1992年にブライアン・クルック氏により設立されたボトラーズカンパニー。拠点はグラスゴー市内。クルック氏はボウモア蒸留所でウイスキーの研鑽を積むなど経て独立。現在は同氏の子息であるアンドルー、カロライン、キムらも会社の経営に参加するなど体制的には家族経営のオーナー会社のようです。看板銘柄はフラッグシップのフィンラガン、シングルカスクのクーパーズチョイス、そしてアイラストームでしょう。いずれもアイラ島のウイスキーを使用しており、ピーティーな味を特徴とするウイスキーのラインアップです。

姉妹会社としてThe Highlands & Islands Scotch Whisky Co社があり、アイーリーク(Ileach)や、Black Cuillin、Pibrochなどのブランドで知られています。

アイラ島でラム酒造りを始めました!

ベン・イングリス氏

数年前にはアイラ島に土地を取得し、念願であったウイスキーの生産を計画します。ところがある青年との出会いがきっかけとなり、進路は切り替わります。その青年はベン・イングリス(Ben Inglis)、アイラ島育ちの彼はラム酒の製造をスタートアップで実現しようとしていました。お互いが連携してアイラ島でのラム酒造りを目指すことで一致し、Islay Spirits Companyが誕生、ポートエレンにあった旧レモネード製造工場を改修して事業が始まります。そして2022年、ようやく工場稼働にたどり着きました。カリビアンスタイルのユニークな形づくた蒸留器を用いて、少量生産の高品質なクラフトラムをスコッチウイスキーの聖地ともいわれるアイラ島にて生産します。

アイラ島初のラム酒!

最初のリリースは「Geal」と名付けられたホワイトラムでした。コンペで受賞をするなど評判は上々でしたが、皆が期待をしていたのはもちろんアイラらしさ、そう、あのピートの香りです。しかし、ラムにアイラピートを加えるのは容易な技ではありませんでした。最終的に考えられたのは、アイラのスパイスをピートで焚いて、それをホワイトラムにマセレート(漬ける)すること。期間的には1月半くらいのようです。こうすることでスモーキーなフレーバをラムの中に閉じ込めることに成功したようです。また、蒸留したラム酒の熟成はまだ始まったばかりだとのこと。これから熟成を重ねることで、更に興味深いラム酒のリリースが出てくるものと思われます。

参照記事:ザ・ヘラルド紙の次の記事を主に参考にしています。

The story of the first rum distillery on Scotland’s ‘whisky island’