"smokey, sweet, and peaty."

ベテラン職人イアン・マッカーサー氏と巡るラガヴーリン。

40年以上の歳月を蒸留所の現場一筋で働き続けるベテラン職人、イアン・マッカーサー氏。両親や親戚の多くも古くからこの蒸留所を支えてきたといいます。氏にとってラガヴーリンのウイスキーとは完成されたもの。したがって、その伝統を護ることが務めであると言います。

アイラモルトの特徴を為す「ピート」(泥炭)。昔は夏に蒸留所の稼働を止めて、泥まみれになりながらピートの「収穫」作業をしたそうです。土を掘り返るだけの単純な作業に見えますが、豪雪地帯の雪かきのようにとても大変な力作業だとみて取れます。

蒸留所にある最も古いカスクは44年モノで、「Lady’s dram」と呼ばているそうです。44年の歳月の中で、スモーキさやピート臭は無くなっていますが、温かくした手に少し垂らして擦ると、スモーキさとピートが「復活」するのだとか。まさに大地と自然の恵みが凝縮したもの、それがアイラウイスキーであり、ラガブーリンなのです。

 

ビジター向けにテイスティングの解説

「ティスティングの時は自分の思ったことを言えば良いんだよ。君の受け取る味と、私の受け取る味は違って当然なんだ。」

ラガブーリンと言えば何と言っても「16年」が代表的。アイラの貴族(”the aristocrat of Islays”)とも形容されます。アイラ特有のピートとスモークを強く感じさせながらも、芳醇でバランスのとれた味が特徴。ひと昔前は6,000円台でも購入できましたが、今では1万円を超す超高級品になっているようです。一時酒屋さんから姿を消したことがって、廃番になったというようなウワサさえ聞きました。年数を重ねた古い樽が需要に追い付かず、ストックが減って来ているからなのか、最近は「8年」の方が広く出回っている気がします。もし「16年」を酒屋さんで1万円未満で見かけたら、間違いなく購入をおススメしたいです。

ラガブーリン蒸留所
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【HISTORY】1816年、John Johnstonにより操業を開始しました。1861年、James Logan Mackieが経営に参画。1867年James Logan Mackie&Co. が蒸溜所を買い取り改装を始めます。1878年にPeter Mackieが入社。1889年にJames が死去した後、甥であったPeterが経営を引き継ぎます。1890年、J.L. Mackie&Co.はMackie&Co. に改名。Peter MackieはラガブーリンをキーモルトとするWhite Horseの輸出に力を入れ始めます。1924年、Peter Mackieが死去。Mackie&Co.はWhite Horse Distillersに改名。1927年に同社はDistillers Company Limited(DCL)の傘下になりました。現在はディアジオ社傘下の中核蒸留所として運営されています。