蒸留所の夢の始まりは大学を卒業してロンドンで就職をしたときにアパートをルームシェアしたころに遡る。パディーは会計士として、イアンはワインの卸業者で働くことが決まった。二人で生活をし始めてからのルーティンが、お互いに交替でウイスキーを買い付けて部屋で品評会を兼ねた宅飲みをしていたのだそう。初めのうちはセインズベリーなどのスーパーでセールをしているようものが中心だったそうだが、次第に味わいに対する理解と情熱が深まる。高級バーとして知られるミルロイズ・オブ・ソーホー(Milroys of Soho)を訪れた際に味わったウイスキーの感動が、自らの蒸留所を持ちたいと思うようになった原点のようだ。しかし、まだこの時点では「夢」にしか過ぎなかった。