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【岐阜】BARチルネコcirneco(岐阜)
JRの在来線で東海道を下って、関西に来たなあと思えるところってどこでしょうか?一般的には関ケ原を超えて米原に来た辺りなのかなあと思いますが、実は言葉に関しては意外にも?岐阜のあたりなんですよね。実はこの岐阜弁?(という呼び方で良いのか分かりませんが)は、関西弁では無いけど関西弁っぽく聞こえるという不思議な言葉なんです。居酒屋で飲んでいた方に言わせると「関西弁からイントネーションだけをもってきた」と形容されていましたが、まさにそんな感じです。コンビニで「おおきに!」とは言われませんけど、どことなく関西風なイントーネーションのある言葉なんです。ただ、岐阜もかなり広域で飛騨や下呂などの山岳地帯から、都会の岐阜、西は大垣など、さまざまです。ただ、残念ながら新幹線は主要都市からは離れたところにあるため、今回訪問した県庁所在の岐阜も名古屋から在来線を使っての移動となります。でも、最近は新幹線が通じるところは均一的になりすぎて、むしろこうして少し離れているところのほうが個人的には昔ながらの風情が良く残っていて、個人的には好みです。 ズラリと並ぶジャパニーズ・ウイスキー 本日のバーは、岐阜駅から少し歩いた奥まったところにあるチルネコさん。繁華街の喧騒から少し離れた住宅街に位置します。御園町とは良い響きの名前ですが、その名の通り落ち着いた雰囲気で、奥ゆかしい店がいくつか散在するようなエリアです。訪問した時はすでにほぼカウンターが埋まっていて、手前側にテーブル席が二つくらいありましたが、こちらも満席という感じ。ちょうどカウンターの真ん中の席が運良く一つ空いていたのでそちらに腰を下ろしました。サラリーマン風は一人もおらず、たぶん地元の方だと思うのですが、皆さん談笑されて思い思いにお酒を楽しんでおられました。都会のモルトバーだと、制服組(サラリーマン)一色になることもあるので、別世界に来たようです。でも、ここは普通の居酒屋ではなく、歴(れっき)としたオーセンティックバーなんです! 駒ヶ岳シングルカスクのピート 表向きはこうなんですけど、中身は。。。 まずはというか、とりあえずはカウンター席の目の前にあった笹の川酒造さんの安積蒸留所、「山桜ブレンデッドモルト」を頼んでみました。これは安積蒸留所の原酒と、「国産原酒」をブレンドしたものだということです。この「国産原酒」というのはそこら辺のものではなくて、こちらの蒸留所とゆかりのあるあの蒸留所のモノだとか。一杯目ということでロックで頼んでしまったのですが、マスターが後でこっそり教えてくれたのですが、今年のWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)ブレンド部門の最高賞受賞品とのこと。とんでもないものが目の前にありました。汗気を取り直して同じくその隣くらいに並んでいた駒ヶ岳のピート。こちらも少し気になってはいました。駒ヶ岳がズラッと並んであったのですが、どんなピートかなと思って頼んでみました。飲んだ感じはハイランド系なのかな。50ppmでホッグスヘッド(一般的なバレル樽よりやや大きめ)のシェリー熟成ということなんですが、アイラ的なのとはまた違ったコクのある味わいです。 辰巳酒造のクラフトジン 突き出しに絶妙な甘納豆が! ご当地モノが何かないかなと思っていたのですが、カウンターの隅に発見したのがこちらの辰巳蒸留所、クラフトジン。岐阜県の山奥、郡上八幡に蒸留所があります。特徴的なスタイルのボトルなので結構目立ちます。ボタニカルなジンが有名ですが、ウォッカやラムも作っているようです。この蒸留所、何が凄いって辰巳さんという方が一人で運営されているのだそうです。まさに、クラフトスピリッツ!。今回頂いたのはご当地ボタニカルということで岐阜県が誇る「カモミール」を使ったクラフトジン。岐阜県西部の大垣市で主に作られており、なんと全国生産量ナンバーワンだそうです。カモミールというとハーブティーな印象しかありませんでしたが、柑橘系的なフレッシュな味わい。ソーダ割りでお願いしたのですが、ジンの味わいを十分に楽しんでほしいとのことで、ソーダの量が非常に少な目な濃厚なジントニックでした。さて、こちらのマスターですが、とても気さくなイケメンマスターです。嫌味の無いこだわりというのでしょうか。時々いろいろな蘊蓄(うんちく)をお持ちの方もいらっしゃいますが、こちらのマスターは「伝え方」がものすごく上手で、コミュ力が高いです。店内の雰囲気が終始和やかなのもマスターのオーラなのかもしれません。来られている方もマスターの人柄で集まってきてるような感じで、馴染みのお客さんばかりといった印象でした。→→辰巳蒸留所については、こちらのページなどおススメです。 秀逸な一杯。ちょっとびっくりですm(__)m 最後にお願いしたのが、こちら。「あかし」で知られる江井ヶ島酒造(ホワイトオーク蒸留所)のシングルモルト。通常はコンビニなどでも見かける安価なウイスキーのイメージが強くて、あまるモルトファンの中での評判は高くないと思いますが、こちらのバーカウンターに並べてあったのでこれは何かしら理由があるなと思い〆の一杯で頼みました。もちろんストレートで。最近自前のシングルモルトのいくつかのバリエーションを見かけるようになりましたが、こちらの「SAKURA」というのは焼酎樽熟成の赤ワインフィニッシュ。桜というのは、味わいのイメージでしょうか。飲んでみた印象ですが、悪くないです。表現しずらいですが、しっかりしたモルト感のあるボディに赤ワインの甘味がかかっているような感じ。どうしてもコンビニに並んでるイメージが抜けてなくて、素直に美味しい!と言えないのが申し訳ないですが、今までのイメージを覆す逸品であることは間違いないです。 夜も深くなって来たので名残惜しくもありましたが、お別れをしました。でも店内は誰一人として帰る方もおらず、おそらく深夜まで営業されるのかなという感じ。でも一歩外に出ると周りは寝静まっていて、チルネコさんの灯りがあるだけでした。皆さんここを求めてやってくるんでしょうね。こういった地方の街外れの一角にある隠れ家的なバーというのは、個性的で良い店が多いです。店内にいる限りは都心にいるのと雰囲気的にもほとんど違わないというか、ほんとにどこでもドアを開けたような感覚です。岐阜はこちらのバーの他にもいくつか名店級のお店があり、また機会があれば探索に訪れたいと思いました。ありがとうございました。 画像クリックでお店のページへ