレートが一番のお勧めではあります。これは健康にはあまりよろしくないと思いますし、正直20代の子がウイスキーにチャレンジされてるのみると、正直微笑ましい気持ち半分と、「おい、大丈夫か?」という気持ち半分です。自分も若いこといくときは絶対にこっちからは勧めません。が、たいてい逆にいつもこちら側がストレートを薦められる始末。笑 いや、笑っている場合ではないんですが、とにかく無理はしないでほしいです。でも、最初の一口だけとか、無理をしない範囲で「時の結晶」の原水を味わってほしい気持ちも抑えられません。だいたいウイスキーの度数は40度前後。チューハイやビールは数パーセント。お酒が15度、焼酎20度くらいなので、やはりかなり高いです。これは意識しておくべきだと思います。 飲み方は、水割りやソーダ割りという方法もありますが、割って飲むと本来の味はどうしても薄まってしまうように思います。もちろん、おいしいです。ですが、エイジモノとか言われる、熟成したウイスキーはやはりストレートで飲んでこそかなあ、と思ったり。いずれせよ、ウイスキーそのものも通常は加水されてますので、加水がダメということは決してありません。(加水全くなしの原酒は、カスクストレンクスと言います。度数で60°くらい。 ロックやトワイスアップ(ウイスキーと水を半々で割る)という方法もあるので、自分の体や健康を第一に考えた上で試して頂ければと思います。あと、ストレートで頼んでも、チェイサーというお口直しの水が出てきます。薬の服用ではありませんが、ちょっと飲んで、後で水を流し込んでみたいなやり方もあるかと思います。自分はだいたいこうやってお腹で「水割り」にしてます。笑 さて、次は「楽しみ方」です。これは3つあります。特に難しく考える必要はありませんが、だいたい次の3つの観点からウイスキーは評価されます。 一つ目は「ノージング」。要するにウイスキーの香りを楽しむことです。 二つ目は「テイスティング」。ウイスキーを口に含んだ時の味わいです。 三つ目は「フィニッシュ」。後味のこと、「余韻」というやつですね。 普通のお酒は香りとテイストの組み合わせかなと思うのですが、ウイスキーは他の蒸留酒と比べても、「熟成」に特徴があり、テイストが非常に繊細で複雑。長期熟成のエイジモノなどは、「余韻」の後追いが面白いです。 香りで「アッ!」、テイストで「えっ?!」、余韻で「おお!」となれば成功です。笑 とは言っても何か特別な仕掛けがある訳ではありません。これが本当に憎らしいところです。 基本的に原料も作られ方はほぼ全部同じです。ベースは同じなんですが微妙なニュアンスの違いで、様々な「表現」が出てきます。なので、やはり舌に多少の繊細さは求められるかもしれません。ただ、ウイスキーでなくても、日本酒やワインであっても基本は同じコトかと思うので、ある程度お酒の好きな方であれば、すぐに馴染んで頂けるのでないかと思います。 香りや味わいの表現方法として、「フルーティ」「フラワー」「スモーキー」(ピート)「樽(木材)」などがあり、さらに細かな指標でも表現されます。テイスティング・ウイール(tasting wheel)というのがあり、これらの感覚が有る方は、ものすごく良いと思います。 蒸留所には「マスター・ディスティラー」というスペシャリストが常駐し、味わいや風味が同じになるように厳格な管理がなされています。簡単に言いますが、これってたぶんものすごく難しいと思います。なので、自分は尊敬しかないです。また、バーの方や、ウイスキーの愛好家の方でも、実はプロ?っていうくらい凄い方が、結構普通におられます。たまにド田舎の、こんなところに誰がくるの?ってところで、ヤバいウイスキーの棚とか見つけたら、小躍りしたくなります。自分は、それが楽しみで毎日生きてます。笑 最後に「味わい方」についてです。 これは、これらのウイスキーの味わいがどのようにして来るのか、様々な風味の違いを作り方や、作られた背景など様々な要素を考えながら、味わうという楽しみです。最初にですが、自分はまだ勉強中です。結構エラソーなことを語ってきましたが、蒸留所って実は一つも回ったことが無いんです。なので、あくまで自分の理解している範囲であることをあらかじめ了解願います。 ウイスキーの味の個性を分ける要因を分解すると、大きくは「原料」と「製造工程」に分けられると思います。 まずは「原料」について。原料は、水、大麦、酵母、基本はこの3つだけです。 最初の「水」。 水質については、ほとんどが軟水を使用していますが、硬水を使う蒸留所もあります。因みに、軟水と硬水の違いを簡単に言うと、ミネラル分を多く含むのが硬水、少ないのが軟水。滝のように川が流れる島国は、基本的に水が濾過されるので軟水。ピュアな水質が特徴。日本も軟水です。 硬水はミネラルを多く含むもので、欧州とか大陸に多いです。コンビニで見かける「エビアン」などがそうですね。 水源は雪解け水であったり、地下からくみ上げた地下水であったり、川の水であったりとさまざまであるが、良質の水を使うことはウイスキーづくりにおいてとても重要とされています。後に述べる大麦やイースト(酵母)などの原料は他から運んでくることもできますが、「水」はどうしようもない。なので、蒸留所はだいたい良質な水源の近くに位置します。 次に「大麦」です。モルトの原料である大麦については、デンプンを多く含む「二条大麦」が使われています。ただし、麦の種類についてどこの銘柄が良いとかはあまり問われることは無いです。恐らく、銘柄の違いが味わいに与える影響があまり無いからであると思います。ですが、最近ウイスキーもテロワールを重視した考え方が、特にスコットランド以外の蒸留所などで注目をされていて、敢えて地場の大麦を使ったりするなど新たな試みもなされています。このようなウイスキーが、どのような味の変化をもたらすのか、非常に楽しみではあります。 最後に、「イースト」です。要するに「酵母菌」の違い。 ウイスキーはビールと同様に麦汁に酵母を加えて、アルコールと炭酸ガスに分解することで原酒が得られます。一般的にウイスキーにはディスティラーズ・イーストと呼ばれる高効率のイーストが使われるが、複数の酵母を混ぜ合わせて使用したりすることも。酵母の種類や組み合わせにより香味成分が変化、発酵の後半に発生する乳酸菌とともに微生物たちの働きがフレーバーに大きな影響を与えます。 製造工法については、三つとりあげてみます。「乾燥」、「蒸留」、「樽」についてです。…