スコットランド最北端に位置する町ウィックに蒸留所は位置します。
かつては陸の孤島で、原料である大麦の搬入や、ウイスキーの出荷は船を頼りにしました。
ニシン漁で栄えたこの町に蒸留所ができたのが1826年のこと。
「プルトニー」の名前はウィックに港を建設し、繁栄の礎を築いたプルトニー卿に由来します。
最盛期のウィックの町は、金の樽と銀の樽で溢れると言われました。
すなわち、金の樽は「ウイスキー」、銀の樽は荷揚げされた「ニシン」のこと。
北海に面する蒸留所の倉庫で熟成したウイスキーは、独特の磯の香りと塩辛さがあります。
ウイスキーのボトルも首がズングリとした特徴的な形状で個性をアピール。
禁酒法の影響による需要の落ち込みにより、蒸留所は1930年から約20年間閉鎖。
冬の時代を経て、1951年に再稼働。世間の注目を浴び始めたのは、現在のオーナーであるインバーハウス社が蒸留所を運営し始めた1995年からになります。
「12年」「17年」「21年」と主力ラインアップを増やし、特に「21年」は2012年の年間最優秀賞を獲得するなど高い評価を得ています。
地理的にはハイランズに属しますが、風味はアイランズ系。
とはいえ、アイラモルトのピートとも違う一風変わった個性派ウイスキー。
北海の海と、磯の香を想像しながら頼みたい銘柄です。