ウイスキーを

科学する

蒸留所

ローランドに位置する蒸留所。経営母体はウィリアム・グランド&サンズ社、2007年に同社のGirvanグレーンウイスキー蒸留所の敷地内に設立。同社のブレンド向け原酒供給の意味合いもさることながら、フラッグシップであるグレンフィディックとバルヴェニーの需要増に対応すべく操業を始めた。その特徴は徹底した品質の科学的管理、フェノール値の他にSPPMという甘さの測定指標を導入。更にマイクロ熟成という概念を持ち出し、緻密な熟成管理を実施する。
当初はウォッシュスチル・スピリッツスチル計8基で操業を開始、2013年に規模を倍増させアルコール生産能力は1,400万リットルを誇る。この地には以前(1966年)レディバーン蒸留所があったが1976年に閉鎖した経緯があるが、今回の増強は同社モルトウイスキーの人気の高まりにしっかりと応える形に。アイルサ・ベイでの生産は科学的な管理により、フルーティ/ナッティー/エステリー/スモーキーなど各テイストプロファイルの原酒を必要に応じて「造り出す」ことができるという。
2016年には待望のシングルモルトウイスキーをリリース。ピーティーでスウィートな味わいが特徴。スモーキーのフェノール値(ppm)の他に、スウィートさを測る指標も提示。完全にコントロールされた味わいにを「退屈」と評する向きもあるようだが、老舗の味を守る「守護神」を自認する同社マスターブレンダー、ブライアン・キンズマン氏が自信とプライドをもって世に送り出したハイテク蒸留所のシングルモルトウイスキーだ。
スウィートさを測る「SPPM」という指標!何でも「数字」で表現してしまうのは賛否両論分かれそうですが、その味わいや如何に?
アイルサ・ベイ蒸留所の名前の由来となった、対岸のアイルサ・クレイグ島。この島は冬のスポーツ「カーリング」に使われる「石」の産地として有名で、アイルサ・ベイのシングルモルトボトルの栓にもこの石のかけらが使われているそうだ。
現在ファーストリリースに続いてセカンドリリースも発売されており、アマゾンUKやwhisky exchangeなどのオンラインショップでも販売が確認できる。製品価格は50ポンドくらい。(2021年2月現在)