グレンフィディックは世界でも最もよく知られたシングルモルト・ウイスキーの一つです。緑色で三角形の筒型をした特徴的なパッケージは、スーパーでも見かけることがあります。グレンフィデッィクはゲール語で「鹿の谷」を意味しますが、その名の通り、ボトルのロゴには鹿の顔が描かれています。

グレンフィディックは1887年にウィリアム・グラントにより設立されました。

設立当初は現在のような大規模な蒸留所とは程遠く、少人数でこぢんまりとした家族経営の蒸留所でした。元々は靴職人見習いであったグラントは、モートラック蒸留所で20年間勤務。ウイスキー作りを習得しながら、コツコツ溜お金を貯め自らの蒸留所を作ります。一従業員であった彼には大きな資金も無く、蒸留器などの機材は別の蒸留所の中古品を購入。建屋も家族総出で一つ一つ石を積み上げ、文字通り手作りで完成したそうです。

グレンファークラスと同様、今に至るまでグラント家がオーナーの家族経営。銅で作られた蒸留器のメンテや、熟成用の樽作りも蒸留所内の職人が行います。またグレンフィディックでは、製品出荷のボトリングまでの全工程を自社で行う設備を備えています。お勧めの飲み方としてはは熟成年数ごとの飲み比べ。クオリティの高さと歴史のある銘柄でしかできない贅沢です。

グレンフィディックはまたその「シングルモルト」を最初に世に広めた蒸溜所でもあります。1963年のことです。その始まりは少し意外なものです。それまでが他の蒸溜所と同様にブレンド向けの生産に注力していましたが、グレーンウイスキーの供給でDCL社と問題が起こり、ブレンドウイスキーの生産が困難となってしまいました。その打開策として貯蔵庫に眠っているをそのままボトリングしようというものでした。こうして呼び出されたのが今の緑の三角形をした特徴的なケースに入ったグレンフィディックのシングルモルトなのです。因みにその当時リリースされたのは「8年」で、アイルランドのシャノン空港(*)の免税店向けに限定で出荷された。*同空港は北米とヨーロッパを結ぶ旅客機の中継地として知られます。

シェリー感たっぷりの18年。
IPA熟成。中身ととてもマッチングしてる。スパイシーでキレがある。